不正咬合の原因について
不正咬合とは、上顎や下顎の位置関係や歯並びなどが、さまざまな要因によって上と下の咬み合わせが正常ではない状態のことをいいます。不正咬合は、骨格性・歯性・機能性の3つに成因から成り立っています。
・骨格性不正咬合
主に顎骨の形態、位置異常にあるものをいう。
・歯性不正咬合
主に歯の傾斜や位置異常にあるものをいう。
・機能性不正咬合
下顎骨が安静位から中心咬合位へと閉じていく経路(閉鎖経路)上で、早期接触や咬頭干渉により下顎が偏位し、不正咬合になるものをいう。下顎位の機能的な偏位がある不正咬合を指し、機能的反対咬合や機能的交叉咬合などがある。
不正咬合の種類
①上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは、上の前歯が前に傾斜し、上顎が全体的に出ている状態のことをいいます。「出っ歯」ともいわれています。上顎前突は、前歯が外傷を受ける可能性が高く、口唇(唇)が閉じにくく、口呼吸を伴います。口呼吸によって、口の中が乾燥しやすくなり、唾液の分泌量が減少し、ドライマウスになる可能性が高くなります。ドライマウスが原因で口臭や歯肉炎、虫歯になりやすくなります。その他に、指しゃぶりや舌突出癖、吸唇癖などの口腔習癖が上顎前突になる原因でもあります。
厚生労働省の不正咬合の調査では、最新平成23年(2011年)の「12~20歳の男女の前歯の不正咬合の状態」で上顎前突の割合は12.9%で叢生の2番目に多くみられます。
②下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことをいいます。「受け口」や「反対咬合(はんたいこうごう)」ともいわれています。骨格性下顎前突では、とくに遺伝的要因が大きく関与しており、環境的要因としては、習癖・ホルモン障害・外傷などがあります。下顎前突を有する患者様では、咀嚼効率や下顎運動の円滑性の低下、発音への影響および顎関節症と相関などといった顎口腔の機能的な問題に加え、見た目に対する心理的な問題などもあります。
厚生労働省の不正咬合の下顎前突の割合は2.4%を占めています。
③過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、上下の咬み合わせが深く、下の前歯がほとんど見えない状態のことをいいます。「ディープバイト」ともいわれています。下顎前歯が上顎の歯肉(歯茎)に噛み込み、痛みが生じる場合や、下顎の前方や側方への動きが制限される場合もあります。
厚生労働省の不正咬合の過蓋咬合の割合は4.8%を占めています。
④開咬(かいこう)
開咬とは、上下の前歯部が咬み合わず隙間がある歯並びのことをいいます。「オープンバイト」ともいわれています。開咬の原因としては、遺伝的要因や前歯の萌出方向の異常、舌癖などがあります。開咬は、咀嚼や発音、嚥下機能に障害が認められます。前歯でものを咬めないため、奥歯に負担がかかり、顎にも負担がかかることで顎や顎関節を痛めてしまうことがあります。そして、舌を突き出す癖(舌突出癖)や指しゃぶり(母指吸引癖)、爪を咬む癖(咬爪癖)などの習癖を改善することもとても重要になります。
厚生労働省の不正咬合の開咬の割合は5.7%を占めています。
⑤叢生(そうせい)
叢生とは、ガタガタな歯並びや、叢(くさむら)のように歯が重なって生えている歯並びのことをいいます。「乱杭歯(らんぐいし)」ともいわれています。叢生の原因としては、歯が大きすぎる、顎が小さいことで歯が生えるスペースが不足してしまうことで叢生が起こります。八重歯も叢生の1つです。なので、歯と顎の大きさのバランスがアンバランスまた習癖などの原因によって叢生になってしまいます。
厚生労働省の不正咬合の叢生の割合は44.3%を占めています。不正咬合の中で1番多い不正咬合です。
⑥正中離開(せいちゅうりかい)
正中離開とは、上の前歯の真ん中(正中)に隙間がある歯並びのことをいいます。正中離開は、骨の中に過剰歯がある、側切歯の先天性欠如や矮小側切歯、上唇小帯の付着位置異常などの原因があります。厚生労働省の不正咬合の空隙の割合は12.4%を占めています。
不正咬合の原因には、「先天的原因」と「後天的原因」があります。
先天的原因
遺伝
不正咬合の発現には、遺伝的な原因が関与していることが多いです。
下顎前突(受け口)は遺伝的要因に関与していることが多いです。
先天異常
上唇小帯(上唇のすじ)や舌小帯(舌のすじ)の異常、口唇口蓋裂などの先天的疾患などがある場合、歯並びに影響すし、不正咬合を伴うことがあります。また、口唇・口蓋の形成手術による瘢痕組織の影響があり、上顎骨の劣成長や狭窄歯列に伴う叢生ならびに反対咬合(受け口)になる可能性があります。
歯数の異常・歯の形態異常
過剰歯(かじょうし)
過剰歯とは、基本的な歯の数を超えて作られた歯のことをいいます。過剰歯があると歯並びが悪くなったり、永久歯が萌出できないなどの影響があります。
先天性欠如歯
永久歯は親知らずを除くと全部で28本あります。しかし、その生えてくるべき永久歯が何らかの原因で作られず歯が生えてこないのを先天性欠如歯といいます。先天性欠如は、空隙歯列や隣の歯の傾斜などを引き起こします。
巨大歯
平均的な歯のサイズと比べて、異常に大きい歯のことをいいます。歯が大きいことにより、叢生の原因にもなり、見た目にも影響が出る可能性があります。
矮小歯(わいしょうし)
平均的な歯のサイズと比べて、異常に小さい歯のことをいいます。円錐のような形をしていることが多く、上び前から2番目の歯によく見られ、空隙歯列(すきっ歯)の原因にもなります。
後天的原因
口腔習癖
口腔習癖とは、日常生活の中で無意識に行っている口腔に関した習慣行動のことをいいます。
成長発育期にある小児では、口腔の形態的、機能的発達に障害を及ぼすことが多いとされています。
それは、口腔周囲以外にも小児の心理的な問題や性格とも関連し、乳幼児期の行動がそのままの場合もあります。また、母親の過干渉や溺愛、子供の遊び場が少ないなどの生活環境や社会環境が影響していることも原因の1つです。そして、口腔習癖は歯並びやかみ合わせに影響を与え、成長発育期の咀嚼・嚥下・呼吸・発音などにも影響を及ぼします。
母指吸引癖(指しゃぶり)
親指をくわえ、吸引する習癖で吸引癖のなかで最も多いです。出生直後から母乳を吸うために、ヒトは哺乳反射をもっています。乳児期の指しゃぶりは生理的なものであるが、幼児期には心身の発育に伴い、3~4歳頃には自然減少します。習癖が継続すると、頻度・時間・強度によっては不正咬合をもたらします。指しゃぶりをすることによって、上顎前歯は唇側に押されることにより上顎前突、上顎前歯の唇側傾斜、上下の前歯の間に指を入れることにより開咬になります。他にも下顎前歯の舌側傾斜、上顎歯列の狭搾、不明瞭な発音(サ行)などの影響を引き起こします。
吸唇癖・咬唇癖
口唇を咬んだり、吸引したりする癖のことをいいます。吸唇癖は指しゃぶりの
代償的行動であり、咬唇癖は1種のストレスが原因であり、開咬、上顎前突、 上顎前歯の唇側傾斜、下顎前歯の舌側傾斜などの影響を引き起こします。
口呼吸
アレルギー性鼻炎やアデノイドなどの鼻咽腔疾患があると、鼻呼吸が困難になり、
長時間口から呼吸することをいいます。その原因は、鼻咽腔疾患による鼻呼吸の困難、 上顎前突により口唇の閉鎖が困難、とくに原因がなく習慣的に行ってしまうなどの原因が考えられます。口呼吸を行うことによって、開咬・上顎前突・歯列の狭窄・交叉咬合・歯肉炎・歯周炎などの影響を引き起こします。
それ以外でも、舌突出癖・弄舌癖・咬爪癖・頬杖・ものをかむ(しゃぶる)・食いしばりなどの口腔習癖で歯並びや咬み合わせに影響を及ぼしてしまいます。
乳歯の早期喪失・晩期残存
乳歯の早期喪失は、後継永久歯が生える余地がないことから、叢生や埋伏の原因となります。乳歯が残存すると後継永久歯の位置異常をもたらすことがあります。
虫歯
虫歯や歯周病によって乳歯が早期に喪失してしまった場合、歯が斜めに生えたり、ずれて生えてしまい叢生になる原因になります。
小帯の異常
上唇小帯の高位付着は正中離開をもたらし、舌小帯の強直は低位舌を引き起こしたり発音に影響を及ぼすことがあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は医療費控除の対象になる?対象になる費用も解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)を含めた矯正治療は、自費診療のため費用が高額です。少しでも負担を軽減したいなら、医療費控除を受けるとよいでしょう。
しかし、お口の状態によっては医療費控除の対象にならないこともあるので注意が必要です。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は医療費控除の対象になるのか解説します。ぜひ参考にしてください。
医療費控除とは?
