歯科衛生士向けインビザライン・ハンズオンセッション
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
先日、当院スタッフの皆とインビザライン*のセミナーに参加してきました。
セミナーの名称は、「矯正歯科クリニックスタッフ向けハンズオンセミナー大阪開催」
大阪の梅田で開催され、他府県の歯科医院のスタッフさんもおられました。
講師は、ご自身も歯科衛生士として現役ながら、全国各地で開催されるインビザライン*のマウスピース矯正研修講師としてとても有名な方です。セミナーが終わってからも、会場の時間ギリギリまで当院スタッフ達の質問に答えてくれ良いアドバイスを沢山いただきました。
セミナーの内容
- 1. クリンチェック実習
2. アタッチメント実習
3. モニタリング実習
4. 初診カウンセリング
クリンチェック実習とは
クリンチェックとは、インビザライン*での治療計画を見られるシュミレーションソフトの名前のことをいいます。治療の前から治療終了までの治療の計画の検討と立案ができ、歯の移動のシュミレーションを詳細に動画で見ることができる画面のことをいいます。
ここでのポイントは、
クリンチェック治療計画の意味合いを理解する
(治療前の状態から治療後のイメージまでが操作できるようになる)
治療進行予定について確認ができるようになる
(ステージングバー、アタッチメント設置時間、IPR時期などの確認)
患者さんにクリンチェック治療計画を見せて説明ができるようになる
(二人一組で相互練習 スタッフ同士で練習)
当院で実際に使用しているタブレットを持参し、デモ用の画面を見ながら、表示されている内容を理解し、患者さんに説明できるように操作していきました。実際に表示したことなかった項目や見かた、説明の仕方なども知れて大変勉強になりました。
アタッチメント実習とは
アタッチメントがとは、診断しクリンチェック治療計画された歯に、専用のテンプレートマウスピースを用いてコンポジットレジン(CR)を歯面に装着する補助的手段で、歯にアライナーの力が効率的に与えられるよう一つ一つ設計され、「てこ」の役割を果たすものです。見た目的には歯の表面に白いポチポチがつき、歯の移動を補助する役割があります。
ここでのポイントは、
- アタッチメントとはなにか?
(アタッチメントの種類と役割を理解し、患者さんに説明ができるようになる)
- アタッチメントを設置できるようになる
(脱離しにくいアタッチメント設置のポイントを理解し、模型実習を行う)
- アタッチメントが取れた場合の様々な対応を学ぶ
(すぐに来院していただくべきか?の判断の仕方と、脱離の原因を考える)
アタッチメントは、患者さんの歯に歯科材料の白いCRと呼ばれるレジンを、治療計画にそってつけているポチポチしているもののことをいいます。インビザライン*での治療をする場合は、必ず装着しますが、歯面につけるためどうしても脱離(取れる)してしまうことがあります。しかし、このアタッチメントは、治療が終われば歯から取るものなので、最後に取れる歯科の材料でつけなければなりません。なので、マウスピースを取り外したとき、食事の際にアタッチメントがとれてしまうのは、仕方がないのです。よく、アタッチメントがとれてしまったと患者さんから連絡がきますが、今、積極的に動かしている歯の部分ではなければ、すぐにアタッチメントを付けなおす必要がないようです。アタッチメントは、あくまでも歯を動かすときの補助的な役割なので、アタッチメントがとれていることよりも、マウスピースの装着時間とチューイーの噛み方のほうが大事だと教わりました。
アタッチメントには、二種類あり
「通常アタッチメント」
歯面のアタッチメントの形状とアライナーのくぼみの形状は一致
「最適アタッチメント」
歯面のアタッチメントの形状とアライナーのくぼみの形状が異なる
この二種類のアタッチメントを、患者さんの治療計画にそって組み合わせて実際に歯に装着していきます。また、このアタッチメントは歯につけたあとに舌で触るとザラザラしているのが正解だそうです。
アタッチメントが脱離(取れる)しないためのポイントは、
- 1. 装着前にプラークをしっかり除去する
- 2. エッチングとボンディングをしっかりする
- 3. 防湿と乾燥をしっかりする
- 4. アタッチメントテンプレートの適合を確認する
- 5. コンポジットレジン(CR)の最適な量を理解する
- 6. アタッチメントテンプレートの圧接
また、アタッチメントを装着したあとは、はみでたバリを確実に除去をすることが大切だそうです。このバリが歯に残ったままだと、歯とアライナーの間に隙間ができてしまい、治療計画どおりに歯が動かない・歯の動きが悪くなる・歯のスペースだ足りなくなる・プラークがたまる・アライナーの浮きの原因になるなど、様々な影響がでることがあるようです。アタッチメントをつけたあとに、歯科衛生士が歯をカリカリしているのは、このバリを除去しているためです。歯を削っているのではないので安心してください。
モニタリング実習とは
インビザライン*での治療のさいに、患者さんの歯が治療計画の通りに確認をすることをいいます。患者さんが前回の治療から今回来院するまでに、困ったことやトラブルや気になったことがないか尋ね、装着時間やチューイーの噛み方、今何番目のマウスピースを装着しているか確認します。今回のセミナーに参加していた他院の歯科衛生士も数名インビザライン*での治療を今現在行っていましたが、皆さん今自分が何番目のマウスピースを装着しているか把握していました。当院でも、インビザライン*での治療をしている患者さんには必ず「今何枚目ですか?」とお聞きしておりますが、すぐに番号を言えるかたと、マウスピースを外してマウスピースに書かれている番号を見て確認するかたがおられます。治療に積極的だと、自分が今何番目の(何枚目)マウスピースをつけているかわかるそうです。逆に治療のモチベーションが下がっていると番号に興味がなく自分が何枚目を使っているか分からないそうです。インビザライン*での治療をしておられる方、今自分は何番目のマウスピースを装着しているかすぐに答えられますか??
初診カウンセリングとは
カウンセリングとは、個人のもつ悩みや不安などの心理的問題について話し合い、解決のために援助・助言を与えること (大辞林 第三版)
ステップ①顔合わせ 問診票・カルテをチェック
ステップ②ヒアリング 問診
問診では、現状確認(どんなことが気になっているのか)問題発見(一番気になっているところ、痛み?期間?)意思確認(不安に思っていること、どの程度の仕上がりを求めているのか)など、三段階に分けて問診していくことが大事なようです。
まとめ
コロナのため、数年ぶりのセミナーの参加でしたが、とても勉強になりました。私自身、インビザライン*での治療をしていましたが、治療しているときに参加していたらもっと為になり役立つことが多かったな、と思いました。セミナー終了後、会場が閉まってしまうギリギリまで当院スタッフは講師の方に質問をし、いっぱいセミナーの内容以上に学んできました。今後、インビザライン*での治療以外にも今回の学びを生かしていきたいと思います。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間が延長になる原因と予定どおりに終わらせる方法
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療とは、透明で薄いマウスピース型矯正装置を使用した矯正方法の1つです。目立ちにくさと着脱可能な利便性から人気を集めています。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討している方は、治療期間がどれくらいかかるか知りたいのではないでしょうか。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療の治療期間は、歯を動かす本数や移動距離によって異なります。また、矯正後は、整えた歯並びを保持するための保定期間が設けられます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療ではマウスピースの管理が非常に重要です。マウスピースの適切な管理や毎日の口腔ケアを怠ると、治療期間が延びる可能性があるでしょう。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間が延長になる原因と、予定通りに終わらせるための方法について詳しく解説します。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間は、矯正する歯の本数や移動距離によって異なります。歯列矯正には、歯を目標の位置まで移動させる矯正治療期間と、その後の後戻りを防ぐための保定期間があります。
以下では、それぞれの期間について解説します。
矯正治療期間
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療では、矯正する範囲によって全体矯正と部分矯正に分かれます。
全体矯正は奥歯から前歯まですべての歯を整える矯正方法で、一般的には2~3年かかります。部分矯正は「上の前歯の隙間だけ矯正したい」など、特定の箇所だけを矯正する方法です。矯正治療期間は半年~1年程度で、全体矯正よりは短くなります。
保定期間
矯正治療が終了し矯正装置を取り外した直後の歯は、骨がまだ安定していないため動きやすい状態にあります。この状態で歯を放置すると、歯は治療前の元の位置に戻ろうとします。
この現象を後戻りと呼び、後戻りを防ぐためには歯並びを矯正した後に保定期間を設ける必要があります。保定期間は、通常矯正期間と同程度かかるとされています。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の治療期間が延長になる原因とは?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療に限らず、抜歯が必要な方や歯槽骨が硬い方は治療期間が長くなりやすいです。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療とマルチブラケット装置を用いた矯正治療、いわゆるワイヤー矯正や外科手術を併用する場合も、治療期間の延長につながりやすいでしょう。これらの症例では、歯の移動量が大きくなるためです。
しかし、上記のような症例でなくても、治療期間が延長するケースがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間が延長になる原因について、それぞれ詳しく解説します。
マウスピースの装着時間が短い
