ドライマウスになっていませんか?ドライマウスとは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
今回は、「ドライマウス」についてお話していきます。
ドライマウスとは、口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)といい、お口の中が乾燥してしまう疾患です。唾液の量が減ってしまうことで、お口の中が常に乾燥してしまいます。ドライマウスになる原因は様々ですが、子どもより大人に方が多く、性別だと男性よりも女性のほうがドライマウスになりやすくなります。女性のほうがなりやすい原因に、閉経後の更年期障害や女性の発症率が高いシェーグレン症候群などの病気も関係しています。
普段の生活で、唾液のことについてよく考えることはないかもしれませんが、唾液は、お口の中でとても大切で重要な役割があります。
唾液の役割
唾液には3つの重要な役割があります。
1 唾液が出ることによって、お口の中を清潔にします。唾液には、抗菌する成分が含まれていますので、お口の中の細菌の増殖を抑えることができます。また、食事をして後の歯や歯と歯の間に残った食べ物のかすなどを洗い流してくれる効果もあります。抗菌作用は、お口の外からの細菌やウイルスを体内へ侵入するのを防ぐ効果もあります。また、唾液の抗菌作用には、口臭を防ぐ効果もあります。
2 唾液には、食べた物を消化する酵素(アミラーゼ)が含まれています。食事の時に、よく噛むことで唾液が多く分泌し、食べ物と唾液が混ざりアミラーゼが食べ物の炭水化物(デンプン)を麦芽糖へ分解してくれます。麦芽糖に分解されることで食べ物を飲み込みやすくし、消化しやすくなります。
3 普段、何もしていない時のお口の中は、中性です。しかし、食べ物を食べ・ジュースやアルコールを飲むと、お口の中は酸性になります。酸は歯を溶かす原因になり、歯が溶けると虫歯になります。ダラダラ食べや、水分補給がスポーツドリンクやジュースの場合、お口の中が酸性の時間が長くなってしまい、虫歯のリスクが高くなります。唾液には、酸性になったお口の中を中性に戻す作用があります。
ドライマウスに現れる症状
ドライマウスの症状は、お口の中の唾液が減ることで様々な症状がでます。
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- 1 お口の中が乾燥(乾く)する
- 2 乾燥によってお口の中がネバネバする
- 3 乾燥することによって水分をとりたくなる
- 4 口臭が強くなる(自分でも気づくほど)
- 5 パンやクッキーなどの乾いた食べ物が飲み込みづらくなる
- 6 途中で水分補給をしないと長時間会話がしづらい
- 7 虫歯・歯周病の進行が早くなってきた
- 8 食べた物の味に変化がある(味がしないなど)
- 9 舌が乾燥してひび割れてくる
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もし、当てはまるものがあるとドライマウスの可能性があります。
ドライマウスの原因
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歯並びが悪い
歯並びが悪いと、舌の癖(舌癖)や、前歯が出ているため唇が閉じられないなどがあるとドライマウスになりやすくなります。また、噛み合わせが悪いと口呼吸になることがあり、口呼吸はドライマウスの原因です。
常に口呼吸をしている
普段、何気なくしている呼吸ですが、鼻から呼吸する「鼻呼吸」と口で呼吸する「口呼吸」の二つあり、正しい呼吸は鼻呼吸になります。会話や食事をしている時以外の、お仕事中・勉強中・ゲームやスマホ、テレビを見ている時、本を読んでいる時など普段の呼吸が口呼吸になっているとドライマウスの原因になります。口呼吸は、常にお口が開いている状態になるのでお口の中が乾燥します。慢性的な鼻炎などで鼻呼吸が難しい場合もありますが、意識して口呼吸をしないようにすることが重要です。就寝時は、身体が弛緩するためどうしてもお口が開いてしまいますので、唇にテープを貼るなど試すなど、就寝時の鼻呼吸を意識してみるのもいいかもしれません。
喫煙や飲酒の習慣がある
喫煙やアルコールを摂取する習慣が日常にあると、ドライマウスの原因になります。喫煙は、ニコチンやタールの影響から唾液が減ってしまいます。アルコールを摂取すると、トイレに行く回数が増えませんか?それは、アルコールを飲むことで利尿作用があるためです。結果、身体の中の水分が減ってしまいドライマウスの原因にもなります。アルコール以外にもカフェインの過剰摂取でも同じく利尿作用があるのでドライマウスの原因になります。
緊張やストレス
人は精神的なストレスをうけたり、強度な緊張を感じると喉が渇いたりしてお口の中が乾燥します。唾液を出す役割の唾液腺は、自律神経と関係しており、過度なストレスや緊張が続くと交感神経が唾液腺の動き低下させてしまい、唾液が減ります。ストレスや緊張が長く続くとドライマウスの原因になります。
加齢からの影響
食事の際に、よく噛んで食べると唾液の分泌が増えますが、年齢が高くなるほどに、歯周病のリスクも高くなり、お口の中の環境が悪くなっていきます。歯周病などで歯が抜けてしまうと噛み合わせが変わってしまい、食べ物がよく噛めなくなります。よく噛めないと唾液の量も減ってしまい、ドライマウスの原因になります。虫歯や歯周病を悪化させないためにも、歯科医院での定期的なクリーニングやメンテナンスがとても重要です。
持病などの全身の疾患
全身の病気で、高血圧・糖尿病・腎不全・関節リウマチなどの基礎疾患がある方はドライマウスになりやすいです。基礎疾患を治療するためのお薬の影響も唾液の減少になります。また、癌の治療である放射線治療を唾液腺近くに照射すると、唾液の分泌が減りドライマウスになる原因になります。
服用している薬の影響
薬の副作用として、お口の中が乾く症状がでる場合があります。主に、降圧剤(血圧を下げるお薬)・抗不安薬・抗うつ剤・向精神薬(精神科や心療内科で処方されるお薬)・パーキンソン病のお薬などが副作用としてお口の中が乾燥します。他にも、花粉症の薬や風邪薬で鼻水や咳を止めるお薬も、服薬するとお口の中が乾燥することもあります。薬を服用してからお口の中の乾燥が気になる場合は、原因がお薬になります。病気のために長期にわたって服用する場合は、主治医に相談してみてください。
閉経後の更年期障害
女性の方は、閉経すると女性ホルモンの量が減ってしまい更年期障害になります。更年期の症状や程度は、人それぞれ違いますが、女性ホルモンが減ると唾液の分泌も減ってしまいます。なので、50代以降の女性の方はドライマウスになりやすくなります。
シェーグレン症候群
皆さんは、シェーグレン症候群という病気をご存知でしょうか?難病指定にされているシェーグレン症候群は、自己免疫疾患で、涙を作る涙腺や、唾液を作る唾液腺の働きを阻害してしまいます。目が乾いたり口が乾いたりし、ドライマウスの原因の原因になります。このシェーグレン症候群は、中高年の40代以降の女性がかかる難病です。
まとめ
唾液はとても重要な働きがあります。唾液が減ってしまうのは、加齢と日々の生活習慣が大きくかかわります。高齢者に多い誤嚥性肺炎は、唾液の量が減ってしまい食べ物や飲み物をうまく飲み込めず肺へ入ってしまうことでおこります。また、嚥下機能が低下すると誤嚥性肺炎になりやすくなり、肺炎は死亡原因にもなります。食事のさいによくむせる・飲み物がないと食事を飲み込めないなど日頃あると要注意です。唾液が減ってしまうと色んな障害がおこります。唾液の量が昔(若い頃)より減ったと感じる方は、ぜひかかりつけの歯科医院でご相談ください。
高齢者に特有な口腔疾患③
○口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)
口腔扁平苔癬とは、皮膚や口腔粘膜に白斑や紅斑、びらんを呈する慢性炎症性角化病変であり、口腔粘膜の角化異常を伴う原因不明の慢性炎症疾患です。角化異常が起こると、口内の粘膜細胞が過剰に角質化することで粘膜が厚くなります。口腔では、頬粘膜に多く認められますが、舌や口唇にも認められます。これにより、口内に痛みやしみるような感覚、口内炎、舌の痛み、味覚異常などの症状が現れることもあります。白い粘膜の角化がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛が認められることがあります。発生は約0.1%~4%程度で、中高年の女性に多く確認されています。また、口腔扁平苔癬のがん化率はおよそ1%程度といわれています。これは口腔白板症と比べると低いですが、口腔扁平苔癬は口腔潜在的悪性疾患(がん化する可能性がある病変)の1つに分類されています。口腔扁平苔癬は自覚症状がない場合もあり、症状に波がある病気です。自然に病変が消えたり、症状が治まったりすることもありますが、再発することもあります。完治することは難しいため、症状を安定させるためには、専門医の定期的な診察や口腔ケアが必要です。また、口腔内環境を良好な状態に保つことも大切です。口腔内の不衛生状態が続くと病態が悪化する可能性があるため、こまめな口腔ケアを心がけましょう。
・症状
口腔粘膜では頬粘膜や歯肉、舌などに現れることが多く、時に痛みを伴うことがあります。頬粘膜や歯肉などに白い変色があり、線状、網目状、レース状、環状などの白い斑点があります。赤くなっていてびらん(ただれ)や潰瘍が形成され、刺激痛、灼熱痛を感じることがあります。飲食時の不快感(特に熱いもの、冷たいもの、酸性のもの、粗いもの、スパイスの効いたものなどに対して)を伴います。一般的に紅色型の方が症状を強く認められます。
