コラム

2024.02.23

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断したらどうなる?リスクを解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザライン矯正を途中で中断できるか考える人

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、取り外し可能な透明なマウスピースを使用した方法です。その快適さから、ストレスが少なく治療が進められると近年多くの方に選ばれています。

しかし、さまざまな理由でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースも少なくありません。

この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するとどのような影響があるのか、また治療費は返金されるのかについて詳しく解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケース

インビザライン矯正を途中で中断するイメージ

まずは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースについてご紹介します。

妊娠・出産

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、妊娠中や出産後も基本的には継続可能ですが、つわりや体調不良によりマウスピースの着用が困難になることがあります。

また、妊娠に伴うホルモンバランスの変化で妊娠性歯肉炎になりやすく、歯茎の腫れや出血がマウスピースの装着に影響を与える場合もあるでしょう。出産や育児で通院が難しくなったり、マウスピースの定められた装着時間を守ったりするのが難しい場合も想定されます。

マウスピースの装着が難しい場合、固定式リテーナーへの変更も可能ですが、歯並びの状態によっては適応できないこともあります。

一時的に治療を中断する場合、患者さんの状況に合わせて柔軟に対応しますが、マウスピースが合わなくなった場合は再治療が必要になることもあるでしょう。その際は、追加で費用が発生する可能性があります。

転勤・引っ越し

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、治療期間が数年に及ぶことがあり、転勤や引っ越しで治療を中断することが起こり得ます。

転院を考える際には、現在通っている矯正歯科から転院先を紹介してもらうとよいでしょう。これにより、矯正データの引継ぎが可能となり、新しい歯科医院でも治療をスムーズに再開することが可能です。

また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療で使用するマウスピースは治療開始時にまとめて受け取り、一定期間ごとにご自身で交換しながら治療を進めるため、通院の頻度は2~3か月に1回程度です。転勤・引っ越し先にもよりますが、この頻度であれば転院することなく通える方もいるでしょう。

しかし、治療の進行状況により通院間隔は異なるため、担当歯科医師に相談しましょう。

留学

数か月の短期留学であれば、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を継続できるケースがあります。

しかし、長期留学の場合は、治療の一時中断や中止を検討する必要があるでしょう。留学が決定したら、速やかに歯科医院に連絡を取り、どのように対応するか相談することが大切です。

病気

矯正中に病気が発覚して、治療を中断せざるを得ないケースがあります。

しかし、病状によっては矯正治療を続けられることもあります。病気の治療を優先するために矯正を中断する場合は、後戻りを防ぐために保定装置を使用するとよいでしょう。

病気が発覚したら、主治医に矯正治療中であることを伝えてください。また、矯正歯科医とも十分に話し合うことが求められます。

虫歯・歯周病

矯正治療中に歯周病や虫歯になった場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を一時中断しなければならないことがあります。歯周病や虫歯の治療が優先となるためです。

虫歯治療で歯を抜いたり、大きく削ったりした場合、すでに作製されたマウスピースが適合しなくなる可能性があります。マウスピースが適合しなくなった場合には、マウスピースを作り直す必要があるでしょう。

このような事態を防ぐためには、口腔内の健康管理が重要なのです。

マウスピースの装着時間を確保できない

計画どおりに歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。

しかし、装着時間を守れないケースもあります。外出が多く、食事のたびにマウスピースを外すことが煩わしいと感じることもあるでしょう。マウスピースの装着がストレスになり、治療の継続が困難になるケースもあるのです。

このような状況では、ワイヤー矯正への変更が一つの解決策となります。裏側矯正を選択すれば、矯正装置が目立つことなく治療を進めることが可能です。

しかし、現在通っている歯科医院がワイヤー矯正に対応しているかどうかは事前に確認が必要です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着時間を守ることが難しい方は、取り外しが不要なワイヤー矯正を選ぶとよいでしょう。

マウスピース装着による痛みや違和感が強い

痛みやマウスピースの不快感に耐えられず継続が困難になる方もいます。矯正の最終段階でワイヤーや顎間ゴムを使用する場合があることを知らずに治療を始め、のちに中断したいと思う方もいるでしょう。

