マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因とは?影響や予防法を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は矯正装置が目立ちにくいなどメリットが多い治療法ですが、歯茎が下がることがあるというデメリットが挙げられます。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の矯正治療中に「歯茎が下がってきた」「歯が長く見えるような気がする」と感じる方もいるかもしれません。
では、どのようなときにマウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がるのでしょうか。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がる原因について解説します。歯茎が下がることによる影響や歯茎が下がるのを予防する方法についても解説しますので、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中の方や治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がるケースとは?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で矯正治療をすると、誰もが歯茎が下がるというわけではありません。
次のようなケースの場合、歯茎が下がる可能性があります。
歯茎が薄い
歯茎の厚みには個人差がありますが、日本人は比較的歯茎が薄い方が多いです。
歯茎が薄いと歯を支える力が弱くなり、歯茎が下がりやすくなります。歯列矯正では顎の骨の吸収と生成を繰り返すことで歯が動くため、歯茎の薄さは影響されやすいといえます。
特に、ふだん強い力で歯磨きをしている方や、やせ型の方は歯茎が薄くなりやすいです。
歯周病の悪化
歯周病は歯と歯茎の間にある歯周ポケットという溝に細菌が入り込み、炎症を引き起こす病気です。
歯周病になると、歯茎が下がることがあります。さらに進行すると歯が抜け落ちることもあるため、早期に治療を受けることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)中はマウスピースを装着して歯を動かします。マウスピースのお手入れを怠ると細菌が繁殖しやすくなり、歯周病になるリスクが高まるでしょう。
歯列を拡大する場合
歯列矯正で歯列を拡大する必要がある場合、歯茎が下がりやすくなります。歯列を拡大しなければならないケースとは、叢生や受け口、出っ歯など、歯を綺麗に並べるスペースがないような症例が該当します。
歯列矯正では歯に力をかけ、骨の吸収と再生を利用して少しずつ歯を動かします。歯列を拡大した際に骨の再生が追いつかなくなると歯茎が下がることがあるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がる原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因は、いくつか考えられます。歯茎が下がらないように予防するためには、歯茎が下がる原因を知ることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因は、以下のとおりです。
マウスピースを正しく装着できていない
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療では、最初に立てた治療計画に基づいてマウスピースを作成します。そして、その治療計画は、マウスピースを正しく装着していることを前提としています。
マウスピースは1日20〜22時間装着する必要があり、装着時間が短いと計画通りに歯を動かせません。治療計画にズレが生じているにも関わらず、新しいマウスピースを無理に装着すると、歯や歯茎に過剰な力が加わり、歯茎が下がることがあるのです。
誤ったブラッシングをしている
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で使用するマウスピースは、歯磨きの際に取り外すことができます。そのため、マルチブラケット装置を用いた矯正治療いわゆるワイヤー矯正に比べると綺麗に歯を磨くことができ、虫歯や歯周病が起こりにくいというメリットがあります。
しかし、歯磨きを綺麗にできていなければ、虫歯や歯周病になり、歯茎が下がることがあるのです。また、虫歯や歯周病を予防するために強い力で歯を磨くと、歯茎を傷付ける可能性があります。強い力で歯を磨き、歯茎を傷つけると歯茎が下がる原因になるのです。
歯科医院では正しいブラッシング方法の指導も行っています。ブラッシング指導を受けて正しい歯磨きの仕方を身につけましょう。
マウスピースを不衛生にしている
マウスピースのケアを怠り不衛生な状態だと、細菌が繁殖して虫歯や歯周病の原因となります。虫歯や歯周病になると歯茎が下がる可能性があるのです。
マウスピースを清潔な状態に保つためには定期的に洗浄する必要があります。また、食事のあとは歯を磨いてからマウスピースを装着しましょう。
マウスピースを洗浄する際は水を使用してください。熱いお湯で洗うとマウスピースが変形する可能性があります。また、歯ブラシを使用するときは毛の柔らかいものを使用しましょう。
歯茎が下がるとどのような影響がある?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がると、見た目や口腔内の健康にさまざまな影響を与えます。
歯茎が下がることで起こる影響は、以下のとおりです。
見た目が悪くなる
歯茎が下がると、その分歯が長く見えることがあります。歯茎が下がると老けた印象になる可能性もあるでしょう。
また、歯茎が下がることで歯と歯の間に「ブラックトライアングル」という三角形の隙間ができることがあります。ブラックトライアングルも見た目に影響を与えるでしょう。
下がった歯茎は自然に戻ることは難しく、専門的な治療を受けなければなりません。矯正で歯並びが綺麗になっても歯茎が下がると、異なるコンプレックスが生まれる可能性があります。
虫歯や歯周病のリスクが高くなる
上述のとおり、歯茎が下がると歯が長く見えることがあります。歯が長くなるということは、歯の露出する部分が多くなるということです。そうなると、歯が細菌に触れるリスクが高まります。
本来であれば歯肉に守られている歯の根元部分は、露出している部分よりも柔らかく、デリケートであるため、虫歯や歯周病になりやすいといえます。
また、歯茎が下がってできたブラックトライアングルには食べ物が詰まりやすいです。そのため、しっかりと歯磨きをしないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。
知覚過敏になる
歯の根元部分はエナメル質に覆われていません。歯茎が下がって根元部分が露出すると、象牙質がむき出しの状態になります。すると、外部からの刺激によって知覚過敏の症状が現れるようになるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がるのを予防する方法
上述のとおり、歯茎が下がるとさまざまな影響があります。そのため、歯茎が下がらないように予防することが重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がるのを予防する方法は、以下のとおりです。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの装着時間は1日20〜22時間であり、食事や歯磨きのとき以外は装着することが推奨されています。
マウスピースを毎日決められた時間装着し、治療計画通りに歯を動かすことができれば歯茎が下がるリスクを抑えられるでしょう。
マウスピースの装着時間を守れなかった場合は、新しいマウスピースに交換する前に、歯科医師に相談してマウスピースの交換時期を調整するなどの対処が必要です。
口腔内とマウスピースを清潔に保つ
口腔内やマウスピースを不衛生にしていると、細菌が繁殖して虫歯や歯周病になるリスクが高まります。上述のとおり、虫歯や歯周病になると歯茎が下がる可能性があるため、日頃から丁寧に口腔内のケアを行うことが重要です。
また、定期的に歯科医院を受診して口腔内の状態の確認やクリーニングをしてもらうとよいでしょう。
加えて、マウスピースのお手入れも大切です。汚れが付着したマウスピースを長時間装着すると虫歯や歯周病の原因になります。食後に歯磨きをするときに水道水などで汚れを洗い流しましょう。また、定期的に洗浄剤を使用すると、目に見えない細菌も除去できます。
マウスピースの不具合を放置しない
マウスピースの不具合を放置すると、治療が計画通りに進まず、歯茎が下がる原因になる可能性があります。マウスピースが破損していると、歯茎を傷付けることもあるでしょう。
マウスピースを装着したときに痛みや違和感がある場合は何らかの不具合が生じているかもしれないため、放置せずに歯科医師に相談してください。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因や予防法について解説しました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に虫歯・歯周病になった場合や、誤ったブラッシングをしている場合に歯茎が下がる可能性があります。歯茎が下がると見た目が悪くなるだけでなく、知覚過敏になるなどのリスクもあります。