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間が延長になる主な原因の一つは、マウスピースを指示通りに装着できていないことです。特に、マウスピースの装着時間が短いケースが多いでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、1日に20時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。そのため、食事や歯磨きの時間以外はマウスピースを装着する必要があります。
マウスピースの装着時間が短いと治療計画通りに歯が移動しないため、期間が延長されます。マウスピースを交換した際に痛みや違和感が生じることもあるでしょう。
痛みや違和感が強い場合は1つ前のマウスピースに戻して数日間様子を見ることもあります。マウスピースを交換するタイミングが遅れるので、治療期間が延長する可能性が高まります。
マウスピースが浮いたまま装着している
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の効果を最大限に引き出すためには、マウスピースを正しく装着することが不可欠です。マウスピースが歯に十分に密着していない場合、適切な力が歯にかからず治療計画通りに歯が移動しない可能性が高くなります。
特に、新しいマウスピースに交換した直後の2~3日間は、マウスピースが浮きやすいです。この期間は特に注意してマウスピースを装着するように心がけましょう。
虫歯や歯周病になった
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中はマウスピースを長時間装着するので、唾液の自浄作用が低下します。そのため、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まるのです。
食後に歯磨きをしないでマウスピースを装着したり、マウスピース洗浄しないで装着したり、マウスピース装着中に糖分を含む飲み物を摂取したりすると、虫歯や歯周病になるかもしれません。口腔ケアやマウスピースの取り扱いは適切に行う必要があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中に虫歯や歯周病になると、矯正を一時中断して治療を優先することが多いです。虫歯の治療によって歯の形が大きく変わる場合、既存のマウスピースが合わなくなるため新しいマウスピースを作り直す必要があるでしょう。
マウスピースを破損・紛失した
マウスピースが破損・紛失した場合、新しいマウスピースを作り直す必要があります。このような場合、新しいマウスピースが完成するまでに数週間〜1か月ほどかかります。新しいマウスピースが完成するまでの間、矯正治療は進まないため治療期間が延長になるでしょう。
また、新しいマウスピースが完成するまでの間に、歯が元の位置に戻る後戻りが生じる可能性があります。後戻りした歯を再び動かす時間が追加されるため、治療期間がさらに延長する原因となります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を予定どおりに終わらせる方法
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を予定通りに終わらせるためには、治療する上でのルールを守ることが重要です。治療期間を延長させずに予定どおりに終わらせる方法は、以下のとおりです。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療のメリットの一つは、自分でマウスピースを取り外せることです。
しかし、その代わりにマウスピースの装着時間を自分で管理する必要があります。通常、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、1日20時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。
食事と歯磨きを除いて、常にマウスピースを装着しておく必要があります。マウスピースをつけ忘れないようにするために、食後にアラームを設定するなどしてマウスピースの付け忘れを防止しましょう。
マウスピースの交換日を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、7~14 日に一度新しいマウスピースに交換して少しずつ歯を移動させます。マウスピースの交換は患者さまが行う必要がありますが、忘れると治療計画がずれる可能性があるため注意が必要です。
マウスピースの交換忘れを防ぐために、スマートフォンのリマインダー機能を活用したり、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の治療サポートアプリを導入したりするとよいでしょう。
マウスピースを正しく装着する
マウスピースを歯に密着させて正しく装着するための、チューイーという補助ツールがあります。新しいマウスピースに交換する際は、マウスピースの形がまだ歯に馴染んでいないため、手指だけではマウスピースを密着させることが難しいです。
その際にチューイーを一定時間噛むことで、マウスピースを歯に馴染ませ正しく装着することができます。
口腔ケアとマウスピースのケアを徹底して行う
口内やマウスピースの清潔を保てないと、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。食後にマウスピース型矯正装置(インビザライン*)を装着する前には、必ず口腔ケアとマウスピースのケアを行いましょう。
食後は歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して虫歯や歯周病の原因となるプラークを丁寧に除去しましょう。マウスピースをそのまま装着すると、歯磨きをした後の口内に汚れを再び戻すことになります。
マウスピースを外した際には必ず流水で洗浄し、清潔な状態で装着しましょう。
マウスピースは専用のケースで保管する
マウスピースを取り外したら、すぐに専用のケースに入れて保管しましょう。特に、外食や旅行の際は紛失しやすいため、注意が必要です。
専用のケースに入れずティッシュに包んで保管して、誤って捨てたり踏んだり上に物を置いたりする方が非常に多いです。外した時は、必ず専用のケースで保管してください。
矯正後の保定をしっかり行って後戻りを防ぐ
矯正治療で移動させた歯は、マウスピースの矯正力から解放されると元の位置に戻ろうとします。理想の歯並びを保つためには、矯正で移動させた歯が後戻りしないように保定することが重要です。
個人差はありますが、保定期間は矯正期間と同程度かかります。矯正治療が終了した後も、指示通りに保定装置(リテーナー)を装着し、歯が後戻りしないように注意しましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の矯正期間は、動かす歯の本数や距離によって異なります。一般的には約2~3年かかります。また、矯正後の歯が後戻りしないように歯を固定する保定期間も必要であり、矯正治療の期間と同程度かかります。
このように、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療は数年に渡って行う治療です。治療上のルールを守らないと治療期間がさらに延びる可能性もあるため、注意が必要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療が予定通りに終わるかどうかは、患者さまの自己管理能力に左右されます。予定通りに治療を終わらせるために、マウスピースを適切に装着し、口内やマウスピースの清潔を保つなど、自己管理を徹底しましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
不正咬合の予防
不正咬合の原因は、「先天的原因」と「後天的原因」の2つにあります。「先天的原因」は、遺伝や先天性疾患などがあり、予防することは難しいといわれています。しかし、「後天的原因」は口腔習癖や乳歯う蝕・早期喪失の早期の除去、また初期の不正が新たな不正を招いたり、増悪することを防ぐための早期の治療(抑制矯正)が予防的な方法と考えられます。不正咬合の予防には、虫歯や歯周病の予防、治療を行うこと、成長期の子供に正しい姿勢で、適切な食品の摂食、嚥下を行うことが良好な口腔機能の成育をはかることに大きく関係します。
乳歯う蝕(虫歯)、早期喪失の治療
乳歯が虫歯によって早期喪失した場合や、乳歯の歯根吸収が何らかの理由で早まり、乳歯が早期に脱落すると咀嚼や発音などの口腔機能に影響を及ぼすことがあります。さらに、乳歯の早期喪失により、隣の歯の傾斜・移動と対合歯の挺出が起こることがあります。また、乳歯歯列の乱れにより、永久歯の埋伏や叢生、顎の偏位などを引き起こすことがある。虫歯や歯周病になる前に定期的に歯科医院でのメンテナンスを行い、治療が必要な場合は、速やかに治療を受けましょう。
晩期残存乳歯の抜去
乳歯の歯根吸収が遅延あるいは停滞していると、永久歯の萌出が遅れたり、永久歯の埋伏、萌出部位の異常などが発生することがあります。また、永久歯の位置異常により乳歯の歯根吸収が遅れる場合もあります。永久歯の先天欠如(永久歯が先天的にない)により、乳歯の歯根吸収が起こらず、乳歯が晩期残存することもあります。乳歯の適切な時期での抜去は、永久歯の萌出を誘導します。なので、乳歯が歯根吸収されグラグラしている歯や、次の永久歯が生えてきている場合は乳歯を抜くようにしましょう。自分で乳歯を抜くのが怖い方は、かかりつけの歯科医院で抜いてもらいましょう。
口腔習癖の改善
口腔習癖とは、日常の生活の中で無意識に行っている口腔に関した習慣行動をいいます。口腔に関した習癖は多数あります。多くは、顎骨や歯並び、咬み合わせに影響を与えるだけでなく、成長発育期の咀嚼・嚥下・呼吸・発音などに悪影響を及ぼすことが多いと考えられています。その他に、口腔習癖は顔面、口腔機能や心身へも影響を及ぼします。
顔面への影響…口元の突出や表情が乏しい、アデノイド様顔貌
アデノイド:咽頭部に存在するリンパ組織である。咽頭扁桃ともいわれています。小児(小学児童)に多く、咽頭扁桃が肥大し、耳管閉塞や鼻閉塞を起こすことがあります。それにより、口呼吸になり口が開いた状態で顔の筋肉が緩み、間延びした顔つきが特徴です。
顎骨や歯列の成長発育への影響
①上顎前歯の萌出抑制
②上顎前歯の前突
③開咬
④上顎歯列弓の狭窄
⑤交叉咬合
口腔機能の影響
➀発音(サ行・タ行・ナ行・ラ行等の発音障害、舌足らずな発音)
➁咀嚼(よく噛めない、前歯で噛み切れない)
③嚥下(うまく飲み込めない、舌が前に突出する)
④呼吸(いつも口が開いている、口元の筋肉が緩んでいる、口呼吸)
口腔習癖の種類
➀舌癖(ぜつへき)
上下の歯の間に舌を出したり、飲み込む時に舌を突き出したりすることを舌癖といいます。舌癖があると、
舌が内側から歯を押す力が強く働き、外側の唇や頬の筋肉の押す力が相対的に弱くなります。
上顎前突や開咬になるだけでなく、サ行・タ行・ナ行・ラ行の発音障害や舌足らずな発音になることもあり
ます。
※舌突出癖(舌を突き出す癖)・異常嚥下癖(飲み込む時の舌や口唇等の異常な動きをする癖)・
