歯医者での定期健診の必要性②
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
今回は、歯医者で定期的に健診をすることのメリットをお話します。
学校や習い事、仕事などで歯医者に通う時間が無い方もおられるかと思いますが、
歯が痛くなる前に、かぶせ物が取れるまえに、数か月に一度でいいので歯医者に通っていただきたいです。以前は、「虫歯が出来てしまい歯が痛くなったら、歯医者に予約をとり何回も通院し、虫歯を治療する」「以前治療した歯の被せ物がとれたから、治してもらう」など、何かしらの症状が出てから、歯医者に通う方が多かったですが、今はそうなる前に予防する『予防歯科』というのが、どの歯医者も主流になっています。その為にも、定期的に歯医者に通うことで得られるメリット(必要性)がいくつかあります。
定期健診を受けることのメリット
1 虫歯や歯周病を早期に発見することができる
虫歯の症状は、初期の段階ですと痛みもなく、ほとんど気づかないことが多いです。熱い食べ物を食べたときに、歯がしみたり、食べ物が挟まりやすくなったり、歯が痛くなるような虫歯は、かなり進行して状態です。ここまで進行してしまうと、歯を削って治療をする・歯の神経を取るなど、通院回数も多くなり、治療に時間も費用もかかってしまいます。とくに、歯周病は、成人の80%以上が罹患しているといわれています。虫歯以上に、初期の歯周病は、自覚症状がないため気づかぬうちに進行してしまっていることがあります。歯周病は、進行してしまうと歯が抜けてしまう恐ろしい病気なのです。歯周病で歯が一本抜けてしまうと、その一本だけではなくその周囲の歯にも影響が及び、周囲の歯も抜けてしまいます。虫歯も歯周病も、早期に見つけて治療することがとても大切です。そのためにも、定期的に歯医者に通い、定期健診を受けることをおすすめします。
2 早期に発見できることで治療期間も短くなる
歯医者に、定期的に通い健診を受けることで、虫歯も歯周病も、早期に見つけることできれば、治療期間も歯医者に通う回数も少なくなり、結果的に費用もおさえられます。虫歯も初期段階なら、丁寧な歯磨きをしっかり行えば自然に治ることも多く、歯周病も、今以上に悪化させることなく、虫歯と同じく丁寧にしっかり歯磨きが出来れば、歯肉の炎症もおさまり、歯周ポケットの改善もされます。普段、ご自身が行っている、歯磨きがちゃんと出来ているかも、定期健診でチェックしてもらいましょう。
3 歯石やプラークを取り除ける
歯医者での定期健診では、専用の器具を使い、歯石やプラークを取り除くことができます。プラークは、食事後にしっかり歯磨きができていないと、約2日ほどで歯石になってしまいます。普段、どんなに丁寧に歯磨きをしていても、歯肉の奥深くまでは磨くことはできないため、歯石となって残ってしまいます。歯石は、歯ブラシでは取り除くことができません。歯医者に定期的に通って、プラークと歯石を除去することで、虫歯や歯周病を防ぎ、悪化することも防げます。
4 虫歯や歯周病になるリスクを今よりも減らすことができる
歯医者で定期的に健診をおこなうことで、常に今のお口のなかの状態を綺麗に清潔に保てるようになります。また、定期健診では、歯科衛生士が普段の歯磨きだけでは磨ききれていない汚れをも、歯の隙間の汚れも、歯と歯茎の間の歯垢や歯石も丁寧に除去してくれます。定期的に歯医者で健診をすることで、お口の中のクリーニングができ、細菌が減りますし、普段の歯磨きで磨けていない部分の、歯ブラシのあてかた・磨きかたのコツなど教えてもらえます。結果、歯医者で定期健診を受けることで、虫歯や歯周病になるリスクを今までよりも減らすことができるようになります。
5 過去に治療をした歯の不具合を早期に発見できる
昔、虫歯になってしまって治療した歯がある(銀歯など)かたは多いと思います。虫歯で治療した歯に、詰め物や被せ物がある場合、経年劣化などで、わずかに隙間ができることがあります。その隙間から、また虫歯になってしまうことが多く、健康な歯が虫歯になるよりも見つけにくい特徴があります。歯が冷たいものや熱いものにしみたりするようになれば、虫歯の進行が進んでしまって、さらに歯を削って治療することになります。削って治療ができればまだいいのですが、神経をとって治療している歯は、最悪の場合、治療が出来ずに抜歯になってしまうこともあります。虫歯で治療した歯も、歯医者に定期的に通うことで、詰め物や被せ物の不具合にも早く気づけて早期治療をすることで、悪化することを防げるようになります。
⑥お口の中や歯以外の全身の病気の予防もできる
歯医者に定期的に通うことで、虫歯や歯周病を予防するお話をしてきました。定期健診を受けることで、お口の中が清潔に保たれ、普段の歯磨きもしっかり丁寧に行うことができれば、お口の中の細菌が減ることになります。定期健診を怠れば、お口の中には多数の細菌が存在してしまい、虫歯や歯周病など、お口の中だけではなく、細菌や炎症が全身に影響していきます。全身に影響を及ぼすと、主に心臓病や糖尿病や脳卒中など、命の危険のリスクが高まることもあります。実は、私も昔ですが、奥歯の銀歯が取れたのを放置したままいると、ある日突然、激しい頭痛がし、起き上がれないほどでした。本当に頭をバッドで殴られたような激しい痛みに、脳梗塞?脳出血?と思い、救急車で病院に運んでもらい、CTやMRIを撮ってもらいましたが、頭には何にも以上はなく、激しい痛みの原因は、銀歯がとれて放置していた歯からの細菌でした。その後、歯を治療したら頭の痛みは全くなくなりました。どうか皆さんもこんな怖い目に合う前に、歯医者に定期健診を受けてください。
まとめ
今回は、歯医者に定期的に通うメリットのお話をしました。しっかりとお口の中を診察してもらい、お口の中と歯を健康に清潔に保つよう心掛けていただきたいです。
当院は、歯並び専門の矯正歯科のため、当院で定期健診は行っておりませんが、成人の方が矯正治療を始める際には、かかりつけの歯医者で、歯周基本治療を行ってもらうことがあります。また、矯正治療中は、お口の中に装置が入るため、虫歯のリスクが高まることがありますので、かかりつけの歯医者で定期健診を行っていただければと思います。
唾液と疾病
○唾液と虫歯
唾液は虫歯(う蝕)の発生の重要な因子である歯、プラーク(歯垢)、微生物に大きな影響を及ぼしています。歯に対しては、獲得被膜(ぺリクル)を形成する(保護作用)とともに、食物残渣や細菌の産生を洗い流しています(洗浄作用)。プラーク(歯垢)内には多種類の微生物が繁殖しています。微生物が産生する酸は歯を脱灰し、虫歯を引き起こします。唾液の重炭酸塩は炭酸脱水酵素の作用を受け、酸を中和して歯の脱灰を抑えています。また、唾液中のカルシウムイオンとリン酸イオンは歯の表面を修復しています(緩衝作用と再石灰化作用)。微生物に対して、唾液は抗菌作用を発揮する酵素やペプチドなどを含んでいます。
○唾液と粘膜疾患・歯周疾患
唾液分泌が低下すると、潤滑作用・抗菌作用・保護作用が低下します。このため、口腔粘膜は傷つきやすくなります。また、微生物が増殖したり、微生物の種類(細菌叢)が変化します。その結果、粘膜の炎症や痛みが生じます。味覚感受性も低下します。これらの変化は、咀嚼・嚥下障害、会話困難を助長することになります。床義歯の装着者では、義歯の不安定や床部分の粘膜の潰瘍が発生します。唾液中には、カルシウムイオンとリン酸イオンが豊富に存在する(過飽和の状態)。唾液のpHが上昇すると過飽和状態が一層高まります。このため、カルシウムの分泌が多い人や唾液のpHが高い状態では、プラークにカルシウムとリンが沈着して歯石を形成します。歯石は歯肉縁下にも形成され、歯周疾患に罹りやすくなります。
○唾液分泌と全身性疾患
全身疾患を有した患者で、唾液欠乏症を訴える場合があります。この全身疾患には、シェーグレン症候群・糖尿病・慢性腎不全・貧血・高血圧症などがあります。
シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺が障害を受ける自己免疫疾患です。
耳下腺や顎下腺の炎症により腺が萎縮するため、強い口腔乾燥や咀嚼、嚥下さらに会話や味覚などの障害が起きる病気です。原因は不明で根本的治療はありません。口腔乾燥に対して、塩酸セビメリンや塩酸ピロカルピンを投与して唾液分泌を増やします。
糖尿病は尿量が増加し、体内の水分を失うこと(脱水状態)で唾液欠乏症になります。また、免疫力が低下するので歯周病になりやすく、高血糖の状態が続くと白血球の機能が低下し、歯周病菌が増殖し、炎症が進み、組織が壊れやすくなることで治りにくいことも知られています。感染に対する抵抗力も弱くなるため、歯周病から重度の感染症を引き起こす危険性もあります。