歯茎が下がるのを予防するためには、しっかりと口腔ケアを行い、虫歯・歯周病を予防することが大切です。歯科医院ではブラッシング方法を指導してもらえるので、指導に沿って日頃からケアを心がけましょう。
また、矯正期間中は定期的に歯科医院を受診して、口腔内にトラブルが起こっていないか確認してもらうことも重要です。定期的に歯科医院を受診していれば口腔内にトラブルが起こっていても早期発見・治療ができ、歯茎が下がるのを予防できるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
アタッチメントが外れる原因について
アタッチメントとは、歯の表面に付ける歯に近い色のコンポジットレジン(合成樹脂)の突起物のことです。歯に何も付いていない状態の場合と、歯の表面にアタッチメントが付いている状態の場合を比較すると、アタッチメントが歯の表面に付いている方が、マウスピース(アライナー)の保持力が向上され、より精密に歯を動かすことができます。
マウスピースを外しているときは、アタッチメントは歯の表面に付けるため、唇や舌が触れると、ボコボコして少し違和感がありますが、ほぼ1日中マウスピースを装着しているため、あまり気になりません。見た目も歯の色に近い色をしているため、ほとんど目立ちません。アタッチメントを付けることによって、歯に加わる矯正力を強め、効率的に歯を動かすことができます。
アタッチメントが外れる原因
アタッチメントの周りに汚れが溜まる
アタッチメントは歯の表面に付いており、歯の裏側にも付けることがあります。アタッチメントがボコボコしているため、アタッチメントの周りに汚れが溜まりやすくなり、だんだん劣化する恐れがあり、外れる原因になる可能性があります。歯磨きは、マウスピースを装着する前に、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って丁寧に磨き、口腔内を清潔にしてから、マウスピースを装着しましょう。
しかし、ゴシゴシと強く磨きすぎると、アタッチメントが外れる可能性があるので注意してください。
マウスピースの着脱方法
誤った着脱方法で行ってしまうと、アタッチメントが外れる可能性があるため、正しい方法で着脱を行うようにお願いいたします。
マウスピースを外すときは、奥歯から前歯の順番に外してください。奥歯の内側から指で引っ掛けて、奥歯を外します。奥歯が外れたら、犬歯部分から指で前歯を外してください。
無理矢理マウスピースを引っ張ったり、勢いよく外してしまうと、アタッチメントが一緒に外れてしまうことがあります。片方から無理に引っ張ろうとすると、マウスピースが変形したり、破損する可能性があるので、必ず両手で正しい外し方で行ってください。
マウスピースを装着するときは、前歯から奥歯の順番で装着してください。そして、必ず指ではめるようにお願いいたします。噛んではめてしまうと、マウスピースが変形したり、破損したりまたはアタッチメントが外れる可能性があります。
マウスピースの着脱は、歯並びのガタガタがひどい場合は、着脱が難しくなります。
しかし、着脱に慣れるまでは少し時間はかかりますが、正しい着脱方法でたくさん練習していただくと、着脱も苦にはなりません。着脱方法に関して、難しいこと・分からないことがあれば、気軽にスタッフへお声掛けしていただくか、医院へご連絡をお願いいたします。
補綴物(ほてつぶつ)(銀歯やセラミックなどの人工歯)
銀歯やセラミックなどの補綴物は、治療していない歯(天然歯)と比べて、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れやすくなります。歯科用接着剤は、歯のエナメル質に接着しやすくできているため、金属やセラミックといった補綴物は、歯科用接着剤と相性が悪く、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性があります。補綴物の歯にアタッチメントを付ける場合は、専用の接着剤を使用したり、歯の表面を粗造(そぞう)(ざらざら)にするために少し削らせていただくことがあります。また、矯正治療中は仮歯をつけていただき、矯正治療が終わった後に、補綴物をいれていただくこともあります。
食事
アタッチメントは、食事中に外れることが多いです。食事のときはマウスピースを外しているため、アタッチメントに直接接触しやすく、外れてしまうことが多いです。特に硬い食べ物や、ギシギシ噛むようなもの、粘着性のある食べ物などを食べるとアタッチメントが外れやすいです。これらの食べ物は、アタッチメントだけでなく、ブラケットやその他の矯正装置も外れる可能性がありますので控えるようにお願いいたします。
硬い食べ物
氷・飴・せんべい・りんご・フランスパン・ナッツ類・トウモロコシ 等
ギシギシ噛むもの
カルパス・ビーフジャーキー・スルメ 等
粘着性のある食べ物
キャラメル・チューイングガム・おもち 等
歯ぎしりや食いしばり、TCH
TCHとは、”Tooth Contacting Habit”の頭文字をとったものです。意味は、”上下の歯を無意識にくっつけている癖”(歯列接触癖)のことをいいます。TCHや歯ぎしり、食いしばりは、無意識のうちに起きてしまうことが多いです。皆さんは、平常の安静時に上下の歯が接触していませんか?
平常の安静時は、上下の歯は2~3㎜ほど空いているのが正常な状態であり、上下の歯が接触するのは、食事の時と会話の時だけです。特に歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯槽骨に伝わる力が大きく、それ以外にお口の筋肉や顎の関節に大きな負担がかかります。TCHや歯ぎしり、食いしばりがあると、口腔内の状態は歯が摩耗し、しみるようになったり(知覚過敏)、歯にひびが入ったり、歯が破折してしまうこともあります。
また、歯肉や歯周組織に炎症が起こり、歯周炎を進行させたり、顎の関節や筋肉に力が加わることで、顎関節症や咬筋の筋肉痛などが起こる可能性があります。そして、アタッチメントやその他の矯正装置にも影響し、外れてしまうことがあります。食いしばりや歯ぎしりを改善する方法は、唇を閉じた状態で歯を離す感覚を覚えることです。「唇を閉じて、上下の歯を離し、力を抜く」ということを意識してみてください。また、ストレスも原因の1つのため、ストレスを解消することも重要になります。
歯ぎしりや食いしばりを自覚している方は、日常生活で目に入りやすい場所(冷蔵庫・洗面台・トイレなど)に貼り紙をしておくこともいいかもしれません。歯ぎしりや食いしばり・TCHを改善することで、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性が少なくなり、知覚過敏が減少し、歯の寿命も延び、また顎の筋肉とお口の周りの筋肉の緊張やこわばりから解放されるということが報告されています。
接着不良
アタッチメントが外れる原因として、アタッチメントの接着不良があります。アタッチメントを装着する場合、アタッチメントを付けるための”アタッチメントテンプレート”というものがあります。これは、当院では医院側が使用するものになるため、患者様にはお渡しせず、こちらでお預かりさせていただいています。アタッチメントテンプレートとは、アタッチメントを歯に付けるための専用のマウスピースです。
患者様が使用するマウスピースと比べて、薄くやわらかい素材になっています。そのアタッチメントテンプレートにレジンを注入し、アタッチメントテンプレートを歯に装着し、歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、しっかり圧接した状態で光照射器を使ってレジンを硬化させます。
しかし、圧接不足やレジンの量が少ない場合、歯とアタッチメントの間に隙間ができてしまい、アタッチメントが少し浮いた状態で装着されてしまいます。そのため、アタッチメントが外れやすくなってしまいます。そして、マウスピースが浮いてしまう原因にもつながってしまう可能性があるため、レジンを適量注入し、しっかりと歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、圧接しながらアタッチメントを装着することが大切です。
これらの原因によって、アタッチメントが外れてしまう可能性があります。
外れてしまった場合、再装着する場合があります。また、分からないことや困ったことがあれば、
当院へご連絡をお願いいたします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に違和感を覚えたときの対処法を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、目立たない歯列矯正として人気を集めており選ぶ方が増えています。
しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に違和感を覚える方も少なくありません。矯正中に違和感があると、不安になることや、最後まで矯正を続けられるか心配になることもあるでしょう。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の違和感について詳しく解説します。違和感を覚えたときの対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中はどのような違和感を覚えやすい?