弄舌癖(舌をかんだり、舌を曲げたり、舌を歯に押し付ける癖)などがあります。
舌癖を改善するために筋機能訓練(MFT)を行いましょう。
例)舌の先をスポットにつける訓練
・口を少し開けて、舌を細くして、舌の先をスポット(上の前歯の後ろの歯肉で、プクッと膨らんでいるあたり)につける。
・そのまま15秒間、舌を動かさずじっとする。
※舌の先が歯に当たったり、後ろに下がりすぎたりしないようにする。
※舌は細くしたまま、まっすぐ伸ばしてスポットにつける。
※舌の裏をスポットにつけず、舌の先をスポットにつける。
※舌の真ん中(舌背)が上あごにつくことは大丈夫です。
➁口呼吸
アレルギー性鼻炎やアデノイドなどの鼻咽腔疾患が存在すると鼻呼吸が困難になり、長時間にわたって口から呼吸することをいいます。ヒトは鼻呼吸により正常な呼吸活動を行っています。鼻呼吸と咀嚼、嚥下は適切に相互作用することで、顎顔面領域の調和した成長発育を助けています。しかし、睡眠時無呼吸症候群やアレルギー性鼻炎、アデノイド肥大、口蓋扁桃の肥厚などによって鼻閉や口呼吸になる原因になります。歯科矯正においても、上顎前突や開咬を主訴とする患者さんの中にも鼻閉や口呼吸を有する方多くおられます。口呼吸を行うことによって、上顎前突・開咬・歯列の狭窄・交叉咬合・歯肉炎・歯周炎などの影響があります。
口呼吸を改善するためには、
・鼻咽腔疾患などの原因疾患を治療する
・上顎前突などの歯並びを歯科矯正治療し、口を閉じやすくする
・口を閉じる訓練をするなどがあります。
③吸う癖やかみ癖
指や唇を吸う癖や指や唇などを異常に咬む癖をいいます。特に指しゃぶりは1~2歳に増加し、3歳頃から減少していき、5歳でほとんど消失します。5歳以上でも治らない場合は上顎前突や開咬になり、自然には治りにくいとされてます。吸う癖が原因で前歯部の開咬や上下の前歯の傾斜、口唇の弛緩、前歯部開咬により舌癖が併発、吸指癖の代償として咬爪癖が発現するなどの影響があります。かみ方の異常が原因で、歯列の変形や開咬、上顎前突、顎偏位、交叉咬合などの影響があるため、やめるようにしましょう。
※母指吸引癖(指をかむ癖)・吸唇癖(唇をかむ癖)・咬爪癖(爪をかむ癖)・咬唇癖(唇を上下の前歯の間に挟んでかみ締める癖)・物をかむ癖(鉛筆やタオルなどをかむ癖)などがあります。
④態癖(たいへき)
日常生活の中で無意識に行う全身に関連した習慣的行動のことを態癖といいます。これらは、歯列の変形や歯の移動、顔面非対称、顎関節症、全身のゆがみなどにつながることが知られています。
※うつぶせ寝・頬杖・姿勢の異常・常に一方向に向いて食事をする(テレビを見ながら)などがあります。
・猫背は、口呼吸や頬杖を誘発しやすく、机に向かっている時や、ゲームに集中している時に背筋を伸ばすように意識しましょう。足を組むのも避けましょう。
・頬杖やあご杖は、頭部の重さによって外側から顎を抑え込む力が働きます。習慣的になると、歯列が内側に傾き、舌のスペースが狭くなる、顎の位置のズレ、顎変形、歯列形態の非対称の原因になるのでやめましょう。
・うつぶせ寝や横向き寝は、就寝中に頭部の重さが顎や歯にかかり、顎の発育や歯並びに大きく影響するため避けましょう。
歯周疾患の治療と管理
歯周疾患が進行し、歯を支える歯周組織、歯槽骨が吸収すると歯は病的な移動を起こします。
垂直的な咬み合わせの支持が失われ、過蓋咬合や下顎歯列の叢生や上顎前歯の唇側移動などが生じます。歯周疾患を予防し、管理することは成人における不正咬合の予防となります。
乳歯列から永久歯列に移行するまでの期間は、口腔内にも大きな変化をしながら成長発育していきます。できるだけ永久歯を抜かずに歯をきれいに並べるには、この時期からの口腔衛生の管理が必要になってきます。虫歯や永久歯の生えかわりの管理、発音・呼吸・咀嚼・嚥下の機能面の異常やその他の悪習癖によって歯並びに大きく影響するため、早期に発見・予防するためにも歯科医院で定期的に健診しましょう。
なぜ、キシリトールは歯にいいの?
キシリトールとは
キシリトールは自然界でいうと、多くの野菜や果物に含まれており、マルチトールやソルビトールと同じ糖アルコールという甘味炭水化物の仲間になります。また、人の体の中(肝臓)でも1日あたり約15gのキシリトールが作られています。
普段、日常生活の中で目にするキャンディーやガムなどに含まれているキシリトールは、白樺や樫などの木から抽出されるキシランヘミセルロースを原料にして作られています。作られたキシリトールと自然界にあるキシリトールは、同じ分子式であり、差はありません。
キシリトールは、1997年(平成9年)4月に日本で食品添加物として認可されました。また、10年以上前から輸液に含まれる糖質として使用されており、人体にも安全だということが知られています。
キシリトールの特徴
キシリトールは、糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同じ甘味度があります。
キシリトールは、溶けるときに熱を奪うためお口の中でスーッとした冷たい感覚がします。ミント味とよく合うため、キシリトールを使ったお菓子にはミント味がよく見かけられます。他にも、果物の味をより新鮮にする効果や苦みを消す効果があります。
さらに、冷却効果もあるため、化粧品や夏に見かけがちなひんやり素材の肌着や寝具にも使用されています。
虫歯にならない、虫歯を防ぐ甘味料
糖アルコールの中でもキシリトールは、虫歯にはなりません。なぜかというと、お口の中で歯を溶かすほどの酸が作られないからです。他のマルチトールやソルビトールからは、少量ですがプラーク(歯垢しこう)の中で酸が作られますが、キシリトールから酸は全く作られません。
また、キシリトールは糖アルコールの中でも甘みが強いため、甘みにより唾液が出やすくなります。
キシリトールには、むし歯の発生や虫歯の進行を防ぐという他の糖アルコールにはない役割があります。キシリトールをお口の中に長時間入れておくと、むし歯の原因となる歯垢が付きにくくなり、歯の再石灰化(さいせっかいか)を促す役割がある為、歯を強くしてくれます。他にも、キシリトールにはむし歯菌(ミュータンス菌)の活動を弱める働きがあります。
キシリトールは、酸を作らないことや唾液の分泌を刺激して酸を中和することから、むし歯にならない・むし歯を防ぐ甘味料といえるでしょう。
なぜキシリトールはむし歯を防ぐのか
キシリトールがむし歯を防ぐ理由は、大きくわけると2つあります。
まず1つ目は、キシリトールを含む他の糖アルコールには、唾液の分泌を促す作用と歯の再石灰化作用があることです。
2つ目は、キシリトールだけが持つ酸を作らない作用・むし歯菌(ミュータンス菌)の進行を阻害する作用です。
唾液の分泌を促す作用と歯の再石灰化作用では、糖アルコールには甘みがあるのでお口の中に入れると味覚が刺激されるため、唾液の分泌が促進されます。また、キシリトールガムの場合には、咀嚼によっても唾液の分泌を促進されます。ですが、唾液の分泌が促進されてもむし歯菌が減るというわけではありません。
また、糖アルコールによりプラーク(歯垢)中のカルシウムレベルが上がるので、歯の再石灰化に役立ちます。糖アルコールとカルシウムの複合体は歯を再石灰化し、歯を硬くしてくれます。
キシリトールだけが持つ作用として、全く酸を作らないことがあげられます。他のマルチトールやソルビトールなどの糖アルコールには、少量ですが酸を作り出します。
キシリトールの効果的な使い方
- お口の中の健康を保つために大切なことは、
1. 歯を磨く(ブラッシング)
2. フッ素入りの歯磨き粉を使用する
3. 規則正しく食事をとる
4. 定期的に歯医者さんへ行く
です。
この4つのことは、子どもも大人も重要になります。
これらに、キシリトールを取り入れることで4つの手段の効果を著しく向上してくれます。例えば、キシリトールには歯にプラーク(歯垢しこう)を付きにくくする役割があるため、ブラッシングの効果を高めます。他におすすめのキシリトールの摂取方法として、キシリトール入りのガムやタブレットを食べる方法があります。ガムやタブレットだとお口の中に長くとどまることが可能なため、おすすめです。
キシリトールの副作用
キシリトールには、むし歯の予防や唾液の分泌を促進する働きがありますが、
一度にたくさん食べるとお腹を壊してしまう可能性があります。
キシリトールには、腸の水分を吸収する働きもあります。これは、下剤と同じ作用になります。なので、個人差はありますが一度に食べすぎることがないよう注意しましょう。
キシリトール入りのおやつの種類
キシリトール100%で作られている商品は主に歯科専売品で取り扱われています。ネット購入でも歯科専売品を注文できるようです。
キシリトール100%のおやつの種類
・チョコレート
・グミ
・ガム
・タブレット
・ラムネ
・キャンディー
まとめ
キシリトールの特徴や注意事項をお分かりいただけましたか。
キシリトールは天然の甘味料であり、子どもから高齢者の方、糖尿病のでも摂取することが可能な食品です。
キシリトールは歯にとって良い効果がありますが、一度にたくさん摂取してしまうとお腹を壊してしまうリスクがあります。摂取する際は、十分に気を付けましょう。
また、お口の中を健康に保つには、 歯を磨く(ブラッシング)・フッ素入りの歯磨き粉を使用する・規則正しく食事をとる・定期的に歯医者さんへ行くことが基本となります。そこに、キシリトールを併用することで、さらにむし歯予防につながるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療中にマウスピースをつけ忘れたら!リスクと対処法!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
「マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中にマウスピースをつけ忘れたらどうなるの?」「マウスピースのつけ忘れを防ぐためにはどうすればいいの?」と、マウスピースのつけ忘れで悩まれている方がいるのではないでしょうか。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中は、マウスピースを1日22時間以上装着しなければなりません。
しかし、マウスピースは患者さま自身で自由に取り外しができるため、取り外したまま装着を忘れていたということがよく起こります。
そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中にマウスピースをつけ忘れたことで「矯正治療が失敗するのでは?」と不安を感じている患者さまも多いでしょう。
そこで本記事では、マウスピースをつけ忘れたときに考えられるリスクとマウスピースをつけ忘れたときの対処法について詳しく解説します。マウスピースをよくつけ忘れて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中にマウスピースをつけ忘れたらどうなる?