矯正治療で使用する器具や治療期間は個々の歯並びによって異なるため、治療を開始する前には矯正に関する十分な理解が必要です。

インターネット上の情報をもとに判断するのではなく、自分自身の歯の状態や治療の進め方について、担当歯科医師にしっかりと確認し、納得のいくかたちで治療を進めましょう。

マウスピースの装着を忘れることが多い

マウスピースを装着する習慣が根付かない方もいます。特に、学生さんにとっては、マウスピースを装着したときの違和感が勉強や部活動に悪影響を及ぼし、結果的に矯正治療の中断に至ることがあります

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、患者さんによる自己管理が必要となる治療です。どうして矯正治療をする必要があるのかよく理解し、治療を通じてモチベーションを維持することが非常に重要です。

矯正を途中で中断するとどのようなリスクがある?

インビザライン矯正を途中で中断するリスクイメージ

矯正を途中で中断すると、さまざまなリスクがあります。

後戻りが起きる

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断すると、治療後に歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こるリスクがあります。

矯正治療で歯並びを整えたあとは保定装置(リテーナー)を装着して後戻りを防ぐ必要があるのです。これを怠ると後戻りが起こる可能性が高まります。

もし治療の途中で患者さま自身が無断で中断した場合、適切な保定処置を受けられず、結果として歯が再び動き、元の位置に戻る可能性があります。そのため、矯正治療は計画に従い、最後まで継続することが非常に重要なのです。

噛み合わせが悪くなる可能性がある

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断することで、噛み合わせが悪くなる可能性もあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯並びの改善だけでなく、噛み合わせの改善も治療計画の一部として組み入れられています。

しかし、矯正を中断すると、噛み合わせがずれた状態になる可能性があるのです。噛み合わせが悪いと食事がしにくいだけでなく、肩こりや頭痛の原因にもなるでしょう。

治療期間が延びる

矯正を一時中断し、のちに再開する場合、治療期間が延びる可能性があります。中断した期間によっては治療自体がやり直しになるケースもあるでしょう。

上述のとおり、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に歯周病や虫歯になって一時中断するケースもあります。歯周病や虫歯の治療を終えてから矯正を再開することになるため、当初の計画よりも治療期間が延びてしまうのです。

また、虫歯治療によって歯の形状が変わり、マウスピースが合わなくなった場合には作り直しが必要です。新しいマウスピースの作製には1〜2か月程度の時間がかかるため、その分治療期間が延長になります。

矯正を中断した場合は返金される?

インビザライン矯正を中断した場合の返金イメージ

矯正を中断した際の返金については、歯科医院や契約内容により対応が異なるというのが現実です。中断を考える際、患者さまが最も気になるのは、支払った治療費がどの程度戻ってくるのか、あるいは戻るのかという点でしょう。

日本矯正歯科学会に属する矯正歯科医院では、矯正を中断する場合には治療の進行度に応じて返金・精算するよう定められています。

しかし、全ての矯正歯科医院がこの学会に属しているわけではなく、独自の返金ポリシーを設けている歯科医院もあるのです。一部または全額の返金が可能なケースもあれば、進行度に応じて返金額が減少するケース、返金が認められないケースもあります。

矯正の中断を検討している場合は、まず契約内容の確認が必要です。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始める前には、治療計画や費用、中断した際の対応についてよく確認しましょう。

返金が認められる場合でも、歯科医院や契約内容によって条件は異なります。例えば、治療開始後の特定の期間に限定している場合や、既に作成されたマウスピース・受けた治療にかかった費用は返金対象外となる場合が多いです。

また、患者さまの個人的な都合で中断した場合には、返金を行わないと定めている歯科医院も少なくありません。

このように、契約を結ぶ前にマウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正を中断する際の返金に関する条件やポリシーをしっかりと理解し、納得した上で治療を開始することが大切です。

まとめ

インビザライン矯正をする人

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を中断する理由は、出産や引っ越し、虫歯・歯周病の治療などさまざまです。

しかし、矯正を途中で中断すると、後戻りや噛み合わせの悪化、治療期間の延長などのリスクがあります。

体調や環境の変化によってマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断しなければならない場合や、自己管理ができないなどの理由で治療を継続するのが難しい場合には歯科医師に相談しましょう。

また、治療を中断した際の返金については、歯科医院が所属する学会や独自のポリシーにより対応が異なるため、治療開始前の契約時に詳細を確認することが非常に重要です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。