矯正中の違和感は人によって異なりますが、以下の5つの違和感を覚えやすいです。
・マウスピースに慣れない
・歯が締め付けられるような感覚がある
・噛み合わせが合わない
・吐き気がする
・歯ぐきが痛む
詳しく解説します。
マウスピースに慣れない
矯正を開始し、初めてマウスピースを装着したときに違和感を覚える方は多くいらっしゃいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は非常に薄いものですが、お口の中は敏感なので違和感を覚えることがあるのです。
これから毎日装着できるのか不安に思うかもしれませんが、ほとんどの方が3日~1週間ほどで違和感を覚えなくなるので安心してください。
歯が締め付けられるような感覚がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、歯が締め付けられているような違和感を覚えることがあります。マウスピースを装着すると、歯を動かしたい方向に大きな力が加わるからです。
これは歯が動いている証拠でもあるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正において正常な反応です。この違和感も2~3日ほどでなくなることが多いので心配ありません。
噛み合わせが合わない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中は、噛み合わせが合わない感覚や、噛み合わせが高く感じることがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は非常に薄く、1枚0.5mm程度です。
しかし、上下の歯にマウスピースを装着すると1mmほどの厚さが生まれるため、噛み合わせが高く感じるなどの違和感を覚えることがあります。この違和感も3日~1週間ほどで慣れてくるでしょう。
吐き気がする
マウスピースを装着することにより、嘔吐反射で吐き気がする方がいらっしゃいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正で使用するマウスピースは非常に薄いため、嘔吐反射は起きにくいですが、もともと嘔吐反射が強い傾向にある方は吐き気がする可能性があります。
マウスピースを少し短くカットしたり削ったりすることで違和感を少なくできます。吐き気がする場合は歯科医師に相談して対処してもらいましょう。
歯ぐきが痛む
矯正中に歯ぐきが痛む場合があります。原因はマウスピースの縁が歯ぐきに当たっている場合が多く、この場合はマウスピースの縁を少し削ることで違和感が解消されます。
ただし、自分でヤスリなどを使用して削ることは難しいため、歯科医師に相談して調整してもらいましょう。マウスピースを調整しても歯ぐきの痛みが消えない場合は、歯周病が原因の可能性も考えられるので検査を受ける必要があります。
矯正中に違和感を覚えやすいタイミング
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、以下の5つのタイミングで違和感を覚えやすいです。
・治療を始めたとき
・マウスピースを交換したとき
・マウスピースの装着を怠っていたとき
・アタッチメントをつけたとき
・マウスピースを外したとき
詳しく解説します。
治療を始めたとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を始めたときは、誰でも違和感を覚えるでしょう。初めは違和感があっても、しっかりと装着を続けていれば1週間ほどで慣れて違和感はなくなります。
マウスピースを交換したとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯並びに合わせて10日~2週間に一度新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。
新しいマウスピースは今よりも少し歯並びが整った状態のマウスピースであり、今の歯の位置と差があるため違和感が生じます。歯が計画通りに動き、マウスピースに合うようになると違和感は治まります。
マウスピースを交換したときは毎回違和感が生じますが、歯並びが整ってくると改善されるでしょう。
マウスピースの装着を怠っていたとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正では、マウスピースの装着を数日怠ると、久しぶりに装着したときに違和感を覚えます。
もとの歯並びに戻ろうとする力が働くため、数日マウスピースを装着していないだけで歯が少しずつ元の位置に戻ろうと動きます。そのため、マウスピースと歯並びの差が生じて違和感が出るのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正は、1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。基本的に食事や歯磨きを行う時間以外は装着することが推奨されています。マウスピースの装着を怠ることは、計画通りに治療が進まなくなる原因にもなるため注意が必要です。
アタッチメントをつけたとき
アタッチメントとは歯につける小さな突起物で、歯の向きを細かく調整する場合などに使用します。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正におけるアタッチメントは、歯並びを整える過程で重要な役割を持ちます。
アタッチメントをつけた当初は違和感が出ますが、数日で慣れることが多いでしょう。
アタッチメントが口の中の粘膜に当たって、口内炎や痛みが出る場合もあります。その場合は歯科用ワックスなどを使用して突起物を覆って保護しましょう。
歯科用ワックスは歯科医院で販売されていることが多いので、歯科医師に相談してみましょう。
マウスピースを外したとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正は、マウスピースを1日のほとんどの間、装着して過ごします。そのため、治療に慣れてくるとマウスピースを外したときに違和感を覚えることがあります。
マウスピースを装着しているときと外しているときには噛み合わせの差が生まれますが、歯並びが整ってくると外したときの違和感も少なくなるでしょう。
矯正中の違和感が続く期間
ここまで解説してきたように、矯正中の違和感にはさまざまな理由があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始めたときや新しいマウスピースに交換したとき、アタッチメントを付けたときなどに違和感を覚えることは避けられません。
しかし、その違和感が続く期間は3日から長くても1週間程度です。痛みがずっと続くわけではなく、日にちが経てば治まります。1週間以上痛みや違和感が続く場合は、ほかに原因がある可能性があるので放置せずに歯科医師に相談しましょう。
矯正中に違和感を覚えたときの対処法
矯正中に違和感を覚えたときの対処法は、以下の3つです。
・マウスピースを外す時間を作る
・痛み止めを服用する
・硬い食べ物を避ける
詳しく解説します。
マウスピースを外す時間を作る
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始めてすぐは痛みに慣れていないため、数時間ごとにマウスピースを外して徐々にマウスピースの違和感に慣れていくことが大切です。
ただし、装着時間を大きく減らすことは避けてください。治療が失敗してしまう可能性があるため、あくまで少し休憩するような感覚でマウスピースを外す時間を作りましょう。少なくとも1日20時間はマウスピースを装着する必要があります。
痛み止めを服用する
どうしても痛みが我慢できない場合は痛み止めを服用しましょう。可能であれば、歯科医院で処方してもらった痛み止めを使用してください。
市販の痛み止めでも効果はありますが、歯の移動を遅らせる可能性がある成分が入っていることがあります。一時的に使用するだけなら問題ありませんが、できれば歯科医院で処方してもらった痛み止めを服用しましょう。
また、痛み止めは用法容量を守って正しく服用することが大切です。
硬い食べ物を避ける
硬い食べ物を噛むと、痛みを感じることがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中は、歯の根っこにある歯根膜が敏感になっているためです。
痛みや違和感が強い日は、硬い食べ物を避けて食べやすいものを選びましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正は、歯が動くことで痛みを伴うことが多いです。全く違和感が出ないわけではありません。矯正を始めたときや、マウスピースを交換したときに違和感を覚えることが多いでしょう。
矯正の違和感は3日~1週間程度で治まるため、不安になることはありません。痛みが我慢できない場合は痛み止めを服用する、治療に影響がでない程度にマウスピースを外すなどして対応しましょう。
痛みが1週間以上続く場合はほかの原因が考えられるため、歯科医師に相談することも大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
妊婦さんでも矯正治療はできる?パート2
妊娠中の歯列矯正治療のリスク
①妊娠中のレントゲン撮影のリスク
妊娠していると、レントゲン撮影時の放射線の被ばくが気になる方もいるのではないでしょうか。
歯科でのレントゲン撮影には、胎児にほとんど影響はないとされているのでレントゲン撮影は可能です。ですが、心配な場合は担当の歯科医師に相談をすると良いでしょう。
歯科のレントゲン撮影ではお口の中を撮影するため、赤ちゃんのいるお腹と距離があります。また、放射線を遮断する鉛の防護エプロンを着用してレントゲン撮影を行います。
近年のレントゲンはデジタル化が進み、放射線被ばく線量は格段に減少しています。
【歯科でのデンタルレントゲン撮影の被ばく量】
・ 歯科用CT :0.06m㏜
・ お口全体のレントゲン写真 (パノラマ):0.02m㏜
・ 歯の一部のレントゲン写真 (デンタル):0.001m㏜
例えば、飛行機で東京とニューヨーク間を往復すると約0.2m㏜の被ばく量があります。これは、歯科のデジタルレントゲン撮影の被ばく量と比べると多いということが分かります。
私たちは、普段の生活で自然放射線を世界平均だと年間2.4m㏜の放射線を被ばくしています。日本平均だと2.1m㏜になります。
お腹の中の赤ちゃんに影響あるとされている放射線量は50m㏜です。
これらの事から、歯科でレントゲン撮影を行っても赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。
ですが、100%安全とは言い切れません。妊娠中は、レントゲン撮影を控えておいた方が良いという先生もいます。大丈夫だと言われても不安に思う方もいると思います。担当の歯科医師とよく相談をしてからレントゲン撮影を行うのか決めましょう。