慢性腎不全は、腎臓の機能低下が慢性的に続く状態で、歯周病との関連については完全には明らかになっていませんが、免疫機能の低下やカルシウム吸収・骨代謝の異常が原因ではないかともいわれています。また、歯周病が進行すると口の中の細菌や細菌が作り出す毒素、歯周病の病巣で産生されたサイトカイン(炎症症状を引き起こす原因因子)が全身の血流に侵入し、血管の内表面を障害することで腎臓の機能にも悪影響を与えるのではないかといわれています。特に透析治療を受けている方の口の中の特徴に「口の乾燥」があります。「体の水分量の減少」「飲んでいる薬の影響」「唾液の分泌機能の低下」「透析導入の原因となった糖尿病の影響」などが原因と考えられています。これらの原因などから歯周病のリスク、虫歯のリスクにもつながってきます。
高血圧症では、長期的に服用する治療薬の副作用が原因と考えられています。特に降圧薬として用いられるカルシウム拮抗薬、利尿薬は唾液分泌を低下させます。
カルシウム拮抗薬は、細胞内のカルシウムイオンを減少させるため、唾液腺においてもCa²⁺依存性のCl⁻チャンネルが開口せず、水の移動が少なくなり唾液分泌が減少します。
その他に貧血でも、唾液腺に流れる血液量が不足するために唾液欠乏症になると考えられています。
- 副作用として唾液分泌を抑える薬
薬の一部には唾液分泌を抑制するものがあります。
・睡眠薬 ・潰瘍治療薬 ・抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
・抗うつ薬 ・高血圧治療薬 ・抗てんかん薬
・抗コリン薬 ・パーキンソン病治療薬 等
○その他
・唾石症(だせきしょう)
唾液に含まれるカルシウムが沈着すると、唾石(結石の一種)になると考えられています。多くの場合は顎下腺の導管の中にでき、唾液分泌の障害となります。ほとんどは顎下腺に生じます。耳下腺にもみられますが、舌下腺ではまれです。これは顎下腺の導管が長く、粘液性の唾液を分泌するからと考えられています。唾石症になると、食事中に唾液腺が腫れて、痛みを起こします。食後しばらくするともとに戻るという症状が典型的です。ものを食べようとしたり、あるいは食べている最中に唾液腺のある顎の下(顎下部)が腫れて激しい痛み(唾仙痛だせんつう)が起こり、しばらくすると徐々に症状が消失するのが特徴です。
・化膿性唾液腺炎(かのうせいだえきせんえん)
唾液の分泌が少ないときに発生しやすい疾患で、口の中に常在する菌が唾液腺の開口部から膿が出たりします。慢性のものでは、唾液腺が硬くなり唾液の分泌が低下したりします。
・ウイルス性唾液腺炎
代表的なものとして流行性耳下腺炎、俗にいう「おたふくかぜ」があげられます。ムンプスウイルスの感染によって生じ、一度かかると免疫がついて再感染はしません。まれに顎下腺におこることもあります。
○唾液の分泌を促進させる方法
・唾液腺マッサージ
口腔内が乾燥すると虫歯、歯周疾患などが悪化し、口腔内の細菌が増殖することで誤嚥性肺炎の原因にもなってしまいます。唾液腺マッサージを行うことによって、唾液の分泌を促し、細菌の増殖を抑制し、歯の再石灰化を起こしやすくなり、虫歯や歯周疾患、誤嚥性肺炎などの予防をすることができます。また、口の周りの筋肉を動かすことによって、舌が動くようになり、唾液の分泌が促進され、口腔機能の維持・回復に効果があります。口腔内から頬筋にかけて口腔周囲のマッサージによるリラクゼーション効果や唾液腺マッサージによる安静時唾液と刺激時唾液の分泌量を増加させることができます。ストレスや緊張で口の渇きや粘つきを感じたときにも効果的です。大唾液腺を直接刺激する唾液腺マッサージは、唾液分泌を促進し、唾液の自浄作用を高めて、口腔乾燥や口腔粘膜の炎症の予防のケアとしてとても効果的です。
耳下腺マッサージ
指全体で耳の前、上の奥歯あたりを後ろから前に円を描くようにマッサージをしましょう。
舌下腺マッサージ
両手の親指をそろえて、顎の下からグッと押さえましょう。
顎下腺マッサージ
親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下まで押しましょう。
※唾液腺マッサージを行う際は、ストレスや緊張状態であると交感神経が優位となり、唾液分泌量が
減るため、リラックスした状態で行うと副交感神経が優位となり、唾液分泌を促進されますので、
リラックスした状態で行いましょう。
食事前や口腔ケアの前に5~10回ほど、痛みを感じない程度の気持ち良いくらいの力で行いましょう。
歯医者での定期健診の必要性①
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
今回は、定期的に歯医者に通い定期健診を受けることの必要性についてお話します。
みなさんは、普段どれくらいの頻度で歯医者に通っていますか?歯が痛くなったら?銀の詰め物やかぶせ物がとれたら?歯茎から出血したら?など痛みや症状が出てから歯医者に行く方が多いような気がします。
最近では、どこの歯医者も予防歯科が主流になってきています。予防歯科とは、虫歯にならないように歯周病が今以上に悪化しないように予防するためのことです。虫歯や歯周病の症状がでるまえに予防をしておくことで、お口の中の環境を改善する目的があります。
歯が痛くなってから歯医者に行くのではなく、定期的に歯医者に通うことがとても大切です。
定期健診の内容
問診
定期的にきちんと歯医者に通っていても、歯がしみたり詰め物がとれてしまったりすることがあります。衛生士に何か気になることやお困りのことはなかったですか?と聞かれると思いますので、気になることがあるときは伝えておくといいでしょう。歯がしみる場合は、冷たいものの時か?熱いものの時か?詰め物がとれたのはいつか。など具体的に伝えてください。歯だけではなく、お口の中のことなら何でも大丈夫です。たとえば、最近よく口内炎ができる。とか、同じところをよく噛んでしまう。大きく口を開けると顎の音がなる。逆に大きく口を開けづらい。など、日常で気になることがあれば今後の治療のためにも衛生士にお伝えください。
お口の中の状態を確認する
衛生士がお口の中を確認します。歯・歯茎・嚙み合わせとともに、磨き残しなど確認します。当たり前のことだと思いますが、歯医者に行く前にはきちんと歯磨きをしてから行くようにしましょう。
虫歯のチェック
きちんと歯磨きをしていても、小さな虫歯が出来てしまうことはあります。定期健診に通っていれば、歯を削って治療するほどの虫歯ができることは少ないですが、小さい虫歯は、初期虫歯と言われ、自分でも気づくことができません。しかし削る必要のない程度の虫歯なら、フロスや歯間ブラシも使い正しい歯ブラシの磨き方をしていれば、歯の再石灰化(再石灰化とは、お口の中で唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給して、歯の表面のエナメル質の結晶を新しくしていき歯を元の健康な状態に戻していくこと)によって自然に初期虫歯はなくなります。
歯茎の状態
歯茎の腫れや出血・充血がないか確認します。健康的な歯茎の色は淡いピンク色で引き締まっています。それが、歯磨きがちゃんと出来てない歯磨きの回数が少ないと、歯茎が歯肉炎をおこしてしまい、赤く腫れたようになります。歯肉炎は、しっかり歯磨きを行えば緩和されますが、そのままで進行してしまうと歯周炎になってしまいます。歯周炎になると最終的に歯が抜けてしまう原因になります。
歯周ポケットの深さ
歯医者の定期健診に行くと、歯茎をチクチクされ、「2ミリ、3ミリ」と数字を読み上げていると思います。こればプローブという歯医者専用の器具を使って、歯周ポケットの深さを測っています。歯周ポケットの深さが1ミリ~3ミリ以下だと正常で健康的な歯茎です。4ミリ~5ミリですと軽度の歯周病です。軽度だと歯磨きをしっかり行えば健康な歯茎に近づけます。6ミリ以上になると重度の歯周病です。特に奥歯がしっかり磨けていないと、奥歯だけ歯周ポケットが6ミリになってしまいます。自覚症状は無くてもそのままだと歯が抜ける可能性が高くなるので注意とやはり定期的な歯医者で定期健診を行うのが重要だと思います。
歯茎からの出血の有無
歯周ポケットの深さの検査の時に、歯茎から出血をしているか確認しています。この出血のことをBOP(Bleeding on probing)と言います。プローブという専用器具で歯の溝を測ったあと、出血箇所があるとその部分の歯茎には炎症があることになり、歯周病になっているか、歯周病が前よりも悪化していることになります。歯周ポケットの深さの改善と同様に歯茎からの出血をなくすようにしなければなりません。
歯の動揺を確認
歯医者の基本のセットにあるピンセットを使って歯を一本ずつ掴み、歯に動揺(グラつき)がないか確認します。歯が動揺していると歯周病が進行し悪化していることになります。歯並びの治療中で矯正をしている場合は、歯を正しい位置に動かしているため歯周病になっていなくても歯が動揺しています。お口の中を見れば、矯正で歯が動揺しているのか、歯周病によって動揺にているのか分かります。矯正治療中の動揺は、矯正治療が終われば無くなりますので心配しないでください。
染め出し液で磨き残しのチェック
皆様は、定期健診で歯医者に行ったときに染め出し液を使ったことがありますか?