1年間(1月1日から12月31日)の医療費が10万円を超えた場合に所得税の還付が受けられる制度のことを、医療費控除といいます。総所得金額が200万円未満の場合は、医療費が総所得金額の5%を超えた場合に還付を受けられます。
医療費控除を受けると、自営業の方は納めるべき税金が減額されたり、会社員の方は還付金として治療にかかった費用の一部が戻ってきたりします。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は基本的には自費診療で高額なので、医療費控除を受ければ経済的な負担を減らせるでしょう。
また、医療費控除は生計を共にする同一世帯であれば合算して申請できます。1年間にかかった医療費が個人では10万円を超えていなくても、世帯全員で10万円を超えていれば申請できます。
ただし、控除される金額の上限は200万円です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は医療費控除の対象になる?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療にかかった費用は、医療費控除の対象として認められていますが、機能的な問題があると歯科医師に認められた場合に限られています。例えば、重度の出っ歯や叢生、受け口など、歯並びが原因で噛み合わせに異常が認められる場合などです。
機能的な問題がなく、見た目をよくしたいという審美目的で治療を受ける場合は医療費控除の対象になりません。
ただし、ご自身では「見た目が気になる」とマウスピース型矯正装置(インビザライン*)を始めた場合でも、歯科医師の診断によって機能的な問題が見つかれば医療費控除の対象になる可能性はあります。医療費控除の対象になれば費用の負担を減らせるので、治療開始前に歯科医師に確認するとよいでしょう。
医療費控除でいくら戻ってくる?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)が医療費控除の対象になると認められた場合、いくら戻ってくるかは所得によって異なります。具体的には、200万円を境に計算式が変わるので、それぞれご紹介します。
所得200万円未満の場合
所得200万円未満の場合の計算式は、以下のとおりです。まずは控除の対象になる金額を求めて、その後に還付金を計算します。
1.1年間に支払った医療費-保険などで補填される金額-(所得×5%)=控除対象の金額
2.医療費控除の対象額×所得税率=還付金
保険などで補填される金額とは、医療保険金や入院給付金、出産育児一時金などです。
ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)にかかった費用が100万円で所得が190万円の例に挙げて解説します。
1.100万円-0円-(190万円×5%)=100万円-9万5,000円=90万5,000円
2.90万5,000円×5%=4万5,250円
控除対象金額90万5,000円に所得税率5%をかけた金額が還付金になりますので、4万5,250円が戻ってくる計算になります。所得税率も所得によって異なるため、以下の表を参考にしてください。
<所得税率>
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得200万円以上の場合
所得が200万円以上の場合の計算式は、以下のとおりです。200万円未満の場合と同様に、控除の対象額を求めてから、還付金を計算します。
1.1年間に支払った医療費-補填される金額-10万円=控除対象の金額
2.医療費控除の対象額×所得税率=還付金
ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)にかかった費用が100万円で所得が400万円の例を解説します。
1.100万円-0円-10万円=90万円
2.90万円×20%=18万円
所得によって還付金はかわりますが、所得が多いほうが医療費控除の還付金額が大きくなります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で医療費控除の対象になる費用とは?
ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で医療費控除の対象として認められている費用の内訳について解説します。機能的な問題があり、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)が医療費控除の対象になるとされた場合でも、認められない費用があるのであらかじめ確認しておきましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で医療費控除の対象になる費用
医療費控除の対象になる費用は、以下のとおりです。
・マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースや保定装置の費用
・調整費用
・レントゲンなどの精密検査の費用
・診断費用
・処方された薬の費用
・購入した市販薬の費用
・公共交通機関を利用した場合の交通費
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を進めるために必要な費用が、医療費控除の対象になります。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の装置代はもちろん、治療前の精密検査や診断費用も医療費控除の対象です。
また、バスや電車などの公共交通機関を利用した場合の交通費や、処方薬、購入した市販薬の費用なども対象として認められます。お子さまの通院に付き添った場合、保護者の方の通院にかかる交通費も医療費控除の対象と認められますので、通院日や費用を記録しておきましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で医療費控除の対象にならない費用
医療費控除の対象にならない費用は、以下のとおりです。
・自家用車で通院した場合のガソリン代・駐車場代
・分割払いの金利や手数料
上記の費用は、医療費控除の対象外です。
医療費控除を申請する場合の注意点
医療費控除を申請する場合、以下のポイントに注意しましょう。
領収書は5年間保管しなければいけない
医療費控除を申請する場合、全ての領収書を5年間保管する義務があります。医療費控除の申請の際に領収書を提出する必要はないものの、税務署から提示を求められた場合に必要になります。
5年間は大切に保管しましょう。
診断書の提示を求められることがある
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療費の医療費控除を受ける際、診断書の提出は必要ありませんが、本当に治療目的かどうか診断書の提示を求められることがあります。そのため、領収書と一緒に保管しておきましょう。
診断書の作成にかかる費用は歯科医院によって異なりますので、事前に確認してください。
支払いが年をまたぐ場合はそれぞれの年で申請が必要
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯並びも噛み合わせも整えようとすると、1~3年かかるのが一般的です。支払いのタイミングによっては、年をまたぐ可能性があるでしょう。
その場合、それぞれの年で医療費控除の申請が必要になります。領収書をきちんと分けて保管しておいてください。
医療費控除の申請方法とは?
医療費控除は年末調整では申請できないため、自営業・会社員に関わらず確定申告が必要です。ここでは、医療費控除の申請方法について解説します。
必要書類の準備
医療費控除の申請に必要な書類は、以下の通りです。
・確定申告書類
・医療費控除の明細書
・源泉徴収票
・マイナンバーカード等の本人確認書類
・矯正治療の診断書
・医療費の領収書(医療費通知書も可)
・印鑑
まずは、上記の書類の準備を進めましょう。確定申告の時期に全て対応すると大変なので、治療を開始した段階から保管しておいてください。
また、確定申告後5年間は保存する義務がありますので、必要書類は大切に保管してください。
医療費控除の明細書の作成
医療費控除の明細書の作成については、医療機関ごとに費用の合計を出す必要があります。領収書や医療費通知書などを確認しながら、間違いのないよう計算しましょう。
交通費の計算をする際、公共交通機関の領収書がないことがあると思いますが、通院した日付や費用の記録をつけていれば医療費控除の対象として認められます。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中の通院日や交通費などは、忘れずに記録することが大切です。
確定申告書類の作成・提出
確定申告書の作成は、源泉徴収票を見ながら順番に必要事項を記入します。確定申告の書類、医療費控除の明細書が記入出来たら、最寄りの税務署に提出します。
提出方法については、税務署に直接提出か郵送、e-taxを利用すればオンラインでも可能です。
確定申告の提出期間は2/16~3/15ですが、医療費控除の申請は5年前まで遡って行えます。過去にマウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を受けて医療費控除の申請をしていない場合は、この機会に申請するとよいでしょう。
医療費控除・確定申告の詳しい内容を知りたい場合は、税務署で相談、もしくは以下の国税庁のホームページを参考にしてください。
参照元:国税庁 医療費控除を受ける方へ 令和5年分 確定申告特集
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)を含め矯正歯科治療は医療費控除の対象になりますが、噛み合わせに異常があるなど、機能的な問題により治療が必要と認められた場合に限られています。審美目的でマウスピース型矯正装置(インビザライン*)を含め矯正歯科治療を始めた場合は、医療費控除の対象になりません。
しかし、見た目を整えたいとマウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正歯科治療を始めた場合でも、歯科医師の診断によって機能的な問題が見つかる場合もあります。医療費控除を受ければ経済的な負担を減らせるので、まずは歯科医院を受診してみましょう。
医療費控除を受ける場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)以外にも診察ごとにかかる調整費や交通費なども対象になります。通院の記録や領収書の保存を忘れずに行うことが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に滑舌が悪くなる原因とは?改善する方法も解説
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中は長い時間マウスピースをはめて過ごすため、滑舌が悪くなるのではと心配になる方もいるかもしれません。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に滑舌は悪くなるのかについてくわしく解説します。滑舌が悪くなる場合、改善する方法があるのかもあわせて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に滑舌が悪くなる原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正をはじめてから滑舌が悪くなったと感じる方は多くいらっしゃいます。なぜ、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正をはじめると滑舌が悪くなったと感じるのでしょうか。
その原因は、次の通りです。
矯正器具が舌にあたる
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正でつけるマウスピースは厚さ0.5mm程度と非常に薄いことが特徴です。薄いから滑舌に影響が出ないと思うかもしれませんが、薄くても歯全体を覆っているため舌を置くスペースを狭めてしまいます。
発音するときは舌がマウスピースにあたりますが、舌があたらないように意識すると発音がしにくくなり滑舌が悪くなるでしょう。
マウスピースの着け方を誤っている
マウスピースが浮いていると、喋るときに口のなかに圧力をかけられなくなるため喋りにくくなるといわれています。とくに、チューイーを使用せずに装着している場合はマウスピースを正しく着けられていない可能性が高いでしょう。
口の中が乾燥している
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正のマウスピースの装着していることに慣れるまで、無意識に口を開けてしまう方が多いです。そのため、口の中が乾燥しやすくなります。
口の中が乾燥することで舌がうまく動せなくなり、滑舌が悪くなる傾向にあります。
マウスピースの変形もしくは破損
マウスピースが変形もしくは破損していた場合には、話しにくいのはもちろん、歯が治療計画通りに動かなくなって治療が大幅に遅れる可能性があります。マウスピースの変形や破損によって滑舌が悪い場合は、治療にも大きく影響をおよぼすため注意しましょう。
マウスピース装着時に発音しにくい音とは?