特に歯列矯正開始前は歯や骨の状態を見るために、レントゲン撮影は必ず必要になります。レントゲン撮影を行わないと歯列矯正を始めるのは難しいです。もしかすると、レントゲン撮影を行わなくても歯列矯正を始めることができるという歯科医師もいるかもしれません。レントゲン写真が無い場合だと、適切な診断が行えず歯列矯正治療が失敗してしまう可能性があります。
もし、妊娠中に歯列矯正を始めたいという方はお腹の中の赤ちゃんに影響が出やすい妊娠初期を避けてレントゲン撮影を行うようにしましょう。
②妊娠中の抜歯のリスク
妊娠中は、抜歯(ばっし)のリスクも高くなりやすいです。
妊娠している間は、妊娠性高血圧や妊娠糖尿病になる可能性があり、これらが抜歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
糖尿病の症状がある場合、抜歯後の傷の治りが悪くなりやすいです。高血圧の症状がある場合だと、局所麻酔の使用や抜歯中に血圧が上がり危険になることもあります。
抜歯後、なかなか痛みが引かない事や血がなかなか治らないなどのトラブルが発生した時に、服用することができる薬も限られます。なので、妊娠中の抜歯は出来る限り避けた方が良いでしょう。
③妊娠中のアンカースクリューのリスク
歯列矯正でアンカースクリューというチタン製の小さなネジを使用することがあります。アンカースクリューを用いることで、治療の進行が速くなる場合や難しい歯の動きが可能になり治療が行いやすくなります。
アンカースクリューを打つ時は局所麻酔を使用しますが、局所麻酔自体はその部分にのみ作用するものなので妊娠中でも心配の必要はほとんどありません。
抜歯と比べるとアンカースクリューを打ち込む時に必要な局所麻酔の量も少ないため、比較的に安全に行えるでしょう。
歯科医院で局所麻酔薬として主に使用されているのが、「リドカイン(キシロカイン)」です。産婦人科で、処置に内容によって局所麻酔を使用する場合があり、その際に使用されているものと同じ種類になります。リドカインはお腹の中の赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。
④歯肉炎や虫歯になるリスク
妊娠中は、唾液の分泌低下や女性ホルモンバランス、つわりなどの影響により妊娠性歯肉炎(にんしんせいしにくえん)や虫歯になるリスクが高くなります。
特にワイヤー矯正の場合、装置の間に食べ物がはさまったり、歯磨きが行い辛く磨き残しが溜まっていくと歯肉炎や虫歯になりやすいです。
妊娠中はつわりで歯磨きが出来ない方もいます。ワイヤー矯正中、つわりで歯磨きができないと、さらに食べかすやプラークが歯に溜まってしまいます。
妊娠中は、吐き気やめまい・疲労感など体調が安定しない事も多くあり、生活習慣が乱れがちになります。つわりがひどい方だと、歯ブラシがお口の中に入る刺激で吐いてしまう場合もあります。どうしても歯磨きが行えない場合は、お口の中を清潔に保つために次の方法をおすすめします。
- ○体調が安定しているときに歯を磨く
○ワンタフトブラシ(先が細く1本のブラシ)を使用する
○夜寝る前の歯磨きだけは丁寧に行う
○マウスウォッシュ(うがい薬)を使用する
○お水を飲む
歯列矯正をしていなくても、歯はきれいに保つことをおすすめします。
歯磨き不足で妊娠性歯肉炎になり、そのまま放置しておくと歯周病に進行し、低体重未熟児や早産のリスクが高くなります。
妊娠性歯肉炎は普段の歯磨きで改善することができます。
歯磨きをしっかり行い、お口の中を健康に保つことが大切です。
妊娠している場合、安全に使用できる痛み止めを服用する必要があります。
痛み止めだけに限らず、妊娠中は服用できない薬もあるため、自己判断をせず担当医師に相談するようにしましょう。
歯列矯正をするにあたり妊娠前に済ませておいた方がいい事
妊娠中に歯列矯正を始めることは可能です。
しかし、事前にしておいた方が良いこともあります。
①かかりつけの歯医者さんを探しておく
妊娠中は、妊娠性歯肉炎や虫歯になるリスクが高くなります。
女性ホルモンの変化で特定の細菌が増えやすくなったり、つわりの影響で歯磨きが行いづらくなることがあります。
お口の中のトラブルは母体だけでなくお腹の中の赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに治療することをおすすめします。
また、定期的に歯医者さんに通うことで虫歯などの早期発見・早期治療にも繋がります。
②レントゲン撮影を済ませておく
歯列矯正を始めるには、レントゲン撮影が必ず必要になります。
治療方針を考えるために、歯列矯正を行う前の歯や骨の状態を確認しなければなりません。
歯医者さんで行うレントゲン撮影の被ばく量は微量ですが、お腹の中の赤ちゃんが影響を受けやすい妊娠初期は控えたほうが良いでしょう。
まとめ
妊婦さんの方でも歯列矯正をすることは可能であり、実際に患者さまにもおられます。
ですが、妊娠をしていない時と比べるとさまざまなリスクや注意が必要となります。
妊娠中はご自身の体調を優先し、一時的に治療を中断するなど担当の歯科医師とよく相談をして無理のない範囲で治療を進めていくようにしましょう。
また妊娠中は、お口の中のトラブルが多くなります。そのため、お口の中のケアは妊娠前の時よりも気を遣う必要があります。体調が安定しない時もあると思いますが、お口の中を清潔に保てるよう心がけましょう。
学校歯科健診で歯列・咬合を指摘されたら
小中学校生の保護者の皆様へ
新学期が始まると神戸市では学校歯科健診が行われます。
学校歯科健診には主に3つあります。
1.春期歯科健診 4月から6月におこなわれます。(高校は春期のみ)
2.秋期歯科健診 10月頃におこなわれます。秋期の健診では、歯列・咬合・顎関節の検査なし。
3.就学前健診 次年度入学児童について前年の11月におこなわれます。(小学校)
では、学校歯科健診とはどんなことをチェックしているかご存じですか?
気になっている保護者の方もおられると思いますので、今回は、学校歯科健診についてお話します。
学校歯科健診の目的
学校歯科健診では、児童・生徒のお口の中をみて虫歯などがないかを視診(目で見て行う診療)し、問題があった場合は健診用紙にチェックが入ります。
健診手順は、『歯肉の状態』『歯列・咬合・顎関節の状態』・『歯垢の状態』を程度によって「0」「1」「2」で判定しています。お子様が用紙を持って帰ってきたらどこにチェックが入っているか確認してみてください。
しかし、学校内での歯科健診は歯科医院での検査と違い、設備(照明や器具)時間(短時間に大勢をみる)ため、判定基準をもとにおおまかなチェックになり検査や説明は行っておりません。
始めに、学校歯科健診と歯科医院での健診の違いを簡単に説明します。
|
学校歯科健診 |
歯科医院での検査 |
対象 |
集団 |
個人 |
目的 |
今のお口の中の健康状態をみる |
治療や予防処置 |
環境 |
照明や機器などなく設備上制限がある |
十分な明るさの照明・専用の器具・レントゲンなどの設備が整っている |
結果 |
スクリーニング(ふるいわけ) |
確定診断 |
このように、歯科医院での検査とは全く異なります。
では、学校歯科健診で『歯列・咬合・顎関節の状態』の判定とチェックが入った場合どのような事か説明します。
『歯列・咬合・顎関節の状態』とは、歯並び・噛み合わせ・顎の関節等のことです。
まずは、判定基準から説明します。
判定基準
学校歯科健診での歯列・咬合の判定は、学校歯科医会による判定基準により
・異常なし=0
・定期的な観察が必要=1
・専門医(歯科医)による診断が必要=2
上記の3つに分けられます。
当院の先生も学校歯科健診の時は、この判定基準に従って行っていますが、
1 は矯正治療の対象となる不正咬合
2 は比較的重度の不正咬合
と矯正専門医として考えられております。
また、レントゲンが必要な状態(生まれつき永久歯が欠けているのか、生えてくるのが遅いのかを区別することなど)は、学校歯科健診の視診(目で見て行う診療)だけでは判断できないことをご理解ください。
お子様が学校からもらってきた検診結果に“不正咬合(歯並びに問題がある)”にチェックが入り通知されたら、あわててしまうかもしれません。
しかし、不正咬合のなかには今すぐ矯正治療をする必要がない場合もあります。小学生(成長期)の不正咬合は、最適な治療開始時期が異なるからです。不正咬合(歯並びに問題がある)にチェックがある場合は、一度、矯正治療専門の当院にご相談ください。
歯並びの相談は初回無料で行っております。今すぐに治療が必要でない場合は、最適な時期がくるまで、かかりつけの歯科医院で定期的に通院をしていただくことをおすすめしています。
学童期(小学生)は、乳歯から永久歯への生え変わりがあり、お口の中がどんどん変化します。低学年のお子様は、自分では正しい歯磨きの仕方が出来ていないことが多いので、保護者の方が丁寧に仕上げ磨きをするようにしましょう。
仕上げ磨きをしていることで、お子様のお口の中の状態を把握でき、虫歯や乳歯のグラつき、乳歯から永久歯に生え変わる時など早くに気づくことが出来ます。特に生えかけの永久歯は虫歯になるリスクが高いので、特に注意が必要です。
仕上げ磨きの際の歯ブラシの持ち方は、軽い力で磨けるペングリップ(鉛筆の持ち方)でしてあげるといいと思います。
また、中高学年のお子様をお持ちの方は、出来れば永久歯が生えそろう12才頃、小学校を卒業するぐらいまで仕上げ磨きがを行うのが理想だと思います。が、現実はなかなか難しいでしょう。お子様が嫌がらないようなら中学生になっても仕上げ磨きをしてあげてください。
嫌がるようや自分で磨いているお子様でも時々は口の中を観察してあげるといいと思います。毎日じゃなくても週に一度ぐらいでも大丈夫です。歯磨きしていると思ってもまだ上手に磨けてなかったりもします。特に中学生になると部活も始まり、学校に習い事など小学生の時と生活のリズムも不規則になり変化します。お子様も忙しくなりきちんと磨けなかったりします。
当院でも、通院されている患者様で、小学生の時はお口の中が綺麗だったのに、高学年、中学生になって急に歯茎が腫れていたり、口臭や歯石がついていたりすることに気づくことがあります。
まずは、お子様にあった正しい情報を得ること知ることが大切です。周りの人の話だけではそれぞれの症状にあった正しい情報を得るのは難しいと思いす。できましたら矯正専門の医師に相談することをお勧めします。
ふじよし矯正歯科クリニックでは、正しい情報をお伝えするために歯ならび無料相談を設けています。歯ならび無料相談で、正しい情報を得た上でどうされるか考えていただくことをお勧めします。
歯ならび無料相談は初回の方が対象になります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断したらどうなる?リスクを解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、取り外し可能な透明なマウスピースを使用した方法です。その快適さから、ストレスが少なく治療が進められると近年多くの方に選ばれています。