子供さんも場合は、歯磨きがちゃんと出来ているか確認するために使用しますが、大人の方でも染め出し液を使うことをおすすめします。染め出し液とは、歯磨きをしても残っているプラーク(歯垢)に色を付ける液です。磨き残しや、正しく歯ブラシがあたっていないところはピンク色に染まります。虫歯や歯周病にならないようにするには、プラークを歯に残さないように丁寧に歯ブラシをするのが大切です。今はドラッグストアにも染め出し液が売っていますので、定期健診の時以外でも、ご自身で磨き残しがないかチェックするといいと思います。
歯磨きの指導
歯医者での歯磨きの指導のことを、TBI (Tooth Brushing Instruction)といいます。衛生士が染め出し液でピンクに染まった箇所を、患者様に確認してもらい正しい歯磨きの仕方を教えます。患者様の歯並びや歯茎の状態などを考慮し、歯ブラシも持ち方や、歯に歯ブラシをあてる角度や力の度合い、歯の間の磨く方法などを指導します。染め出し液で染まった部分は、特に意識して磨いていくと虫歯や歯周病を防ぐことができます。
歯垢の除去
歯磨きをしても残ってしまう汚れはプラーク(歯垢)として歯についてしまいます。プラークは、食べた物のカスが歯についたままのことにより細菌のかたまりになった状態のことをいいます。プラークは、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスでも取り除くことが可能なので、丁寧な歯磨きをすることで除去ができます。
歯石の除去
プラーク(歯垢)を、歯磨きが不十分なため除去できていないと、歯垢は数日ほどで石灰化してしまいます。石灰化した歯垢のことを歯石といいます。歯石になってしまうと、普段の歯磨きでは取れません。特に磨き残しが多い歯の裏につくこと多いです。歯石は歯医者でしか取れませんので、定期的に歯医者への通院がとても大切です。
まとめ
当院は、歯並びの治療に特化した矯正歯科医院のため、当院では歯の定期健診は行っておりません。しかし、矯正治療中は、お口の中に矯正の装置が入りますので、虫歯のリスクが高くなることがあります。矯正治療中は特にかかりつけ歯科での定期健診を受診し、お口の中の状態を健康で清潔に保つよう心がけるようにしましょう。
唾液について
唾液は、唾液腺という唾液を産生する組織で作られ、無色透明、あるいはやや白濁している粘性の体液であり、消化管で最初に分泌される消化液です。
成人の1日の総唾液分泌量は1~1.5Lで、pHは6.2~7.6である。分泌量には個人差、性差、年齢差、季節変動、服用薬剤などが関与し、さらに同一個人であっても体温、血圧、体液量(浸透圧)などの影響によって変化し、一定ではありません。
唾液腺には大きく2つに分かれており、大唾液腺と小唾液腺があります。
○唾液腺の種類
1.大唾液腺(大口腔腺)
大唾液腺は耳下腺(耳の前下方)、顎下腺(顎の下)、舌下腺(口の底)の3つに分けられ、これらは左右対称にあります。
唾液は耳下腺管や舌下腺管のように管のようなものがあり、そこを通ってそれぞれの開口部から口腔内に唾液が分泌されます。耳下腺から分泌される唾液は漿液性の唾液(サラサラの唾液)であり、舌下腺から分泌される唾液は粘液性の唾液(ネバネバの唾液)です。顎下腺から分泌される唾液は漿液性の唾液と粘液性の唾液が混合した唾液(混合唾液)になります。
2.小唾液腺(小口腔腺)
小さな唾液腺が粘膜下にあり、口唇腺・頬腺・口蓋腺・舌腺(前舌腺、エブネル腺、後舌腺)に区別されています。口唇腺・頬腺・前舌腺から分泌される唾液は混合唾液であり、口蓋腺と後舌腺は粘液性の唾液(ネバネバの唾液)、エブネル腺は漿液性の唾液(サラサラ唾液)が分泌されます。
○唾液の性状・成分と機能
1.唾液分泌量
唾液の分泌量は1日に約1~1.5Lであり、顎下腺から約65%と最も多く、耳下腺は約20%、舌下腺は約10%、小唾液腺は約5%といわれています。(個人差があります。)
唾液の分泌は安静時や睡眠時(安静時唾液)には少なく、食事時や会話時など(刺激時唾液)には多くなります。安静時唾液の分泌量は1分間に0.1mL~0.3mL必要とされ、唾液分泌量が通常の1/2以下になると、口腔乾燥が生じます。刺激時唾液には耳下腺唾液が多くなります。また、唾液の分泌は自律神経(交感神経と副交感神経)によって支配されます。両方の神経とも刺激されると唾液分泌が促進されますが、交感神経を刺激すると水分が少なくタンパクなどの高分子物質を多く含む唾液が多く分泌されます。副交感神経が刺激されると水分が多く電解質を含む唾液が分泌されます。スポーツや緊張時は交感神経が刺激されているため、水分が少ない唾液が分泌されることで口が乾いた状態になります。
日内変動も認められ、夜間の分泌量は低下します。また、水分を失いやすい夏季は冬季に比べて分泌量は少ないです。
2.唾液の性状
耳下腺は漿液性唾液(サラサラ)であり、舌下腺が粘液性唾液(ネバネバ)、顎下腺が混合唾液です。唾液には粘性があり、これはムチンが含まれているからです。ムチンは粘液細胞が産生しており、舌下腺、顎下腺、耳下腺の順に粘度の高い唾液が分泌されています。唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺の大唾液腺、および小唾液腺から分泌されます。これらが口腔内で混ざり合い、混合唾液になります。咬合時に分泌される刺激時唾液は、安静にしているときの安静時唾液よりも分泌量が多いです。
3.唾液の成分と機能
唾液は消化液として食物を消化するとともに、食塊の形成から嚥下までを助ける働きをしています。また、口腔粘膜や歯を保護して口腔の生理機能を維持する働きがあります。
①消化作用
耳下腺は消化酵素のアミラーゼを分泌します。アミラーゼは、デンプンやグリコーゲンを加水分解してデキストリンを経てマルトースまで消化します。エブネル腺はリパーゼを分泌しており、脂肪を消化します。
➁潤滑作用
ムチンは唾液に粘性を与え、食物を潤滑して食塊の形成を補助し、嚥下が円滑に行われるようにします。また、会話のときに舌や口唇の運動を円滑にします。
口腔粘膜の保護をし、咀嚼や発音をスムーズにします。
③保護作用
唾液に含まれるムチンなどのタンパク質は、粘膜や歯に付着する性質があります。特に歯の表面では被膜(獲得被膜)を形成し、粘膜や歯を乾燥から防いでいます。また、再石灰化作用にも役立っています。
④緩衝作用
唾液中の重炭酸イオン(HCO₃⁻)の働きによって、酸またはアルカリを中和する働きがあります。重炭酸塩は唾液の最も重要な緩衝系であり、緩衝作用は再石灰化作用を発揮します。
⑤再石灰化作用
重炭酸イオン(HCO₃⁻)によるpHの緩衝作用は、細菌が産生する酸を中和して歯を脱灰から防ぐ作用があります。この緩衝作用は唾液に含まれる炭酸脱水酵素によって促進されます。炭酸脱水酵素は獲得被膜に貯蓄しています。また、唾液中のカルシウムイオンとリン酸イオンは歯のエナメル質と結合して、脱灰された表面を修復しています。
⑥洗浄作用
唾液は歯や粘膜に付着した食物残渣を洗浄する働きがあります。
大唾液腺導管の開口部付近(上顎臼歯の頬側面、下顎切歯の舌側面)で唾液の流れが多いため、虫歯になりにくいです。
⑦抗菌作用
代表的な酵素なリゾチームです。これは細菌の細胞壁のムコ多糖体を加水分解し、細菌を溶解する働きがあります。ペルオキシダーゼはチオシアン酸(SCN⁻)と反応してヒポチオシアン酸を生成する。これは細菌の増殖を抑える働きがあります。ラクトフェリンは腸管内でペプシンの作用を受け、細菌を破壊するペプチドを遊離します。そのほか、ヒスタチン、分泌型免疫抗体(sIgA)があります。特にヒスタチンにはカンジダ類の増殖を抑える働きがあります。
⑧その他
- ・唾液は味物質を溶解して、味物質が味蕾の味受容体に届きやすくしています。(溶解作用)
- ・神経成長因子や上皮成長因子は口腔粘膜の修復に役立つといわれています。
- ・排泄作用:血液成分が排泄されます。(コルチゾール)
- ・胃液分泌:胃液の分泌を促します。
- ・血液凝固:止血する。(トロンボプラスチン)
- ・抗がん作用:がんを予防します。(ペルオキシダーゼ) 等
○口腔乾燥症(ドライマウス)
ドライマウスはさまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口腔内が乾燥する病気です。糖尿病や高血圧、腎不全などの病気を介して起こることもあれば、ストレスや筋肉の低下、薬剤の副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じて、さらに強いドライマウスになる可能性があります。
かむことは唾液の分泌を促し、唾液を分泌する唾液腺は筋肉によって裏打ちされています。しかし、その筋肉が衰え、唾液の分泌量が低下することでドライマウスになってしまいます。
