コラム

2024.02.16

叢生は放置してはいけない?マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治す方法とは?

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザライン治療をする女性

叢生とは、歯が重なり合っている状態のことです。叢生は、見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病、顎関節症の発症リスクを高めるなど、口腔衛生にも大きな影響を及ぼします。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で、叢生を改善できるかもしれません。

この記事では、叢生を放置するリスクや、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治す方法について解説します。

叢生とは?

叢生の人

叢生とは、歯と顎の大きさのアンバランスによって引き起こされる状態で、歯が部分的に重なり合うことを指します。

歯のサイズが大き過ぎるか、顎骨の発育が不十分である場合によく見られます。歯が適切に並ぶスペースが不足していることで、八重歯や乱雑な歯並びが引き起こされます。

歯と顎のアンバランスが顕著な場合、矯正治療の際に永久歯の抜歯が必要になることもあります。

叢生の原因

叢生の原因に悩む人

叢生の原因は、歯や顎の発達過程や、口腔の習慣などが関係しています。以下に、叢生の原因を解説します。

乳歯が早期に抜け落ちた

乳歯が通常よりも早期に抜け落ちると、隣接する歯が移動して永久歯が生えてくるためのスペースが狭まります。歯が失われた際に、隣の歯が隙間を埋めるために中心へと移動するのです。

その結果、永久歯が適切な位置に生えることができず、叢生を引き起こすことになります。

顎や歯のサイズが小さい

叢生の主な原因は、顎の骨が小さすぎること、または永久歯のサイズが大きすぎることです。

顎の骨が小さい場合、永久歯が並ぶためのスペースが不足し、歯が本来生えるべき位置と異なる場所に生えてしまうことがあります。これにより、歯が重なり合ったり、不規則な角度で生えたりするのです。

顎のサイズに比べて永久歯が大きい場合も、歯がまっすぐに生えるスペースが足りなくなります。結果的に歯がねじれて生えたり、位置がずれて生えたりする原因となります。

口呼吸や舌の習慣

口呼吸や舌の悪習慣が、叢生の原因になることもあります。口呼吸を長期間続けると顎の正常な成長が妨げられ、結果として歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。口呼吸が上顎の成長を制限することが原因です。

舌を前に突き出して噛む、舌を上顎に強く押し付けるといった舌の悪習慣も、歯並びに不自然な圧力を加えて叢生を引き起こす可能性があるため注意が必要です。これらの習慣が長期にわたって続けられると、顎の成長に負の影響を与えます。

叢生を放置するとどのようなリスクがある?

叢生を放置するリスク

叢生は単に見た目だけの問題ではなく、口腔環境にも関わってきます。例えば、乱雑な歯並びによって磨き残しが増えると、虫歯や歯周病、口臭を引き起こすことがあります。また、うまく咀嚼できないことにより、胃腸に負担がかかるなど全身の健康にも影響するのです。

ここでは、叢生を放置するとどのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。

虫歯や歯周病になりやすい

歯が重なり合うと、歯ブラシが歯の間や裏面などに十分に届かず、適切な口腔ケアが難しくなります。歯間ブラシやデンタルフロスを使用しても清掃が困難な箇所が生じ、食べかすや歯垢が残りやすくなるでしょう。

歯垢は、虫歯や歯周病の原因です。叢生の方は、特に食べかすや歯垢が溜まりやすいことを意識して口腔ケアに注意しなければなりません。

口臭が強くなる可能性がある

叢生の状態だと、歯垢が溜まりやすいことをご説明しました。歯垢は、虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、口臭も引き起こします。

特に、肉や魚などの繊維が歯間に残ると、腐敗臭を発する原因になり得ます。さらに、叢生が原因で口をしっかり閉じることができない場合、口腔内が乾燥しやすくなります。これがさらに口臭を悪化させる要因となります。

口内炎ができやすい

歯列が乱れていると、日常的に舌や内頬を噛むリスクが高まります。噛んでできた傷は、口内炎につながるかもしれません。

繰り返し舌や内頬を噛むと、痛みや不快感を伴うだけでなく、長期的には口腔内の健康を損ねる要因にもなります。

見た目にコンプレックスを抱くことがある

叢生は、見た目に対するコンプレックスを抱きやすい症例として知られています。

歯並びが悪いことにより、人前で笑うことを恥ずかしく思う方は非常に多いです。特定の言葉の発音が難しくなって、しゃべること自体を避けるようになるなど、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。

歯は、人の第一印象を大きく左右する要素の一つです。歯並びの悪さが自信の欠如につながり、精神的な負担となることも少なくありません。叢生を放置すると、単に口腔内の健康に影響を及ぼすだけでなく、精神的な健康にも悪影響をもたらす可能性があるのです。

顎関節症の発症リスクが高まる

叢生を放置して歯並びが悪い状態が続くと、噛む動作によって顎に不自然な負担がかかります。長期的に負担がかかり続けると、顎関節症を発症するリスクが高まります。

顎に過剰な負担がかかることで周囲の筋肉が緊張し、血流が悪化することもあります。首や頭、肩に影響を及ぼし、頭痛や肩こり、首の痛みなどを引き起こす原因となることもあります。

胃腸に負担がかかりやすい

叢生を放置すると、歯が正しく噛み合わないことで咀嚼能力が低下します。特定の歯に過剰な圧力がかかるだけでなく、食べ物を十分に咀嚼せずに飲み込む原因になります。

食べ物を十分に咀嚼することは、消化過程の第一歩です。よく噛まずに飲み込むと、消化器系への負担を増加させることにつながります。胃や腸に不必要なストレスを与え、消化不良や便秘・下痢につながる可能性があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で叢生を治す方法

抜歯

軽度の叢生は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を用いて治療が可能です。重度の叢生については、治療前に十分なスペースを確保するため抜歯が必要になることがあります。

抜歯は、歯を動かすためのスペースを作る上で重要な処置です。

ただし、多くの歯を抜く必要がある場合は、治療が複雑になりマウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでは対応が難しくなることもあります。抜歯をしない場合でも、治療を効果的に進めるために以下の処置が施されることがあります。

・側方拡大
・遠心移動
・前方移動
・IPR(歯を削る処置)

これらの方法を組み合わせることで、歯を適切に並べるためのスペースを作り出せます。叢生を効果的に治療できるようになるでしょう。

しかし、上記の方法で十分なスペースを確保できない場合は、やはり抜歯は避けられません。抜歯を行うと歯を動かす距離が長くなるので、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでは対応できなくなる場合もあるため、歯科医師と相談しながら慎重に検討してください。

まとめ

インビザラインのマウスピース

叢生は、歯と顎のサイズの不均衡により発生する、歯が重なり合う状態のことです。叢生の主な原因には、顎の骨が小さいこと、永久歯が大きすぎること、乳歯が早期に抜けることが挙げられます。

叢生を放置すると歯並びが悪化し、歯磨きがうまくできなくなります。虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、咀嚼機能が低下することから消化器系へ影響も懸念されます。

叢生を治す方法の一つとして、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療が挙げられます。軽度から中等度の叢生を治療する選択肢の一つです。抜歯や側方拡大、遠心移動、前方移動、IPRなどの方法で、歯を動かすスペースを確保します。

重度の叢生の場合は抜歯が必要となるでしょう。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)だけでの治療が難しくなることもあるため、抜歯するメリット・デメリットをよく理解する必要があります。

歯科医師とよく相談をしたうえで、治療方法を検討することが大切です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での叢生の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。