マウスピースを装着しているときに発音しにくいのはサ行・タ行・ナ行・ラ行です。これらの音は上の前歯の裏側と舌の先を接触させないと発音できません。
マウスピースを装着しているときに、マウスピースに当たらないように舌の動かし方が変わったり、ふだんとは舌の位置を変えざるを得なかったりするため、発音しにくいとされています。サ行の発音の仕方に近いことから、英語の「th」の発音も難しくなるといわれています。
ほかの発音も、人によってはしゃべりにくく感じるかもしれませんが、とくにこれらの音は発音しにくいとされています。自身の名前や仕事の用語にこれらの音が入っていて発音する機会が多い方は、より滑舌の悪さをより感じるかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中の滑舌の悪さを改善する方法はある?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中は滑舌の悪さに悩むかもしれませんが、改善する方法もあります。滑舌の悪さを改善させたいと考える方は、次の方法を試してみましょう。
マウスピースを正しく装着する
マウスピースを正しい方法で装着することで、滑舌の悪さを改善できる可能性が高まります。チューイーを活用しながら正しい方法でマウスピースを装着しましょう。
また、医師から指示されている20~22時間程度の装着時間を守れば、マウスピースに早く慣れていきます。マウスピースに慣れるのが早い人ほど、滑舌の悪さも早く改善されるでしょう。装着時間を守り、マウスピースに早く慣れていきましょう。
正しい方法で装着していれば、2~3枚目のマウスピースになるころには慣れて滑舌に影響をおよぼさなくなると考えられています。
自身の発音を確認する
自分では発音しにくい、滑舌が悪いと思っていても、実はほかの人からするとまったく影響を及ぼしていないケースがあります。そのため、本当に自身の滑舌が悪くなっているのかをほかの人に聞いてもらって確認してみましょう。
発音トレーニングをする
時間がたてば慣れるとはいえ、できるだけ早くマウスピースを装着していない状態の滑舌に戻したい思う方もいるかもしれません。まずはゆっくりと発音したり喋ったりして、口のなかの違和感をとっていきましょう。
そのうえで、まだ違和感がある、早くしゃべれるようになりたいという方は、発音トレーニングをすると早く滑舌がよくなる可能性があります。発音トレーニングの内容は、次の通りです。
母音だけで発音する
母音(あ・い・う・え・お)の言葉のみで発音するトレーニングです。「ありがとう」という言葉の場合、母音だけで発音すると「あいあおう」となります。
母音は言葉の要になるといわれているため、母音の発音がしっかりとできていればマウスピースを装着することで発音しにくくなるほかの語も、スムーズに発音できるようになるかもしれません。
早口言葉を練習する
早口言葉はマウスピースをつけていなくても難しいもので、リハビリでも活用されています。マウスピースを装着した状態で早口言葉を言ってみましょう。
スピードが遅くても、舌を動かす訓練にはなります。最初から早く言えなくても問題ないので、マウスピースを装着していることによる滑舌の悪さを改善したい場合には、サ行・タ行・ナ行・ラ行が含まれる早口言葉を積極的に活用して訓練しましょう。
マウスピースを外して会話をしても大丈夫?
マウスピースを装着していると、滑舌が悪くなって話しにくいからとマウスピースを外したいと考える方もいるかもしれません。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正を効果的に進めるためには、マウスピースはなるべく外さずに過ごすのがベストです。
しかし、マウスピースをした状態で話すことで、仕事や会話に支障が出るのであれば一時的にマウスピースを外しても問題ないでしょう。マウスピースを外す際は、次の注意点を必ず守りましょう。
装着時間は必ず守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正におけるマウスピースの装着時間は1日20~22時間と決められています。マウスピースを外すとしても一時的にとどめ、装着時間は必ず守りましょう。
たとえば30分程度の会議のみはずす、5分友人と会話するときだけはずすなど、短時間にとどめるのがベストです。2時間以上ある大事な用事のときにマウスピースをはずそうと考えるのであれば、次の日は長めに装着するなどして装着時間を調整しましょう。
はずしたら正しく保管する
会話のためにマウスピースを外した際に、そのまま放置していてはマウスピースの破損や紛失につながる可能性があります。マウスピースをはずしたら、専用のケースに保管しておきましょう。
正しい保管方法を守らずにマウスピースを破損・紛失した場合にはすぐに歯科医師に相談してください。新しいマウスピースを作成してもらい、治療が滞らないように注意しましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中は、マウスピースを装着することで舌の位置が定まらず発音に影響を及ぼす可能性が高まります。とくにサ行・タ行・ナ行・ラ行が発音しにくいため、これらの音を発音することが多い方は滑舌の悪さを感じるかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正において発音を改善するためには、正しくマウスピースを装着することが重要です。発音トレーニングをすることで、改善できる可能性が高まるでしょう。
また、少しの時間であれば会話のためにマウスピースを外しても問題ありません。
しかし、なるべく短時間にとどめてマウスピースの装着時間を守り、治療に影響が出ないようにしましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
正しい歯並びとは?理想の歯並び
今回は、正しい歯並びについてお話していきます。
今まで、出っ歯や受け口などの不正咬合のお話はしてきましたが、では、正しい歯並びとは?正しい噛み合わせとは?皆さんはお分かりでしょうか?歯の並びや噛み合わせを治療して治していく歯列矯正治療には、矯正治療をして目指す理想の歯並びがあります。
理想とする歯並びとは、ガタガタしている歯をただ綺麗に並べるだけではなく、左右の奥歯の噛み合わせや、上と下の歯の位置や左右のバランス、お顔の中心と歯の中心の正中(せいちゅう)が合っている、など様々な条件があります。綺麗に整った歯の見た目も重要ですが、ただ歯を並べるだけではなく、歯列矯正治療の最大の目的は、お口の中(歯と舌)お口の外(頬と唇)の機能の改善です。しっかりと正しく食べ物を噛めるようにするのが大切です。
歯の並びが整い、正しい噛み合わせだと、歯磨きがしやすくなり、磨き残しがなくなり虫歯や歯周病にもなりにくく、健康な歯が長持ちし、健康な歯で食事が出来て、全身の健康にも繋がります。歯列矯正治療での理想的な歯並びに必要な条件をそれぞれ説明していきます。
上と下の歯が正しく噛み合っている
正しい噛み合わせは、上と下の歯が交互にキザキザになって山谷で噛んでいます。奥歯を横から見たときに、下の歯の前から6番目の奥の歯が上の歯の前から6番目の奥の歯より前にあるのが正しい噛み合わせになります。また、上の歯の犬歯(前から3番目の歯)から奥の歯は、上の歯1本に対して下の歯2本で支え噛み合っているのが理想とする噛み合わせです。たとえ真正面から見て、歯並びが綺麗に整っているとしても、下の奥歯や上の奥歯が1本でも内側や外側に倒れていて、上下が正しく噛み合っていないと不正咬合(ふせいこうごう)となり、正しく噛めるようにするために歯列矯正治療の対象になります。
正中(せいちゅう)が合っている
歯列矯正治療での正中とは、上の前歯と下の前歯の中心のことを正中といいます。永久歯の本数や大きさが左右上下で違う場合や、噛み合わせが問題で正中がズレてしまっていることがあります。正中のズレを治療することで、見た目的にも正中が合っているほうが左右のバンスがよく見えます。歯列矯正治療では、最終的にこの正中を合わすよう正中一致を目指して治療していきます。ただし、左右での歯の本数や歯の大きさ、骨格の問題などがある場合は、噛み合わせを重視するために、正中に多少のズレが生じることがあります。
歯と歯の間に余分な隙間がない
歯を真正面や真横から見たときに、歯と歯の間に余分な隙間がないのが、理想的な歯並びになります。前歯に隙間があると目につくので気づきやすいですが、奥歯の隙間は見えないためなかなか隙間に気づかないかもしれません。もし歯と歯の間に隙間があれば空隙歯列(くうげきしれつ)という不正咬合になります。歯と歯の間には隙間がないのが理想ですが、加齢とともに歯茎が痩せることで、歯に隙間ができ歯並びが悪くなってしまうことがあります。歯と歯の間に隙間があると、食べ物がはさまりやすくなるので虫歯や歯周病になりやすくなります。また、隙間があることで発音に影響がでることがあります。
奥歯の噛み合わせが正しい
歯並びが綺麗といったら、笑ったときに見える上と下の前歯がそろってきれいに並んでいるとイメージする方が多いかと思いますが、歯列矯正治療においては、奥歯の噛み合わせが非常に重要になります。奥歯が左右共にしっかりと噛み合っていないと食べ物が噛みづらいだけではなく、体のバランスも悪くなってしまい、全身の不調につながることがあります。
噛んだ時に上の前歯が下の前歯より2~3ミリ被さっている
奥歯を軽く噛んで、唇を少し開けてお口の形を「い」と発音するようにして鏡を見て
真正面から見たときに
・上の前歯が下の前歯より2~3ミリだけかぶっている
真横からみたときに
・上の前歯が下の前歯より2~3ミリだけでている
が理想です。2~3ミリ以上の重なりがあると、噛み合わせが深い過蓋咬合(かがいこうごう)となり、逆に上下の前歯が噛み合わず隙間がある場合は、開咬(かいこう)という不正咬合になります。また、2~3ミリ以上出ている場合は、上顎前突(じょうがくぜんとつ)でいわゆる出っ歯になり、逆に上の前歯より下の前歯が前にでていると、反対咬合(はんたいこうごう)でいわゆる受け口になります。
上と下の永久歯がアーチ状(Uの字)に並んでいる