長期化すると唾液の抗菌作用、洗浄作用、保護作用、潤滑作用などが損なわれ、口腔粘膜の炎症、虫歯の多発、会話・嚥下障害、義歯の不安定などを引き起こします。また、虫歯や歯周病だけでなく、誤嚥性肺炎などの全身疾患になる可能性があります。ドライマウスの症状は、膠原病(こうげんびょう)の1つである難病のシェーグレン症候群でもあらわれます。
口の中が乾くと、唾液の持っている自浄作用が失われ、通常よりも感染症になりやすくなります。
特に高齢者は、そのまま放置すると食べ物を飲み込む能力が低下する摂食・嚥下障害から重篤な病気になる可能性があります。
○唾液緩衝能
唾液緩衝能とは、口腔内のpHに変化が起きたとき、唾液が正常な範囲に口腔内を保とうとするはたらきのことです。安静時の口腔内のpHは中性を保っています。しかし、飲食物の摂取や口腔内にいる酸産生性をもつ細菌が酸を産生することで、口腔内が中性から酸性に変化します。pHが5.5以下になると、歯が溶けだしてしまいます(歯の脱灰)。これに対して、唾液は酸性から中性に中和し、虫歯になるリスクを防いでくれます。唾液緩衝能が高いと、短時間で口腔内のpHを中性に戻すことができるため、虫歯になりにくくなります。
また、ダラダラ食いやダラダラ飲みをしてしまうと唾液緩衝能が低下し、長時間口腔内は酸性へと傾き、唾液がたくさん出ても中性に戻す働きが追いつかず、酸性に傾いた状態が続くことで虫歯になりやすくなるので注意しましょう。
特にマウスピース矯正の方は、マウスピース着用時の飲み物は水を飲むようにしてください。砂糖の入っているジュースや炭酸飲料、砂糖の入っていない炭酸水などは虫歯のリスクを高めてしまうため、マウスピース着用時は水を飲むようにしましょう。
唾液の役割と口臭の関係
1 唾液の役割
唾液には9つの役割があります。
抗菌作用
唾液の中に含まれるリゾチームやラクトフェリンなどの菌の活動を抑制します。
再石灰化作用
唾液の中に含まれるカルシウムイオン・リン酸イオン・フッ素イオンは、脱灰された歯の再石灰化を促進します。
歯や粘膜の保護作用
歯の表面は、ペリクルといわれる唾液のたんぱく質に覆われています。歯はペリクルによって、摩耗したり脱灰するのを守られています。お口の粘膜も唾液のたんぱく質に覆われることによって、感染や機械的な損傷から守られています。
緩衝作用
唾液中に含まれる炭酸やリン酸・重炭酸などの物質は、急激な酸性やアルカリ性に変化しないように中和して、プラーク中の㏗が酸性に傾いて歯が脱灰するのを抑制します。
消化作用
唾液中に含まれるαアミラーゼという物質がでんぷんを麦芽糖に分解します。
自浄作用
お口の中の汚れや食べかすを洗い流します。
食塊形成作用
唾液の水分によって食べ物の味を拡散させたり、食べ物を噛み砕いて飲み込みやすくします。
2 ドライマウス(口腔乾燥症)について
ドライマウスとは、お口の中の唾液の分泌が減少することで、お口の中が乾燥してしまう病気のことです。お口の中が乾燥することで、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、口臭が気になるということもあります。
ドライマウスになる原因には、
- ・ 鼻呼吸がしづらく口呼吸をしている
- ・ 極端なダイエットをしている
- ・ 日常生活でのストレス
- ・ お酒やタバコの摂取
が主に挙げられます。他にも、
- ・ お薬の副作用
- ・ 糖尿病や腎不全などの病気
などが原因でドライマウスを引き起こすこともあります。
ドライマウスには、口の中の粘つき・舌の痛み・口臭などの症状が見られますが、他にも乾いた食品を食べられない・食べ物をうまく飲み込むことができないといった症状が見られる場合があります。お口の中が乾いてしまうと唾液の働きである自浄作用が失われてしまうため、通常よりも感染症になりやすくなります。高齢者の方の場合、そのまま放置しておくと食べ物を飲み込む筋力が低下してしまう可能性があります。食べ物を飲み込む筋力が低下してしまう、と摂食嚥下障害などの病気になってしまうリスクが高くなります。
3 唾液が減少する原因
口呼吸
アレルギー性鼻炎や花粉症などの影響で鼻が詰まっていると、自然と口呼吸になります。そうなると、お口の中が乾燥して唾液が減少してしまいます。
鼻呼吸の場合、副鼻腔というたくさんの壁に仕切られているところを空気が通るので、乾燥しにくい構造になっています。
口呼吸の場合、お口の中の粘膜が空気に触れるので唾液が乾きやすくなってしまいます。
ストレス
唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経になります。
過度なストレスやイライラ・緊張状態が続くことによりバランスが崩れ、交感神経が優位に働くことでネバネバした唾液が分泌されるようになります。また、唾液の量自体も減少してしまうので、お口の中が乾いた状態になってしまいます。
噛む回数が少ない
唾液は噛むことでお口の周囲の筋肉が働き、唾液腺が刺激され、唾液の分泌を促します。なので、あまり噛む必要のない柔らかいものを好んで食べていたり、あまり噛まずに食べていると唾液の分泌が悪くなってしまいます。そうなると、徐々に唾液が少なくなってしまいます。
水分不足
正常な成人の唾液の分泌量は、1日1.5リットルだと言われています。
なので、その分水分補給をする必要があります。水分補給を怠ってしまうと唾液の減少に繋がります。ダイエットなどで無理な食事・水分などの制限を行っている方は特に注意しましょう。
喫煙
タバコに含まれているニコチンには、体内の血管を縮小し、血行を悪化させてしまう作用があります。これが、唾液の分泌機能を低下させることになります。
喫煙者の口臭がきつくなりやすいのは、この唾液が減少した状態になってしまうことも原因の1つとして挙げられます。
過剰なアルコール摂取
アルコールを摂取すると、汗や尿と一緒にアルコールを体外に排出しようとする利尿作用が働きます。またアルコールをたくさん摂取することにより、食事量や水分量が不足しがちになりやすいため、脱水症状を引き起こしやすくなります。
アルコールの過剰摂取により、体内の水分のバランスが崩れて、お口の中の唾液が減少してしまいます。これは、唾液が減少する原因のひとつになります。
薬の副作用
日常的に服用する薬によっては、副作用で唾液分泌が減少してしまうことがあります。
加齢
年齢を重ねるにつれて、お口の周りの筋肉や歯の力が衰えてしまいます。そうなると、噛むという行為が難しくなり、唾液の分泌が促されにくくなります。
また、高齢になると背筋が徐々に猫背になってしまいがちです。猫背は呼吸を浅くさせ、口呼吸を引き起こす原因になります。
4 唾液の分泌を増やす方法
水分補給
お口の中が乾燥することで、唾液の分泌の減少につながります。なので、普段からこまめに水分補給を行い、唾液の分泌を促すことを意識してみましょう。
唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージとは、耳下腺・舌下腺・顎下線の3ヶ所をマッサージすることです。
耳下腺のマッサージ方法
耳たぶの少し前方向、上の奥歯辺りの頬に人差し指から小指までの4本の指を軽く押し当てます。円を描くように前に向かって優しくマッサージをします。5~10回を目安に行いましょう。
耳下腺は、すっぱい食べ物を想像すると唾液が出る場所です。
舌下腺のマッサージ方法
顎の先のとがった部分の内側に舌の付け根があります。舌の付け根を押すことで耳下腺に刺激を与えます。両親指で、顎の下のやわらかい部分を押し上げてください。この時、舌を持ち上げるように行うことを意識してみましょう。5~10回を目安に行いましょう。
顎下腺のマッサージ方法
顎の骨の内側にある柔らかい部分に人差し指から小指までの4本の指を当てます。4本の指で顎から耳の下まで指の腹で優しくマッサージしましょう。
5~10回を目安に行いましょう。
食事法
すっぱい食べ物を食べることで味覚が刺激されます。また、すっぱい食べ物を想像すると唾液がじわじわと出てきます。一度、レモンや梅干しといったすっぱい食べ物を想像してみてください。
食事の際は、よく噛んで食べましょう。噛むことで、唾液の分泌が促されます。食事の際は、よく噛むことを意識してみましょう。
口呼吸をしない
普段の生活で口呼吸が癖になっている方は、鼻呼吸を心がけましょう。
口呼吸になってしまう原因が鼻のアレルギーや病気によるものである場合、その病気に対して専門の病院で治療を行うのが解決策につながるでしょう。
歯並びが原因により、お口が閉じることが難しいというような場合は、一度かかりつけの歯医者さんや歯列矯正を行っている歯科医院で相談してみましょう。
5 口臭防止アイテム
マウスウオッシュ
マウスウオッシュには、殺菌成分が含まれており、お口の中の細菌を減少させるため、長時間にわたって口臭予防の効果に期待できるでしょう。
