コラム

2024.05.10

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間が延長になる原因と予定どおりに終わらせる方法

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインの治療計画イメージ

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療とは、透明で薄いマウスピース型矯正装置を使用した矯正方法の1つです。目立ちにくさと着脱可能な利便性から人気を集めています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討している方は、治療期間がどれくらいかかるか知りたいのではないでしょうか。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療の治療期間は、歯を動かす本数や移動距離によって異なります。また、矯正後は、整えた歯並びを保持するための保定期間が設けられます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療ではマウスピースの管理が非常に重要です。マウスピースの適切な管理や毎日の口腔ケアを怠ると、治療期間が延びる可能性があるでしょう。

この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間が延長になる原因と、予定通りに終わらせるための方法について詳しく解説します。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間

インビザラインの治療期間のイメージ

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間は、矯正する歯の本数や移動距離によって異なります。歯列矯正には、歯を目標の位置まで移動させる矯正治療期間と、その後の後戻りを防ぐための保定期間があります。

以下では、それぞれの期間について解説します。

矯正治療期間

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療では、矯正する範囲によって全体矯正と部分矯正に分かれます。

全体矯正は奥歯から前歯まですべての歯を整える矯正方法で、一般的には23年かかります。部分矯正は「上の前歯の隙間だけ矯正したい」など、特定の箇所だけを矯正する方法です。矯正治療期間は半年~1年程度で、全体矯正よりは短くなります。

保定期間

矯正治療が終了し矯正装置を取り外した直後の歯は、骨がまだ安定していないため動きやすい状態にあります。この状態で歯を放置すると、歯は治療前の元の位置に戻ろうとします。

この現象を後戻りと呼び、後戻りを防ぐためには歯並びを矯正した後に保定期間を設ける必要があります。保定期間は、通常矯正期間と同程度かかるとされています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の治療期間が延長になる原因とは?

インビザラインのマウスピース

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療に限らず、抜歯が必要な方や歯槽骨が硬い方は治療期間が長くなりやすいです。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療とマルチブラケット装置を用いた矯正治療、いわゆるワイヤー矯正や外科手術を併用する場合も、治療期間の延長につながりやすいでしょう。これらの症例では、歯の移動量が大きくなるためです。

しかし、上記のような症例でなくても、治療期間が延長するケースがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の治療期間が延長になる原因について、それぞれ詳しく解説します。

マウスピースの装着時間が短い

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による治療期間が延長になる主な原因の一つは、マウスピースを指示通りに装着できていないことです。特に、マウスピースの装着時間が短いケースが多いでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、1日に20時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。そのため、食事や歯磨きの時間以外はマウスピースを装着する必要があります。

マウスピースの装着時間が短いと治療計画通りに歯が移動しないため、期間が延長されます。マウスピースを交換した際に痛みや違和感が生じることもあるでしょう。

痛みや違和感が強い場合は1つ前のマウスピースに戻して数日間様子を見ることもあります。マウスピースを交換するタイミングが遅れるので、治療期間が延長する可能性が高まります。

マウスピースが浮いたまま装着している

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の効果を最大限に引き出すためには、マウスピースを正しく装着することが不可欠です。マウスピースが歯に十分に密着していない場合、適切な力が歯にかからず治療計画通りに歯が移動しない可能性が高くなります。

特に、新しいマウスピースに交換した直後の23日間は、マウスピースが浮きやすいです。この期間は特に注意してマウスピースを装着するように心がけましょう。

虫歯や歯周病になった

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中はマウスピースを長時間装着するので、唾液の自浄作用が低下します。そのため、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まるのです。

食後に歯磨きをしないでマウスピースを装着したり、マウスピース洗浄しないで装着したり、マウスピース装着中に糖分を含む飲み物を摂取したりすると、虫歯や歯周病になるかもしれません。口腔ケアやマウスピースの取り扱いは適切に行う必要があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療中に虫歯や歯周病になると、矯正を一時中断して治療を優先することが多いです。虫歯の治療によって歯の形が大きく変わる場合、既存のマウスピースが合わなくなるため新しいマウスピースを作り直す必要があるでしょう。