歯の並び方のことを、歯列(しれつ)といいます。この歯列を上の歯は下から、下の歯は上から見たときアーチ状になって歯がならんでいることを歯列弓(しれつきゅう)といいます。この歯列弓には、「Uの字型」と「Vの字型」と「方形型」の3つがあり、歯列矯正治療では、上下の歯列弓がUの字型になるように治療します。
真横からみてEラインが整っている
真横からみて、お鼻の頭と下顎の先を直線で引いた線のことをEライン(エステティックライン)といいます。歯並びと共に、口元が整うとこのEラインの線の中に唇の先が入ります。ボールペンなど真っ直ぐした物を鼻の先につけてそのまま下顎の先にあててみてください。口元を押さえずに顎先につく場合は、Eラインが整っています。もしギュッと口元を押さえなければ顎先につかない場合は、お口元がでていることになります。
今回は、正しい歯並びと理想の歯並びについてお話いたしました。歯列矯正治療は、ただ見た目の歯の並びだけを治療するのではなく、左右の歯のバランスを調和し、噛み合わせを改善することで、健康な歯を長く保つための治療なのです。歯の並びや噛み合わせをよくすることで、歯磨きが丁寧におこなえるようになり、磨き残しがなくなり虫歯や歯周病になりにくく、お口の中を清潔に保てます。また、噛み合わせが良くなると、肩こりや頭痛などの全身の不調も解消されることもあります。少しでもお子様やご自身の歯並びが気になるかたは、当院にご連絡をお待ちいたしております
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因とは?影響や予防法を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は矯正装置が目立ちにくいなどメリットが多い治療法ですが、歯茎が下がることがあるというデメリットが挙げられます。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の矯正治療中に「歯茎が下がってきた」「歯が長く見えるような気がする」と感じる方もいるかもしれません。
では、どのようなときにマウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がるのでしょうか。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がる原因について解説します。歯茎が下がることによる影響や歯茎が下がるのを予防する方法についても解説しますので、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中の方や治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がるケースとは?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で矯正治療をすると、誰もが歯茎が下がるというわけではありません。
次のようなケースの場合、歯茎が下がる可能性があります。
歯茎が薄い
歯茎の厚みには個人差がありますが、日本人は比較的歯茎が薄い方が多いです。
歯茎が薄いと歯を支える力が弱くなり、歯茎が下がりやすくなります。歯列矯正では顎の骨の吸収と生成を繰り返すことで歯が動くため、歯茎の薄さは影響されやすいといえます。
特に、ふだん強い力で歯磨きをしている方や、やせ型の方は歯茎が薄くなりやすいです。
歯周病の悪化
歯周病は歯と歯茎の間にある歯周ポケットという溝に細菌が入り込み、炎症を引き起こす病気です。
歯周病になると、歯茎が下がることがあります。さらに進行すると歯が抜け落ちることもあるため、早期に治療を受けることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)中はマウスピースを装着して歯を動かします。マウスピースのお手入れを怠ると細菌が繁殖しやすくなり、歯周病になるリスクが高まるでしょう。
歯列を拡大する場合
歯列矯正で歯列を拡大する必要がある場合、歯茎が下がりやすくなります。歯列を拡大しなければならないケースとは、叢生や受け口、出っ歯など、歯を綺麗に並べるスペースがないような症例が該当します。
歯列矯正では歯に力をかけ、骨の吸収と再生を利用して少しずつ歯を動かします。歯列を拡大した際に骨の再生が追いつかなくなると歯茎が下がることがあるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で歯茎が下がる原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因は、いくつか考えられます。歯茎が下がらないように予防するためには、歯茎が下がる原因を知ることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因は、以下のとおりです。
マウスピースを正しく装着できていない
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療では、最初に立てた治療計画に基づいてマウスピースを作成します。そして、その治療計画は、マウスピースを正しく装着していることを前提としています。
マウスピースは1日20〜22時間装着する必要があり、装着時間が短いと計画通りに歯を動かせません。治療計画にズレが生じているにも関わらず、新しいマウスピースを無理に装着すると、歯や歯茎に過剰な力が加わり、歯茎が下がることがあるのです。
誤ったブラッシングをしている
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で使用するマウスピースは、歯磨きの際に取り外すことができます。そのため、マルチブラケット装置を用いた矯正治療いわゆるワイヤー矯正に比べると綺麗に歯を磨くことができ、虫歯や歯周病が起こりにくいというメリットがあります。
しかし、歯磨きを綺麗にできていなければ、虫歯や歯周病になり、歯茎が下がることがあるのです。また、虫歯や歯周病を予防するために強い力で歯を磨くと、歯茎を傷付ける可能性があります。強い力で歯を磨き、歯茎を傷つけると歯茎が下がる原因になるのです。
歯科医院では正しいブラッシング方法の指導も行っています。ブラッシング指導を受けて正しい歯磨きの仕方を身につけましょう。
マウスピースを不衛生にしている
マウスピースのケアを怠り不衛生な状態だと、細菌が繁殖して虫歯や歯周病の原因となります。虫歯や歯周病になると歯茎が下がる可能性があるのです。
マウスピースを清潔な状態に保つためには定期的に洗浄する必要があります。また、食事のあとは歯を磨いてからマウスピースを装着しましょう。
マウスピースを洗浄する際は水を使用してください。熱いお湯で洗うとマウスピースが変形する可能性があります。また、歯ブラシを使用するときは毛の柔らかいものを使用しましょう。
歯茎が下がるとどのような影響がある?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がると、見た目や口腔内の健康にさまざまな影響を与えます。
歯茎が下がることで起こる影響は、以下のとおりです。
見た目が悪くなる
歯茎が下がると、その分歯が長く見えることがあります。歯茎が下がると老けた印象になる可能性もあるでしょう。
また、歯茎が下がることで歯と歯の間に「ブラックトライアングル」という三角形の隙間ができることがあります。ブラックトライアングルも見た目に影響を与えるでしょう。
下がった歯茎は自然に戻ることは難しく、専門的な治療を受けなければなりません。矯正で歯並びが綺麗になっても歯茎が下がると、異なるコンプレックスが生まれる可能性があります。
虫歯や歯周病のリスクが高くなる
上述のとおり、歯茎が下がると歯が長く見えることがあります。歯が長くなるということは、歯の露出する部分が多くなるということです。そうなると、歯が細菌に触れるリスクが高まります。
本来であれば歯肉に守られている歯の根元部分は、露出している部分よりも柔らかく、デリケートであるため、虫歯や歯周病になりやすいといえます。
また、歯茎が下がってできたブラックトライアングルには食べ物が詰まりやすいです。そのため、しっかりと歯磨きをしないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。
知覚過敏になる
歯の根元部分はエナメル質に覆われていません。歯茎が下がって根元部分が露出すると、象牙質がむき出しの状態になります。すると、外部からの刺激によって知覚過敏の症状が現れるようになるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がるのを予防する方法
上述のとおり、歯茎が下がるとさまざまな影響があります。そのため、歯茎が下がらないように予防することが重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がるのを予防する方法は、以下のとおりです。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの装着時間は1日20〜22時間であり、食事や歯磨きのとき以外は装着することが推奨されています。
マウスピースを毎日決められた時間装着し、治療計画通りに歯を動かすことができれば歯茎が下がるリスクを抑えられるでしょう。
マウスピースの装着時間を守れなかった場合は、新しいマウスピースに交換する前に、歯科医師に相談してマウスピースの交換時期を調整するなどの対処が必要です。
口腔内とマウスピースを清潔に保つ
口腔内やマウスピースを不衛生にしていると、細菌が繁殖して虫歯や歯周病になるリスクが高まります。上述のとおり、虫歯や歯周病になると歯茎が下がる可能性があるため、日頃から丁寧に口腔内のケアを行うことが重要です。
また、定期的に歯科医院を受診して口腔内の状態の確認やクリーニングをしてもらうとよいでしょう。
加えて、マウスピースのお手入れも大切です。汚れが付着したマウスピースを長時間装着すると虫歯や歯周病の原因になります。食後に歯磨きをするときに水道水などで汚れを洗い流しましょう。また、定期的に洗浄剤を使用すると、目に見えない細菌も除去できます。
マウスピースの不具合を放置しない