マウスウオッシュを購入する際は、アルコールフリーや低濃度の製品がおすすめです。アルコールが含まれている製品の場合だとお口の中を乾燥させてしまい
口臭を悪化させてしまいます。また、口内炎がある方には刺激がある可能性があります。
タブレット
タブレットにもさまざまな種類があります。
噛んでお口の中を消臭するタイプのものや噛まずに飲み込んで胃の中で広がるものなどがあります。それぞれの好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
口臭について
口臭について
人々の身体にはそれぞれにおいがあるように、お口の中にもにおいがあります。正常なにおいの場合、生理的口臭と言い、病気などが原因で他人に不快な気持ちを与えてしまうにおいとなる場合があります。それが、口臭です。
口臭にも様々な種類と原因があります。きちんと適したケアをしないと努力も水の泡となってしまいます。他にも、病気が原因である口臭もあります。
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口臭の原因
口臭の原因は主に4つ考えられます。
・お口の中の菌による口臭
お口の中で1番考えられる原因は、歯周病です。歯周病の特徴は、歯周ポケットです。歯周ポケットが深いと細菌が溜まりやすくなってしまいます。様々な細菌の中でも嫌気性菌(けんきせいきん)は代謝の過程で硫化水素やメルカプタンといったガスのようなものを産生します。それが口臭の元となっています。
・食べ物による口臭
ニンニクやニラなどのにおいの強い食品を食べたり、アルコールや喫煙を行うことにより、体臭と共に口臭もきつくなります。
これは、にんにくやアルコールが一度体内に取り込まれたにおいの元となる成分が胃の中で消化され、血液を介して全身に循環し、肺を経由して吐き出されます。そのため、お口をきれいにしても匂うことがあります。
・全身の病気による口臭
全身の病気による口臭は、糖尿病・尿毒症・肝硬変・肝臓癌・トリメチルアミン尿症などが原因となります。においは様々で、お口の中の細菌が原因で伴う口臭と似たようなにおいもあれば、嗅覚で簡単に識別することが可能なものもあります。これらの全身の病気の兆候として現れる口臭は限定的なものです。
・生理的な口臭
朝起きた時やお腹が空いた時に、お口は匂うことがあります。女性の場合だと、ホルモンバランスの不調によっても口臭を感じる時があります。
このように生理的な現象で起こる口臭は、日内変動が見られますが、においが無くなる(無臭になる)ことはありません。
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口臭の出やすいタイミング
口臭には出やすいタイミングがあります。口臭が出やすいタイミングを意識する事で口臭の原因と効果的な予防法を知ることが可能になります。
・起床時
寝起きにお口の中がネバネバしていることや、口臭が気になる方は多いと思います。原因はプラーク(歯垢)になりますが、起床時だけがきつくなるというわけではありません。プラークとは細菌のかたまりになります。細菌が1日のなかで1番増殖するのは睡眠時です。なぜなら、睡眠時は唾液の分泌が少なく、長時間お口を動かすことがないので細菌が歯や歯肉にくっつきやすくなり、更に増殖して口臭の原因となるガスのようなものが産生されます。
そのため朝の歯磨きも口臭対策には重要になりますが、夜寝る前の歯磨きを行う際に細菌のエサになる食べカスやプラークをしっかり落とすよう心がけましょう。
・空腹時
空腹時になると、膵臓(すいぞう)の膵液(すいえき)が胃で分解されることによりガスが発生します。このことを空腹時口臭といいます。生理的なものになるので、あまり気にすることはありません。
・便秘時
便秘がひどくなると、口臭に影響が出てくることがあります。
宿便が溜まり、細菌が宿便を分解することによって出るガスが溜まり過ぎてしまうと口まで上がってきて口臭になります。いわゆる、おならのガスと同様なものです。これを防ぐためには、溜まったガスや宿便を体外に出すしかありません。便秘が長期間続くようでしたら内科医に相談してみるのも良いでしょう。
・緊張時
人前で話す時など、緊張をする場面において人は唾液が出にくくなります。そのため、緊張する場面で喉が乾いたと感じた経験をした事がある方が多くいらっしゃるのではないかと思います。唾液には、お口の中の菌が増殖するのを抑える働きや細菌から産生さえるガスを洗い流す作用があります。そのため、唾液の分泌が減ると口臭が出やすくなります。
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口臭の対策
口臭はにおいの原因を把握し、それに適した対策をとることが重要になります。
もし、においの種類やにおいの気になる時間が自分で分かりづらい時は、身近な人に尋ねてみることや、かかりつけの歯医者さんに相談してみるのも良いでしょう。口臭の多くの原因は、お口の中の細菌や食べ物が原因になります。病気による口臭の場合は、各病気に応じた治療や対策が必要になりますので、各専門家に相談してみましょう。
・お口の中の菌による口臭の対策
① お口の中を清潔にする
食後は毎回、歯磨きをしましょう。歯磨きの際に、磨き残しがあるとお口の中で細菌が増殖し、口臭を悪化させてしまう原因となります。また、歯を磨いた後に舌も磨くことで口臭の対策につながります。
舌には、口臭の原因となる舌苔(ぜったい)というものが溜まります。舌苔とは、食べかす・お口の中の皮膚細胞が剝がれたもの・細菌・唾液の成分が舌の凸凹に溜まることで作られます。舌苔が舌についているか見分ける方法としては、舌が淡い赤色ではなく白や黄色っぽくなるのが特徴になります。舌苔はたんぱく質で出来ているのでそれをエサとする細菌が集まってきます。その細菌が、たんぱく質を分解する際に発揮性硫黄化合物というガスのような物質を生成します。これが口臭の原因となります。
舌苔が付く原因には、口呼吸や飲酒・脂っこい食べ物や辛い食べ物を摂取する頻度が多いといった生活習慣が挙げられます。舌苔をつかないようにするためには、生活習慣を見直す必要があります。
口臭の対策として、舌苔を厚くしないために舌ケアがポイントになります。舌の奥から手前へ軽い力で舌苔を落とすようにしましょう。力を入れ過ぎると、舌の粘膜や味を感知するための味蕾(みらい)を傷つけてしまう可能性があります。また、舌を磨くのは1日1回をおすすめします。舌苔は少しあるのが正常なので取りすぎに注意しましょう。口臭を防ぐためにも舌ケアは、習慣にすると良いでしょう。
② 唾液の分泌をふやす
唾液とは、つばのことを指します。唾液には、細菌の繁殖を防ぐはたらきがあります。加齢などの理由で唾液の分泌が減少してしまうと、細菌が増えやすくなってしまいます。唾液の分泌を促すためには、唾液腺マッサージを行ったり、水分を摂取するなどを行いましょう。
・食べ物による口臭の対策
口臭の原因になってしまう食べ物もありますが、口臭の対策になる食べ物もあります。身近なスーパーコンビニで買えるものもあります。りんごーお口の中の細菌が産生するガスを抑制するといわれており、よく噛むことで口臭を軽減する唾液の分泌も促進されます。
繊維質の野菜ーごぼうやレタスのように、繊維質の多い野菜はたくさん噛むことで唾液が分泌されます。
すっぱい食べ物ー梅干しやレモンといったすっぱい食べ物を食べると、唾液がたくさん出ます。また、食べなくても画像を見たり、思い出すことでも唾液が出てきます。口臭が気になったら、レモンなどのすっぱい食べ物を思い出したり、画像を見てみるのも良いでしょう。
パイナップル・キウイー口臭の原因でもある舌苔はたんぱく質の汚れになります。パイナップルやキウイはたんぱく質を分解する酵素を豊富に含むので、食べると口臭を抑えられる可能性があります。ですが、酵素は熱に弱いので加熱処理されたものは効果が期待できません。なので、缶詰のタイプはおすすめしません。
牛乳ーにんにくを食べた後、牛乳を飲むことは口臭を抑えるために効果的です。にんにくに含まれるアリルメルカプタンという成分がお口の中に残ることで口臭の原因となります。これを、牛乳を飲むことで乳脂肪分が洗い流してくれます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)矯正中に口臭が?原因と対策を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、金属を用いない矯正として人気が高まっている方法です。
