コラム

2024.03.21

正しい歯並びとは?理想の歯並び


今回は、正しい歯並びについてお話していきます。

今まで、出っ歯や受け口などの不正咬合のお話はしてきましたが、では、正しい歯並びとは?正しい噛み合わせとは?皆さんはお分かりでしょうか?歯の並びや噛み合わせを治療して治していく歯列矯正治療には、矯正治療をして目指す理想の歯並びがあります。

理想とする歯並びとは、ガタガタしている歯をただ綺麗に並べるだけではなく、左右の奥歯の噛み合わせや、上と下の歯の位置や左右のバランス、お顔の中心と歯の中心の正中(せいちゅう)が合っている、など様々な条件があります。綺麗に整った歯の見た目も重要ですが、ただ歯を並べるだけではなく、歯列矯正治療の最大の目的は、お口の中(歯と舌)お口の外(頬と唇)の機能の改善です。しっかりと正しく食べ物を噛めるようにするのが大切です。

歯の並びが整い、正しい噛み合わせだと、歯磨きがしやすくなり、磨き残しがなくなり虫歯や歯周病にもなりにくく、健康な歯が長持ちし、健康な歯で食事が出来て、全身の健康にも繋がります。歯列矯正治療での理想的な歯並びに必要な条件をそれぞれ説明していきます。

上と下の歯が正しく噛み合っている

正しい噛み合わせは、上と下の歯が交互にキザキザになって山谷で噛んでいます。奥歯を横から見たときに、下の歯の前から6番目の奥の歯が上の歯の前から6番目の奥の歯より前にあるのが正しい噛み合わせになります。また、上の歯の犬歯(前から3番目の歯)から奥の歯は、上の歯1本に対して下の歯2本で支え噛み合っているのが理想とする噛み合わせです。たとえ真正面から見て、歯並びが綺麗に整っているとしても、下の奥歯や上の奥歯が1本でも内側や外側に倒れていて、上下が正しく噛み合っていないと不正咬合(ふせいこうごう)となり、正しく噛めるようにするために歯列矯正治療の対象になります。

正中(せいちゅう)が合っている

歯列矯正治療での正中とは、上の前歯と下の前歯の中心のことを正中といいます。永久歯の本数や大きさが左右上下で違う場合や、噛み合わせが問題で正中がズレてしまっていることがあります。正中のズレを治療することで、見た目的にも正中が合っているほうが左右のバンスがよく見えます。歯列矯正治療では、最終的にこの正中を合わすよう正中一致を目指して治療していきます。ただし、左右での歯の本数や歯の大きさ、骨格の問題などがある場合は、噛み合わせを重視するために、正中に多少のズレが生じることがあります。

歯と歯の間に余分な隙間がない

歯を真正面や真横から見たときに、歯と歯の間に余分な隙間がないのが、理想的な歯並びになります。前歯に隙間があると目につくので気づきやすいですが、奥歯の隙間は見えないためなかなか隙間に気づかないかもしれません。もし歯と歯の間に隙間があれば空隙歯列(くうげきしれつ)という不正咬合になります。歯と歯の間には隙間がないのが理想ですが、加齢とともに歯茎が痩せることで、歯に隙間ができ歯並びが悪くなってしまうことがあります。歯と歯の間に隙間があると、食べ物がはさまりやすくなるので虫歯や歯周病になりやすくなります。また、隙間があることで発音に影響がでることがあります。

奥歯の噛み合わせが正しい

歯並びが綺麗といったら、笑ったときに見える上と下の前歯がそろってきれいに並んでいるとイメージする方が多いかと思いますが、歯列矯正治療においては、奥歯の噛み合わせが非常に重要になります。奥歯が左右共にしっかりと噛み合っていないと食べ物が噛みづらいだけではなく、体のバランスも悪くなってしまい、全身の不調につながることがあります。

噛んだ時に上の前歯が下の前歯より2~3ミリ被さっている

奥歯を軽く噛んで、唇を少し開けてお口の形を「い」と発音するようにして鏡を見て
真正面から見たときに
・上の前歯が下の前歯より2~3ミリだけかぶっている
真横からみたときに
・上の前歯が下の前歯より2~3ミリだけでている
が理想です。2~3ミリ以上の重なりがあると、噛み合わせが深い過蓋咬合(かがいこうごう)となり、逆に上下の前歯が噛み合わず隙間がある場合は、開咬(かいこう)という不正咬合になります。また、2~3ミリ以上出ている場合は、上顎前突(じょうがくぜんとつ)でいわゆる出っ歯になり、逆に上の前歯より下の前歯が前にでていると、反対咬合(はんたいこうごう)でいわゆる受け口になります。

上と下の永久歯がアーチ状(Uの字)に並んでいる

歯の並び方のことを、歯列(しれつ)といいます。この歯列を上の歯は下から、下の歯は上から見たときアーチ状になって歯がならんでいることを歯列弓(しれつきゅう)といいます。この歯列弓には、「Uの字型」と「Vの字型」と「方形型」の3つがあり、歯列矯正治療では、上下の歯列弓がUの字型になるように治療します。

真横からみてEラインが整っている

真横からみて、お鼻の頭と下顎の先を直線で引いた線のことをEライン(エステティックライン)といいます。歯並びと共に、口元が整うとこのEラインの線の中に唇の先が入ります。ボールペンなど真っ直ぐした物を鼻の先につけてそのまま下顎の先にあててみてください。口元を押さえずに顎先につく場合は、Eラインが整っています。もしギュッと口元を押さえなければ顎先につかない場合は、お口元がでていることになります。

今回は、正しい歯並びと理想の歯並びについてお話いたしました。歯列矯正治療は、ただ見た目の歯の並びだけを治療するのではなく、左右の歯のバランスを調和し、噛み合わせを改善することで、健康な歯を長く保つための治療なのです。歯の並びや噛み合わせをよくすることで、歯磨きが丁寧におこなえるようになり、磨き残しがなくなり虫歯や歯周病になりにくく、お口の中を清潔に保てます。また、噛み合わせが良くなると、肩こりや頭痛などの全身の不調も解消されることもあります。少しでもお子様やご自身の歯並びが気になるかたは、当院にご連絡をお待ちいたしております