結論からお伝えすると、マウスピースを1日程度つけ忘れても矯正治療への影響はほとんどありません。
しかし、マウスピースを頻繁につけ忘れたり数日間つけ忘れていたりすると、歯が後戻りを起こす場合や治療計画通りに矯正が進まない場合があります。加えて、治療計画通りに歯が動いていないにもかかわらず次のマウスピースを装着すると、歯ぐきが下がって歯の根が露出する場合もあります。
歯ぐきが下がると自然と元に戻ることはないため、マウスピースを長期間つけ忘れた場合は、担当の歯科医師に速やかに相談してください。
どのような場面でマウスピースのつけ忘れが起こりやすい?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療で使用するマウスピースは取り外しができるため、つけ忘れが起こりやすいと前述しましたが、どのようなタイミングでつけ忘れが起こるのでしょうか。
ここからは、マウスピースのつけ忘れが起こりやすい4つのタイミングについて解説します。
・食事や歯磨きのとき
・痛みがあるとき
・旅行をしたとき
・イベントのとき
それぞれ詳しく解説します。
食事や歯磨きのとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中、食事や歯みがきのときはマウスピースを取り外します。そのため、食後や歯みがきの後にマウスピースのつけ忘れが起こりやすいです。
つけ忘れを防ぐためにと、マウスピースを装着したまま食事をするとマウスピース破損の原因となるためやめましょう。食事や歯みがきをしたあとは、マウスピースの再装着を習慣づけるようにしてください。
痛みがあるとき
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療を始めてからしばらくの間は、マウスピースを装着したときに痛みが生じる場合があります。そのため、痛みから逃れるためにマウスピースを外し、そのままつけ忘れるといったことが起きやすいのです。
マウスピース装着時の痛みは2〜3日程度で治まることがほとんどです。数日経っても痛みが続く場合は、担当の歯科医師に相談してください。
旅行をしたとき
旅行中は外食や写真撮影などでマウスピースを取り外す機会が多く、取り外したまま数日経っていたというケースも考えられます。つけ忘れをしていなくても、マウスピースを取り外す回数が多いということは、それだけ装着時間が短くなるということです。
マウスピースの装着時間を意識しながら旅行を楽しみましょう。
イベントのとき
スポーツや結婚式といったイベントに参加する際に、マウスピースを取り外すケースも多いでしょう。数時間〜1日程度であれば問題はありませんが、何日も続かないように注意してください。
長期間のつけ忘れは計画通りに矯正が進まなくなる原因になるため、イベントが終わったらすぐにマウスピースを装着するようにしましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中のマウスピースのつけ忘れを防ぐ方法
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中、マウスピースのつけ忘れを防ぐためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)でのマウスピースのつけ忘れを防ぐ方法は、以下の4つです。
・マウスピースの装着を習慣化する
・矯正治療をサポートしてくれるアプリを使う
・リマインダー機能を活用する
・予備のマウスピースを持ち歩く
それぞれ詳しく解説します。
マウスピースの装着を習慣化する
マウスピースのつけ忘れを防ぐためには、マウスピースの装着を習慣化させることが効果的です。
寝る前にマウスピースを装着したか確認する・歯みがきをしたらすぐにマウスピースをつけるなど、意識して習慣化させることでマウスピースのつけ忘れを最小限に抑えられます。
習慣化することが難しいと感じたら、つけ忘れたタイミングをメモするとよいでしょう。書くことで記憶に残るようになり、徐々にマウスピースの装着を意識できるようになっていきます。
矯正治療をサポートしてくれるアプリを使う
マウスピースのつけ忘れを防ぐためには、矯正治療のサポートを目的に作られたアプリを使用することも効果的です。タイマー機能やカレンダー機能といった、矯正治療を円滑に進めるための機能が充実しているアプリもあります。
自己管理が苦手で、よくマウスピースをつけ忘れる方は、アプリを利用してマウスピースのつけ忘れを防ぎましょう。
リマインダー機能を活用する
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中のマウスピースのつけ忘れを防ぐために、スマートフォンのリマインダー機能を活用することも効果的です。定期的にマウスピースを装着する旨の通知が届くように設定しておくことで、マウスピースのつけ忘れを防げます。
また、就寝前にリマインドを設定しておけば、長時間のつけ忘れを防ぐことにもつながるでしょう。
予備のマウスピースを持ち歩く
マウスピースのつけ忘れに対応するため、外出のときは1つ前に使用していたマウスピース、または1つあとに使用するマウスピースを予備として持ち歩くとよいでしょう。
外出先でマウスピースのつけ忘れに気づいたときに、予備のマウスピースを持ち歩いていればすぐに装着できるためです。
長時間マウスピースをつけ忘れたときの対処法
ここまで、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中にマウスピースをつけ忘れるタイミングや、マウスピースのつけ忘れを防ぐための方法について解説しました。
ここからは、マウスピースをつけ忘れたときの3つの対処法について解説します。
1日程度のつけ忘れの場合
マウスピースのつけ忘れが1日程度であれば、現在使用しているマウスピースを1日長く装着すれば問題ありません。現在使用しているマウスピースが入らなくなっていたら、歯が後戻りを起こしている可能性があるため、速やかに担当の歯科医師に相談してください。
1日程度のつけ忘れは問題ありませんが、頻繁につけ忘れをしていると計画通りに治療が進まない可能性があるため、マウスピースの装着時間はしっかり守りましょう。
数日〜1週間のつけ忘れの場合
マウスピースを数日〜1週間つけ忘れると、歯が後戻りを起こして、現在使用しているマウスピースが入らなくなる可能性が高いです。マウスピースが入らない場合は無理に装着しようとせずに、担当の歯科医師に相談してください。
1週間以上つけ忘れていた場合
1週間以上マウスピースをつけ忘れていた場合には、歯並びが大きく変化している可能性が高いです。そのため、速やかに歯科医師に長期間マウスピースをつけ忘れていたことを報告してください。
場合によっては、治療計画の大幅な見直しが必要になる可能性もあるでしょう。治療計画の見直しに伴い、マウスピースの作り直しが必要になると治療期間が延びるだけでなく、費用が発生する場合もあります。
まとめ
本記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中にマウスピースをつけ忘れたときに考えられるリスクや、つけ忘れをしないための方法などについて解説しました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中はマウスピースを1日20時間以上装着する必要があります。マウスピースを1日つけ忘れても、治療への影響はほとんどないでしょう。
しかし、マウスピースのつけ忘れが長期間続くと計画どおりに歯が動かず、治療計画の見直しやマウスピースの再作成が必要になる可能性があります。
治療期間が延びるだけではなく、追加費用が発生する場合もあるため、マウスピースの装着時間はしっかり守ることが大切です。
今回ご紹介した方法を参考に、マウスピースのつけ忘れを防ぎ、理想の歯並びを手に入れましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)での治療中を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のゴムかけの効果とは?期間や注意点も解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療中、マウスピースだけでは十分に歯が動かない場合にゴムかけという処置を行うことがあります。
「どうしてゴムかけをするの?」「ゴムかけを行う期間は?」など疑問をもつ方もいるでしょう。
そこで今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけの効果や期間、注意点について解説します。ゴムかけの種類ややり方についても言及していますので、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)を検討している方や治療中の方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけの効果
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療はマウスピースを装着することで歯並びを整える治療法ですが、マウスピースだけでは十分に歯が動かない場合にゴムかけという処置を行うことがあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけには、自分の歯にボタンと呼ばれる突起物をつけてゴムをかける方法と、マウスピースにフックを作ってゴムをかける方法があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけの効果は、以下の通りです。
噛み合わせを整えられる
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療は、歯を前に出したり後ろに引っ込めたりする水平移動は得意といわれていますが、上下移動は苦手といわれています。