しかし、マウスピースを長時間装着することによる弊害として、口臭が発生・悪化するケースもあります。矯正している人は、していない人より口臭が発生・悪化しやすいとされているのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で口臭がする原因には、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の管理不足や、唾液がうまく機能しないことが挙げられます。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で口臭がする原因と対策について解説します。口臭の原因と対策が分かれば、口臭を気にすることなく生活できるようになるかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に口臭がひどくなる原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)によって口臭がひどくなるのは、口腔内で細菌が繁殖するためです。細菌が繁殖する理由は、以下のとおりです。
・唾液が機能しない
・マウスピース型矯正装置(インビザライン※)に傷がついている
・マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が汚れている
・口腔ケアが不十分である
それぞれ解説していきます。
唾液が機能しない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を装着していると、歯に唾液が触れないため、唾液がもつ自浄作用が働かなくなります。自浄作用とは、唾液が口腔内の細菌などを流すことで、口腔内を綺麗に保つ作用のことです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は歯にピッタリと密着するため、唾液が汚れを流せず歯や歯茎に食べカスが留まることがあるのです。食べカスが長い期間口のなかに残ると、口臭に繋がります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)に傷がついている
矯正器具に傷がつくと、汚れが溜まりやすくなります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)はプラスチックで作られているため、目に見えない小さい傷がつきやすいです。
細かい傷に食べかすが付着したり、汚れが溜まったりすると菌が繁殖して口臭につながる可能性があるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が汚れている
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が不清潔だと、口臭に繋がるかもしれません。他の矯正器具と違って、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は取り外して洗えます。
清潔に保ちやすいですが、1〜2週間で交換するからと清掃を怠る方もいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を洗浄しないと食べかすや汚れが蓄積されるので、細菌が繁殖しやすいです。
また、濡れたまま保管して菌が繁殖し、口臭につながっているケースもあるでしょう。
口腔ケアが不十分である
歯に残った汚れも口臭の原因となります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を着用すると唾液の自浄作用が働かないため、汚れが残りやすいです。
とくに、歯と歯の間や歯茎の間に汚れが溜まりやすく、この部分は歯ブラシだけで清掃するのは困難でしょう。汚れが残った状態でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を装着すると、口臭が発生するかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)矯正中の口臭を放置すると
口臭を放置していると、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を中断することになるかもしれません。口臭の元になっている細菌が歯周病を引き起こした場合、矯正治療を継続できなくなることがあるのです。
歯周病が進行すると、顎の骨が溶かされて歯が不安定になります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)によって矯正力が加えられると、歯の動揺が大きくなったり、力に耐えられずに抜けたりする可能性があるでしょう。
また、細菌によって口臭が発生しているということは、細菌が繁殖しやすい口腔環境であるということです。虫歯などのほかの口腔トラブルのリスクも高まるでしょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の口臭対策
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の口臭対策として、以下の方法が挙げられます。
食事中はマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を外す
食事のときは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を必ず外すようにしましょう。着用したままだと、歯とマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の間に食べ物が挟まったり、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)に傷がついたりするからです。
毎回付け外しすることを面倒に思う方もいるかもしれませんが、口臭を防ぐためにも外して食事しましょう。
歯をしっかり磨く
食事や間食のあとは、歯磨きをして口腔内の汚れを除去しましょう。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を外したときは、毎回歯を磨くのが理想です。
普通の歯ブラシだけではなく、以下のアイテムも使用しましょう。
・ワンタフトブラシ
・歯間ブラシ
・デンタルフロス
歯と歯の間、歯と歯茎の間は特に意識して磨いてください。磨き方が分からない場合は、歯科医院で正しい歯磨きの方法を教えてもらいましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を清潔に保管する
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、常に綺麗な状態で保管するようにしましょう。基本的に1日20〜22時間は装着した状態で、汚れたままつけると細菌が繁殖します。
取り外すタイミングで水洗いするだけでは、充分に汚れを落とせないかもしれません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を清潔に保つポイントは、以下の通りです。
・柔らかいブラシで擦る
・ティッシュやタオルで水分を拭きとる
・濡れたまま保管しない
・保管用のケースを使う
・高温になる場所に置かない
・定期的に洗浄剤を使用する
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)専用の洗浄剤も市販されているので、使用を検討すると良いでしょう。入れ歯用とは成分が異なるため、マウスピース専用の洗浄剤を選んでください。
歯のクリーニングを行う
歯医者でクリーニングを受けると、歯磨きでは落とせない汚れを落としてくれます。自宅での歯磨きだけでは、完全に汚れを落とすことは難しいです。歯石や歯垢は、プロに専用の器具を使って除去してもらうのが良いでしょう。
定期的に口腔内を確認してもらえれば、口腔内のトラブルに早期に気づいて対処することも可能です。2〜3ヵ月に1回はクリーニングを受けて、歯の汚れをおとしてもらいましょう。
こまめに水分を摂取する
水分をこまめに飲むと、口腔内の乾燥を防げます。口内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなるため、口臭につながる可能性があるでしょう。
水分をこまめに摂取して口内を潤せば、口臭予防につながります。
リラックスする
ストレスを減らしてリラックスした状態になると、口臭予防につながるかもしれません。交感神経が優位になると唾液の分泌量が低下し、口が乾燥しやすくなるとされています。
緊張で口が乾くといった経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療中は自浄作用がうまく機能しないので、唾液の分泌量が低下するとさらに細菌が繁殖しやすくなります。
副交感神経が優位なリラックスした状態であれば、口腔内を清潔に保ちやすいでしょう。7時間以上の睡眠をとる、趣味でリフレッシュするなど、ストレスを溜めないように生活してください。
