コラム

2024.05.14

歯科衛生士向けインビザライン・ハンズオンセッション

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

先日、当院スタッフの皆とインビザラインのセミナーに参加してきました。

セミナーの名称は、「矯正歯科クリニックスタッフ向けハンズオンセミナー大阪開催」

大阪の梅田で開催され、他府県の歯科医院のスタッフさんもおられました。

講師は、ご自身も歯科衛生士として現役ながら、全国各地で開催されるインビザラインのマウスピース矯正研修講師としてとても有名な方です。セミナーが終わってからも、会場の時間ギリギリまで当院スタッフ達の質問に答えてくれ良いアドバイスを沢山いただきました。

セミナーの内容

  1. 1. クリンチェック実習
    2. アタッチメント実習
    3. モニタリング実習
    4.
    初診カウンセリング

クリンチェック実習とは

クリンチェックとは、インビザラインでの治療計画を見られるシュミレーションソフトの名前のことをいいます。治療の前から治療終了までの治療の計画の検討と立案ができ、歯の移動のシュミレーションを詳細に動画で見ることができる画面のことをいいます。

ここでのポイントは、

クリンチェック治療計画の意味合いを理解する
(治療前の状態から治療後のイメージまでが操作できるようになる)

治療進行予定について確認ができるようになる
(ステージングバー、アタッチメント設置時間、IPR時期などの確認)

患者さんにクリンチェック治療計画を見せて説明ができるようになる
(二人一組で相互練習 スタッフ同士で練習)

当院で実際に使用しているタブレットを持参し、デモ用の画面を見ながら、表示されている内容を理解し、患者さんに説明できるように操作していきました。実際に表示したことなかった項目や見かた、説明の仕方なども知れて大変勉強になりました。

アタッチメント実習とは

アタッチメントがとは、診断しクリンチェック治療計画された歯に、専用のテンプレートマウスピースを用いてコンポジットレジン(CR)を歯面に装着する補助的手段で、歯にアライナーの力が効率的に与えられるよう一つ一つ設計され、「てこ」の役割を果たすものです。見た目的には歯の表面に白いポチポチがつき、歯の移動を補助する役割があります。

ここでのポイントは、

  1. アタッチメントとはなにか?

(アタッチメントの種類と役割を理解し、患者さんに説明ができるようになる)

  1. アタッチメントを設置できるようになる

(脱離しにくいアタッチメント設置のポイントを理解し、模型実習を行う)

  1. アタッチメントが取れた場合の様々な対応を学ぶ

(すぐに来院していただくべきか?の判断の仕方と、脱離の原因を考える)

アタッチメントは、患者さんの歯に歯科材料の白いCRと呼ばれるレジンを、治療計画にそってつけているポチポチしているもののことをいいます。インビザラインでの治療をする場合は、必ず装着しますが、歯面につけるためどうしても脱離(取れる)してしまうことがあります。しかし、このアタッチメントは、治療が終われば歯から取るものなので、最後に取れる歯科の材料でつけなければなりません。なので、マウスピースを取り外したとき、食事の際にアタッチメントがとれてしまうのは、仕方がないのです。よく、アタッチメントがとれてしまったと患者さんから連絡がきますが、今、積極的に動かしている歯の部分ではなければ、すぐにアタッチメントを付けなおす必要がないようです。アタッチメントは、あくまでも歯を動かすときの補助的な役割なので、アタッチメントがとれていることよりも、マウスピースの装着時間とチューイーの噛み方のほうが大事だと教わりました。

アタッチメントには、二種類あり

「通常アタッチメント」

歯面のアタッチメントの形状とアライナーのくぼみの形状は一致

「最適アタッチメント」

歯面のアタッチメントの形状とアライナーのくぼみの形状が異なる

この二種類のアタッチメントを、患者さんの治療計画にそって組み合わせて実際に歯に装着していきます。また、このアタッチメントは歯につけたあとに舌で触るとザラザラしているのが正解だそうです。

アタッチメントが脱離(取れる)しないためのポイントは、

  1. 1. 装着前にプラークをしっかり除去する
  2. 2. エッチングとボンディングをしっかりする
  3. 3. 防湿と乾燥をしっかりする
  4. 4. アタッチメントテンプレートの適合を確認する
  5. 5. コンポジットレジン(CR)の最適な量を理解する
  6. 6. アタッチメントテンプレートの圧接

 

また、アタッチメントを装着したあとは、はみでたバリを確実に除去をすることが大切だそうです。このバリが歯に残ったままだと、歯とアライナーの間に隙間ができてしまい、治療計画どおりに歯が動かない・歯の動きが悪くなる・歯のスペースだ足りなくなる・プラークがたまる・アライナーの浮きの原因になるなど、様々な影響がでることがあるようです。アタッチメントをつけたあとに、歯科衛生士が歯をカリカリしているのは、このバリを除去しているためです。歯を削っているのではないので安心してください。

モニタリング実習とは

インビザラインでの治療のさいに、患者さんの歯が治療計画の通りに確認をすることをいいます。患者さんが前回の治療から今回来院するまでに、困ったことやトラブルや気になったことがないか尋ね、装着時間やチューイーの噛み方、今何番目のマウスピースを装着しているか確認します。今回のセミナーに参加していた他院の歯科衛生士も数名インビザラインでの治療を今現在行っていましたが、皆さん今自分が何番目のマウスピースを装着しているか把握していました。当院でも、インビザラインでの治療をしている患者さんには必ず「今何枚目ですか?」とお聞きしておりますが、すぐに番号を言えるかたと、マウスピースを外してマウスピースに書かれている番号を見て確認するかたがおられます。治療に積極的だと、自分が今何番目の(何枚目)マウスピースをつけているかわかるそうです。逆に治療のモチベーションが下がっていると番号に興味がなく自分が何枚目を使っているか分からないそうです。インビザラインでの治療をしておられる方、今自分は何番目のマウスピースを装着しているかすぐに答えられますか??

初診カウンセリングとは

カウンセリングとは、個人のもつ悩みや不安などの心理的問題について話し合い、解決のために援助・助言を与えること  (大辞林 第三版)

ステップ①顔合わせ 問診票・カルテをチェック
ステップ②ヒアリング 問診

問診では、現状確認(どんなことが気になっているのか)問題発見(一番気になっているところ、痛み?期間?)意思確認(不安に思っていること、どの程度の仕上がりを求めているのか)など、三段階に分けて問診していくことが大事なようです。

まとめ

コロナのため、数年ぶりのセミナーの参加でしたが、とても勉強になりました。私自身、インビザラインでの治療をしていましたが、治療しているときに参加していたらもっと為になり役立つことが多かったな、と思いました。セミナー終了後、会場が閉まってしまうギリギリまで当院スタッフは講師の方に質問をし、いっぱいセミナーの内容以上に学んできました。今後、インビザラインでの治療以外にも今回の学びを生かしていきたいと思います。

*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。