・原因
原因については、明確には分かっていません。遺伝的要因や自己免疫疾患、ストレスなどの精神的要因や歯科金属によるアレルギー、ウイルス感染(特に肝炎ウイルス)、内分泌異常などの要因が関係しているとされています。
○口腔がん
日本では、口腔がんに罹患している人の数は、年間11000人ほど(2016年)で、日本国のみならず、世界的にみても罹患率、死亡率とも上昇傾向にあります。また、女性より男性に多い(男性:女性=3:2)という特徴もあります。口腔がんの発生頻度は、がん全体の約1~3%と言われていますが、高齢者に発生することが多いため、人口の高齢化に伴い増加傾向にあります。口の中の全体を口腔といい、その口腔内でできるがんを総称して「口腔がん」と呼んでいます。「口腔がん」は場所によって「舌がん」・「歯肉がん」・「口腔底がん」・「頬粘膜がん」・「口蓋がん」・「口唇がん」などに分類されます。部位別では「舌がん」が最も多く、次に多いのが「歯肉がん」です。口腔がんの発生頻度はがん全体の1~3%程度と決して多くありません。他のがんとは違い、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんといえますが、一般の方にあまり知られていないため、進行するまで放置されてしまうケースが多く、亡くなられる方が急増しているがんでもあります。口腔がんの5年生存率は約60~80%といわれています。初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症も残ることなく、5年生存率は90%以上との報告もあります。しかし、進行した口腔がんでは手術により舌や顎の骨を切除したり、顔が変形したりすることがあり、そのため食事や会話が困難になり、日常生活に大きな支障をきたしてしまう可能性があります。
舌がん:ほとんどは舌の側面や裏側にできます。粘膜の表面に症状(赤くなったり、白くなったり、凹凸や潰瘍など)ができたりします。好発部位は舌の両脇の部分で、尖端や真ん中の部分にできることは少ないです。
歯肉がん:上下の歯肉にでき、粘膜に症状が現れます。歯がぐらついたり、腫れたりすることもあります。
口腔底がん:下顎の歯肉と舌に囲まれた部分(口腔底)にできます。
硬口蓋がん:上顎の天井部分にできます。傷つけた覚えがないのに症状が現れます。
頬粘膜がん:頬の内側の粘膜にできます。噛んだり傷つけたりした覚えがないのに症状が現れ、触ると粘膜の下にかたまりや厚みができます。
・症状
口腔がんの自覚症状で最も多いのが口腔内の痛みです。その他、しこりやただれ、出血、歯のぐらつき、口臭などが挙げられます。しかし、初期の段階では痛みが少なく、痛みが出てきたときにはすでに進行しているケースが多く、見た目に明らかな変化が現れたり、舌の動きが悪くなったり、歯肉の盛り上がり、顎の下のリンパ腺が腫れて硬いしこりを触れる場合、なかなか治らない口内炎などの症状には注意が必要です。しかし、肉眼的に観察されやすい場所にも関わらず、しばしば高齢者では発見が遅れてしまい進行がんの状態で発見する場合があります。なので、日常生活の中で義歯(入れ歯)が合わなくなったり、食事量が減少したり、口臭が気になる場合は注意しましょう。また、舌や口の中の粘膜の変化(色が白く変化したり、赤みが強くなる、ただれる、ザラザラしたり、しこりを感じるなど)が現れることもあるのですが、これらは口腔がんだけの特徴的な症状ではないため、がんかどうか見極めるのは非常に困難です。ただの口内炎だと思って放置していると、「実はがんでした」という患者さんも決して珍しくありません。歯肉がんでは、歯肉の腫れや出血、歯のぐらつきなどをきたす場合がありますが、その症状も歯周病と紛らわしいため、診断が遅れてしまうこともあります。明らかな症状がある場合はもちろん、症状が軽い場合でも口の中の異常がなかなか良くならない場合、あるいはどんどん悪化している場合は、速やかに耳鼻咽頭科などへ受診しましょう。
・原因
喫煙:「口腔がん」が発生する最大のリスクファクターは、他のがん同様に喫煙です。喫煙者の口腔がんの発生率は非喫煙者に比べて約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いという報告があります。
飲酒:喫煙に次ぐリスクファクターになるのが飲酒です。特に50歳以上の男性で、毎日たばこを吸い、お酒も飲まれる方は最も危険です。飲酒時の喫煙は、たばこに含まれている発がん性物質がアルコールによって溶けて口腔粘膜に作用するため、よりリスクが高くなると考えられています。
その他:喫煙、飲酒以外に、「口腔内の清掃不良」や「虫歯の放置」、「不適合の義歯(入れ歯)や被せ物などによる慢性的な刺激」、「栄養不足」などもリスクファクターとして挙げられています。
・予防
進行した虫歯をそのまま放置したり、不適合な義歯(入れ歯)を無理して使用することで舌や粘膜を傷つけたり、口の中が歯垢や歯石で汚れていたりすると、口腔がんが発生しやすくなります。なので、口腔がんの予防で大切なことは、かかりつけの歯科医院へ定期的に受診しましょう。虫歯治療や義歯(入れ歯)の調整、虫歯や歯周病を予防するための専門的なクリーニングなどを受けることでお口の中は清潔に保たれ口腔がんのリスクを下げることにつながります。そして、がんを寄せつけない生活習慣(たばこを吸わない、お酒を控える、ストレスを溜めない、バランスのよい食生活、適度な運動など)を心がけましょう。
・口内炎と口腔がんの見分け方
舌や口の中の粘膜がただれたりすると、多くの人は「口内炎ができた」と考えますが、もちろん実際に口内炎である場合が多いですが、それが口腔がんの初期症状である可能性もあるため注意が必要です。口内炎か口腔がんかを見た目だけで判断するのは非常に難しいです。しかし、なかなか治らない口内炎の場合は口腔がんの可能性がありますので、2週間以上治らない口内炎や口の中の異常がある場合は、必ず耳鼻咽頭科などへ受診しましょう。
ホワイトニングについて
こんにちは。
いつも当院のコラムをご覧いただきありがとうございます。
今回は、「ホワイトニング」についてお話していこうと思います。
ホワイトニングには種類がいくつかあります。
それぞれの特徴やメリット、デメリットなどをお話しようと思います。
ホワイトニングとは
歯のホワイトニングとは、広義としては歯に沈着している汚れや着色を除去するクリーニングも含めます。
狭義としては、歯のブリーチ(漂白)を含めます。ホワイトニングは、歯に被せ物をしたり、歯を削ったりする処置は行わず、自分の歯に薬剤を使用して歯の黄ばみを落とす方法です。歯科医院で取り扱っている薬剤には過酸化尿素や過酸化水素が含まれており、劇薬に分類されるため歯科医院でしか取り扱うことができません。歯の黄ばみや加齢による歯の色の濃さはクリーニングだけでは問題を解決することができません。ホワイトニングでは、ご自身の歯を白くしていきます。
歯が黄色くなってしまう原因
歯が黄ばんでしまうには、さまざまな原因があります。
原因によっては、ホワイトニングではなく治療をしないといけない場合があります。
歯が黄ばんでしまう原因は、主に4つの例が挙げられます。
①加齢
加齢により、歯が黄ばんでいるように見えることがあります。
それはなぜかというと、歳を重ねていくと歯の表面のエナメル質が薄くなるためです。エナメル質が薄くなることで、エナメル質の中の象牙質が透けて見えるので歯が黄ばんだように見えてしまいます。
②生活習慣や食生活による着色
喫煙などによる生活習慣や食生活の影響で歯に着色がついてしまう原因となることがあります。コーヒーやカレーといった色が濃い食べ物などを頻繫に飲食する人は歯が黄ばみやすい傾向があります。
喫煙とする人は、たばこに含まれているヤニが歯を黄色くしてしまう原因となります。
③抗菌薬(抗生物質)
テトラサイクリン系の抗菌薬(抗生物質)の薬剤は歯が着色してしまう原因となります。これは、黄ばみの原因となります。
④虫歯
虫歯が悪化してしまい、神経がしんでしまうことにより、歯が変色することがあります。この状態は虫歯の中でもかなり進行している状態となります。このような場合は、すぐに歯医者へ行くことをおすすめします。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングにはさまざまな種類があります。
それぞれのメリットやデメリットを理解した上で選択すると良いでしょう。
歯科医院で取り扱われているホワイトニングを3種類説明します。
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ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、まず歯医者でマウスピースを作成します。
そして、その作ったマウスピースと専用の薬剤を使用し、自宅でホワイトニングを行う方法です。自宅で自分の都合に合わせてホワイトニングを行うことができるので歯科医院に行く時間がない方や忙しい方におすすめです。
メリット
- ・自分の好きなタイミングでホワイトニングをすることができる。
- ・色素の分解が細かいので、色の持ちがオフィスより長い
- ・ゆっくり時間をかけて白くするので、歯の表面への負担が軽減される
デメリット
- ・自分で使用時間や回数などの管理を行わなければならない
- ・ホワイトニング後は飲食物の制限がある
- ・歯科医院で使用する薬剤より低濃度の薬剤を使用することになるため、オフィスホワイトニングと比べるとホワイトニングを行う時間や歯が白くなるまでの期間が長くなることがある