マウスピースを破損・紛失した

マウスピースが破損・紛失した場合、新しいマウスピースを作り直す必要があります。このような場合、新しいマウスピースが完成するまでに数週間〜1か月ほどかかります。新しいマウスピースが完成するまでの間、矯正治療は進まないため治療期間が延長になるでしょう。

また、新しいマウスピースが完成するまでの間に、歯が元の位置に戻る後戻りが生じる可能性があります。後戻りした歯を再び動かす時間が追加されるため、治療期間がさらに延長する原因となります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を予定どおりに終わらせる方法

インビザラインをはめようとする人

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を予定通りに終わらせるためには、治療する上でのルールを守ることが重要です。治療期間を延長させずに予定どおりに終わらせる方法は、以下のとおりです。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療のメリットの一つは、自分でマウスピースを取り外せることです。

しかし、その代わりにマウスピースの装着時間を自分で管理する必要があります。通常、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、120時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。

食事と歯磨きを除いて、常にマウスピースを装着しておく必要があります。マウスピースをつけ忘れないようにするために、食後にアラームを設定するなどしてマウスピースの付け忘れを防止しましょう。

マウスピースの交換日を守る

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療では、714 日に一度新しいマウスピースに交換して少しずつ歯を移動させます。マウスピースの交換は患者さまが行う必要がありますが、忘れると治療計画がずれる可能性があるため注意が必要です。

マウスピースの交換忘れを防ぐために、スマートフォンのリマインダー機能を活用したり、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の治療サポートアプリを導入したりするとよいでしょう。

マウスピースを正しく装着する

マウスピースを歯に密着させて正しく装着するための、チューイーという補助ツールがあります。新しいマウスピースに交換する際は、マウスピースの形がまだ歯に馴染んでいないため、手指だけではマウスピースを密着させることが難しいです。

その際にチューイーを一定時間噛むことで、マウスピースを歯に馴染ませ正しく装着することができます。

口腔ケアとマウスピースのケアを徹底して行う

口内やマウスピースの清潔を保てないと、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。食後にマウスピース型矯正装置(インビザライン*)を装着する前には、必ず口腔ケアとマウスピースのケアを行いましょう。

食後は歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して虫歯や歯周病の原因となるプラークを丁寧に除去しましょう。マウスピースをそのまま装着すると、歯磨きをした後の口内に汚れを再び戻すことになります。

マウスピースを外した際には必ず流水で洗浄し、清潔な状態で装着しましょう。

マウスピースは専用のケースで保管する

マウスピースを取り外したら、すぐに専用のケースに入れて保管しましょう。特に、外食や旅行の際は紛失しやすいため、注意が必要です。

専用のケースに入れずティッシュに包んで保管して、誤って捨てたり踏んだり上に物を置いたりする方が非常に多いです。外した時は、必ず専用のケースで保管してください。

矯正後の保定をしっかり行って後戻りを防ぐ

矯正治療で移動させた歯は、マウスピースの矯正力から解放されると元の位置に戻ろうとします。理想の歯並びを保つためには、矯正で移動させた歯が後戻りしないように保定することが重要です。

個人差はありますが、保定期間は矯正期間と同程度かかります。矯正治療が終了した後も、指示通りに保定装置(リテーナー)を装着し、歯が後戻りしないように注意しましょう。

まとめ

インビザラインをはめようとする人

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療の矯正期間は、動かす歯の本数や距離によって異なります。一般的には約23年かかります。また、矯正後の歯が後戻りしないように歯を固定する保定期間も必要であり、矯正治療の期間と同程度かかります。

このように、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療は数年に渡って行う治療です。治療上のルールを守らないと治療期間がさらに延びる可能性もあるため、注意が必要です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療が予定通りに終わるかどうかは、患者さまの自己管理能力に左右されます。予定通りに治療を終わらせるために、マウスピースを適切に装着し、口内やマウスピースの清潔を保つなど、自己管理を徹底しましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。