しかし、ゴムかけを行うことで上下方向にも歯に力を加えることができ、効率的に噛み合わせが整えられるのです。
歯並びを微調整できる
ゴムかけを行うことで、歯並びの微調整も可能です。歯並びや噛み合わせが整ってからゴムかけを行うことで、歯並びや噛み合わせの細かな乱れを改善できます。
治療期間を短縮できる
ゴムかけを行うことで、マウスピースだけを使用して歯並びや噛み合わせを整えるよりも、歯の移動をスムーズにすすめられます。
これにより、歯並びや噛み合わせが効率的に整えられるため、マウスピースだけを使用するよりも治療期間が短縮できるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけはいつからいつまで?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけをいつから開始するのかはお口の状態によって異なります。歯並びの乱れが軽度の場合は、比較的早い段階でゴムかけを開始することも珍しくありません。
一方、歯並びの乱れが重度の場合は、歯並びや噛み合わせがある程度整ってからゴムかけを行うことがあります。
また、ゴムかけの期間についても、歯並びの乱れが軽度の場合は1ヵ月程度で終わることもありますが、重度の場合は半年以上かかることもあるでしょう。
お口の状態によってゴムかけを始める時期や期間は異なるため、一概にいつからいつまでとは言えません。ゴムかけの期間について知りたい場合は、担当の歯科医師に確認するとよいでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけのやり方
お口の状態によって使用するゴムの種類ややり方は異なります。
ゴムかけのやり方について、ゴムの種類ごとに解説します。
Ⅱ級ゴム
主に出っ歯を改善する際に使用するのが、Ⅱ級ゴムです。
上の歯の前から3番目の歯(犬歯)と下の歯の前から6番目の歯(第一大臼歯)にゴムをかけることで、上の前歯をひっこめ、下の奥歯を前方に移動させます。
ゴムをかける際は、先に下の奥歯にゴムをかけてから前歯に引っ掛けるとよいでしょう。奥歯のボタンやフックは見えにくいので、ゴムかけに慣れるまでは鏡を見ながら行なってください。
Ⅲ級ゴム
主に受け口を改善する際に使用するのが、Ⅲ級ゴムです。
Ⅱ級ゴムとは反対に、上の歯の前から6番目の歯(第一大臼歯)と下の歯の3番目(犬歯)の歯にゴムをかけ、上の歯よりも前に出た下の歯を引っ込めます。
ゴムをかける際は、先に上の歯にゴムをかけてから下の歯に引っ掛けます。上の奥歯のボタンやフックは見えにくいので、片方の手で口角を引っ張りながらゴムをかけるとスムーズにできるでしょう。
垂直ゴム
主に開咬の改善の際に使用するのが、垂直ゴムです。開咬とは、上下の歯の間に隙間ができる噛み合わせのことです。
上下の歯の隙間にできた部分に垂直にゴムをかけ、歯並びや噛み合わせを改善します。
前歯は見えやすいためゴムをかけやすいですが、見えにくい奥歯は鏡を見ながらかけるとよいでしょう。
交叉ゴム
主に、交叉咬合や鋏状咬合の改善の際に使用するのが、交叉ゴムです。
交叉咬合とは、上の奥歯が下の奥歯の内側に入った噛み合わせのことです。鋏状咬合とは、上の奥歯が外側に、下の歯が内側にズレていることで上下の奥歯がすれ違う噛み合わせのことです。
上の歯の外側と下の歯の内側、上の歯の内側と下の歯の外側というように、ゴムを交叉させることで歯をあるべき位置に誘導します。
交叉ゴムは他のゴムかけよりも難しいため、慎重に行いましょう。まず、歯の内側にゴムをかけた後、歯の外側に引っ掛けます。マウスピースにゴムをかけてから装着するとスムーズです。
交叉ゴムの場合、歯の噛む面をゴムが通るので切れることがあります。そのため、外出時には交換用のゴムを持ち歩きましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけの注意点
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療中にゴムかけを行うときは注意しなければならないことがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を成功に導くためにも、以下の6つの注意点を守りましょう。
装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のマウスピースの装着時間と同じく、ゴムも1日20〜22時間装着しなければなりません。ゴムの装着時間が短いと、計画通りに歯並びや噛み合わせが整わず、治療期間が延びることがあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療はマウスピースの装着がメインだと思われる方も多いですが、ゴムかけも大事な工程ですので、ゴムの装着時間が20時間以下にならないようにしましょう。
食事の際はゴムを外す
ゴムかけをしたまま食事をするとゴムに食べカスがつくだけでなく、飲み込んでしまう危険性があります。食事の際はゴムを外し、食後はすぐにゴムをかけるようにしてください。
正しくゴムをかける
計画どおりに歯を動かすためにはマウスピースだけでなく、ゴムも正しく装着することが重要です。
ゴムは非常に弾力があるものなので、力をかけすぎると痛みが生じることがあります。そのため、片方の歯にゴムをかけたあと、やさしくゴムを伸ばしてひっかけましょう。ゴムかけは慣れてくればスムーズに行えます。慣れるまでは鏡を見ながら行なってください。
毎日ゴムを交換する
ゴムは非常に弾力性が高いものですが、1日使用しただけでも伸びます。同じゴムを使い続けると歯に十分な力がかかりません。また、同じゴムを使用すると不衛生なため、1日使用したら新しいものに交換してください。
できるだけ大きな口を開けない
ゴムかけで使用するゴムは弾力性が高いものですが、強い力がかかると切れることがあります。そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療中にゴムかけをしている期間は、できるだけ大きな口を開けないようにしましょう。
外出時は新しいゴムを持ち歩く
外出時はマウスピースケースと一緒に新しいゴムも持ち歩きましょう。なかでも交叉ゴムは歯の噛む面を通るため、切れることがあります。
ゴムが切れた際は、左右の歯にかかる力を均等にするため、片側だけゴムが切れた場合でも両側新しいものに交換しましょう。
また、ゴムは食事や歯磨きの際に外す必要がありますが、外出先でゴムを外した際に紛失することがあります。そのため、新しいゴムは多めに常備しておいたほうがよいでしょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療のゴムかけの主な目的は、噛み合わせを整えることです。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療は上下の移動が苦手といわれていますが、ゴムかけをすることで上下方向にも力が加わり、効率的に噛み合わせを整えられます。
また、歯並びや噛み合わせを微調整したり、歯をスムーズに動かせるようになることで治療期間が短縮できたりします。
ただし、ゴムの装着時間や装着方法を守らなければ効果は得られません。ゴムかけに慣れるまでは難しいかもしれませんが、鏡を見ながら正しくゴムを装着しましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
歯が作られる時期について
歯が作られる時期
妊娠7週目から10週目頃に乳歯(子どもの歯)の芽となる歯胚(しはい)が作られます。妊娠10週目くらいになると乳歯の芽がほとんど揃います。妊娠3ヶ月頃からは、永久歯(大人の歯)の芽となる歯胚が作られ始めます。
歯胚は、何年もの期間をかけて歯槽骨の中で発育して歯として口の中に生えてきます。
乳歯(子どもの歯)が生えてくる時期
最初の乳歯は、生後6ヶ月から8ヶ月頃に下の前歯から生えてきます。
この歯の名前を乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼びます。次にその隣から歯が生えてきます。その歯を乳側切歯(にゅうそくせっし)と呼びます。同じ頃の時期に、上の乳切歯が生えてきます。1歳半くらいになると、1本離れたところから奥歯の第1乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)が生えてき、2歳頃までには乳側切歯と第1乳臼歯の間に乳犬歯(にゅうけんし)が生えてきます。最後に1番後ろの第2乳臼歯(だいににゅうきゅうし)が2歳半から3歳頃にかけて生えてきます。
歯が生える時期には、お子様それぞれの個人差があるため、上記の目安から数か月遅れることも珍しくはありません。
もし、お子様の歯が生える遅れが気になる場合は、歯医者さんに診てもらうのも良いでしょう。
永久歯(大人の歯)が生えてくる時期
6歳前後の時期になると最初の永久歯となる、第1大臼歯(だいいちだいきゅうし)が奥歯の1番後ろから生えてきます。
近年では、下の乳中切歯(にゅうちゅうせっし)が先に永久歯(えいきゅうし)に生え変わる方が早い場合も多くなってきているようです。
下の前歯である中切歯(ちゅうせっし)が生えて6か月から1年経つ頃に、その隣から側切歯(そくせっし)や上の前歯となる中切歯が生え変わります。そして、その数か月後に上の中切歯の隣から側切歯が生えてきます。
9歳から12歳頃にかけて、乳犬歯が犬歯(けんし)に生え変わり、第1乳臼歯が第1大臼歯(だいいちだいきゅうし)に生え代わり、第2乳臼歯が第2大臼歯(だいにだいきゅうし)に生え代わると永久歯の歯並びが完成します。人によっては、第2大臼歯のさらに奥に親知らずと呼ばれている第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)が生える場合もあります。
なぜ大人の歯と子どもの歯があるの?