マウスピースの不具合を放置すると、治療が計画通りに進まず、歯茎が下がる原因になる可能性があります。マウスピースが破損していると、歯茎を傷付けることもあるでしょう。
マウスピースを装着したときに痛みや違和感がある場合は何らかの不具合が生じているかもしれないため、放置せずに歯科医師に相談してください。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療で歯茎が下がる原因や予防法について解説しました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に虫歯・歯周病になった場合や、誤ったブラッシングをしている場合に歯茎が下がる可能性があります。歯茎が下がると見た目が悪くなるだけでなく、知覚過敏になるなどのリスクもあります。
歯茎が下がるのを予防するためには、しっかりと口腔ケアを行い、虫歯・歯周病を予防することが大切です。歯科医院ではブラッシング方法を指導してもらえるので、指導に沿って日頃からケアを心がけましょう。
また、矯正期間中は定期的に歯科医院を受診して、口腔内にトラブルが起こっていないか確認してもらうことも重要です。定期的に歯科医院を受診していれば口腔内にトラブルが起こっていても早期発見・治療ができ、歯茎が下がるのを予防できるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
アタッチメントが外れる原因について
アタッチメントとは、歯の表面に付ける歯に近い色のコンポジットレジン(合成樹脂)の突起物のことです。歯に何も付いていない状態の場合と、歯の表面にアタッチメントが付いている状態の場合を比較すると、アタッチメントが歯の表面に付いている方が、マウスピース(アライナー)の保持力が向上され、より精密に歯を動かすことができます。
マウスピースを外しているときは、アタッチメントは歯の表面に付けるため、唇や舌が触れると、ボコボコして少し違和感がありますが、ほぼ1日中マウスピースを装着しているため、あまり気になりません。見た目も歯の色に近い色をしているため、ほとんど目立ちません。アタッチメントを付けることによって、歯に加わる矯正力を強め、効率的に歯を動かすことができます。
アタッチメントが外れる原因
アタッチメントの周りに汚れが溜まる
アタッチメントは歯の表面に付いており、歯の裏側にも付けることがあります。アタッチメントがボコボコしているため、アタッチメントの周りに汚れが溜まりやすくなり、だんだん劣化する恐れがあり、外れる原因になる可能性があります。歯磨きは、マウスピースを装着する前に、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って丁寧に磨き、口腔内を清潔にしてから、マウスピースを装着しましょう。
しかし、ゴシゴシと強く磨きすぎると、アタッチメントが外れる可能性があるので注意してください。
マウスピースの着脱方法
誤った着脱方法で行ってしまうと、アタッチメントが外れる可能性があるため、正しい方法で着脱を行うようにお願いいたします。
マウスピースを外すときは、奥歯から前歯の順番に外してください。奥歯の内側から指で引っ掛けて、奥歯を外します。奥歯が外れたら、犬歯部分から指で前歯を外してください。
無理矢理マウスピースを引っ張ったり、勢いよく外してしまうと、アタッチメントが一緒に外れてしまうことがあります。片方から無理に引っ張ろうとすると、マウスピースが変形したり、破損する可能性があるので、必ず両手で正しい外し方で行ってください。
マウスピースを装着するときは、前歯から奥歯の順番で装着してください。そして、必ず指ではめるようにお願いいたします。噛んではめてしまうと、マウスピースが変形したり、破損したりまたはアタッチメントが外れる可能性があります。
マウスピースの着脱は、歯並びのガタガタがひどい場合は、着脱が難しくなります。
しかし、着脱に慣れるまでは少し時間はかかりますが、正しい着脱方法でたくさん練習していただくと、着脱も苦にはなりません。着脱方法に関して、難しいこと・分からないことがあれば、気軽にスタッフへお声掛けしていただくか、医院へご連絡をお願いいたします。
補綴物(ほてつぶつ)(銀歯やセラミックなどの人工歯)
銀歯やセラミックなどの補綴物は、治療していない歯(天然歯)と比べて、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れやすくなります。歯科用接着剤は、歯のエナメル質に接着しやすくできているため、金属やセラミックといった補綴物は、歯科用接着剤と相性が悪く、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性があります。補綴物の歯にアタッチメントを付ける場合は、専用の接着剤を使用したり、歯の表面を粗造(そぞう)(ざらざら)にするために少し削らせていただくことがあります。また、矯正治療中は仮歯をつけていただき、矯正治療が終わった後に、補綴物をいれていただくこともあります。
食事
アタッチメントは、食事中に外れることが多いです。食事のときはマウスピースを外しているため、アタッチメントに直接接触しやすく、外れてしまうことが多いです。特に硬い食べ物や、ギシギシ噛むようなもの、粘着性のある食べ物などを食べるとアタッチメントが外れやすいです。これらの食べ物は、アタッチメントだけでなく、ブラケットやその他の矯正装置も外れる可能性がありますので控えるようにお願いいたします。
硬い食べ物
氷・飴・せんべい・りんご・フランスパン・ナッツ類・トウモロコシ 等
ギシギシ噛むもの
カルパス・ビーフジャーキー・スルメ 等
粘着性のある食べ物
キャラメル・チューイングガム・おもち 等
歯ぎしりや食いしばり、TCH
TCHとは、”Tooth Contacting Habit”の頭文字をとったものです。意味は、”上下の歯を無意識にくっつけている癖”(歯列接触癖)のことをいいます。TCHや歯ぎしり、食いしばりは、無意識のうちに起きてしまうことが多いです。皆さんは、平常の安静時に上下の歯が接触していませんか?
平常の安静時は、上下の歯は2~3㎜ほど空いているのが正常な状態であり、上下の歯が接触するのは、食事の時と会話の時だけです。特に歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯槽骨に伝わる力が大きく、それ以外にお口の筋肉や顎の関節に大きな負担がかかります。TCHや歯ぎしり、食いしばりがあると、口腔内の状態は歯が摩耗し、しみるようになったり(知覚過敏)、歯にひびが入ったり、歯が破折してしまうこともあります。
また、歯肉や歯周組織に炎症が起こり、歯周炎を進行させたり、顎の関節や筋肉に力が加わることで、顎関節症や咬筋の筋肉痛などが起こる可能性があります。そして、アタッチメントやその他の矯正装置にも影響し、外れてしまうことがあります。食いしばりや歯ぎしりを改善する方法は、唇を閉じた状態で歯を離す感覚を覚えることです。「唇を閉じて、上下の歯を離し、力を抜く」ということを意識してみてください。また、ストレスも原因の1つのため、ストレスを解消することも重要になります。
歯ぎしりや食いしばりを自覚している方は、日常生活で目に入りやすい場所(冷蔵庫・洗面台・トイレなど)に貼り紙をしておくこともいいかもしれません。歯ぎしりや食いしばり・TCHを改善することで、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性が少なくなり、知覚過敏が減少し、歯の寿命も延び、また顎の筋肉とお口の周りの筋肉の緊張やこわばりから解放されるということが報告されています。
接着不良
アタッチメントが外れる原因として、アタッチメントの接着不良があります。アタッチメントを装着する場合、アタッチメントを付けるための”アタッチメントテンプレート”というものがあります。これは、当院では医院側が使用するものになるため、患者様にはお渡しせず、こちらでお預かりさせていただいています。アタッチメントテンプレートとは、アタッチメントを歯に付けるための専用のマウスピースです。
患者様が使用するマウスピースと比べて、薄くやわらかい素材になっています。そのアタッチメントテンプレートにレジンを注入し、アタッチメントテンプレートを歯に装着し、歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、しっかり圧接した状態で光照射器を使ってレジンを硬化させます。
しかし、圧接不足やレジンの量が少ない場合、歯とアタッチメントの間に隙間ができてしまい、アタッチメントが少し浮いた状態で装着されてしまいます。そのため、アタッチメントが外れやすくなってしまいます。そして、マウスピースが浮いてしまう原因にもつながってしまう可能性があるため、レジンを適量注入し、しっかりと歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、圧接しながらアタッチメントを装着することが大切です。
これらの原因によって、アタッチメントが外れてしまう可能性があります。
外れてしまった場合、再装着する場合があります。また、分からないことや困ったことがあれば、
当院へご連絡をお願いいたします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に違和感を覚えたときの対処法を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、目立たない歯列矯正として人気を集めており選ぶ方が増えています。
しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に違和感を覚える方も少なくありません。矯正中に違和感があると、不安になることや、最後まで矯正を続けられるか心配になることもあるでしょう。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の違和感について詳しく解説します。違和感を覚えたときの対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中はどのような違和感を覚えやすい?