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オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行うホワイトニングの方法になります。
歯科医院で取り扱う薬剤は、ホームホワイトニングの薬剤と比べると濃度が濃いため、短い期間で歯が白くなることが期待できるでしょう。
メリット
- ・短期間で歯の白さを実感することができる。
- ・専門的な技術や知識がある歯科医師や歯科衛生士が行うため、歯の白さがムラになりにくい。
- ・歯に違和感や痛みを感じた場合、すぐに対応してもらうことができる。
デメリット
- ・歯科医院に行かないとホワイトニングを受けることができない。
- ・ホームホワイトニングと違って色持ちの効果が持続する期間が短いため、歯を白く保ちたいという方は、定期的に施術を受ける必要がある。
- ・ホームホワイトニングと比べると費用がかかってしまう。歯の白さを持続的に保ちたいという方は、定期的に施術を行う必要があります。そのため、費用が高くなってしまう可能性があります。
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デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングとは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用して行うことをいいます。
メリット
- ・即効性のあるオフィスホワイトニングと持続性の高いホームホワイトニングを併用して行うため、効果が出るまでの期間が早く、歯の白さの効果が持続する期間が長い。
デメリット
- ・デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行う分高くなる。
- ・歯科医院でホワイトニングを行う時間と自宅で自分でホワイトニングを行う時間の両方を確保しなければならない。
- ・忙しくてどちらか片方のホワイトニングしか行えなかった場合、ホワイトニングの効果が出るまで時間がかかる場合や思うような白さにならない可能性がある。
ホワイトニングとクリーニングの違い
ホワイトニングは、薬剤を使用して歯を白くする施術のことです。
歯の黄ばみが気になる方や歯を白くしたいという方はホワイトニングをしましょう。
クリーニングは、プラーク(歯垢しこう)や歯石、着色などの汚れを落とす施術のことです。これらを落とすことで、お口の中の環境が整います。歯の着色が落ちることで、歯が白くなったように思われますが、歯の色が白くなったわけではありません。
歯科医院とサロンでのホワイトニングのちがいについて
近年ではエステサロンやジムなどの施設で低価格でお手軽にホワイトニングが行えるところが増えてきました。
歯科医院で行っているホワイトニングとサロン施設などで行っているホワイトニングではどのような違いがあるのか気になる方もおられるかと思います。
歯科医院で行うホワイトニングとサロン施設等で行うホワイトニングでは使用する薬剤や費用、施術者などが異なります。
それぞれについて詳しく説明をしていきます。
歯科医院で行うホワイトニングについて(医療ホワイトニング)
歯科医院で取り扱っているホワイトニングの薬剤には、劇薬に指定されている過酸化尿素や過酸化水素という物質が含まれています。この物質は、歯を白くする効果があります。歯科医院で使用している薬剤は、歯科医師や歯科衛生士しか取り扱うことができません。
費用はホワイトニングの種類によって異なりますが、サロン施設等で行うホワイトニングと比べると歯科医院で行うホワイトニングは費用が高くなります。しかし、歯科医院で行うホワイトニングでしか歯を白くすることができないため、歯の白さを望む方はサロン施設等ではなく歯科医院でのホワイトニングを行うことをおすすめします。
サロン施設等で行うホワイトニング(セルフホワイトニング)
エステサロンや温泉施設などで行われているホワイトニングのことをセルフホワイトニングといいます。歯科医院で行うホワイトニングと比べると費用がお手軽な価格なため、手軽にホワイトニングを始められることができます。しかし、使用できる薬剤には歯を白くする効果のある物質が含まれていません。そのため、サロン等の施設で行われているセルフホワイトニングは、歯の表面の着色を分解し、もともとの歯の白さを出すことしかできません。それは、法律上の関係で歯科医院と同じ物質が含まれた薬剤を使用することができないためです。
高齢者に特有な口腔疾患➁
○口腔カンジダ症
口腔カンジダ症は真菌感染症であり、Candida albicans、Candida glabrata、Candida tropicalisといったカビの一種であるカンジダ菌種によって引き起こされます。カンジダ菌は体の中に生息する常在菌の1つで、健常人(特定の慢性疾患を抱えておらず、日常生活行動に支障がない人のこと)にも検出(入れ歯を使用していない方は45%、入れ歯を使用している方は60%以上)され、健康に影響を及ぼすことは少ないです。加齢や疾病治療として炎症を抑えたり、免疫の働きを弱めたりするために使用されるステロイド薬や口腔の自浄性の低下や義歯(入れ歯)の汚れなど、口腔内不良で発症することもあります。症状としては、口の中に白い斑点や膜などが発生します。比較的容易にガーゼなどで拭い取ることができますが、ヒリヒリ感や痛みを感じる方もいます。そのため、食事が摂取できなかったりする場合もあります。口腔カンジダ症は、偽膜性カンジダ症や紅斑性カンジダ症、肥厚性カンジダ症、カンジダ性口角炎などがあります。
・偽膜性カンジダ症:口腔内に乳白色や灰白色の白苔が粘膜の表面に発生し、一番発生頻度の多い口腔カンジダ症です。白苔は容易に剥離する場合と、粘膜に固着し容易に剥がれないものとあります。白苔を剥離した後の粘膜は、赤くなったり(発赤)、ただれていたり(びらん)します。比較的症状が軽い場合が多いですが、「ヒリヒリする」などの痛みがでる場合があります。
・紅斑性カンジダ症(萎縮性カンジダ症):舌乳頭の萎縮や粘膜に紅斑が現れる特徴があり、萎縮性の口腔カンジダ症です。紅斑性カンジダ症は、義歯による圧迫によりカンジダは粘膜下に進行し増殖して起こるものとも考えられています。義歯装着者では、口腔カンジダ症が多いと考えられていたが、近年の報告では、義歯装着者が口腔カンジダ症になりやすいわけではなく、義歯清掃が十分に行われていないことによって口腔カンジダ症に罹患するものと考えられています。紅斑性カンジダ症は、偽膜性カンジダ症よりもヒリヒリとした痛みが強く、疼痛や味覚障害などの不快な症状を伴うことが多いです。
・肥厚性カンジダ症:肥厚性カンジダ症は、粘膜上皮へカンジダが侵入することによって過形成が起こり、角質層が過角化あるいは錯角化を呈するために硬く肥厚した上皮を形成するものと考えられます。好発部位は口角、頬粘膜、舌等であるが、正中菱形舌炎は肥厚性カンジダ症であることが報告されています。比較的症状は少なく、形態の異常を気にして歯科医院へ来院する場合が多いです。
全身的な原因
内服や注射用抗菌薬による菌交代現象、長期的な抗菌薬の服用やステロイド薬の投与、免疫力低下などの原因があります。カンジダは真菌であるため、抗菌薬は効果がありません。抗菌薬の長期間の投与により、口腔内の常在細菌叢のバランスが崩れ、カンジダが異常増殖することによって発症することがあります。
一般的に感染防御機能が低下していると考えられ、がん、糖尿病、腎不全などの基礎疾患を合併しやすく注意が必要です。また、がん患者、がん化学療法後の好中球減少時に伴い発症することが多くあります。
菌交代現象:抗菌薬の影響で体内の常在細菌叢が変化し、特定の細胞が異常に増殖する現象。
局所的な原因
口腔内の乾燥や口腔内の不衛生、義歯(入れ歯)の清掃不良、局所ステロイド薬(吸入ステロイド、口内炎に対する軟膏)の副作用などがあり、これらは密に関連性をもっています。唾液分泌量の減少と口腔からの水分の蒸発によって口腔乾燥は起こります。唾液による抗菌作用、自浄作用が低下することでカンジダ菌が増殖しやすくなります。義歯(入れ歯)は、床と呼ばれる歯肉色の部分はレジンというアクリル樹脂でできており、表面が多孔性で吸収性があります。そのため、義歯にカンジダ菌が付着しやすく、清掃を怠ると入れ歯そのものが菌の住処になってしまいます。その他、気管支喘息に対する吸入薬や口内炎に対する軟膏などにはステロイドが含まれており、その副作用でカンジダ菌が増殖します。
カンジダ症の予防と対処法
歯磨きやうがい、白苔除去など口腔ケアをし、清浄化した状態を保湿によって維持することが大切です。経口摂取や口腔ケアによる刺激で唾液の分泌を促進し、保湿ジェルやマスクなどで粘膜から蒸発を予防しましょう。経口摂取ができない場合は、口腔の自浄作用が低下するため、口腔ケアを重点的に行う必要があります。唾液の分泌を促進し、口腔の自浄作用を高め、口腔機能の廃用予防にもつながります。入れ歯の適切な方法で清掃を行いましょう。流水下で、義歯ブラシなどでブラッシングをし、義歯洗浄剤を正しい方法で使用しましょう。義歯に歯磨き粉を使用すると、歯磨き粉には研磨剤というものが含まれており、義歯が傷つきやすく、その細かな傷に細菌が繁殖しやすいため控えましょう。また、ステロイド軟膏の漠然とした長期使用は避けましょう。全身状態を把握したうえで、感染防御機能の低下が著名な場合や白苔が厚く広範囲な場合は、医療機関にて抗真菌薬の検討・処方が必要となります。