しかし、さまざまな理由でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースも少なくありません。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するとどのような影響があるのか、また治療費は返金されるのかについて詳しく解説します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケース
まずは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースについてご紹介します。
妊娠・出産
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、妊娠中や出産後も基本的には継続可能ですが、つわりや体調不良によりマウスピースの着用が困難になることがあります。
また、妊娠に伴うホルモンバランスの変化で妊娠性歯肉炎になりやすく、歯茎の腫れや出血がマウスピースの装着に影響を与える場合もあるでしょう。出産や育児で通院が難しくなったり、マウスピースの定められた装着時間を守ったりするのが難しい場合も想定されます。
マウスピースの装着が難しい場合、固定式リテーナーへの変更も可能ですが、歯並びの状態によっては適応できないこともあります。
一時的に治療を中断する場合、患者さんの状況に合わせて柔軟に対応しますが、マウスピースが合わなくなった場合は再治療が必要になることもあるでしょう。その際は、追加で費用が発生する可能性があります。
転勤・引っ越し
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、治療期間が数年に及ぶことがあり、転勤や引っ越しで治療を中断することが起こり得ます。
転院を考える際には、現在通っている矯正歯科から転院先を紹介してもらうとよいでしょう。これにより、矯正データの引継ぎが可能となり、新しい歯科医院でも治療をスムーズに再開することが可能です。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療で使用するマウスピースは治療開始時にまとめて受け取り、一定期間ごとにご自身で交換しながら治療を進めるため、通院の頻度は2~3か月に1回程度です。転勤・引っ越し先にもよりますが、この頻度であれば転院することなく通える方もいるでしょう。
しかし、治療の進行状況により通院間隔は異なるため、担当歯科医師に相談しましょう。
留学
数か月の短期留学であれば、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を継続できるケースがあります。
しかし、長期留学の場合は、治療の一時中断や中止を検討する必要があるでしょう。留学が決定したら、速やかに歯科医院に連絡を取り、どのように対応するか相談することが大切です。
病気
矯正中に病気が発覚して、治療を中断せざるを得ないケースがあります。
しかし、病状によっては矯正治療を続けられることもあります。病気の治療を優先するために矯正を中断する場合は、後戻りを防ぐために保定装置を使用するとよいでしょう。
病気が発覚したら、主治医に矯正治療中であることを伝えてください。また、矯正歯科医とも十分に話し合うことが求められます。
虫歯・歯周病
矯正治療中に歯周病や虫歯になった場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を一時中断しなければならないことがあります。歯周病や虫歯の治療が優先となるためです。
虫歯治療で歯を抜いたり、大きく削ったりした場合、すでに作製されたマウスピースが適合しなくなる可能性があります。マウスピースが適合しなくなった場合には、マウスピースを作り直す必要があるでしょう。
このような事態を防ぐためには、口腔内の健康管理が重要なのです。
マウスピースの装着時間を確保できない
計画どおりに歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。
しかし、装着時間を守れないケースもあります。外出が多く、食事のたびにマウスピースを外すことが煩わしいと感じることもあるでしょう。マウスピースの装着がストレスになり、治療の継続が困難になるケースもあるのです。
このような状況では、ワイヤー矯正への変更が一つの解決策となります。裏側矯正を選択すれば、矯正装置が目立つことなく治療を進めることが可能です。
しかし、現在通っている歯科医院がワイヤー矯正に対応しているかどうかは事前に確認が必要です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着時間を守ることが難しい方は、取り外しが不要なワイヤー矯正を選ぶとよいでしょう。
マウスピース装着による痛みや違和感が強い
痛みやマウスピースの不快感に耐えられず継続が困難になる方もいます。矯正の最終段階でワイヤーや顎間ゴムを使用する場合があることを知らずに治療を始め、のちに中断したいと思う方もいるでしょう。
矯正治療で使用する器具や治療期間は個々の歯並びによって異なるため、治療を開始する前には矯正に関する十分な理解が必要です。
インターネット上の情報をもとに判断するのではなく、自分自身の歯の状態や治療の進め方について、担当歯科医師にしっかりと確認し、納得のいくかたちで治療を進めましょう。
マウスピースの装着を忘れることが多い
マウスピースを装着する習慣が根付かない方もいます。特に、学生さんにとっては、マウスピースを装着したときの違和感が勉強や部活動に悪影響を及ぼし、結果的に矯正治療の中断に至ることがあります
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、患者さんによる自己管理が必要となる治療です。どうして矯正治療をする必要があるのかよく理解し、治療を通じてモチベーションを維持することが非常に重要です。
矯正を途中で中断するとどのようなリスクがある?
矯正を途中で中断すると、さまざまなリスクがあります。
後戻りが起きる
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断すると、治療後に歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こるリスクがあります。
矯正治療で歯並びを整えたあとは保定装置(リテーナー)を装着して後戻りを防ぐ必要があるのです。これを怠ると後戻りが起こる可能性が高まります。
もし治療の途中で患者さま自身が無断で中断した場合、適切な保定処置を受けられず、結果として歯が再び動き、元の位置に戻る可能性があります。そのため、矯正治療は計画に従い、最後まで継続することが非常に重要なのです。
噛み合わせが悪くなる可能性がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断することで、噛み合わせが悪くなる可能性もあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯並びの改善だけでなく、噛み合わせの改善も治療計画の一部として組み入れられています。
しかし、矯正を中断すると、噛み合わせがずれた状態になる可能性があるのです。噛み合わせが悪いと食事がしにくいだけでなく、肩こりや頭痛の原因にもなるでしょう。
治療期間が延びる
矯正を一時中断し、のちに再開する場合、治療期間が延びる可能性があります。中断した期間によっては治療自体がやり直しになるケースもあるでしょう。
上述のとおり、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に歯周病や虫歯になって一時中断するケースもあります。歯周病や虫歯の治療を終えてから矯正を再開することになるため、当初の計画よりも治療期間が延びてしまうのです。
また、虫歯治療によって歯の形状が変わり、マウスピースが合わなくなった場合には作り直しが必要です。新しいマウスピースの作製には1〜2か月程度の時間がかかるため、その分治療期間が延長になります。
矯正を中断した場合は返金される?
矯正を中断した際の返金については、歯科医院や契約内容により対応が異なるというのが現実です。中断を考える際、患者さまが最も気になるのは、支払った治療費がどの程度戻ってくるのか、あるいは戻るのかという点でしょう。
日本矯正歯科学会に属する矯正歯科医院では、矯正を中断する場合には治療の進行度に応じて返金・精算するよう定められています。
しかし、全ての矯正歯科医院がこの学会に属しているわけではなく、独自の返金ポリシーを設けている歯科医院もあるのです。一部または全額の返金が可能なケースもあれば、進行度に応じて返金額が減少するケース、返金が認められないケースもあります。
矯正の中断を検討している場合は、まず契約内容の確認が必要です。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始める前には、治療計画や費用、中断した際の対応についてよく確認しましょう。
返金が認められる場合でも、歯科医院や契約内容によって条件は異なります。例えば、治療開始後の特定の期間に限定している場合や、既に作成されたマウスピース・受けた治療にかかった費用は返金対象外となる場合が多いです。
また、患者さまの個人的な都合で中断した場合には、返金を行わないと定めている歯科医院も少なくありません。
このように、契約を結ぶ前にマウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正を中断する際の返金に関する条件やポリシーをしっかりと理解し、納得した上で治療を開始することが大切です。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を中断する理由は、出産や引っ越し、虫歯・歯周病の治療などさまざまです。
しかし、矯正を途中で中断すると、後戻りや噛み合わせの悪化、治療期間の延長などのリスクがあります。
体調や環境の変化によってマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断しなければならない場合や、自己管理ができないなどの理由で治療を継続するのが難しい場合には歯科医師に相談しましょう。
また、治療を中断した際の返金については、歯科医院が所属する学会や独自のポリシーにより対応が異なるため、治療開始前の契約時に詳細を確認することが非常に重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
歯並びと日常生活での癖について
今回は、日常生活のなかで、歯の並びが悪くなってしまう習慣的にしてしまう癖についてお話します。人には誰しも癖があり、その癖も様々なものがあると思います。癖を治すのはとても大変な事ですが、悪習慣になってしまうのであれば早めに治していくほうが良いです。その中でも、歯の並びに影響が出てしまう悪い癖をいくつかお話します。下記の癖が、お子さんやご自身で当てはまることがあるかチェックしてみてください。
また、当院では、歯ならびの相談の時に記入していただく用紙(歯ならび相談申込書)に
・次のような癖はありますか?