まとめ
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着中に口臭がする原因や対策について解説しました。
口臭の原因としては、歯に汚れが残ったり、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が不清潔だったりすることが挙げられます。細菌がマウスピース型矯正装置(インビザライン※)と歯の間で繁殖することで、口臭に繋がるのです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による口臭を放置すると、矯正を続けられない可能性があります。口臭の原因である細菌が増えて歯周病になった場合、治療を優先したほうがいいでしょう。
対策としては、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の管理を徹底すること、口腔ケアを丁寧に行うこと、リラックスすることなどが挙げられます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の失敗例と、失敗しないためのポイント
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、口元が目立ちにくいため人気の治療法です。
しかし、マウスピースの自己管理が必要なため、マウスピースの装着方法やお手入れ方法によっては、治療が失敗することがあります。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の失敗例と、失敗しないためのポイントについて解説します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは、マウスピース型矯正装置を使った矯正治療法の一種です。ワイヤー矯正と違い、取り外しのできるマウスピースを使用するため食事や歯磨きの妨げになりません。
また、薄く透明なマウスピースのため、口元が目立ちにくいのがメリットです。矯正治療中の見た目が気になる方や人前に出る機会の多い方に選ばれています。
ただし、自由にマウスピースを取り外しできる分、患者様自身で装着時間やお手入れを自己管理する必要があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の失敗例
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は目立ちにくさや手軽さから人気な治療法ですが、失敗することがあるのも事実です。ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の失敗例をご紹介します。
噛み合わせが悪くなった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、見た目だけでなく噛み合わせも整えられる治療法です。
しかし、見た目は良くなったものの、噛み合わせが悪くなることもあります。見た目がきれいになっても、噛み合わせが悪ければ失敗したと感じるでしょう。
歯並びが整わなかった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では治療前にシミュレーションを行うため、理想とする歯並びを確認してから矯正治療を始めます。
しかし、マウスピースの装着時間や交換時期を守れなかった場合、理想の歯並びにならないことがあります。また、歯の重なりが大きい重度の叢生や出っ歯の場合、歯を移動させるスペースを確保するために抜歯やIPR(歯の側面を削る処置)をするのが一般的です。
「歯を抜きたくない」「健康な歯を削りたくない」と処置を避けた場合、歯を並べるスペースが足りなくなります。その結果、歯列が悪化したり出っ歯になったり、失敗したと感じる原因になるのです。
歯茎が下がった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を含めた矯正治療では、歯に力をかけることで顎の骨の吸収と再生を促し、歯列を整えます。歯に無理な力をかけすぎると、顎の骨の吸収と再生のバランスが崩れて歯茎が下がることがあるのです。
歯茎が下がると、歯が長く見えて見た目が悪くなったり、歯と歯の間にブラックトライアングルという隙間ができたりします。
虫歯や歯周病になった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療中は、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外す必要があります。マウスピースを装着したまま飲食したり、歯磨きせずにマウスピースを装着したりすると、虫歯や歯周病の原因になるかもしれません。
マウスピース型矯正装置による矯正中に虫歯や歯周病になると、優先的に治療が必要になり矯正が進まない可能性があります。
治療の中断により大幅に治療が延期したり、マウスピースの作り直しが必要になったりすることで、失敗したと感じることがあるでしょう。
予定よりも治療期間が長くかかった
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療前にはシミュレーションを行いますが、マウスピースの装着時間や交換時期を守っていることが前提です。そのため、マウスピースの取り扱いが不適切な場合、当初の予定よりも治療期間が延びることがあります。
「結婚式までに歯並びをよくしたい」「留学前に治療を終わらせたい」など、治療のゴールを決めていた場合、治療期間が延びると失敗したと感じるでしょう。
後戻りした
矯正治療と聞くと、歯を動かす矯正期間を重視する方が多いですが保定期間も重要です。マウスピース型矯正装置による治療後だけでなく、どのような方法でも矯正後はリテーナーをつけなければ後戻りするリスクがあります。
「歯並びがよくなったから」と自己判断でリテーナーの装着をやめてしまうと、徐々に歯が後戻りし、失敗したと感じるかもしれません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で失敗する原因
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で失敗する主な原因は、マウスピースの管理方法に問題があることです。ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の失敗の原因について解説します。
装着時間を守れていない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療の最大のメリットは、自由にマウスピースを取り外しできることです。
しかし、着脱回数が多いことで装着時間が短くなると、歯列が整わず治療の失敗につながるでしょう。治療中も後戻りすることがあるため、長時間マウスピースを装着しなければ、マウスピースが入らなくなる場合もあります。
1日20時間を下回らないよう、マウスピースを装着しましょう。
装着方法が間違っていた
マウスピースを使用する矯正治療では、マウスピースの形にそって歯を移動させます。マウスピースを正しく装着できていなければ、歯並びや噛み合わせが悪化する可能性があるでしょう。
特に、新しいマウスピースを装着する際は、奥までマウスピースが入りにくいことがあるので注意が必要です。
お手入れが不十分だった
マウスピースは取り外しできるため、虫歯や歯周病になりにくいといわれています。
しかし、歯磨きがきちんとできていなければ、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、マウスピースのお手入れが不十分であれば、細菌が繁殖し、マウスピースが劣化するかもしれません。
マウスピースが劣化すると矯正力が低下し、治療の失敗を招くかもしれません。マウスピース型矯正装置による治療を成功させるためには、お口とマウスピースのケアをしっかりすることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で失敗しないためにできること
ここでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で失敗しないためにできることを解説します。
装着時間を守る
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療が失敗する最大の原因は、マウスピースの装着時間が守れていないことです。マウスピースを装着していなければ治療が進まないため、マウスピースの装着時間が20時間を下回れば失敗することがあります。
「装着せずに寝てしまった」「外出先でつけ忘れた」などマウスピースの装着自体を忘れると、予定通りに歯が移動せず、噛み合わせや歯並びが悪化してしまうかもしれません。