カンジダ症は、要介護高齢者やがん患者に多くみられます。要介護高齢者やがん患者は感染防御機能の低下、経口摂取の制限、唾液分泌低下による口腔乾燥、清浄化の低下、ステロイドの使用など発生する要因が多くあります。
○白板症(はくばんしょう)
白板症とは、口腔粘膜、とくに頬粘膜や舌などにみられ、擦っても剥離しない前がん病変です。白板症は比較的発生頻度が高く、悪性化する可能性が高いため、前がん病変(口腔潜在的悪性疾患ともいいます)の1つに入っています。そのまま放置していたり、凹凸不正や境界不明瞭、潰瘍などの赤い部分などが生じた場合は、がん化している可能性があります。また、ただれ(びらん)や潰瘍などの赤い部分が認められると、すでに初期の口腔がんであったり、後にがん化しやすかったりすることがあります。口腔白板症は約10%ががん化するといわれているが、経過が長いほどがんに変化する可能性が高くなり、10年間では約30%ががん化するとの報告もあります。
原因
原因は明らかになっていませんが、悪い歯並びや尖った虫歯や差し歯、不適合の義歯(入れ歯)により口腔粘膜を継続的に噛んだり、傷つけたりする機械的刺激。喫煙や過度の飲酒、刺激性の強い食べ物(辛いものや熱いものなど)を過剰に摂取することなどの化学的刺激などの局所因子。また、エストロゲン欠乏、ビタミンAおよびB欠乏、高コレステリン血症などの全身因子も原因と考えられています。
発現頻度
年齢的には40歳以上の高齢者、性別では男性に多い。悪性化頻度は60歳代の女性に多いです。
症状
舌や歯肉、頬粘膜など長期間消えない白色あるいは灰白色の板状または斑状のものが形成し、周辺との境界は一般的に明らかです。患部を触ったときに表面が滑らか、少しざらざらしている場合を「均一性白板症」、潰瘍や角化して盛り上がったりしている場合を「不均一白板症」といいます。病巣の大きさは小範囲なものから口腔全体におよぶもの、境界は時に鮮明、ときには不鮮明なものまであります。白板症の場合は擦っても取れず、また長期にわたって病変が残り続けるのが特徴です。また、周辺粘膜に紅斑がみられることや、病変内部に紅斑やびらんが存在することもあります。基本的に自発痛や接触痛などの自覚症状はありませんが、赤い部分はただれ(びらん)や潰瘍のため、そこに食べ物が当たって痛かったり、しみたりといった症状を伴うことがある。
予防
歯や入れ歯さらには歯磨きとの関係が強く考えられるため、かかりつけ歯科医院へ定期的に受診することが大切です。また、舌癌と同様に口腔白板症も喫煙や過度な飲酒は発症リスクを高めると考えられているため、禁煙および節度ある飲酒へと生活習慣を改善することが、予防する上で重要となります。さらに、辛い食べ物や熱い食べ物を控えるなど食生活の改善を図り、日頃の生活習慣を見直しましょう。
高齢者に特有な口腔疾患①
○歯周病や虫歯(根面う蝕)
歯周病も虫歯も細菌(歯周病菌・虫歯菌)によって起こります。高齢期には唾液の減少や入れ歯の汚れなどによって、お口の中で細菌が繁殖し、歯周病や虫歯が発生しやすくなります。
また、歯周病などによって歯肉が下がると、歯根が露出します。歯根は虫歯菌に対する抵抗力が弱いため、虫歯になりやすくなります。歯周病菌や虫歯菌は全身にも影響を及ぼします。(脳梗塞・認知症・糖尿病・心臓病・誤嚥性肺炎・骨粗鬆症・関節リウマチ・肥満等)
う蝕や歯周病の予防、治療が進歩し、高齢者における残存歯数が増加することに伴い、歯肉退縮や根面う蝕が増加しています。歯冠はエナメル質に覆われており、根面はエナメル質とは異なり、より硬度の低い象牙質で構成されています。エナメル質と比べると象牙質は臨界pHが高く、少し酸性に傾くだけで酸によって容易に溶けてしまいます。
根面う蝕はどのように進行するか
根面う蝕は、歯肉が退縮して歯根が露出した部位に、歯頚線に沿って環状に進行します。その発症部位が歯頚部であるため、歯根破折の原因にもなります。もし破折した歯が義歯の鉤歯であった場合には義歯が使用不能となり、一気に咀嚼障害に陥ってしまい、高齢者の口腔機能が低下する大きな要因となってしまいます。
病変部は茶褐色~黒色で高齢者に多く認められます。高齢者でリスクが高まる理由としては、歯肉の退縮と歯根表面の露出、唾液分泌量の低下などがあります。唾液分泌の減少の原因として考えられるのは、全身疾患や薬物の服用などによる影響で唾液分泌量が減少し、根面う蝕のリスクがより高くなります。また、歯根部の清掃の困難性および糖分の多い食生活などもリスクが高まる理由にあげられます。
根面う蝕の予防
- ①露出根面の清掃:歯ブラシに加え、歯間ブラシ、タフトブラシなどの補助清掃用具の使用
- ➁フッ化物の利用:フッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口
- ③特定の食品への注意:砂糖などの甘味制限や人工甘味料の利用
- ④唾液分泌の改善:唾液腺マッサージ
- ⑤プロフェッショナルケア:定期的な専門的歯面清掃
- などが重要です。
○ドライマウス(口腔乾燥症)
ドライマウスはさまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口腔内が乾燥する病気です。糖尿病や高血圧、腎不全などの病気を介して起こることもあれば、ストレスや筋力の低下、薬剤の副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことに対してストレスを感じて、さらに強いドライマウスになる可能性があります。
かむことは唾液の分泌を促し、唾液を分泌する唾液腺は筋肉によって裏打ちされています。しかし、その筋肉が衰え、唾液の抗菌作用、洗浄作用、保護作用、潤滑材などが損なわれ、口腔粘膜の炎症、虫歯の多発、会話・嚥下障害、義歯の不安定などを引き起こします。
また、虫歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎などの全身疾患になる可能性があります。ドライマウスの症状は、膠原病(こうげんびょう)の1つである難病のシェーグレン症候群でも現れます。お口の中が乾くと、唾液の持っている自浄作用が失われ、通常よりも感染症になりやすくなります。
特に高齢者は、そのまま放置すると食べ物を飲み込む能力が低下する摂食・嚥下障害から重篤な病気になる可能性があります。
唾液の分泌を抑える薬
降圧剤・抗うつ剤・抗ヒスタミン薬・鎮静剤・睡眠薬・利尿薬・潰瘍治療薬・パーキンソン病治療薬などを服用している方でお口が渇きやすいと自覚がある場合は、かかりつけの担当医にご相談してみてください。
唾液の働き
- ①お口の中の乾燥を防ぐ
- ➁食べ物を飲み込みやすくする
- ③食べカスを洗い流す
- ④お口の中の細菌の増殖を抑える
- ⑤入れ歯の密着度を高める
- ⑥消化を助ける
- ⑦発音をなめらかにする
- ⑧酸によって溶けだした歯の表面を修復する(再石灰化)
- ⑨酸性またはアルカリ性を中和し、虫歯の発生を抑制する
唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージは、高齢者や有病者で唾液の分泌が障害されている人のためや、唾液腺の分泌機能を高めるために行われます。唾液腺には感覚神経も分布しているため、唾液腺マッサージは神経機能を高めると考えられています。
- ①耳下腺:指全体で耳の前、上の奥歯あたりを後ろから前に円を描く。
- ➁顎下腺:親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下まで順番に押す。
- ③舌下腺:両手の親指をそろえて、顎の下から軽く押す。
※唾液腺マッサージを行う際は、ストレスや緊張状態であると交感神経が優位となり、唾液分泌量が減るため、リラックスした状態で行うと副交感神経が優位となり、唾液分泌を促進されますので、リラックスした状態で行いましょう。食事前や口腔ケアの前に5~10回ほど、痛みを感じない程度の気持ち良いくらいの力で行いましょう。
○誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食道や胃に送られるはずの食べ物や飲み物、唾液などが主にお口の中の細菌と一緒に気道内に入ってしまうことで起こる肺炎です。
日本人に多い死因として、がん(悪性新生物)、心筋梗塞(虚血性心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)に次いで肺炎・気管支炎があげられます。とくに、肺炎と気管支炎による死亡の9割は65歳以上の高齢者です。
高齢者の肺炎は、お口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いといわれ、脳血管障害が多いことも大いに関連しています。高齢者の肺炎の原因は、気づかないうちに唾液や胃液などが肺に入る「不顕性誤嚥」が多いと言われています。認知症、神経病、高齢化が進むと、咳反射の低下や誤嚥したものを吐き出すことができなくなってくることで、誤嚥しやすくなってしまいます。誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、本人も気づかない、寝ている間に誤嚥を起こしています。
口腔内のケアが行き届かずお口の中で細菌が繁殖していると、さらに肺炎の悪化のリスクは高まります。高齢者は飲み込む機能や咳をする力が弱くなり、口腔内の細菌や逆流した胃液が誤って肺に入ることがよくあります。
そしてその時、細菌を含む唾液も一緒に誤嚥してしまい、菌が肺へ侵入します。菌を排除する白血球に力がないと、気管支や肺で細菌が増殖してしまい、肺炎を引き起こします。口腔ケアを行うことで舌や口唇などの口腔機能が改善し、食べる量が増え、栄養状態が図られ、免疫機能の向上につながります。たとえ口から食べ物を摂っていない場合でも、口腔内では粘膜の老廃物、痰、プラークなどの汚れは溜まります。