指を吸う 爪を咬む 唇を咬む 鉛筆などの物を咬む 起きている時も口がよく開いている
ほほ杖 うつぶせ寝 その他あればご記入ください。
と記載しております。お口やあごに関する癖についてお気づきの点がございましたらご記入ください。
幼少期の指しゃぶり
上顎前突(出っ歯)の原因になる指しゃぶりですが、乳児期に指を吸っていても問題はありません。その後、幼少期~小学に上がる頃になってもまだ指しゃぶりをしていると、歯やお口の中に影響がでてしまいます。吸う指は親指だけとは限らず、人差し指や中指の場合もあります。いずれの指であっても、自分の指を常に吸っていると、吸う力によって歯は押されてしまい前に傾いてしまいます。私自身も、指しゃぶりをしていた記憶があり、上の前歯2本が前に出ている上顎前突(出っ歯)でした。歯列矯正前は、右の親指(指紋のほう)が上の前歯の裏にぴったりはまっていましたが、矯正治療後は、指が入る隙間も角度もなくなりました。上顎前突になると、食べ物を前歯で噛むことが出来ず、発音にも影響がでることがあります。また、上の前歯と下の前歯が噛み合わない開咬(かいこう)や、歯がガタガタに並んでしまう叢生(そうせい)の原因にもなります。
爪やくちびるを咬む
無意識のうちに、爪や、えんぴつ・ボールペンなどの物を咬んでいたり、上の前歯で下の唇を咬んでしまっていませんか?爪や物を咬んでしまう癖も、指しゃぶりと同じように、爪や物に歯を押されていることで上顎前突(出っ歯)になりやすく、上の前歯と下の前歯が噛み合わない開咬(かいこう)になる原因になります。また、くちびるを咬んでしまう癖があると、
・上の前歯に下唇を咬む(上顎前突)(出っ歯)
・下の前歯で上唇を咬む(反対咬合)(受け口)
になる原因になります。どちらの場合も、唇を吸っている時の力で歯が押されてしまい、歯の並びがガタガタになってします叢生(そうせい)の原因になることもあります。
口での呼吸(口呼吸)
皆さんは普段の呼吸は、鼻呼吸ですか?口呼吸ですか?風邪や鼻炎などでお鼻が詰まっていないときは、鼻呼吸が正しい呼吸です。もし、話をしているとき・ご飯を食べているとき以外の、リラックスしているときに、お口が少しでも開いてしまうような方は、普段、口で呼吸をしてしまっている可能性があります。鼻呼吸を正しく出来ていると、唇は閉じられ、舌の先がスポット(上の前歯の裏側の少しくぼみがあるところ)にあります。舌の先が常にスポットに付いていることで、舌の筋肉が鍛えられると同時に、くちびるや頬の外側からの押している力と、舌が内側(お口の中)から押している力が均等になり、歯の並びが整えらます。この外側と内側の力が口呼吸によってバランスが崩れてしまうと、歯の並びがガタガタになってしまう叢生(そうせい)の原因になります。
頬杖
お口の中にことではないので、あまり気にしていない方が多いのが頬杖です。スマホを見ているときや、本を読んでいるときなど、無意識のうちの頬杖をついていませんか?頬杖を左右均等にしている方は少なく、必ずどちらか(右か左か)に頬杖をつく癖があります。頬杖をついていることで、片方のあごに手と乗せている頭の重さの力がかかり、あごの成長を妨げる原因になります。あごの成長を妨げてしまうと、左右の骨格が歪んでしまい左右非対称なお顔になってしまうことがあります。また、頬杖は顎関節症になってしまうことがありますので、要注意です。
舌癖(ぜつへき)
舌癖には様々な種類がありますが、食事中や話しているとき以外(リラックスしているとき)に、舌が上と下の歯の間からでてしまう舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)や、舌が正しい位置(スポット)についておらず、常に下の前歯の裏側に舌の先があたっている低位舌(ていいぜつ)などがあります。舌が歯の間からでているとき、舌が歯を押してしまっているため、歯が外側に倒れしまい、上顎前突(出っ歯)や、上と下の前歯が噛み合わず開咬(かいこう)になることがあります。
歯ぎしりや食いしばり
寝ている時に、歯を強くこすってしまう歯ぎしりと、何かに集中している時に、奥歯をギューッと噛みしめている食いしばりがあります。歯ぎしりや食いしばりは、日中に受けたストレスを発散させる行為だと言われていますが、どちらも歯に過度に力がかかってしまい、歯を消耗させてしまううえに、歯が傾いてしまう原因になります。また、矯正の治療中に、噛み合わせが変わることで一時的に歯ぎしりや食いしばりがおこる事があります。矯正治療中に、歯ぎしりや食いしばりがあると、矯正の装置が取れてしまうことがあります。歯ぎしりは寝ている時になるので、ご自身でも気づかないこともありますが、食いしばりは日中気をつけて、食事のときと、話すとき以外は、奥歯を噛まずに少し浮かせておくように意識するだけで防げます。歯がすり減ってしまわないよう気をつけましょう。
どちらか片側で噛む
食べ物をお口の中にいれて噛むとき、右か左どちらで噛んでいますか?右だけで噛んでいる・左だけで噛んでいる癖のことを、片噛みといいます。いつも左右どちらで噛んでいるか意識していますか?ご飯を一口、口に入れて飲みこむまで、どちらか片方だけで噛んでいる場合は片噛みの癖があります。片噛みの癖があると、いつも噛んでいる方の歯にだけ大きく負担がかかってしまいます。そのせいで、噛み合わせが悪くなったり、あごやお顔が左右ずれてしまったりして、姿勢や全身に影響がでます。食べ物を噛むときに、意識して左右両方の歯で噛むようにしてください。
うつぶせ寝や横向き寝
普段、寝るときは「仰向け」「うつぶせ」「横向き」のどれかだと思います。歯並びに影響がでるのは、うつぶせ寝と横向き寝です。どちらも短時間ならさほど問題はないと思いますが、うつぶせ寝や横向き寝が、毎日寝る時の習慣になってしまっていると、寝ているときに、頭の重さが一点に集中してしまい、顎や歯の並びに影響がでます。矯正の治療中だと、口内炎の原因になることもありますし、顎に負担がかかることで、顎関節症になってしまうこともあります。うつぶせ寝や横向き寝が癖になっているような方は、早急に治しておいたほうが、歯のためにも、全身のバランスのためにも良いです。
まとめ
今回は、歯並びに関係する癖についてお話しました。今回書いた癖は、小さい頃からの癖が大きくなっても治っていないものばかりだと思いますが、特にお子様の場合は、歯や顎の成長にも影響が出ますので早めに改善する必要があります。どんな癖でも、治していくには本人が意識して改善していくしかないですが、気になることなどありましたら、いつでも当院の主治医またはスタッフにお気軽にご相談ください。
叢生は放置してはいけない?マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治す方法とは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
叢生とは、歯が重なり合っている状態のことです。叢生は、見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病、顎関節症の発症リスクを高めるなど、口腔衛生にも大きな影響を及ぼします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で、叢生を改善できるかもしれません。
この記事では、叢生を放置するリスクや、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治す方法について解説します。
叢生とは?
叢生とは、歯と顎の大きさのアンバランスによって引き起こされる状態で、歯が部分的に重なり合うことを指します。
歯のサイズが大き過ぎるか、顎骨の発育が不十分である場合によく見られます。歯が適切に並ぶスペースが不足していることで、八重歯や乱雑な歯並びが引き起こされます。
歯と顎のアンバランスが顕著な場合、矯正治療の際に永久歯の抜歯が必要になることもあります。
叢生の原因
叢生の原因は、歯や顎の発達過程や、口腔の習慣などが関係しています。以下に、叢生の原因を解説します。
乳歯が早期に抜け落ちた
乳歯が通常よりも早期に抜け落ちると、隣接する歯が移動して永久歯が生えてくるためのスペースが狭まります。歯が失われた際に、隣の歯が隙間を埋めるために中心へと移動するのです。
その結果、永久歯が適切な位置に生えることができず、叢生を引き起こすことになります。
顎や歯のサイズが小さい
叢生の主な原因は、顎の骨が小さすぎること、または永久歯のサイズが大きすぎることです。
顎の骨が小さい場合、永久歯が並ぶためのスペースが不足し、歯が本来生えるべき位置と異なる場所に生えてしまうことがあります。これにより、歯が重なり合ったり、不規則な角度で生えたりするのです。
顎のサイズに比べて永久歯が大きい場合も、歯がまっすぐに生えるスペースが足りなくなります。結果的に歯がねじれて生えたり、位置がずれて生えたりする原因となります。
口呼吸や舌の習慣
口呼吸や舌の悪習慣が、叢生の原因になることもあります。口呼吸を長期間続けると顎の正常な成長が妨げられ、結果として歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。口呼吸が上顎の成長を制限することが原因です。
舌を前に突き出して噛む、舌を上顎に強く押し付けるといった舌の悪習慣も、歯並びに不自然な圧力を加えて叢生を引き起こす可能性があるため注意が必要です。これらの習慣が長期にわたって続けられると、顎の成長に負の影響を与えます。
叢生を放置するとどのようなリスクがある?