矯正中の違和感は人によって異なりますが、以下の5つの違和感を覚えやすいです。
・マウスピースに慣れない
・歯が締め付けられるような感覚がある
・噛み合わせが合わない
・吐き気がする
・歯ぐきが痛む
詳しく解説します。
マウスピースに慣れない
矯正を開始し、初めてマウスピースを装着したときに違和感を覚える方は多くいらっしゃいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は非常に薄いものですが、お口の中は敏感なので違和感を覚えることがあるのです。
これから毎日装着できるのか不安に思うかもしれませんが、ほとんどの方が3日~1週間ほどで違和感を覚えなくなるので安心してください。
歯が締め付けられるような感覚がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、歯が締め付けられているような違和感を覚えることがあります。マウスピースを装着すると、歯を動かしたい方向に大きな力が加わるからです。
これは歯が動いている証拠でもあるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正において正常な反応です。この違和感も2~3日ほどでなくなることが多いので心配ありません。
噛み合わせが合わない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中は、噛み合わせが合わない感覚や、噛み合わせが高く感じることがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は非常に薄く、1枚0.5mm程度です。
しかし、上下の歯にマウスピースを装着すると1mmほどの厚さが生まれるため、噛み合わせが高く感じるなどの違和感を覚えることがあります。この違和感も3日~1週間ほどで慣れてくるでしょう。
吐き気がする
マウスピースを装着することにより、嘔吐反射で吐き気がする方がいらっしゃいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正で使用するマウスピースは非常に薄いため、嘔吐反射は起きにくいですが、もともと嘔吐反射が強い傾向にある方は吐き気がする可能性があります。
マウスピースを少し短くカットしたり削ったりすることで違和感を少なくできます。吐き気がする場合は歯科医師に相談して対処してもらいましょう。
歯ぐきが痛む
矯正中に歯ぐきが痛む場合があります。原因はマウスピースの縁が歯ぐきに当たっている場合が多く、この場合はマウスピースの縁を少し削ることで違和感が解消されます。
ただし、自分でヤスリなどを使用して削ることは難しいため、歯科医師に相談して調整してもらいましょう。マウスピースを調整しても歯ぐきの痛みが消えない場合は、歯周病が原因の可能性も考えられるので検査を受ける必要があります。
矯正中に違和感を覚えやすいタイミング
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、以下の5つのタイミングで違和感を覚えやすいです。
・治療を始めたとき
・マウスピースを交換したとき
・マウスピースの装着を怠っていたとき
・アタッチメントをつけたとき
・マウスピースを外したとき
詳しく解説します。
治療を始めたとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を始めたときは、誰でも違和感を覚えるでしょう。初めは違和感があっても、しっかりと装着を続けていれば1週間ほどで慣れて違和感はなくなります。
マウスピースを交換したとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯並びに合わせて10日~2週間に一度新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。
新しいマウスピースは今よりも少し歯並びが整った状態のマウスピースであり、今の歯の位置と差があるため違和感が生じます。歯が計画通りに動き、マウスピースに合うようになると違和感は治まります。
マウスピースを交換したときは毎回違和感が生じますが、歯並びが整ってくると改善されるでしょう。
マウスピースの装着を怠っていたとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正では、マウスピースの装着を数日怠ると、久しぶりに装着したときに違和感を覚えます。
もとの歯並びに戻ろうとする力が働くため、数日マウスピースを装着していないだけで歯が少しずつ元の位置に戻ろうと動きます。そのため、マウスピースと歯並びの差が生じて違和感が出るのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正は、1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。基本的に食事や歯磨きを行う時間以外は装着することが推奨されています。マウスピースの装着を怠ることは、計画通りに治療が進まなくなる原因にもなるため注意が必要です。
アタッチメントをつけたとき
アタッチメントとは歯につける小さな突起物で、歯の向きを細かく調整する場合などに使用します。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正におけるアタッチメントは、歯並びを整える過程で重要な役割を持ちます。
アタッチメントをつけた当初は違和感が出ますが、数日で慣れることが多いでしょう。
アタッチメントが口の中の粘膜に当たって、口内炎や痛みが出る場合もあります。その場合は歯科用ワックスなどを使用して突起物を覆って保護しましょう。
歯科用ワックスは歯科医院で販売されていることが多いので、歯科医師に相談してみましょう。
マウスピースを外したとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いた矯正は、マウスピースを1日のほとんどの間、装着して過ごします。そのため、治療に慣れてくるとマウスピースを外したときに違和感を覚えることがあります。
マウスピースを装着しているときと外しているときには噛み合わせの差が生まれますが、歯並びが整ってくると外したときの違和感も少なくなるでしょう。
矯正中の違和感が続く期間
ここまで解説してきたように、矯正中の違和感にはさまざまな理由があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始めたときや新しいマウスピースに交換したとき、アタッチメントを付けたときなどに違和感を覚えることは避けられません。
しかし、その違和感が続く期間は3日から長くても1週間程度です。痛みがずっと続くわけではなく、日にちが経てば治まります。1週間以上痛みや違和感が続く場合は、ほかに原因がある可能性があるので放置せずに歯科医師に相談しましょう。
矯正中に違和感を覚えたときの対処法
矯正中に違和感を覚えたときの対処法は、以下の3つです。
・マウスピースを外す時間を作る
・痛み止めを服用する
・硬い食べ物を避ける
詳しく解説します。
マウスピースを外す時間を作る
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始めてすぐは痛みに慣れていないため、数時間ごとにマウスピースを外して徐々にマウスピースの違和感に慣れていくことが大切です。
ただし、装着時間を大きく減らすことは避けてください。治療が失敗してしまう可能性があるため、あくまで少し休憩するような感覚でマウスピースを外す時間を作りましょう。少なくとも1日20時間はマウスピースを装着する必要があります。
痛み止めを服用する
どうしても痛みが我慢できない場合は痛み止めを服用しましょう。可能であれば、歯科医院で処方してもらった痛み止めを使用してください。
市販の痛み止めでも効果はありますが、歯の移動を遅らせる可能性がある成分が入っていることがあります。一時的に使用するだけなら問題ありませんが、できれば歯科医院で処方してもらった痛み止めを服用しましょう。
また、痛み止めは用法容量を守って正しく服用することが大切です。
硬い食べ物を避ける
硬い食べ物を噛むと、痛みを感じることがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中は、歯の根っこにある歯根膜が敏感になっているためです。
痛みや違和感が強い日は、硬い食べ物を避けて食べやすいものを選びましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正は、歯が動くことで痛みを伴うことが多いです。全く違和感が出ないわけではありません。矯正を始めたときや、マウスピースを交換したときに違和感を覚えることが多いでしょう。
矯正の違和感は3日~1週間程度で治まるため、不安になることはありません。痛みが我慢できない場合は痛み止めを服用する、治療に影響がでない程度にマウスピースを外すなどして対応しましょう。
痛みが1週間以上続く場合はほかの原因が考えられるため、歯科医師に相談することも大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
妊婦さんでも矯正治療はできる?パート2
妊娠中の歯列矯正治療のリスク
①妊娠中のレントゲン撮影のリスク
妊娠していると、レントゲン撮影時の放射線の被ばくが気になる方もいるのではないでしょうか。
歯科でのレントゲン撮影には、胎児にほとんど影響はないとされているのでレントゲン撮影は可能です。ですが、心配な場合は担当の歯科医師に相談をすると良いでしょう。
歯科のレントゲン撮影ではお口の中を撮影するため、赤ちゃんのいるお腹と距離があります。また、放射線を遮断する鉛の防護エプロンを着用してレントゲン撮影を行います。
近年のレントゲンはデジタル化が進み、放射線被ばく線量は格段に減少しています。
【歯科でのデンタルレントゲン撮影の被ばく量】
・ 歯科用CT :0.06m㏜
・ お口全体のレントゲン写真 (パノラマ):0.02m㏜
・ 歯の一部のレントゲン写真 (デンタル):0.001m㏜
例えば、飛行機で東京とニューヨーク間を往復すると約0.2m㏜の被ばく量があります。これは、歯科のデジタルレントゲン撮影の被ばく量と比べると多いということが分かります。
私たちは、普段の生活で自然放射線を世界平均だと年間2.4m㏜の放射線を被ばくしています。日本平均だと2.1m㏜になります。
お腹の中の赤ちゃんに影響あるとされている放射線量は50m㏜です。
これらの事から、歯科でレントゲン撮影を行っても赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。
ですが、100%安全とは言い切れません。妊娠中は、レントゲン撮影を控えておいた方が良いという先生もいます。大丈夫だと言われても不安に思う方もいると思います。担当の歯科医師とよく相談をしてからレントゲン撮影を行うのか決めましょう。