また、唾液の分泌量が減少し、口腔の自浄作用が働かなくなり、細菌が増加することで誤嚥性肺炎のリスクが高まります。しかし、誤嚥性肺炎はお口の中を清潔にすることで発症リスクの低下が明らかになっています。症状としては食事中のむせや常に喉がゴロゴロ鳴っている、唾液が飲み込めないなどは疑わしい症状です。
・正常な嚥下と誤嚥の違い
正常な嚥下とは、「食べ物や唾液を認知し口から取り込み、食道を通って胃へと運ぶ動作」です。一方誤嚥とは、「食べ物や唾液が、食道ではなく気管や肺に入ってしまうこと」です。
食べ物を飲み込むときは、喉頭蓋が気管に蓋をして、唾液や食べ物が食道に流れる仕組みになっています。しかし高齢になると、嚥下反射や咳反射が低下するため、誤嚥を起こしやすくなります。
・歯周病と誤嚥性肺炎の関係
誤嚥性肺炎を起こす細菌の多くは、嫌気性菌(酸素のないところで発育する菌)です。歯周病原性細菌は、酸素の少ない歯肉の中で増える嫌気性菌です。誤嚥性肺炎からみつかる細菌は、歯周病原性細菌を中心とした口腔細菌です。
・誤嚥性肺炎の予防
さまざまな薬を用いる内科的な予防法のほかに、スケーリング(歯石除去)や歯面清掃(プラーク除去)などの口腔ケアにより、口腔内の常在菌を減らしたり、食後に一定時間(2時間程度)座って上体を起こした体位に保つことで、胃液逆流を防ぐことも誤嚥性肺炎の予防にとって大切です。さらに、高齢者では摂食・嚥下に関連する筋肉のマッサージをすることで、嚥下反射が改善し、誤嚥性肺炎の予防につながります。
自分の口臭気になりますか?口臭とは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
今回は、「口臭」についてお話していきます。
皆さんは、自分の口臭が気になりますか?気にしたことがある、または誰かに指摘されたことはありますか?匂い繋がりで言うと体臭も口臭と同じで、実は無臭の人はいないのです。無臭では無いので少なくとも匂いはあります。
ただ、その匂いがキツイかきつくないか・匂いがするかしないかでだけで違うのです。でもいい匂い(例えば香水や柔軟剤など)なら「いいにおい~」って言えますが、臭いときは伝えにくいですよね。
コロナが流行っている時に、マスク生活になりご自身の口臭が気になった方も多いのではないでしょうか。口臭のおよそ80%は、お口の中(口腔内)が原因なのです。相手が不快になってしまう匂いは、マナーやコミュニケーションにも影響がでてしまいます。
ひとえに口臭といっても種類があり、原因も様々あります。改善できるよう是非最後まで読んでいただければと思います。
口臭の種類
生理的なときの口臭(生理的口臭)
さきほど、口臭が無臭な人はいない。と言いましたが、それは、お口の中には沢山の細菌がいます。普段の生活の中で、食べたり飲んだり話したりして唾液がお口の中にでて中和されることによって匂いはほとんど感じません。
ですが、性別や年齢問わずに誰しもがあるのが生理的なことからくる口臭です。例えば、朝起きた時(寝ている時含む)は、唾液の分泌が少なくなるのでお口の中が乾燥してしまいます。唾液が少なくなることでお口の中の細菌が増えて匂いをはなつようになります。
この時の匂いは、歯磨きをすればなくなるので気にしすぎる必要はありません。
また、お腹が空いている空腹時や、緊張している時にお口の中が乾いてしまう時も、唾液が少なくなりますので口臭が出やすくなりますが、お水やお茶を一口飲む・キシリトールのガムを噛むだけでも匂いは改善されます。
食べ物や飲み物や嗜好品からの口臭
お口の中が臭くなる食べ物といえば、一番に思い浮かぶのはニンニクではないでしょうか。
他には、ニラや玉葱、ネギ類も食べた後は口臭がきつくなります。飲み物だと代表的なものは、お酒になります。お酒を飲んだあとに、「お酒くさい」と言われたことありませんか?それは、お酒(アルコール)による口臭なのです。
嗜好品の口臭一位は、タバコです。紙タバコが一番きつい匂いがしますが、電子タバコや加熱式タバコでも匂いが結構します。ニンニクなどの食品を食べた匂いは、時間がたてば無くなりますが、タバコは吸えばその都度にその後ずっと匂いますので、他の人から不快に思われ迷惑になるかもしれません。
病気からの口臭(病的口臭)
病気からの口臭は、病気が原因でおきる口臭のことで「お口の中の病気」と「身体の病気」とあります。お口の中の病気は、虫歯や歯周病のことで、虫歯も放置し進行してくると口臭がきつくなります。
他には舌の汚れ(舌苔)や、歯石が多くたまっていると口臭の原因になります。身体の病気だと、膿がでる副鼻腔炎や痰がでる扁桃炎(耳鼻咽喉)、逆流性食道炎や胃潰瘍(消化器内科)も口臭の原因になります。
全身の疾患ですと、肝臓病や腎臓病、糖尿病も口臭の原因になり、病名によって匂いも異なります。明らかに、食べ物による匂いと違い独特な匂い(アンモニア臭やアセトン臭)がします。
ストレスからの口臭
人は過度なストレスを受けると唾液が少なくなります。また強い不安を感じることでも唾液が減ります。
これは、自律神経の乱れによって唾液の量が少なくなることが原因になります。唾液の減少は、薬の副作用でもおきます。唾液が減ってしまうことで、お口の中が常に乾燥してしまい、口臭につながります。
ホルモンバランスが崩れることによる口臭
ホルモンバランスが崩れておこる口臭は、主に女性に多くなります。それは、女性ホルモンと口臭が大きな関連性があるからなのです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の二種類のホルモンを女性ホルモンといいますが、エストロゲン(卵胞ホルモン)の量は、初潮がくる頃から徐々に増え始めて、更年期(閉経)にむけて減っていきます。
また、このエストロゲン(卵胞ホルモン)の量は、生理の前や生理中・妊娠している時も大きく変わります。エストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、唾液の量も減っていきます。とくに閉経後は、急激に女性ホルモンが減少してしまうので、唾液の量も減ってしまい口臭が気になるようになります。
心理的な口臭
ほんとうはそんなに匂わないのに、自分で臭いと思いこんでしまうのが心理的なことからくる口臭です。「気にしすぎ」と一言で終わる話ではないのが現状です。歯科医院で、口臭を調べてくれるところもあります。一度、ご相談いただければと思います。
口臭の原因(口腔内が原因の場合)
歯周病
口腔内(お口の中)が原因での口臭の場合、一番はこの歯周病です。
歯周病が悪化すると歯がグラグラしてきて最後には歯が抜けてしまいます。歯がグラグラするのは、歯の根っこを支えている骨が溶けてしまい歯と歯茎の間(歯周ポケット)が深くなり細菌がたまりやすくなります。歯磨きの時に出血する・歯茎が腫れてきている方は、歯科医院での治療をおすすめします。
虫歯
虫歯もほっておくと進行してしまい、虫歯の穴が大きくなっていきます。この穴に食べ物のカスがたまって口臭の原因になります。小さい虫歯のうちに治療をする必要があります。
舌苔(ぜったい)
舌は通常、ピンク色をしています。舌の表面に白い苔のようなものがついていることを舌苔(ぜったい)といいます。
この白い部分は、汚れで細菌やたんぱく質が固まったものです。お口の中の口臭の原因になるこの舌苔ですが、舌ブラシをいつもの歯磨きにプラスするだけで改善します。舌も軽く磨く習慣をとりいれてみてください。
歯垢や歯石
歯磨きをしても残る、歯垢(プラーク)や歯石も口臭の原因になります。
とくに歯石は歯磨きで取り除くことができないので、歯科医院できちんと歯のクリーニングをしてもらうことをおすすめします。ぜひ、定期的に歯科医院に通っていただきたいです。
唾液が減る
唾液の量が減ってしまうと、お口の中が乾燥して口臭が出やすくなります。普段あまり気にしてないと思いますが、唾液はお口の中を隅々まで洗浄してくれる効果があります。
食べ物をよく噛む・言葉を話すことでお口を動かすと唾液腺から唾液が分泌されます。寝ているときは食べる話すことがないため、唾液が出ません。唾液の分泌がないので朝起きたときにお口の中が乾燥して口臭がきつくなります。
また、唾液は加齢によっても減っていきます。
入れ歯や矯正の装置
お口の中に、入れ歯や矯正の装置が入っていると、唾液の成分のたんぱく質が付着し、口臭の原因になります。
取り外すことができるものなら、毎日の洗浄を行うことで匂いは少なくなります。金属が入っている入れ歯や矯正の装置の場合は「部分用入れ歯やリテーナー用」などの洗浄剤をお使いください。
お口の中のガン
お口の中の病気として、口腔がんや舌がんなどもあります。自分では気づきにくいのですが、なかなか治らない口内炎などある場合は、歯科医院の受診をお願いします。
まとめ
今回は、口臭についてお話ししました。
お口の中を清潔に保つだけでも防げる匂いがありますので、普段の日常生活で、歯磨き+舌ブラシを使う・フロスや歯間ブラシも併用するなどで匂いはかなり軽減されます。
歯科医院によっては、口臭チェッカーを置いてあるところもありますので、定期健診のときにご相談してみてはいかがでしょうか。
歯列矯正治療中の引っ越しについて
こんにちは。神戸市垂水区にある矯正歯科専門医院のふじよし矯正歯科クリニックです。いつも当院のコラムをご覧いただきありがとうございます。今回は、「矯正治療中に引っ越しをすることになった場合、どうすればいいのか」ということについてお話していこうと思います。