叢生は単に見た目だけの問題ではなく、口腔環境にも関わってきます。例えば、乱雑な歯並びによって磨き残しが増えると、虫歯や歯周病、口臭を引き起こすことがあります。また、うまく咀嚼できないことにより、胃腸に負担がかかるなど全身の健康にも影響するのです。
ここでは、叢生を放置するとどのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
歯が重なり合うと、歯ブラシが歯の間や裏面などに十分に届かず、適切な口腔ケアが難しくなります。歯間ブラシやデンタルフロスを使用しても清掃が困難な箇所が生じ、食べかすや歯垢が残りやすくなるでしょう。
歯垢は、虫歯や歯周病の原因です。叢生の方は、特に食べかすや歯垢が溜まりやすいことを意識して口腔ケアに注意しなければなりません。
口臭が強くなる可能性がある
叢生の状態だと、歯垢が溜まりやすいことをご説明しました。歯垢は、虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、口臭も引き起こします。
特に、肉や魚などの繊維が歯間に残ると、腐敗臭を発する原因になり得ます。さらに、叢生が原因で口をしっかり閉じることができない場合、口腔内が乾燥しやすくなります。これがさらに口臭を悪化させる要因となります。
口内炎ができやすい
歯列が乱れていると、日常的に舌や内頬を噛むリスクが高まります。噛んでできた傷は、口内炎につながるかもしれません。
繰り返し舌や内頬を噛むと、痛みや不快感を伴うだけでなく、長期的には口腔内の健康を損ねる要因にもなります。
見た目にコンプレックスを抱くことがある
叢生は、見た目に対するコンプレックスを抱きやすい症例として知られています。
歯並びが悪いことにより、人前で笑うことを恥ずかしく思う方は非常に多いです。特定の言葉の発音が難しくなって、しゃべること自体を避けるようになるなど、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
歯は、人の第一印象を大きく左右する要素の一つです。歯並びの悪さが自信の欠如につながり、精神的な負担となることも少なくありません。叢生を放置すると、単に口腔内の健康に影響を及ぼすだけでなく、精神的な健康にも悪影響をもたらす可能性があるのです。
顎関節症の発症リスクが高まる
叢生を放置して歯並びが悪い状態が続くと、噛む動作によって顎に不自然な負担がかかります。長期的に負担がかかり続けると、顎関節症を発症するリスクが高まります。
顎に過剰な負担がかかることで周囲の筋肉が緊張し、血流が悪化することもあります。首や頭、肩に影響を及ぼし、頭痛や肩こり、首の痛みなどを引き起こす原因となることもあります。
胃腸に負担がかかりやすい
叢生を放置すると、歯が正しく噛み合わないことで咀嚼能力が低下します。特定の歯に過剰な圧力がかかるだけでなく、食べ物を十分に咀嚼せずに飲み込む原因になります。
食べ物を十分に咀嚼することは、消化過程の第一歩です。よく噛まずに飲み込むと、消化器系への負担を増加させることにつながります。胃や腸に不必要なストレスを与え、消化不良や便秘・下痢につながる可能性があるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で叢生を治す方法
軽度の叢生は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いて治療が可能です。重度の叢生については、治療前に十分なスペースを確保するため抜歯が必要になることがあります。
抜歯は、歯を動かすためのスペースを作る上で重要な処置です。
ただし、多くの歯を抜く必要がある場合は、治療が複雑になりマウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでは対応が難しくなることもあります。抜歯をしない場合でも、治療を効果的に進めるために以下の処置が施されることがあります。
・側方拡大
・遠心移動
・前方移動
・IPR(歯を削る処置)
これらの方法を組み合わせることで、歯を適切に並べるためのスペースを作り出せます。叢生を効果的に治療できるようになるでしょう。
しかし、上記の方法で十分なスペースを確保できない場合は、やはり抜歯は避けられません。抜歯を行うと歯を動かす距離が長くなるので、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでは対応できなくなる場合もあるため、歯科医師と相談しながら慎重に検討してください。
まとめ
叢生は、歯と顎のサイズの不均衡により発生する、歯が重なり合う状態のことです。叢生の主な原因には、顎の骨が小さいこと、永久歯が大きすぎること、乳歯が早期に抜けることが挙げられます。
叢生を放置すると歯並びが悪化し、歯磨きがうまくできなくなります。虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、咀嚼機能が低下することから消化器系へ影響も懸念されます。
叢生を治す方法の一つとして、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療が挙げられます。軽度から中等度の叢生を治療する選択肢の一つです。抜歯や側方拡大、遠心移動、前方移動、IPRなどの方法で、歯を動かすスペースを確保します。
重度の叢生の場合は抜歯が必要となるでしょう。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでの治療が難しくなることもあるため、抜歯するメリット・デメリットをよく理解する必要があります。
歯科医師とよく相談をしたうえで、治療方法を検討することが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での叢生の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
歯列矯正治療に伴うリスクについて
今回は、歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療をする時に伴うリスクについてお話します。
ご自身やお子様の歯が気になったりしませんか?
例えば、歯の並びがガタガタしている・前歯が出ている・受け口・学校の歯科健診で指摘された・よく口の中を噛んでしまうなどを治療し、整った歯並びと正しい位置での噛み合わせにするように治療するのが歯列矯正治療です。もちろん治療には、メリットとデメリットもありますが、歯列矯正治療に伴うリスクもあります。歯並びが気になっていて矯正の治療をお考えの方も多いかと思いますが、リスクに対しても理解をしてから治療を行っていただくと良いと思います。
歯列矯正治療にはどんなリスクがあるのかそれぞれ説明させていただきます。
①痛みがある
歯列矯正治療は、お口の中に様々な装置をつけて歯を動かして治療していきます。症状や治療の内容によって装置は異なりますが、装置をつけていることによって感じる痛みと、歯が動いている時に感じる痛みがあります。一番多く聞かれる質問も「痛いですか?」です。矯正の治療の痛みは、歯が動いている時に感じる痛みが主ですが、毎日痛い訳ではなく、装置をつけた後や、ワイヤーを交換した時、アライナーを交換した時のあと、2~3日歯が痛みます。前歯でガブっと硬い物を食べづらくなります。痛みがあるときは、ぬるま湯にお塩を一つまみいれていただき口に含んでいただくと温湿布のような効果があり、少し痛みが和らぐことがあります。また、矯正装置が歯肉や粘膜にあたってその部分が口内炎になり痛みがでることがあります。お渡ししているワックスを使っていただくと痛みが楽になります。
②抜歯をすることがある
歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療では、より良い結果の治療をするための抜歯をすることがあります。親知らず・健全な歯を抜く、またはエナメル質の範囲内で歯を削ることがあります。当院では、親知らずの抜歯は、総合病院の口腔外科に、その他の抜歯は、かかりつけの一般歯科医院にご紹介させていただいています。ご希望の医院がありましたらスタッフにお声がけください。
③治療を中止することもある
当院は通報通りに矯正の処置を行っておりますが、その処置中に泣いてしまって治療が出来ない・装置の不快感や違和感による不満や痛みによって装置を外してしまう・装置をつけたことによっておこる各種アレルギー・治療をしていくなかでコミュニケーションがとれず困難な場合・患者様の経済的理由などで、当院の治療や処置方法が受け入れられない場合には、治療を中止することがあります。
④虫歯や歯周病になりやすくなる
矯正の装置をお口の中つけることによって、虫歯や歯周病になりやすくなります。これは、装置がつくことで歯磨きがしづらくなり磨き残しが原因なこと多いため、矯正の装置がお口の中についたら、今まで以上で丁寧な歯磨きが必須になります。虫歯になっていないか・歯周病が悪化しないためにも、定期的にかかりつけの一般歯科医院を受診していただくようお願いします。また、初期の虫歯でも、矯正の装置をとったあとに、歯に白濁が残ることがあります。虫歯や歯周病の治療は、矯正の治療よりも優先して行っていただきます。虫歯や歯周病の治療中は、矯正の治療を一時中断します。
⑤装置が外れてしまうことがある
矯正の装置が、治療中に外れてしまうことがあります。硬い食べ物を食べてしまって外れてしまう場合と、夜寝ている時の歯ぎしりや食いしばりが原因で外れてしまう場合がほとんどです。装置が外れたままだと、歯を動かす力がかからないため、装置を付け治す必要があります。装置が取れたり・外れてしまったら速やかにご連絡を願いします。また、取れてしまった装置は必ずご持参ください。
⑥歯根吸収を生じることがある
矯正の治療中に、歯根吸収(しこんきゅうしゅう)、歯を動かすさいに歯の根っこが短くなる現象がおこることがあります。歯根吸収は、予測困難で治療中に歯根吸収が判明した場合は、矯正治療を中断することがあります。
⑦歯肉退縮をすることがある
歯肉(歯茎)や歯槽骨(しそうこつ)が、退縮してしまうことがあります。歯肉が退縮すると歯の根っこ(歯根)が歯茎から露出してしまい、冷たい物や熱い物がしみる(知覚過敏)などの症状がでることがあります。一度退縮してしまった歯肉は元には戻らないため、歯磨きのときに強く磨かない・歯ブラシの毛先を柔らかくするなどして、それ以上の退縮を防ぐことが重要です。
⑧ブラックトライアングルになることがある
歯と歯の間に隙間が生じることをブラックトライアングルといいます。成人(特に年配)の方や、歯肉の状態が悪い(歯周病など)と、矯正治療後、ブラックトライアングルができてしまうことが多く、そのような歯と歯の隙間は、回復しづらいと言われています。隙間が気になるなど、矯正とは関係のない治療はかかりつけの一般歯科医院でご相談ください。
⑨その他のリスク
