コラム

2024.05.01

なぜ、キシリトールは歯にいいの?

キシリトールとは

キシリトールは自然界でいうと、多くの野菜や果物に含まれており、マルチトールやソルビトールと同じ糖アルコールという甘味炭水化物の仲間になります。また、人の体の中(肝臓)でも1日あたり約15gのキシリトールが作られています。
普段、日常生活の中で目にするキャンディーやガムなどに含まれているキシリトールは、白樺や樫などの木から抽出されるキシランヘミセルロースを原料にして作られています。作られたキシリトールと自然界にあるキシリトールは、同じ分子式であり、差はありません。
キシリトールは、1997年(平成9年)4月に日本で食品添加物として認可されました。また、10年以上前から輸液に含まれる糖質として使用されており、人体にも安全だということが知られています。

キシリトールの特徴

キシリトールは、糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同じ甘味度があります。
キシリトールは、溶けるときに熱を奪うためお口の中でスーッとした冷たい感覚がします。ミント味とよく合うため、キシリトールを使ったお菓子にはミント味がよく見かけられます。他にも、果物の味をより新鮮にする効果や苦みを消す効果があります。
さらに、冷却効果もあるため、化粧品や夏に見かけがちなひんやり素材の肌着や寝具にも使用されています。

虫歯にならない、虫歯を防ぐ甘味料

糖アルコールの中でもキシリトールは、虫歯にはなりません。なぜかというと、お口の中で歯を溶かすほどの酸が作られないからです。他のマルチトールやソルビトールからは、少量ですがプラーク(歯垢しこう)の中で酸が作られますが、キシリトールから酸は全く作られません。
また、キシリトールは糖アルコールの中でも甘みが強いため、甘みにより唾液が出やすくなります。
キシリトールには、むし歯の発生や虫歯の進行を防ぐという他の糖アルコールにはない役割があります。キシリトールをお口の中に長時間入れておくと、むし歯の原因となる歯垢が付きにくくなり、歯の再石灰化(さいせっかいか)を促す役割がある為、歯を強くしてくれます。他にも、キシリトールにはむし歯菌(ミュータンス菌)の活動を弱める働きがあります。
キシリトールは、酸を作らないことや唾液の分泌を刺激して酸を中和することから、むし歯にならない・むし歯を防ぐ甘味料といえるでしょう。

なぜキシリトールはむし歯を防ぐのか

キシリトールがむし歯を防ぐ理由は、大きくわけると2つあります。
まず1つ目は、キシリトールを含む他の糖アルコールには、唾液の分泌を促す作用と歯の再石灰化作用があることです。
2つ目は、キシリトールだけが持つ酸を作らない作用・むし歯菌(ミュータンス菌)の進行を阻害する作用です。
唾液の分泌を促す作用と歯の再石灰化作用では、糖アルコールには甘みがあるのでお口の中に入れると味覚が刺激されるため、唾液の分泌が促進されます。また、キシリトールガムの場合には、咀嚼によっても唾液の分泌を促進されます。ですが、唾液の分泌が促進されてもむし歯菌が減るというわけではありません。
また、糖アルコールによりプラーク(歯垢)中のカルシウムレベルが上がるので、歯の再石灰化に役立ちます。糖アルコールとカルシウムの複合体は歯を再石灰化し、歯を硬くしてくれます。
キシリトールだけが持つ作用として、全く酸を作らないことがあげられます。他のマルチトールやソルビトールなどの糖アルコールには、少量ですが酸を作り出します。

キシリトールの効果的な使い方

  1. お口の中の健康を保つために大切なことは、
    1. 歯を磨く(ブラッシング)
    2. フッ素入りの歯磨き粉を使用する
    3. 規則正しく食事をとる
    4. 定期的に歯医者さんへ行く
    です。
    この4つのことは、子どもも大人も重要になります。
    これらに、キシリトールを取り入れることで4つの手段の効果を著しく向上してくれます。例えば、キシリトールには歯にプラーク(歯垢しこう)を付きにくくする役割があるため、ブラッシングの効果を高めます。他におすすめのキシリトールの摂取方法として、キシリトール入りのガムやタブレットを食べる方法があります。ガムやタブレットだとお口の中に長くとどまることが可能なため、おすすめです。

キシリトールの副作用

キシリトールには、むし歯の予防や唾液の分泌を促進する働きがありますが、
一度にたくさん食べるとお腹を壊してしまう可能性があります。
キシリトールには、腸の水分を吸収する働きもあります。これは、下剤と同じ作用になります。なので、個人差はありますが一度に食べすぎることがないよう注意しましょう。

キシリトール入りのおやつの種類

キシリトール100%で作られている商品は主に歯科専売品で取り扱われています。ネット購入でも歯科専売品を注文できるようです。

キシリトール100%のおやつの種類

・チョコレート
・グミ
・ガム
・タブレット
・ラムネ
・キャンディー

まとめ

キシリトールの特徴や注意事項をお分かりいただけましたか。
キシリトールは天然の甘味料であり、子どもから高齢者の方、糖尿病のでも摂取することが可能な食品です。
キシリトールは歯にとって良い効果がありますが、一度にたくさん摂取してしまうとお腹を壊してしまうリスクがあります。摂取する際は、十分に気を付けましょう。
また、お口の中を健康に保つには、 歯を磨く(ブラッシング)・フッ素入りの歯磨き粉を使用する・規則正しく食事をとる・定期的に歯医者さんへ行くことが基本となります。そこに、キシリトールを併用することで、さらにむし歯予防につながるでしょう。