なぜ子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へ生え代わりが起こるのかというと、顔や顎・全身の成長に対応するためです。
赤ちゃんは1歳頃になると母乳や人工ミルクだけでは、栄養の摂取量が不足してしまいます。栄養価の高い固形食品の効率的な摂取に対応するためには、食べ物をよく噛んで細かくしなければなりません。そのためには、歯が必要になります。
ですが、硬く丈夫な永久歯(えいきゅうし)ができるまでに5年以上の期間がかかります。そのため、まずは小さめサイズで歯のエナメル質や象牙質といわれる組織の厚みが永久歯の半分ほどで、成長の変化と共に擦り減っていくことができる適度な硬さの乳歯(にゅうし)が生えます。この乳歯を使って、成長期前半の栄養摂取が進められます。
そして、6歳前後から12歳頃にかけて乳歯から丈夫な永久歯へと生え代わりが進み永久歯列(えいきゅうしれつ)が完成すると、大人の顎の大きさと筋肉の強さに適した永久歯の歯並びと噛み合わせが完成します。
丈夫な歯を作るための歯に良い栄養素
歯を強くする食べ物には、歯や骨を作るもとになるカルシウムやミネラルが多く含まれている、牛乳・チーズ・小魚・海藻類などがあります。
主に歯を作っている栄養素はカルシウムで、歯の土台になっているものはタンパク質で作られています。これらがうまく働くには、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンDが必要になります。歯や骨、血液を強くするためには、鉄分・マグネシウム・亜鉛などの無機質も欠かせない栄養素となります。ビタミン類は、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、他には抵抗力を高める役割があるのでしっかり摂取するとよいでしょう。
タンパク質のはたらき
歯の土台を作るために必要な栄養素がタンパク質です。歯の丈夫さや強さは、歯が作られる時期の環境や栄養により異なります。丈夫な歯を作るためには、歯の土台となるタンパク質を摂取することが重要になります。
タンパク質はアミノ酸により生成されており、体内で作られる非必須アミノ酸と食物から摂取する必須アミノ酸に分かれています。乳製品や肉類、魚介類などの動物性タンパク質は、食物性タンパク質に比べるとアミノ酸の含有バランスが優れています。
ビタミンⅮのはたらき
ビタミンDは、カルシウムの代謝や石灰質を調整する役割があります。
ビタミンDを多く含む食品
- ・ かわはぎ
・ いくら
・ 紅鮭、白鮭
・ うなぎ
・ 鮎
・ しらす
・ きくらげ
・ まいたけ
・ エリンギ
・ たまご
・ マーガリン
ビタミンCのはたらき
歯の象牙質(ぞうげしつ)を作るために必要な栄養素は、ビタミンCになります。
ビタミンCを多く含む食品
- ・ ピーマン
・ ブロッコリー
・ バナナ
・ アセロラ
・ ゆず
・ レモン
・ キウイフルーツ
・ 青汁
・ ハム
・ 海苔
・ いちご
・ 緑茶
ビタミンAのはたらき
脂溶性の混合物であるビタミンAは、骨の成長や細胞の分化に関して、とても重要な役割があります。
ビタミンAは骨の健康にとって重要で、ビタミンⅮと一緒に働くことで骨の成長の促進と調整の役割をします。他にもビタミンAh、体内のカルシウムの働きを助ける役割があります。
ビタミンAは、健康な歯を維持するために欠かせない栄養素になります。
ビタミンAを多く含む食品
- ・ 鶏レバー
・ 豚レバー
・ 牛レバー
・ 鶏むね肉
・ たまご
・ 牛乳
・ バター
・ しそ
・ にんじん
・ にら
・ ほうれん草
・ 海苔
・ 乾燥わかめ、ひじき
まとめ
子どもの歯が作られ始まるのは、お母さんのお腹の中にいる頃からということになります。丈夫で健康な歯を作るためにも栄養バランスを考えた食事を心がけると良いでしょう。
また、歯が生えてきたら定期的に歯医者さんに通うことをおすすめします。
お口の中を健康的に保つことができますし、むし歯があった場合でも早期発見・早期治療へと繋がります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の装着時間は?守るための方法も解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は、マウスピースを装着して歯を動かして理想の歯並びを目指す矯正方法です。マルチブラケット装置を用いた矯正治療いわゆるワイヤー矯正とは異なり、マウスピースは自由に取り外しできます。
しかし、自由に取り外せるからといって、装着時間が短ければ矯正治療が進まないでしょう。
ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの装着時間と守るための方法を解説します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの装着時間は?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの装着時間は、1日20~22時間以上が推奨されています。食事や歯磨きをしている時間は外すので、ほとんど1日中装着するということです。
マウスピースの装着時間が長いことには、以下のような理由があります。
効果的に矯正するため
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は、マウスピースを装着することで歯に矯正力をかけて歯を動かしていきます。マウスピースを外している時間は矯正力がかからないため、歯並びを整えるためには長時間装着しなければなりません。
また、歯はゆっくりとしか動きません。マウスピースを長時間装着することで、持続的に歯へ圧力をかけていきます。
後戻り予防
矯正で動かした歯は、矯正器具による圧力がかかっていなければ元の位置へ戻ろうとします。この動きを後戻りと呼びます。
矯正装置を外している時間が長くなるほど、歯並びは元の位置へ戻りやすくなります。マウスピースの装着時間を守ることで、後戻りを防ぎながら歯を移動させるのです。
マウスピースの装着時間が短いとどうなる?