引っ越し先で今の矯正治療も続きを行ってもらえるのかどうかという事や費用、転医の流れなどについて参考にしていただければと思います。
治療の引継ぎについて
歯列矯正治療は基本的に年単位でかかる期間の長い治療です。もし、矯正治療を行っている期間中に進学や転勤などの都合で、遠くに引っ越しをすることになった患者さまは当院でも実際におられます。そのような場合、歯列矯正治療には転医という方法があります。きちんとした転医の手続きを行うことにより、引っ越し先でもスムースに歯列矯正治療を続けることが可能です。
転医を行うには、今までの治療の経過や初診時に来院された時の歯型の模型の複製したものなどの資料が必要になります。これらの資料を揃えて転医を行います。転医資料を準備するためには約一ヶ月の期間が必要になります。引っ越しを行うことが分かり次第、早めに通院中の矯正歯科の先生に相談しましょう。
転医先の探し方について
転医先の探し方は、歯科医院によって異なります。当院では患者さん自身で探していただいております。
流れとしましては、転医資料を引っ越し先で通院が可能な矯正歯科医院へ持って行っていただくことになります。なるべく、今まで行ってきた矯正治療と同じような進め方だと患者さんの負担が軽減されるのではないかと思います。転医先を探すときは、治療方針や治療内容が同じような歯科医院なのか調べてみるのも良いかもしれません。
しかし、引っ越し先の矯正歯科医院の治療方針や治療内容によっては、そのまま矯正治療が引き継ぐことが可能なのかは行ってみなければ分かりません。使用している装置が、引っ越し先の矯正歯科医院では取扱いのないものだと、引き継ぐことが出来ず全て作り直し、付け直しになる可能性もあります。事前にホームページなどを見て情報収集を行ってみたり、問い合わせて確認してみるのも良いかと思います。
転医による費用について
矯正治療中に転医する場合の費用の返金や手続きなどは歯科医院によって異なります。当院では、矯正治療中に転医を行うことになった場合、既にお支払い済みの方は行われた治療の清算を行い、残りを返金させていただきます。
また、治療の進行具合に対して未払いの治療費に関しましてはご入金をお願いいたします。
転医資料としてご入金の状況は転医先にも伝わるようにいたしますが、転医先でご返金分のみで矯正治療を引き継ぐということはあまりありません。詳しくは転医先の矯正歯科医院で確認しましょう。
矯正治療は多くの方が自費診療となります。そのため、歯科医院によって費用が異なります。また、転医資料を持って行った場合でも、新たに転医先で資料をとるために検査費が必要となる場合があります。他にも、新たに転医先で矯正装置の作り変えを行う必要がある場合も追加費用がかかる可能性があります。
矯正治療中の転医の流れについて
矯正治療中に引っ越しが決まったときは、なるべく早めに通院中の矯正歯科へ相談しましょう。転医資料を準備するには約1ヶ月の期間が必要です。矯正歯科医院によりますが、転医資料を作成するには費用が掛かる場合がございますので、確認しておくといいと思います。紹介状と転医資料を転医先となる歯科医院に持っていくことで、転医先の歯科医師にも分かりやすく、治療の再開もスムーズに行えるでしょう。
当院では、引っ越し先の土地に知り合いの歯科医がいる場合のみご紹介は可能ですが、基本は患者様ご自身で転医先を探していただくことになります。
転勤や進学などで引っ越しの予定が出来た場合は、歯科医師やスタッフにお気軽にご相談ください。
もし、矯正治療が始まる前に引っ越す予定が出来たときは事前に伝えて、矯正治療を開始するタイミングなどを歯科医師に確認しておくと良いでしょう。
当院では、歯ならびのご相談に来られた際に、引っ越しをすることが分かっている患者様には、引っ越し先で矯正治療を開始することをおすすめしています。なぜなら、先程もご説明させていただいた通り、転医資料や紹介状の作成に費用が発生するということと、転医先でも治療費や歯科医院によっては検査費用が発生することで、患者様が二重に費用をご負担しなければならないからです。
転医をおすすめしない場合について
矯正治療の進み具合によっては、転医をおすすめしない場合もあります。それは、転医することで治療期間が予定より長くなってしまう場合やもうすぐ終わりそうな治療段階で転医することで費用が余分にかかってしまう場合です。
矯正治療が残り短い期間で終わりそうな時や保定期間に入り通院間隔が長くなり、歯科医院に通う回数が少なくなってきた時は、引っ越し先の歯科医院に転医するのではなく、通院中の歯科医院に通い続けるというのも一つの手段です。転医するにあたっての手間や費用のことを考えると通い続けるという選択をする患者様も珍しくはありません。
転医先の歯科医院への受診について
患者さまご自身で転医先を探す場合、通院ができそうな歯科医院が見つかり次第まずはその歯科医院に直接電話をしてみると良いでしょう。その際には、転医希望だという趣旨を必ず伝えてください。
実際に行ってみないと歯科医院の雰囲気やスタッフなどわからないこともありますので、複数の歯科医院を見て回るのも良いでしょう。この時、持参した転医資料は必ず返却してもらうようにしてください。転医資料は転医先の歯科医院に提出することになります。
固定式矯正装置と取り外し式矯正装置について
こんにちは。
神戸市垂水区にある矯正歯科専門医院のふじよし矯正歯科クリニックです。
いつも当院のコラムをご覧いただきありがとうございます。今回は、「固定式の矯正装置と取り外し式の矯正装置」についてお話していこうと思います。
矯正装置には、固定式のタイプと取り外し式のタイプがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットなどをお話しようと思います。
固定式矯正装置について
固定式矯正装置とは、自分で取り外しが出来ない・お口の中(歯)についたままの状態である装置のことです。この固定式装置は歯科医院で着脱を行います。一度装着すると自分で外すことはできません。
歯列矯正治療といえば、歯に装置(ブラケット)とワイヤーをつける矯正装置を思い浮かべる方が多いと思います。このような装置(ブラケット)は、固定式矯正装置に含まれます。
固定式矯正装置のメリット
- ・自分で取り外しを行わなくていいため、矯正装置や使用時間などの自己管理を行う必要がない。
- ・ワイヤー矯正治療などのワイヤーを使用した矯正装置の場合、ワイヤーを調整することで細かい歯の動きが行える。
- ・矯正装置が歯についたままであるため、矯正の力を加え続けることができる。
固定式矯正装置のデメリット
- ・装置がついたままなので歯磨きが行いづらい、歯磨きが難しい。
- ・装置の種類やつける位置によっては、喋りづらい場合や舌などにあたって擦れる場合がある。
- ・矯正装置がお口の中の粘膜にあたっていたり、擦れることで口内炎ができることがある。
取り外し式矯正装置について
取り外し式矯正装置とは、主に子どもの治療(Ⅰ期治療)に使用している装置やマウスピース型矯正のことをいいます。
子どもの取り外し式矯正装置の使用時間は1日10時間以上でお願いしています。マウスピース型矯正の場合だと、22時間以上の着用をお願いしています。
取り外し式矯正装置のメリット
- ・装置を取り外して食事を取ることができる。
- ・装置を取り外して歯磨きが行えるので歯が磨きやすい。
- ・ワイヤー矯正治療と比べるとマウスピース型矯正治療の場合だと、マウスピースは薄いため比較的喋りやすい。
- ・見た目が気にならない。
- ・装置を正しくお手入れすることで、清潔に保つことができる。
取り外し式矯正装置のデメリット
- ・自分で取り外しが可能なので、使用時間を守らなければ歯列矯正治療が進まない。
- ・マウスピース型矯正の場合、使用時間や交換頻度などの自己管理を行わないといけない。
- ・細かい歯の動きが行いづらい場合がある。
- ・紛失してしまう可能性がある。
- ・装置の取り外し自分で行うため、装置を外している時間は歯が後戻りしている時間となる。
取り外し式矯正装置のお手入れ方法
当院で実際におすすめしている矯正装置のお手入れ方法をご紹介いたします。
まず、装置を外してすぐ流水下ですすぎましょう。この時、指でぬるぬるしている唾液(つば)を落とすと良いです。次に歯ブラシでやさしく装置を磨きましょう。熱湯は装置が変形してしまう可能性がありますのでおやめ下さい。必ずお水で洗い流すようにしましょう。
必要があれば、中性洗剤を使用するのもいいと思います。週に1~2回ほど、矯正装置用の洗浄剤を使用するのも良いかと思います。
ただし、30分以上洗浄液に浸け置きをするのはやめてください。矯正装置が破損してしまう原因となる可能性があります。洗浄剤を使用することで、矯正装置のにおいがすっきりと取れます。また、取り外し式矯正装置のケースも清潔にしておきましょう。矯正装置用のケースも洗い、清潔にしておくことをおすすめします。矯正装置と矯正装置用のケースをきれいにお手入れした後は、しっかり乾燥させましょう。湿気たままだと、矯正装置やケースにカビが生えてしまいます。お口から矯正装置を外して、そのままケースにしまってしまうと湿度と温度により細菌が繫殖してしまいます。
取り外し式矯正装置で気をつけること
-
熱、高温に気をつけましょう
- 取り外し式矯正装置の床部分はレジンで作られています。高温の車内に放置したままの状態や、熱湯で矯正装置を洗浄してしまうと矯正装置が変形してしまう恐れがあります。
-
紛失に気をつけましょう
- 子どもの治療(Ⅰ期治療)に使用している床装置などに関しては、旅行や帰省などのお泊りに出かける時は、矯正装置を持って行かないことをすすめています。
-
装置がはまらなくなってしまったときは...