- ①ワイヤーで矯正治療をし、歯列矯正治療をおこなった場合、治療が終わりワイヤーとブラケットを除去するさいに、歯のエナメル質にクラックという細かい微小のひびが入ることがあります。普段は気づかないですが、歯が乾燥などで乾くと見えることがあります。
- ②歯の根っこの治療(根管治療)を受けている歯は、矯正の治療中に悪化したりし、化膿することがあります。再根管治療が必要な場合は、矯正の治療を一時中断をして、かかりつけの一般歯科医院で治療をしていただくことになります。
- ③矯正の治療中に、歯の骨性癒着(歯と骨が癒着していたために歯が動かなくなる)が判明することがあります。この骨性癒着は、矯正の治療前に鑑別するのは困難なため、判明した場合は、外科的に複数回の処置が必要になるか、抜歯の可能性もあります。
- ④矯正の治療中に、歯髄充血あるいは歯髄壊死がおきることがあります。歯髄充血・歯髄壊死ともに、予測は困難なため、矯正の治療を中断することがあります。根っこの治療(根管治療)が必要になった場合は、かかりつけの一般歯科医院で治療をお願いします。
- ⑤患者様、個人の全人状態や顎顔面骨格の形態、歯の大きさなどによっては、歯列矯正治療の限界が異なります。
- ⑥受け口などの、著しい骨格性不正咬合の場合は、歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療だけでは治療の限界があるため、外科手術を併用することで骨格を改善することが可能になります。
- ⑦歯を支える歯槽骨が少ないと、矯正治療中や矯正の治療後に歯の動揺(ぐらつき)が大きくなります。治療は必要な場合は、かかりつけの一般歯科医院で治療をお願いします。
今回は、歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療を行ううえでの、リスクについてお話しました。少し難しい言葉や不安になるような文章もあったかもしれませんが、あくまでもリスクのお話なので、矯正治療を受ける方全員におこるわけではありません。次回、それぞれのリスクいついてもう少し詳しく話していこうかと思います。矯正の治療に関して不安に思うことや疑問がありましたら、主治医やスタッフにお気軽にご相談ください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の作り直しになるケースを解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、透明のマウスピースを装着する方法です。少しずつ形が違うマウスピースを順番に装着していくことで、歯並びを整えていきます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、装置が透明で目立たない、装置の取り外しができるというメリットがありますが、マウスピースの装着時間や交換時期を守るなどの自己管理が必要です。
また、矯正治療を進めていく中でマウスピースが作り直しになるケースがあります。どのような場合にマウスピースが作り直しになるのでしょうか。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が作り直しになるケースについて解説します。マウスピースを作り直すときの流れや費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が作り直しになるケース
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療ではシミュレーションソフトを使った治療計画に基づいて、治療開始から治療完了までの全てのマウスピースを作製します。スムーズに治療が進めば、途中でマウスピースを作製する必要はありません。
ただし、次のような場合にはマウスピースを作り直す必要があります。
歯の動きと治療計画にズレが生じた場合
計画どおりに歯が動かず、想定していた歯の動きと実際の歯の動きにズレが生じた場合には、マウスピースの作り直しが必要になることがあります。
治療計画でのシミュレーションは、あくまでコンピューター上で予想した歯の動きになっています。実際に治療を開始すると、想定よりも歯が動かない場合もあるのです。
また、マウスピースの装着時間が不足していると、計画どおりに治療が進まなくなることがあります。多少のズレであれば、通常より長い期間マウスピースを装着して軌道修正ができます。
ただし、大きなズレがある場合には、マウスピースを作り直すことになるでしょう。そのため、装着時間をきちんと守ることが大切なのです。
マウスピースの装着時間・交換時期
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は1日20〜22時間の装着を前提として作製されています。
マウスピースは取り外し可能ですが、装着時間が短くならないように注意しなくてはなりません。食事や歯みがきのとき以外の時間はなるべく装着し、1日の装着時間が20〜22時間を下回らないようにしましょう。
また、マウスピースは一定期間が経過したら、次の段階のマウスピースに交換する必要があります。これも、計画通りに行うことが大切です。
マウスピースの自己管理ができていないと治療計画にズレが生じて、マウスピースの作り直しが必要になる可能性があるため十分に注意しましょう。
マウスピースが合わなくなった場合
マウスピースが歯から浮いてしまうなど、合わなくなった場合にも作り直しが必要になることがあります。
マウスピースは歯にピッタリとはまることで歯を動かす力が加わるようになっています。マウスピースが歯と合わず、しっかりとはまらないと、歯を動かす力が加わりません。
マウスピースが合わなくなる原因は、以下のとおりです。
・マウスピースを熱湯で洗って変形した
・マウスピースを踏んでしまった
・治療計画と実際の歯の動きにズレが生じた
マウスピースは熱湯で洗うと変形します。マウスピースを洗うときは水またはぬるま湯で洗いましょう。また、マウスピースは透明で目立ちません。誤って踏んで変形・破損するとマウスピースが合わなくなるでしょう。
治療計画と実際の歯の動きにズレが生じることでマウスピースが合わなくなることもあります。マウスピースが合わない場合には、まず歯科医師に相談しましょう。
装着の仕方に問題があることによってマウスピースが合わない場合には、マウスピースを作り直さなくても解決することもあります。
マウスピースを紛失・破損した場合
マウスピースを紛失・破損した場合にも作り直しが必要になることがあります。次のマウスピースに交換するまでの日数が少ない場合には、早めに次のマウスピースを装着することもあります。
しかし、次のマウスピースに交換するまで日数がある場合には、作り直しになることがあるのです。マウスピースを紛失・破損した場合には歯科医院に連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を作り直すときの流れ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を作り直すときの流れは、以下のとおりです。
1.アタッチメントを除去する
歯にアタッチメントが付いている場合には除去を行います。アタッチメントとは、歯をスムーズに動かすために歯に装着する白い突起です。計画を立て直す場合、アタッチメントの付け方なども変わってくるため、一旦除去する必要があります。
2.精密検査を行う
アタッチメントを除去したら、精密検査を行います。口腔内写真やレントゲン写真を撮影し、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療専用のソフトで歯をスキャンして歯型模型を作ります。
3.治療計画を立て直す
コンピューター上で歯の動きをシミュレーションして、治療計画を立て直します。立て直した治療計画をもとに、マウスピースを新しく作り直します。
マウスピースの作り直しにはどれくらいかかる?
マウスピースの作り直しにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか。同じものを再発注する場合は最短でも2週間程度、計画の立て直しで全て作り直す場合には1か月程度の時間を要します。歯科医院によっても差があるため、歯科医師に確認しましょう。
新しいマウスピースが手元に届くまでの注意点
上述のとおり、新しいマウスピースが届くまで時間がかかります。新しいマウスピースが届くまで何も装着しないと歯が後戻りする可能性があります。
新しいマウスピースが届くまでの間は、後戻りを防ぐために1つ前のマウスピースを装着する場合が多いです。このような時のために、直近に使用したマウスピース2〜3枚は保管しておくようにしましょう。
マウスピースの作り直す場合の費用
「歯が思うように動かない」などの理由でマウスピースを作り直すことは、矯正治療をしていくなかでたびたび起こることです。最初に支払った費用のなかに、マウスピースの作り直し費用が含まれていることもあります。
作り直しの回数や範囲などが決められていることもあるため、よく確認しましょう。作り直し可能な範囲を超えると、追加で費用が必要になります。
患者さま自身の管理不足によってマウスピースを紛失・破損した場合には、追加で費用が必要になることがあります。片顎で8,000円〜2万円程度になることが多いです。こちらの費用も歯科医院によって異なるため、事前に確認しましょう。
矯正治療は思うように進まないこともあります。支払いトラブルなどを避けるためにも、マウスピースが作り直しになった場合の費用についても治療開始前にしっかりと確認しておくのが望ましいです。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が作り直しになるケースについて解説しました。
歯の動きには個人差があるため計画どおりに治療が進むとは限りません。マウスピースの作り直しは、治療を進めていくなかでたびたび起こります。歯の動きと治療計画にズレが生じた場合や、マウスピースが合わなくなった場合には作り直しが必要になることがあるのです。
マウスピースの管理不足によって作り直しになるのは、できるだけ避けたいところです。マウスピースの装着時間や交換時期を守り、スムーズに治療が進められるように自分自身でも注意しましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を始める前にマウスピースの作り直しにかかる費用についてもしっかりと確認し、納得の上で治療を始めることが大切です。自己管理が苦手な方は、矯正を始める前にマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療が良いか従来の固定式タイプのワイヤー矯正が良いかよく考えましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。