マウスピースの装着時間は1日20~22時間が推奨されていますが、装着時間を守らなければさまざまなリスクが生じます。マウスピースの装着時間が短い場合に起こる可能性があるリスクは、以下の通りです。
治療期間が延長される
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は、マウスピースで矯正力をかけて歯を徐々に動かしていくため、マウスピースを外している時間が長くなるほど歯の動きは止まります。場合によっては、後戻りが起こることもあるでしょう。
そうなれば、マウスピースの交換時期の延長や、一段階前のマウスピースへ戻すなどの対処が必要になり、治療期間が延びてしまいます。
不十分な結果になる
マウスピースの装着時間を守らなければ、歯を十分に動かすことができず理想の歯並びが得られない可能性があります。後戻りにより、せっかくの矯正治療の結果が元へ戻ってしまうこともあるでしょう。
また、マウスピースの装着時間が短いまま次のマウスピースへ無理に交換すれば、歯には想定外の力が加わることになります。歯茎が下がってしまい、歯が長く見えるようになることもあります。
追加料金が発生する
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、矯正開始前に立てた治療計画に沿ってマウスピースを作成します。マウスピースの装着時間が短ければ、治療計画から大きく外れてしまい、マウスピースが合わなくなることがあります。
マウスピースの交換時期を遅らせたり、一段階前のマウスピースへ戻したりすれば対処できるケースもありますが、新しいマウスピースの作成が必要になることもあるでしょう。新しいマウスピースの作成には追加費用がかかることが多く、作成期間中は矯正治療が中断されます。
マウスピースの装着時間を守るための方法
マウスピースの装着時間を守らなければ、綺麗な歯並びにならないかもしれません。装着時間を守るためにできることをご紹介するので、参考にしてください。
マウスピースを装着する習慣を身につける
マウスピースの装着時間は1日20~22時間と指示されることが多いです。食事と歯磨き以外の時間は装着するようにしましょう。
食事の際には、食事開始ギリギリまでマウスピースを装着しておき、食べる直前に外します。マウスピースには専用の保管ケースがあるため、食事の直前に取り外すことが可能です。
そして、食後は外出先であったとしても、すぐにマウスウォッシュや歯磨きなどを行って装着することを心がけましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活をしていれば、マウスピースを装着する習慣が身につきやすいです。決まった時間に食事を食べて歯を磨くため、自然とマウスピースを装着する時間も決まるでしょう。
不規則な生活では食事の時間や回数がバラバラになるため、マウスピースの着脱時間も変動します。再装着を忘れてしまうことが多くなりやすいでしょう。
また、外食や間食の回数が増えるほど、マウスピースを外している時間が長くなりやすいです。矯正期間中は食事時間や回数を増やさないように注意すべきです。
スマホを活用する
スマホには、アラームやリマインド機能があります。マウスピースの装着忘れを防ぐために、スマホの機能を活用しましょう。
食事が終わると予想される時間にアラームをセットしておけば、スマホのアラームが鳴るのでマウスピースを装着できているか確認できます。規則正しい生活をしているのであれば、朝・昼・晩の決まった時間にアラームが鳴るように設定しておくことも、予防策として良いでしょう。
口内ケア用品を持ち歩く
外出先に口内ケア用品を持ち歩くようにしていれば、外食先でも口内ケアをして食後すぐにマウスピースを装着することができます。歯磨きを持ち歩くのが理想ですが、難しい場合はマウスウォッシュなどでケアしましょう。
マウスピースの装着時間が守れるようになるだけではなく、虫歯や歯周病予防にもつながります。
周囲の人にサポートしてもらう
マウスピースの装着忘れを防ぐために、周囲の人にサポートしてもらうという方法もあります。
例えば、家族や友人に「食後忘れずにマウスピースを装着しているか確認して欲しい」と伝えれば、万が一自分が忘れても、相手がマウスピースの装着を促してくれるでしょう。
また、お子さまの場合はマウスピースの装着を忘れるだけではなく、装着することが嫌になって外してしまうケースもあります。保護者の方が常にマウスピースの装着を確認し、サポートすることが大切です。
マウスピースの装着時間を守れなかったときの対処法
マウスピースの装着時間を守れなかった場合、無理に新しいマウスピースへ交換することは避けるべきです。マウスピースの装着時間を守れなかったときには、以下の方法で対処してください。
マウスピースの交換時期を延長する
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースは、1~2週間ほどで新しいマウスピースへと交換します。装着時間が短かった場合、歯が予定よりも動いていないためマウスピースの交換時期を延長することで対処できます。
ただし、自己判断でマウスピースの交換時期を延長しても、歯の動きとマウスピースが合わないこともあります。そのため、マウスピースの交換時期の延長は、担当の歯科医師に相談するようにしましょう。
その他の矯正方法を検討する
マウスピースの装着時間を守れないことが続く場合、その他の矯正方法を検討するという手段もあります。ワイヤー矯正ならば取り外しができないため、マウスピースのように着脱を忘れるようなことはありません。
ただし、矯正装置が目立ちやすいことや、綺麗に歯磨きしにくいことなどのデメリットもあります。それぞれの矯正方法のメリット・デメリットも踏まえ、検討してみてください。
歯科医院で相談する
マウスピースの装着時間を守れなかった場合、まずは自己判断せずに矯正治療を受けている歯科医院へ相談しましょう。歯の動きを確認し、マウスピースの交換時期の延長や、一段階前のマウスピースへ戻すなど歯の状態に適した対処を提案してもらえます。
歯科医師の指示通りにすれば、綺麗な歯並びを目指せるでしょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースは、1日20~22時間以上の装着が必要です。装着時間が短くなれば、矯正治療が長引くだけではなく、追加費用がかかる可能性もあります。
日頃から食事や歯磨きのタイミング以外は装着することを心がけ、食後はすぐに装着するようにしましょう。万が一マウスピースの装着時間が守れずにマウスピースが合わなくなってしまった場合は、矯正治療を受けている歯科医院へご相談ください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
歯の接触癖(TCH)について
今回は、歯の接触癖(TCH)についてお話します。TCHとは(Tooth Contacting Habit)の略です。上と下の歯が接触するのは、話すときと飲食のときのみなのを皆さんはご存知でしょうか?日常生活をおくっているなかで、無意識に上と下の歯を接触させてしまっている方は、接触癖(TCH)があります。接触癖(TCH)は、寝ているときにおこなっている歯ぎしりや日中の食いしばりとは違います。
普段の日常生活の中で、例えば、スマホやテレビを見ているときや、ゲームや勉強をしているとき、話さずに飲食をしていないときに歯が接触しているかどうかです。接触癖(TCH)は、歯列矯正治療を長引かす原因になります。当院では、接触癖があると、矯正装置がとれやすくなるため、ワイヤーで矯正治療の方へは、装置装着の時に注意事項として接触癖(TCH)に関する用紙をお渡ししております。
TCH 歯の接触癖について(当院でお渡ししている用紙の内容)
日常生活の中で、上下の歯を接触させていないか自分で注意してみてください。
噛みしめやくいしばりを意識していなくても、日常的な歯の接触は歯や顎に非常に大きな負担をかけます。
1、本来、人間の上下の歯が接触するのは、物を噛む時と飲みこむ時だけだという事を覚えておいてください。食事やつばを飲み込むなどの時に瞬間的に接触するのみです。
2、もし頻繁に歯を接触させていると、歯は摩耗(まもう)し続け、あちこちにしみる感じが出たり、歯がひび割れてしまい、時には歯が壊れてしまう事さえあります。お口の周りの筋肉や関節が破壊され続け、なかなか治らないという結果になる事もあります。歯の移動が遅くなり、矯正治療が長引いてしまいます。
3、この様な癖がありましたら、ただちに止めるように注意してください。一般的には、自覚が無い場合が多いので、この機会に次のような症状がないか意識してみてください。
- ・日中、無意識に奥歯や前歯が接触していませんか。軽く接触していても悪い影響があります
- ・唇を合わせた状態で上下の歯が接触していませんか。
- ・起床時に顎が疲れたような感覚がありませんか。首筋や肩が凝っていませんか。
- ・片頭痛がよく起こりませんか。
- ・仕事などに夢中になっている時、ふと気づくとしっかり噛みしめていたり、舌を上あごに吸いつけていたりすることがありませんか。
- ・顎が開かなくなったり、開けるときに痛みを感じた経験がありませんか。
- ・硬い食べ物をよく食べませんか。
- ・頬の周りの筋肉が固くて、いつも緊張している気がしませんか。
- ・お豆腐のような柔らかい食べ物でも強く噛んでいませんか。
- ・硬い食べ物が歯に良いと思いこんでいませんか。
- ・ガムやスルメ、昆布などをいつも噛んでいませんか。
- ・早食いではないですか、頬張って食べる癖はありませんか。
4、上下歯列接触癖(TCH)、噛みしめや歯ぎしりの習慣を止めるもっとも効果的な方法は、唇を閉じて歯を離す感覚を覚えることです。「唇を閉じて、上下の歯を離し、力を抜く」ことを意識してみてください。このことを一日に何度も練習してください。
5、この簡単な方法で、顎の関節とお口回りの筋肉は非常にリラックスし、緊張やこわばりから解放されます。また、知覚過敏が軽減し、歯の寿命も格段に伸びるということが報告されています
(参考文献 日本歯科医師会雑誌 Vol.63 No.3 2010-6)
接触癖(TCH)のリスクについて
①矯正の装置がとれやすくなる
矯正治療中は、歯の並びや噛み合わせを治すために、お口の中に様々な装置が付きます。装置がついている状態で常に上と下の歯を接触させてしまう癖があると、矯正の装置がとれやすくなってしまいます。
②矯正治療中の歯の動きが遅くなる
歯の並びや噛み合わせを治療する矯正治療では、歯の根っこを少しずつ動かして歯並びを治療していきます。歯を動かして治療をしていくなかで、接触癖があると、歯の動きを妨げられることがあり、歯の動きが遅くなってしまいます。歯の動きが遅くなると、治療期間も長くなってしまいますのでご注意ください。
③奥歯がすり減る
歯は、前歯も奥歯も歯の先端はキザキザのような形をしています。キザキザして山のような形をしているのが、本来の歯の形ですが、接触癖があると、歯と歯が強く擦れてあたっているのでキザキザがなくなってしまい、結果、歯がすり減ってしまいます。接触癖だけではなく、硬い食べ物を好んで食べている方や、氷を噛んでしまう癖があると、同じように歯がすり減ってしまいますので、意識して癖がなくなるようにしていきましょう。
④知覚過敏になりやすくなる
歯の表面はエナメル質に覆われています。エナメル質は、人の体の中で一番硬い組織なのです。硬いエナメル質に覆われていることで、熱いものや冷たいもの、硬い食べ物にも耐えられようになっています。接触癖があると、上と下の歯が過剰にあたっていることで、エナメル質がはがれてしまいます。エナメル質がはがれると、エナメル質の下にある象牙質(ぞうげしつ)がでてしまい、象牙質が刺激されると、神経に伝わるため、歯を磨いたり、熱いもの、冷たいものが象牙質にふれることによって知覚過敏になってしまいます。
⑤顎関節症になってしまう
顎関節症というと、歯ぎしりが原因だと思う方が多いと思いますが、接触癖も原因の一つになります。上と下の歯が必要以上にあたっていると、顎の関節にも大きな負担になります。顎関節症になると、顎が痛い、口が開け辛いなどの症状があり、日常生活にも大きな影響がでてきます。顎関節症は、特に10代~30代の女性が発症しやすい傾向があります。矯正治療中に、顎が痛い・音が鳴る・口が開け辛いなど気になることがありましたら、お早めに先生もしくはスタッフにお知らせください。顎関節症を発症した場合、矯正治療よりも、顎関節症の治療を優先する場合があります。
⑥肩こりや頭痛を併発する
歯の接触癖があると、顎の筋肉に負担がかかるため、顎の筋肉に近い首や肩まわりの筋肉にも影響がでます。悪化すると、肩こりや頭痛を併発することがあります。
接触癖(TCH)は、無意識なときにあらわれる癖なので、治すには意識的にする必要があります。矯正治療のためだけではなく、健康な歯の寿命を長くするためにも接触癖に気をつけていきましょう。
気になることがありましたら、いつでも当院の先生やスタッフにご相談ください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は痛い?痛みが生じる原因と対処法を詳しく解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
歯の矯正治療をしたいけれど、痛みが出ないか心配という方もいらっしゃるでしょう。
透明で目立ちにくいマウスピースを用いるマウスピース型矯正装置(インビザライン*)は、従来のワイヤー矯正と異なる点がいくつもあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に痛みが生じるかどうか、気になる方は多いのではないでしょうか。
今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は痛いのかどうかについて解説します。痛みが生じる原因や痛みへの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は痛い?