特に歯列矯正開始前は歯や骨の状態を見るために、レントゲン撮影は必ず必要になります。レントゲン撮影を行わないと歯列矯正を始めるのは難しいです。もしかすると、レントゲン撮影を行わなくても歯列矯正を始めることができるという歯科医師もいるかもしれません。レントゲン写真が無い場合だと、適切な診断が行えず歯列矯正治療が失敗してしまう可能性があります。
もし、妊娠中に歯列矯正を始めたいという方はお腹の中の赤ちゃんに影響が出やすい妊娠初期を避けてレントゲン撮影を行うようにしましょう。
②妊娠中の抜歯のリスク
妊娠中は、抜歯(ばっし)のリスクも高くなりやすいです。
妊娠している間は、妊娠性高血圧や妊娠糖尿病になる可能性があり、これらが抜歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
糖尿病の症状がある場合、抜歯後の傷の治りが悪くなりやすいです。高血圧の症状がある場合だと、局所麻酔の使用や抜歯中に血圧が上がり危険になることもあります。
抜歯後、なかなか痛みが引かない事や血がなかなか治らないなどのトラブルが発生した時に、服用することができる薬も限られます。なので、妊娠中の抜歯は出来る限り避けた方が良いでしょう。
③妊娠中のアンカースクリューのリスク
歯列矯正でアンカースクリューというチタン製の小さなネジを使用することがあります。アンカースクリューを用いることで、治療の進行が速くなる場合や難しい歯の動きが可能になり治療が行いやすくなります。
アンカースクリューを打つ時は局所麻酔を使用しますが、局所麻酔自体はその部分にのみ作用するものなので妊娠中でも心配の必要はほとんどありません。
抜歯と比べるとアンカースクリューを打ち込む時に必要な局所麻酔の量も少ないため、比較的に安全に行えるでしょう。
歯科医院で局所麻酔薬として主に使用されているのが、「リドカイン(キシロカイン)」です。産婦人科で、処置に内容によって局所麻酔を使用する場合があり、その際に使用されているものと同じ種類になります。リドカインはお腹の中の赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。
④歯肉炎や虫歯になるリスク
妊娠中は、唾液の分泌低下や女性ホルモンバランス、つわりなどの影響により妊娠性歯肉炎(にんしんせいしにくえん)や虫歯になるリスクが高くなります。
特にワイヤー矯正の場合、装置の間に食べ物がはさまったり、歯磨きが行い辛く磨き残しが溜まっていくと歯肉炎や虫歯になりやすいです。
妊娠中はつわりで歯磨きが出来ない方もいます。ワイヤー矯正中、つわりで歯磨きができないと、さらに食べかすやプラークが歯に溜まってしまいます。
妊娠中は、吐き気やめまい・疲労感など体調が安定しない事も多くあり、生活習慣が乱れがちになります。つわりがひどい方だと、歯ブラシがお口の中に入る刺激で吐いてしまう場合もあります。どうしても歯磨きが行えない場合は、お口の中を清潔に保つために次の方法をおすすめします。
- ○体調が安定しているときに歯を磨く
○ワンタフトブラシ(先が細く1本のブラシ)を使用する
○夜寝る前の歯磨きだけは丁寧に行う
○マウスウォッシュ(うがい薬)を使用する
○お水を飲む
歯列矯正をしていなくても、歯はきれいに保つことをおすすめします。
歯磨き不足で妊娠性歯肉炎になり、そのまま放置しておくと歯周病に進行し、低体重未熟児や早産のリスクが高くなります。
妊娠性歯肉炎は普段の歯磨きで改善することができます。
歯磨きをしっかり行い、お口の中を健康に保つことが大切です。
妊娠している場合、安全に使用できる痛み止めを服用する必要があります。
痛み止めだけに限らず、妊娠中は服用できない薬もあるため、自己判断をせず担当医師に相談するようにしましょう。
歯列矯正をするにあたり妊娠前に済ませておいた方がいい事
妊娠中に歯列矯正を始めることは可能です。
しかし、事前にしておいた方が良いこともあります。
①かかりつけの歯医者さんを探しておく
妊娠中は、妊娠性歯肉炎や虫歯になるリスクが高くなります。
女性ホルモンの変化で特定の細菌が増えやすくなったり、つわりの影響で歯磨きが行いづらくなることがあります。
お口の中のトラブルは母体だけでなくお腹の中の赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに治療することをおすすめします。
また、定期的に歯医者さんに通うことで虫歯などの早期発見・早期治療にも繋がります。
②レントゲン撮影を済ませておく
歯列矯正を始めるには、レントゲン撮影が必ず必要になります。
治療方針を考えるために、歯列矯正を行う前の歯や骨の状態を確認しなければなりません。
歯医者さんで行うレントゲン撮影の被ばく量は微量ですが、お腹の中の赤ちゃんが影響を受けやすい妊娠初期は控えたほうが良いでしょう。
まとめ
妊婦さんの方でも歯列矯正をすることは可能であり、実際に患者さまにもおられます。
ですが、妊娠をしていない時と比べるとさまざまなリスクや注意が必要となります。
妊娠中はご自身の体調を優先し、一時的に治療を中断するなど担当の歯科医師とよく相談をして無理のない範囲で治療を進めていくようにしましょう。
また妊娠中は、お口の中のトラブルが多くなります。そのため、お口の中のケアは妊娠前の時よりも気を遣う必要があります。体調が安定しない時もあると思いますが、お口の中を清潔に保てるよう心がけましょう。
学校歯科健診で歯列・咬合を指摘されたら
小中学校生の保護者の皆様へ
新学期が始まると神戸市では学校歯科健診が行われます。
学校歯科健診には主に3つあります。
1.春期歯科健診 4月から6月におこなわれます。(高校は春期のみ)
2.秋期歯科健診 10月頃におこなわれます。秋期の健診では、歯列・咬合・顎関節の検査なし。
3.就学前健診 次年度入学児童について前年の11月におこなわれます。(小学校)
では、学校歯科健診とはどんなことをチェックしているかご存じですか?
気になっている保護者の方もおられると思いますので、今回は、学校歯科健診についてお話します。
学校歯科健診の目的
学校歯科健診では、児童・生徒のお口の中をみて虫歯などがないかを視診(目で見て行う診療)し、問題があった場合は健診用紙にチェックが入ります。
健診手順は、『歯肉の状態』『歯列・咬合・顎関節の状態』・『歯垢の状態』を程度によって「0」「1」「2」で判定しています。お子様が用紙を持って帰ってきたらどこにチェックが入っているか確認してみてください。
しかし、学校内での歯科健診は歯科医院での検査と違い、設備(照明や器具)時間(短時間に大勢をみる)ため、判定基準をもとにおおまかなチェックになり検査や説明は行っておりません。
始めに、学校歯科健診と歯科医院での健診の違いを簡単に説明します。
|
学校歯科健診 |
歯科医院での検査 |
対象 |
集団 |
個人 |
目的 |
今のお口の中の健康状態をみる |
治療や予防処置 |
環境 |
照明や機器などなく設備上制限がある |
十分な明るさの照明・専用の器具・レントゲンなどの設備が整っている |
結果 |
スクリーニング(ふるいわけ) |
確定診断 |
このように、歯科医院での検査とは全く異なります。
では、学校歯科健診で『歯列・咬合・顎関節の状態』の判定とチェックが入った場合どのような事か説明します。
『歯列・咬合・顎関節の状態』とは、歯並び・噛み合わせ・顎の関節等のことです。
まずは、判定基準から説明します。
判定基準
学校歯科健診での歯列・咬合の判定は、学校歯科医会による判定基準により
・異常なし=0
・定期的な観察が必要=1
・専門医(歯科医)による診断が必要=2
上記の3つに分けられます。
当院の先生も学校歯科健診の時は、この判定基準に従って行っていますが、
1 は矯正治療の対象となる不正咬合
2 は比較的重度の不正咬合
と矯正専門医として考えられております。
また、レントゲンが必要な状態(生まれつき永久歯が欠けているのか、生えてくるのが遅いのかを区別することなど)は、学校歯科健診の視診(目で見て行う診療)だけでは判断できないことをご理解ください。
お子様が学校からもらってきた検診結果に“不正咬合(歯並びに問題がある)”にチェックが入り通知されたら、あわててしまうかもしれません。
しかし、不正咬合のなかには今すぐ矯正治療をする必要がない場合もあります。小学生(成長期)の不正咬合は、最適な治療開始時期が異なるからです。不正咬合(歯並びに問題がある)にチェックがある場合は、一度、矯正治療専門の当院にご相談ください。
歯並びの相談は初回無料で行っております。今すぐに治療が必要でない場合は、最適な時期がくるまで、かかりつけの歯科医院で定期的に通院をしていただくことをおすすめしています。
学童期(小学生)は、乳歯から永久歯への生え変わりがあり、お口の中がどんどん変化します。低学年のお子様は、自分では正しい歯磨きの仕方が出来ていないことが多いので、保護者の方が丁寧に仕上げ磨きをするようにしましょう。
仕上げ磨きをしていることで、お子様のお口の中の状態を把握でき、虫歯や乳歯のグラつき、乳歯から永久歯に生え変わる時など早くに気づくことが出来ます。特に生えかけの永久歯は虫歯になるリスクが高いので、特に注意が必要です。
仕上げ磨きの際の歯ブラシの持ち方は、軽い力で磨けるペングリップ(鉛筆の持ち方)でしてあげるといいと思います。
また、中高学年のお子様をお持ちの方は、出来れば永久歯が生えそろう12才頃、小学校を卒業するぐらいまで仕上げ磨きがを行うのが理想だと思います。が、現実はなかなか難しいでしょう。お子様が嫌がらないようなら中学生になっても仕上げ磨きをしてあげてください。
嫌がるようや自分で磨いているお子様でも時々は口の中を観察してあげるといいと思います。毎日じゃなくても週に一度ぐらいでも大丈夫です。歯磨きしていると思ってもまだ上手に磨けてなかったりもします。特に中学生になると部活も始まり、学校に習い事など小学生の時と生活のリズムも不規則になり変化します。お子様も忙しくなりきちんと磨けなかったりします。
当院でも、通院されている患者様で、小学生の時はお口の中が綺麗だったのに、高学年、中学生になって急に歯茎が腫れていたり、口臭や歯石がついていたりすることに気づくことがあります。
まずは、お子様にあった正しい情報を得ること知ることが大切です。周りの人の話だけではそれぞれの症状にあった正しい情報を得るのは難しいと思いす。できましたら矯正専門の医師に相談することをお勧めします。
ふじよし矯正歯科クリニックでは、正しい情報をお伝えするために歯ならび無料相談を設けています。歯ならび無料相談で、正しい情報を得た上でどうされるか考えていただくことをお勧めします。