- 数日間の旅行などで、装置が出来ていない場合や矯正装置を着用することを忘れていた等の理由で久しぶりに矯正装置を装着してみると、「矯正装置がはまりにくい」「矯正装置がきつい」「矯正装置が入らなくなった」ということが起きます。
これは、歯が後戻りしてしまったからなのです。少しきつい場合でも、矯正装置を装着することができるようでしたら、毎日指定された時間をきちんと守って装着していればリカバリーすることが可能です。しかし、「矯正装置を正しい位置で装着することができない・浮いている」というような場合は調整する必要があるので、一度通院中の矯正歯科へ行きましょう。また、どこか痛くて矯正装置を装着することができない場合も調整をする必要があるので通院中の矯正歯科で相談しましょう。
歯がしみる?知覚過敏の原因と予防の方法について
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
今回は、知覚過敏についてお話していきます。
皆さん、冷たい飲み物や食べ物を口にした時に、歯がしみた経験はありませんか?冷たい飲食物以外にも、熱い物や歯ブラシの毛先が触れたりすると痛むのも知覚過敏の症状になります。食事をするのにも、歯磨きにも影響がでてしまう知覚過敏はどうしてなってしまうのか?その原因のお話と予防の仕方と治療の方法についてお話していきます。
知覚過敏とは?
歯磨き粉などのテレビのCMでも度々出てくる「知覚過敏」とは、虫歯になっていない歯がしみてしまう症状のことを言います。正式な名称は「象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)」と言います。歯がしみるから虫歯かも?と思い、歯医者に行っても虫歯になっていない、けど歯がしみて飲食がしにくい場合は、知覚過敏になっています。歯のしみ方や痛みは人それぞれで違い、「ツーン」・「ジーン」・「ズキッ」など痛みの感じかたがあります。
健康な歯は、エナメル質に歯が覆われています。実はエナメル質というのは、人の体の中で一番硬く、その強度は鉄や骨より高いのです。普段は、このエナメル質によって歯は守られているので、熱いもの・冷たいもの・硬いものを飲食しても、歯が消耗することなく食事ができています。このエナメル質の下には、象牙質があります。そして象牙質の中には歯髄(しずい)と呼ばれる歯の神経が通っています。
何らかの原因で、エナメル質が無くなってしまって、薄くなってしまった箇所は象牙質がむき出しになってしまっていて、痛みが歯髄を伝ってでてしまうのが知覚過敏です。
知覚過敏がおきる原因
歯肉(歯茎)の退縮(歯茎下がり)
知覚過敏になってしまう一番の原因は、加齢や歯周病によって歯肉がさがってしまう「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」です。若い頃にくらべて見えている歯が長くなった?と思うことはありませんか?それは、加齢や歯周病が原因による歯肉退縮になっているからです。加齢は誰しもが止めることができませんが、今以上に悪化させないことはできます。毎日の丁寧で正しい歯磨きを心がければ大丈夫です。
歯のエナメル質のすり減り
普段の生活で、上と下の奥歯の状態を気にしたことはありますか?本来、上と下の奥歯が噛みあう又は歯があたる時は、話す時と食事の時だけです。食べたり話したりしていな時、例えばテレビを見ている・スマホを見ている・本を読んでいる・ゲームをしている・お仕事中(パソコン使用中)・車や自転車の運転中・お買い物中・などなど、普段の何気ない生活の中で少しでも奥歯があたっていると、上と下の圧力が常に歯にかかってしまい、エナメル質がだんだんとすり減ってしまいます。また、過度な力での間違った歯磨きをしていると同じようにエナメル質がすり減ってしまう原因になります。
歯のくいしばりや歯ぎしり
寝ている時、自分では気づかないのですが、歯ぎしりをしていると家族や友人に指摘されたことはないですか?また日中、運動や勉強、お仕事中に無意識に奥歯をぐぅっと噛みしめていませんか?それは、歯のくいしばりといい、歯ぎしりと同様に歯が摩耗(まもう)してしまい歯が欠けてしまい、奥歯のエナメル質がすり減ってしまいます。
歯の欠けやひび割れ
日中の歯のくいしばりや寝ている時の歯ぎしり、間違った歯磨きの方法などで、歯の表面を傷つけてしまうと歯が欠けたり、ひびが入ったりします。歯に過度な力がかかると「くさび状欠損」(歯の表面の象牙質が剥がれてしまっている状態)がおこりやすくなり、その部分がしみたりするようになります。
酸性の食べ物や飲み物の取りすぎ
お酢や炭酸飲料など酸性の食べ物を食べていたり飲み続けていると、お口の中の状態が酸性になる時間が多くなり、歯の表面のエナメル質が溶けてしまうことがあります。エナメル質が溶けてしまうとその部分が知覚過敏をおこしてしまいます。
歯のホワイトニング
歯のホワイトニングをすると、ホワイトニングの薬剤での副反応で知覚過敏のような歯がしみる症状がでます。ホワイトニングの薬剤の濃度が高すぎたり、薬剤の量が多いとさらに歯がしみる原因になります。とくにホームホワイトニングの場合は、薬剤をつけすぎないように、時間も守るように気をつけてください。必ず歯科医師の指示通り行なうようにしましょう。
知覚過敏にならないための予防方法
正しい歯磨きの仕方でブラッシングをする
毎日の歯磨きの仕方を正しくするだけで歯の負担は少なくなります。テレビやスマホを見ながらのなどのナガラ磨きでも歯ブラシの角度や力加減など気をつけて正しく磨けていれば問題ありません。自分の歯磨きが正しくできているか、かかりつけの歯科医院で確認してもらうと良いと思います。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
お近くのドラッグストアにも沢山の歯磨き粉が売られていると思いますが、パッケージに「知覚過敏用」と書かれている歯磨き粉をお使いください。知覚過敏用の歯磨き粉には、歯の神経に刺激が伝わりにくい成分が含まれています。一回だけの使用で効果はでないので、継続して使用をするようにしてください。
歯科医院での定期健診
3か月~4か月ぐらいの間隔で定期的な歯科医院での検診で、知覚過敏の早期の発見と治療や対策ができます。学校やお仕事でお忙しいとは思いますが、歯科医院の定期健診はとても重要です。
知覚過敏の治療の方法
知覚過敏用のコーティング剤を塗布する
知覚過敏の症状があれば、歯科医院で知覚過敏用のコーティング剤を塗布することで、しみるのを防いでくれます。薬剤(コーティング剤)を歯に塗布して照射して固めるものや、塗布して数分待つと固まるような薬剤があります。あくまでもコーティング剤なので取れることがありますので定期的に塗布することをおすすめします。
就寝時用のマウスピースを作る
寝ている時に歯ぎしりをしている方には、就寝時に使用するマウスピース(ナイトガード)を歯科医院で作るのも効果があります。マウスピース(ナイトガード)を使用することによって歯ぎしりを抑えて歯の表面の摩耗を防ぎます。
CR(コンポジットレジン)で治療する
知覚過敏用のコーティング剤ではなく、歯科医院で虫歯の治療の時に使うことが多いCR(コンポジットレジン)で治療することもあります。虫歯治療でも使われているので、コーティング剤よりも効果が長く続き取れにくいという特徴があります。知覚過敏の症状がどの歯ののどの部位にもよりますが、コーティング剤を塗布するかCRで充填するかは、歯科医院でご相談ください。
歯の神経を抜く
知覚過敏用のコーティング剤やCR充填、就寝時用のマウスピース(ナイトガード)など使用しても知覚過敏の症状が治まらない場合は、痛みがある歯の神経を抜く治療もあります。歯の神経を抜くと痛みは無くなりますが、歯がもろくなったり、歯が黒く変色してしまうこともあり、最終の手段になります。
まとめ
知覚過敏の痛みは地味に痛いので、ならないように予防をするか、早めに治療をするのが良いです。いつもの歯磨きの仕方や歯ブラシの毛先の硬さなどで歯の表面にあるエナメル質を傷つけないようにブラッシングをするよう心がけてください。少しでも歯に痛みがある場合は、知覚過敏ではなく虫歯の可能性もあります。自分で判断せずにかかりつけの歯科医院で診察をしてもうようにしましょう。
喫煙による全身への影響
喫煙による影響は、口腔内への影響だけでなく全身への影響にも大きく関与しています。
○たばこはがんのリスクを高める
たばこの煙には約200種類以上の有害物質が含まれており、そのうち約60種類に発がん性があるとされています。
たばこの煙の通り道の咽頭や肺だけでなく、有害物質が吸収される胃や腸など、これらの有害物質は全身の影響を与えます。有害物質が血液や尿に溶けて通る肝臓や腎臓、尿路などでもがんが発生するリスクが高まります。
たばこと最も関連が深いとされているがんは、肺がんや喉頭がん、口腔がんなど、直接たばこの煙に触れる部位です。しかし、たばこの有害物質は血液にのって全身に運ばれるため、胃がんや食道がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなど、たばこの煙が直接触れない部位のがんでも発症するリスクは高まってしまいます。
がんは、3大死因のひとつで最も死亡率が高い病気で、長年日本人の死因第1位を占めています。