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は従来のマルチブラケット装置を用いた矯正治療いわゆるワイヤー矯正と比較して痛みを感じにくいとされています。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は、透明なプラスチック製のマウスピースを用いた矯正方法です。1日に20〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに自分で新しいマウスピースに交換して歯を目的の位置にゆっくりと移動させます。
1つのマウスピースで移動させる歯の距離は、最大でも0.25mmとごくわずかです。歯を短期間で動かすのではなく、段階的に圧力を加えて徐々に移動させます。
マウスピースは、歯に少しずつ圧力をかけるように設計されており、急激に大きな力が加わることはありません。そのためマウスピース型矯正装置(インビザライン*)は矯正治療の中でも痛みが少ない治療といわれたりしますが、痛みを比較することはできないので医学的根拠ではありません。
また、マウスピースは滑らかなプラスチックでできており、尖った金属のパーツとは異なり口内の軟組織に対して刺激を与えることは少ないです。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)は金属に敏感な人や、日常生活で口の中に違和感を覚えたくない方に選ばれています。
ワイヤー矯正との違い
従来のワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使用して歯を動かす方法です。この矯正方法では、定期的にワイヤーを調整して歯に圧力をかけて歯を移動させます。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)と同様に痛みを感じることもあります。
また、ブラケットが口内の軟組織に触れて、擦れたり傷ついたりすることで痛むことはあります。食事の際に食べ物がブラケットに挟まると、それを取り除こうとして歯茎や舌を傷つける可能性もあるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に痛みが生じる原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正中に痛みが生じる原因を確認しましょう。
初めてマウスピースを装着した
初めてマウスピースを装着したときは、今までと異なる刺激が歯や歯茎に加わるので違和感や痛みを感じやすいです。治療開始直後は特に痛みが出やすく、3日~1週間ほど痛みが続くケースもあります。
ただし、ほとんどの場合、これは一時的な反応で徐々に痛みは和らいでいきます。
新しいマウスピースに慣れていない
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。新しいマウスピースを装着した直後の2〜3日間は違和感や痛みを覚えるでしょう。
歯並びが新しいマウスピースの形状に合わせて動いてくると、痛みも徐々に落ち着いてきます。
マウスピースやアタッチメントが口内を傷つける
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、歯にアタッチメントという小さな突起を付けることがあります。アタッチメントが口内を傷つけると痛みの原因になります。
マウスピース自体が製造過程で十分に研磨されていない場合は、口内の粘膜を擦って傷つける可能性があります。また、使用中にマウスピースが変形し、歯茎や舌を刺激することも考えられるでしょう。
歯が後戻りしている
移動した歯が元の位置に戻ることを、後戻りといいます。後戻りした状態でマウスピースを装着すると、歯列とマウスピースが大きくズレているため、痛みを感じやすくなります。
抜歯した部分が治っていない
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、抜歯せずに矯正治療を進めることが多いです。
ただし、歯列不正が重度な場合や特定の歯が原因で治療が進められない場合には、抜歯を検討します。抜歯を伴う矯正治療では、抜歯した部位に違和感や痛みを覚えることがあります。その部分にマウスピースが当たれば痛みが強くなるでしょう。
抜歯後の傷跡は時間とともに治癒していきますが、気にならなくなるまでには1か月程かかります。
長時間マウスピースを外していた
長時間にわたってマウスピースを外し続けると、先ほどもふれた後戻りが生じます。
後戻りした状態でマウスピースを装着し直すと、歯列とマウスピースの型がずれているため、痛みや違和感を覚えます。外していた期間が長ければ長いほど、この痛みは強くなります。
さらに長期間放置すると、当初の治療計画の見直しが必要になることもあります。マウスピースを長時間外した後に痛みを感じたときは、担当の歯科医師に適切な対処法を相談するようにしましょう。
歯の移動にともなう痛み
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、マウスピースが歯に持続的に力を加えることで、歯と歯茎の間にある歯根膜という組織を圧迫します。歯を移動させるために必要なことですが、この際に痛みの原因物質が分泌され、痛みを引き起こします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)で加える力はワイヤー矯正に比べると強くありませんが、歯に圧力が加わることで痛みを感じることがあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中に痛みが生じたときの対処法
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中に痛みが生じたときは、適切に対処することが大切です。
一時的にマウスピースを外す
激しい痛みに耐えられないときは、一時的にマウスピースを外して休憩を取ることで回復を待ちます。
ただし、自己判断で長期間外すのはやめましょう。長期間マウスピースを外し続けると、歯が元の位置に後戻りして再度装着した際に痛みがさらに強くなることがあります。
外す時間は最小限に抑え、痛みが続くようなら担当の歯科医師に相談しましょう。
一つ前のマウスピースを使う
新しいマウスピースに交換した直後に激しい痛みがある場合、一つ前のマウスピースに戻すことで症状を和らげることができます。
歯が十分に移動しておらず、新しいマウスピースの形状とのギャップが大きいと違和感が大きくなります。その場合、一時的に以前のマウスピースに戻して歯並びが次の段階のマウスピースに対応できる状態になるのを待ちます。
ただし、一つ前のマウスピースに長期間とどまると歯の動きが止まり、治療計画とのズレが生じるでしょう。痛みが和らいだら、次のマウスピースに移行してください。
マウスピースの突出部分を削る
マウスピースの製造工程で研磨が不十分だったり、長期間の使用でマウスピースが歪んだりすると、口内を擦って痛みが生じることがあります。マウスピースが口内を刺激している場合は、マウスピースの突出している部分を削れば改善できることがあります。
ご自身で削ると矯正力がうまくかからなくなる可能性があるので、歯科医師に削ってもらいましょう。
硬い食べ物を避ける
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中は、歯や歯茎の周りの組織が敏感になっています。食事の際に硬い食べ物を噛むと、強い痛みを感じることがあります。
強く噛まないといけないような硬い食べ物は避けましょう。例えば、硬いお煎餅を噛み砕いたり、りんごを丸かじりしたりすると痛みにつながります。
硬い食材を食べる場合でも、あらかじめ小さく切って一口サイズにしておきましょう。噛む回数が減り、痛みが生じるリスクを減らせます。
痛み止めを飲む
痛みが強くて耐えられない場合は、痛み止めを服用するとよいでしょう。痛み止めを選ぶ際は、歯の矯正治療中であることを薬剤師に伝えて相談してください。可能であれば、担当の歯科医師に痛み止めを処方してもらいましょう。
担当の歯科医師に相談する
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中の痛みや違和感が続く場合は、担当の歯科医師に相談することが大切です。痛みの原因を診断し、適切な対処をしてくれます。
これまで見てきたように、痛みの原因は数多くあります。痛みの原因を特定するのは専門家でなければ難しいでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中の痛みへの対処法はいくつもありますが、最も信頼できるのは歯科医師の判断です。痛みの程度や期間を考慮し、必要ならばすぐに担当の歯科医師に相談しましょう。
まとめ
理想の歯並びを目指して歯を移動させる矯正治療は、矯正装置によって歯に圧力を加えます。マウスピースを1~2週間ごとに取り換えていくマウスピース型矯正装置(インビザライン*)では、ひとつのマウスピースが歯に加える圧力は穏やかとされています。
ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)においても、歯が移動するのに十分な圧力が加わり続けるのも事実です。治療を通じ、痛みや違和感が生じることを想定しておきましょう。
問題は、後戻りが起きていたり治療計画とのズレが生じていたり、自分では解決できない原因で痛みが生じているケースです。異変にいち早く気づき適切に対処するためにも、痛みや違和感が続くときは担当の歯科医師に相談するようにしましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。