歯ならび無料相談は初回の方が対象になります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断したらどうなる?リスクを解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、取り外し可能な透明なマウスピースを使用した方法です。その快適さから、ストレスが少なく治療が進められると近年多くの方に選ばれています。
しかし、さまざまな理由でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースも少なくありません。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するとどのような影響があるのか、また治療費は返金されるのかについて詳しく解説します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケース
まずは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断するケースについてご紹介します。
妊娠・出産
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、妊娠中や出産後も基本的には継続可能ですが、つわりや体調不良によりマウスピースの着用が困難になることがあります。
また、妊娠に伴うホルモンバランスの変化で妊娠性歯肉炎になりやすく、歯茎の腫れや出血がマウスピースの装着に影響を与える場合もあるでしょう。出産や育児で通院が難しくなったり、マウスピースの定められた装着時間を守ったりするのが難しい場合も想定されます。
マウスピースの装着が難しい場合、固定式リテーナーへの変更も可能ですが、歯並びの状態によっては適応できないこともあります。
一時的に治療を中断する場合、患者さんの状況に合わせて柔軟に対応しますが、マウスピースが合わなくなった場合は再治療が必要になることもあるでしょう。その際は、追加で費用が発生する可能性があります。
転勤・引っ越し
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、治療期間が数年に及ぶことがあり、転勤や引っ越しで治療を中断することが起こり得ます。
転院を考える際には、現在通っている矯正歯科から転院先を紹介してもらうとよいでしょう。これにより、矯正データの引継ぎが可能となり、新しい歯科医院でも治療をスムーズに再開することが可能です。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療で使用するマウスピースは治療開始時にまとめて受け取り、一定期間ごとにご自身で交換しながら治療を進めるため、通院の頻度は2~3か月に1回程度です。転勤・引っ越し先にもよりますが、この頻度であれば転院することなく通える方もいるでしょう。
しかし、治療の進行状況により通院間隔は異なるため、担当歯科医師に相談しましょう。
留学
数か月の短期留学であれば、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を継続できるケースがあります。
しかし、長期留学の場合は、治療の一時中断や中止を検討する必要があるでしょう。留学が決定したら、速やかに歯科医院に連絡を取り、どのように対応するか相談することが大切です。
病気
矯正中に病気が発覚して、治療を中断せざるを得ないケースがあります。
しかし、病状によっては矯正治療を続けられることもあります。病気の治療を優先するために矯正を中断する場合は、後戻りを防ぐために保定装置を使用するとよいでしょう。
病気が発覚したら、主治医に矯正治療中であることを伝えてください。また、矯正歯科医とも十分に話し合うことが求められます。
虫歯・歯周病
矯正治療中に歯周病や虫歯になった場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を一時中断しなければならないことがあります。歯周病や虫歯の治療が優先となるためです。
虫歯治療で歯を抜いたり、大きく削ったりした場合、すでに作製されたマウスピースが適合しなくなる可能性があります。マウスピースが適合しなくなった場合には、マウスピースを作り直す必要があるでしょう。
このような事態を防ぐためには、口腔内の健康管理が重要なのです。
マウスピースの装着時間を確保できない
計画どおりに歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。
しかし、装着時間を守れないケースもあります。外出が多く、食事のたびにマウスピースを外すことが煩わしいと感じることもあるでしょう。マウスピースの装着がストレスになり、治療の継続が困難になるケースもあるのです。
このような状況では、ワイヤー矯正への変更が一つの解決策となります。裏側矯正を選択すれば、矯正装置が目立つことなく治療を進めることが可能です。
しかし、現在通っている歯科医院がワイヤー矯正に対応しているかどうかは事前に確認が必要です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着時間を守ることが難しい方は、取り外しが不要なワイヤー矯正を選ぶとよいでしょう。
マウスピース装着による痛みや違和感が強い
痛みやマウスピースの不快感に耐えられず継続が困難になる方もいます。矯正の最終段階でワイヤーや顎間ゴムを使用する場合があることを知らずに治療を始め、のちに中断したいと思う方もいるでしょう。
矯正治療で使用する器具や治療期間は個々の歯並びによって異なるため、治療を開始する前には矯正に関する十分な理解が必要です。
インターネット上の情報をもとに判断するのではなく、自分自身の歯の状態や治療の進め方について、担当歯科医師にしっかりと確認し、納得のいくかたちで治療を進めましょう。
マウスピースの装着を忘れることが多い
マウスピースを装着する習慣が根付かない方もいます。特に、学生さんにとっては、マウスピースを装着したときの違和感が勉強や部活動に悪影響を及ぼし、結果的に矯正治療の中断に至ることがあります
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は、患者さんによる自己管理が必要となる治療です。どうして矯正治療をする必要があるのかよく理解し、治療を通じてモチベーションを維持することが非常に重要です。
矯正を途中で中断するとどのようなリスクがある?
矯正を途中で中断すると、さまざまなリスクがあります。
後戻りが起きる
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断すると、治療後に歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こるリスクがあります。
矯正治療で歯並びを整えたあとは保定装置(リテーナー)を装着して後戻りを防ぐ必要があるのです。これを怠ると後戻りが起こる可能性が高まります。
もし治療の途中で患者さま自身が無断で中断した場合、適切な保定処置を受けられず、結果として歯が再び動き、元の位置に戻る可能性があります。そのため、矯正治療は計画に従い、最後まで継続することが非常に重要なのです。
噛み合わせが悪くなる可能性がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を途中で中断することで、噛み合わせが悪くなる可能性もあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯並びの改善だけでなく、噛み合わせの改善も治療計画の一部として組み入れられています。
しかし、矯正を中断すると、噛み合わせがずれた状態になる可能性があるのです。噛み合わせが悪いと食事がしにくいだけでなく、肩こりや頭痛の原因にもなるでしょう。
治療期間が延びる
矯正を一時中断し、のちに再開する場合、治療期間が延びる可能性があります。中断した期間によっては治療自体がやり直しになるケースもあるでしょう。
上述のとおり、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に歯周病や虫歯になって一時中断するケースもあります。歯周病や虫歯の治療を終えてから矯正を再開することになるため、当初の計画よりも治療期間が延びてしまうのです。
また、虫歯治療によって歯の形状が変わり、マウスピースが合わなくなった場合には作り直しが必要です。新しいマウスピースの作製には1〜2か月程度の時間がかかるため、その分治療期間が延長になります。
矯正を中断した場合は返金される?
矯正を中断した際の返金については、歯科医院や契約内容により対応が異なるというのが現実です。中断を考える際、患者さまが最も気になるのは、支払った治療費がどの程度戻ってくるのか、あるいは戻るのかという点でしょう。
日本矯正歯科学会に属する矯正歯科医院では、矯正を中断する場合には治療の進行度に応じて返金・精算するよう定められています。
しかし、全ての矯正歯科医院がこの学会に属しているわけではなく、独自の返金ポリシーを設けている歯科医院もあるのです。一部または全額の返金が可能なケースもあれば、進行度に応じて返金額が減少するケース、返金が認められないケースもあります。
矯正の中断を検討している場合は、まず契約内容の確認が必要です。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始める前には、治療計画や費用、中断した際の対応についてよく確認しましょう。
返金が認められる場合でも、歯科医院や契約内容によって条件は異なります。例えば、治療開始後の特定の期間に限定している場合や、既に作成されたマウスピース・受けた治療にかかった費用は返金対象外となる場合が多いです。
また、患者さまの個人的な都合で中断した場合には、返金を行わないと定めている歯科医院も少なくありません。
このように、契約を結ぶ前にマウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正を中断する際の返金に関する条件やポリシーをしっかりと理解し、納得した上で治療を開始することが大切です。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を中断する理由は、出産や引っ越し、虫歯・歯周病の治療などさまざまです。
しかし、矯正を途中で中断すると、後戻りや噛み合わせの悪化、治療期間の延長などのリスクがあります。
体調や環境の変化によってマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断しなければならない場合や、自己管理ができないなどの理由で治療を継続するのが難しい場合には歯科医師に相談しましょう。
また、治療を中断した際の返金については、歯科医院が所属する学会や独自のポリシーにより対応が異なるため、治療開始前の契約時に詳細を確認することが非常に重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。