厚生労働省の「人口動態統計(確定数)」(2023年)によると、死因の1位は悪性新生物(がん)24.3%、2位は心疾患14.7%、3位は老衰12.1%、4位は脳血管疾患6.6%、5位は肺炎4.8%でした。
がんの原因の多くは、生活習慣が大きく関連されており食生活や飲酒、運動などの生活習慣がある中で、喫煙が最も危険因子とされています。喫煙は肺がんだけでなく、多くのがんのリスクを高めてしまうほかに、受動喫煙の方も肺がんなどの健康被害をもたらしてしまいます。
喫煙をしている男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなっているほか、それ以外の多くのがんについても、喫煙による危険性が増大することが報告されています。
○循環器疾患
心筋梗塞や脳梗塞などの発症には、食事や運動など様々な生活習慣が関わっていますが、その中でも非常に重要な危険因子とされているのがたばこです。たばこには、血液中の悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを増やし、善玉コレステロールであるHDL-コレステロールを減らす作用や、血圧を上昇させる作用などがあります。
これらの相互作用により動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患などのリスクが高まるとされています。喫煙は、動脈硬化と関連した病気の原因となることが報告されています。
さらに、喫煙によって糖尿病が発症しやすくなるだけでなく、すでに糖尿病にかかっている人が喫煙し続けると、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性腎症等の合併症リスクが高まることが分かっています。
喫煙者は、非喫煙者に比べて虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症等)の死亡の危険性が1.7倍高くなるという報告があります。また、脳卒中についても喫煙者は非喫煙者に比べて危険性が1.7倍高くなるという報告があります。
○呼吸器疾患
喫煙により空気の通り道である起動や肺自体へ影響を及ぼすことが知られています。
このため、喫煙は慢性気管支炎や呼吸困難、運動時の息切れなどの特徴的な肺気腫や喘息等の呼吸器疾患の原因と大きく関連しています。さらに、歯周病の原因とも関連があるという報告があります。
喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。
また、COPDの発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。それだけでなく、肺機能の発達障害や呼吸機能の早期の低下にもつながります。
さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。たばこの煙には多数の有害化学物質が含まれており、喫煙は全身の諸器官に悪影響をもたらします。
喫煙は呼吸器系の形態的・機能的変化をきたし、様々な症状や疾患を引き起こします。喫煙者は非喫煙者に比べて、咳・痰・喘鳴(ぜんめい:気道が狭くなっているため、呼吸時にゼーゼーという異常音が連続的に発生される状態)・息切れなどの症状が多くみられます。また、喫煙は気管支喘息のリスク因子とされています。特に、受動喫煙と小児の喘息には関連性があることが認められています。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺気腫や慢性気管支炎などを併発する疾患で、別名「たばこ病」といわれているくらいたばこの煙が原因で起こることが多いです。
呼吸器の病気は感染によるものが多いですが、慢性閉塞性肺疾患は生活習慣と深い関わりのある病気です。たばこの煙や大気汚染、粉塵などが原因であり、慢性閉塞性肺疾患患者の90%以上が喫煙者といわれており、喫煙が最大の危険因子とされています。
喫煙者の発症リスクは、喫煙を始めた年齢、喫煙本数、喫煙年数など喫煙量に関係し、喫煙量が多い人ほど発症リスクが高くなります。また、喫煙者だけでなく受動喫煙も慢性閉塞性肺疾患の危険因子となっています。
慢性閉塞性肺疾患の発症リスクは、喫煙年数などに比例して高くなるので、早く禁煙すればするほど予防効果は大きくなります。すでに慢性閉塞性肺疾患を発症している方は、直ちに禁煙することで治療効果が上がり、進行を止めることができます。受動喫煙による被害が出ないためにも、直ちに喫煙者は禁煙することをおすすめします。
・新型コロナウイルス
新型コロナウイルスは、主に肺を攻撃する感染症です。
喫煙は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク要因となります。喫煙者あるいは過去に喫煙していた人は、非喫煙者に比べて新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクや死亡リスクが高まることがわかってきました。
WHOでは、高齢者や心血管疾患、がん、呼吸器疾患、糖尿病など基礎疾患(持病)のある人、肥満者などとともに、喫煙も新型コロナウイルス感染症の重症化要因であると述べています。禁煙をすることは、新型コロナウイルスの対策のひとつにもつながります。
○骨粗鬆症
たばこは、胃腸の働きを抑制し、食欲をなくして、カルシウムの吸収を妨げます。
女性ホルモン(エストロゲン)が骨の新陳代謝に関わっていますが、喫煙によって女性ホルモンの分泌を減少させてしまい、骨粗鬆症になる可能性が高まります。喫煙は、骨密度の低下を進めるため、骨粗鬆症や骨折にも大きく関係しています。
○脳や精神面などにも影響する
喫煙を続けている人は、禁煙をした人に比べて不安が強く、うつ病になるリスクが高くなり、またストレスも高いことが報告されています。研究では、中年から高年までの喫煙を続けている人は、喫煙しない人に比べて認知症になるリスクが高くなると報告されています。
○ニコチン依存症
喫煙がやめられない原因に「依存症」があります。依存性とは、あるものをやめようと思っても強い渇望があり、やめられなくなった状態をいいます。
たばこの成分であるニコチンによるニコチン依存は、国際疾病分類(ICD-10)や精神医学分野(DSM-IV)において独立した疾患として扱われており、たばこに依存性があることは確立した科学的知見となっています。
たばこを吸うと、たばこの3害に含まれるニコチンによって脳内でドーパミンという物質が大量に放出され、このドーパミンが快感を生じます。しかし30分もすると、逆にイライラしたり、落ち着かないなどの離脱症状(禁断症状)が現れてきます。
この離脱症状を解消するために、またたばこを吸うというその繰り返しが「ニコチン依存症」です。一度ニコチン依存症になってしまうと、たばこをやめるのが困難となり、ニコチン依存症から抜け出すのは危険薬物でもあるヘロインやコカインなどと同じくらい難しいといわれています。
・ニコチン
アルカロイドの一種で、神経毒性の強い猛毒です。化学物質としては猛毒に指定されています。
○妊娠中の喫煙による胎児・子どもへの影響
喫煙は母体への影響だけでなく、胎児の発育に対する悪影響が懸念されます。喫煙している妊婦さんから生まれた赤ちゃんは、喫煙していない妊婦さんから生まれた赤ちゃんに比べて低出生体重児となるリスクが約2倍高くなっています。
さらに、喫煙している妊婦さんは喫煙していない妊婦さんに比べて、早産・自然流産、周産期死亡(妊娠28週以降の死産と、生後1週間以内の早期新生児死亡)の危険性が高くなっています。
妊娠中の喫煙が胎児に及ぼす危険度は、厚生労働省の研究では、低出生体重児2.4倍、早産3.3倍という報告があります。
そのほかに、先天性口唇・口蓋裂は妊婦さんが喫煙をしていた場合、胎児は口唇・口蓋裂になりやすくなります。非喫煙者と比べた場合、約1.2倍口唇・口蓋裂になる確率が高くなります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、元気な乳幼児が主に睡眠時に突然亡くなることであり、たばこやうつぶせ寝などが原因とされています。また、子宮外妊娠や妊娠中の異常(前置胎盤、胎盤早期剥離等)などの影響もあります。
受動喫煙の妊婦さんも胎児や子どもへの影響を及ぼすリスクは高いです。気管支喘息などの呼吸器疾患や中耳疾患、小児がん、注意欠陥多動性障害(ADHD:精神年齢に比べて、不適当な注意力障害、衝動性、多動性を示す行動障害)、歯周病、う蝕(虫歯)、歯肉のメラニン色素沈着などのリスクが高まります。
○まとめ
これらのことから、喫煙をすることにより虫歯や歯周病などの口腔疾患だけでなく、がんや循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患などの全身疾患にも大きく影響を及ぼしてしまいます。
また、喫煙を始めた年齢や喫煙本数、喫煙年数など喫煙量によって病気の発症リスクが高くなります。直ちに禁煙をすることで、予防することができ治療効果が上がります。そして、受動喫煙による被害が出ないためにも喫煙者は禁煙をしましょう。
しかし、喫煙者はニコチン依存によってなかなか禁煙ができない方は、自分1人で抱え込まず、医療機関などに相談してみましょう。