装着方法を守る
マウスピースを正しく装着できなければ、予期していない方向に歯が移動し失敗につながることがあります。そのため、チューイー(マウスピース装着時に噛むロール状の補助具)を使用して、正しくマウスピースを装着することが大切です。
また、マウスピースが変形・破損すれば治療期間が延びる可能性があるため、正しい方法で着脱することも意識しましょう。
歯やマウスピースのお手入れの徹底
1日のほとんどの時間マウスピースを装着して過ごすため、歯磨きがきちんとできていなければ、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯磨きの際は、1本1本の歯を丁寧に磨きましょう。歯ブラシの毛先が入りにくい歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシを使用してください。
また、マウスピースに汚れが付いたまま放置していると、虫歯や歯周病の原因になったり、マウスピースにカビが生えたりすることもあります。マウスピースを外した後は、すぐに流水で洗い、清潔に保ちましょう。
汚れや臭いが気になる場合は、マウスピース専用の洗浄剤を使用してください。
抜歯やIPRを行う
歯並びを改善する場合、歯を並べるスペースがあれば抜歯やIPRの必要はありません。
しかし、八重歯や叢生、出っ歯の主な原因は、顎の小ささや歯のサイズが大きいことです。健康な歯を傷つけたくないと処置を避けると、歯を並べるスペースが足りず歯並びが整わないかもしれません。
必要な場合は、抜歯やIPRのメリット・デメリットを理解して検討することが大切です。
リテーナーの正しく装着する
矯正治療後、自己判断でリテーナーの装着をやめると歯が後戻りする可能性があります。リテーナーの装着は、治療後の歯並びを長期的に安定させるために欠かせません。
歯科医師の指示を必ず守り、適切にリテーナーを装着するようにしましょう。
定期的な検診を怠らない
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療の失敗を避けるためには、定期的に歯科医師のチェックを受けることも大切です。矯正中のトラブルは、自身で気づくことは難しいといわれています。
治療がうまくすすんでいると思っても、マウスピースの調整が必要だったり、アタッチメントが外れていたりすることがあるのです。
トラブルを防ぐためには、定期的に歯科医院に通い、歯科医師のチェックを受けることが欠かせません。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を成功させるためには、マウスピースの管理を徹底することが大切です。マウスピースの装着時間が守れていなければ、歯並びや噛み合わせが悪くなったり、治療期間が延びたり、失敗につながるかもしれません。
そのため、マウスピースの装着時間を守り、正しく装着するようにしましょう。また、毎日の歯磨きやマウスピースのお手入れで、清潔に保つことも重要です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
乳歯から永久歯 生え変わり時の注意点
今回は、乳歯が生えてきた後に永久歯に生え変わる時に注意する点についてお話していきます。
歯は、生まれてから生後6か月頃以降ぐらいに、下の前歯の乳歯(乳中切歯)が生え始めます。その後、生後10か月頃以降に、上の前歯の乳歯(乳中切歯)が生えます。
さらに1歳頃になると、上と下の前歯の横の歯(乳側切歯)が生えてきて上と下合わせて合計8本の乳歯が生えます。1歳半頃に、最初の奥歯となる(第一乳臼歯)が生え、2歳頃になると、前歯と最初の奥歯との間の(乳犬歯)が生え、2歳半頃に最後の乳歯となる一番奥の(第2乳臼歯)が生えます。2歳半頃に全部の乳歯が生え揃い乳歯の数は全部で20本になります。永久歯は、六歳頃にまず六歳臼歯といわれる乳歯の一番奥の歯の後ろに最初の永久歯が生えます。その後、下の前歯、上の前歯と前から順番に永久歯に生え変わっていきます。この年齢は、あくまでも目安なので多少の年齢の差は問題ありませんし、生えてくる乳歯や永久歯の順番が違う場合もあります。
乳歯と永久歯の違い
乳歯と永久歯の一番の違いは、「丈夫さ」です。なぜ、永久歯が丈夫なのかというと、乳歯は、生後六か月ぐらいから生え始め、全ての乳歯が永久歯に生え変わるのは、11歳~14歳ぐらいまでなのでおよそ14年ほどですが、永久歯は、その後何十年も一生使っていきます。健康な歯や歯茎であれば80歳をすぎてもご自身の歯が残っているかたも多いです。乳歯から永久歯に生え変わっているときは、混合歯列(乳歯と永久歯)といいますが、歯をよく見ると、乳歯は白く、永久歯は少し黄色いです。この色の違いは、歯のエナメル質と象牙質の厚みの違いなのです。歯の根っこの長さも、乳歯は短く、永久歯は長いのも一生使っていくうえでの特徴です。歯の本数も、乳歯は全部で20本なのにたいして、永久歯は32本(親知らず4本含む)なのも、乳歯と永久歯の大きな違いになります。
六歳臼歯(ろくさいきゅうし)とは
六歳臼歯とは、一番最初に生えてくる永久歯で、年齢にするとおよそ5歳~6歳頃に、乳歯の一番奥の歯の後ろに生えてきます。奥歯の後ろから少しづつ生えてくるため、毎日仕上げ磨きをしていても最初は気づかないこともあります。とくに、上の六歳臼歯の場合は、覗き込んでも奥歯の乳歯に隠れてしまい、歯磨きが不十分になることがあり、虫歯のリスクが高くなるので注意が必要です。また、六歳臼歯は、食べ物を噛むときに一番かみ砕く力が強く、永久歯の歯並びや嚙み合わせの「基本」になるとても重要な歯なのです。歯科医院では、六歳臼歯のことを、「第一大臼歯」と呼びます。
永久歯に生え変わる時期
永久歯は、前歯から数えて6番目に六歳臼歯(第一大臼歯)が生え、その次に下の前歯、上の前歯と前から順番に永久歯に生え変わっていきます。そのあと、およそ11歳~13歳ころに、一番奥の十二歳臼歯(第二大臼歯)が生え、親知らず以外すべての永久歯が生えそろうのは、およそ13歳~14歳ころになります。先にも話したように、この年齢は目安になります。乳歯から永久歯への生え変わりには個人で差があります。まだ小学生なのに永久歯が生えそろう方もおられますし、中学生になっても乳歯が残っている方もおられます。稀に、永久歯が元々無い先天性欠損(せんてんせいけっそん)ということもあります。生え変わりが遅く、乳歯が抜けてもその次の永久歯が生えてこないなど、気になるときは、かかりつけの歯科医院にご相談ください。
生え変わる時が一番虫歯になりやすい
乳歯と永久歯の生え変わりのときのお口の中は、混合歯列(こんごうしれつ)になっているため歯がデコボコし歯磨きが難しくなり、磨き残しが増えるのも虫歯になりやすい原因です。また、生えかけの永久歯は、歯の頭は歯茎から出始めて生えるまで時間が長くかかり、完全に生えるまではエナメル質が薄く弱いため、虫歯になりやすくなります。とくに、奥歯の溝が一番虫歯になりやすいので、六歳臼歯が生えそろったらかかりつけの歯科医院で定期的にフッ素塗布やシーラント(プラスチック樹脂)をして溝を埋めて虫歯になってしまう前に虫歯の予防をするのがオススメです。
生え変わりの時に多い歯肉炎とは
六歳臼歯(第一大臼歯)や十二歳臼歯(第二大臼歯)が、生え始めるとき、歯肉から歯が少しずつでてきます。完全に歯が生えるまで数か月かかり、その間は、歯磨きをしても歯ブラシが届きづらく磨き残しが増えます。磨き残しがあると、歯肉が炎症をおこし、萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)とよばれる歯肉炎になってしまいます。萌出性歯肉炎を防ぐには、しっかりと歯磨きをする必要があります。可能ならできる限り、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげることが大切です。
仕上げ磨きはいつまで?
乳歯から永久歯に生え変わるとき、小学校にあがるころには一人で歯磨きをしているお子さんもいるかと思いますが、乳歯と永久歯がある混合歯列は、歯磨きをしても歯ブラシが届きにくい箇所があります。とくに生えかけの永久歯は虫歯になりやすいので、小学生の間は、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげるといいでしょう。小さいころと同じように膝に頭を乗せて寝転がる体勢が一番歯も良く見えますので仕上げ磨きに最適です。高学年や中学生にもなると、仕上げ磨きができなくなってくると思いますが、自分でしっかり歯磨きが出来ているお子さんは少なく、虫歯になってしまうリスクが高くなります。時々は、しっかり磨けているか、食べかすや歯石がないかチェックしてあげてください。
乳歯から永久歯に生え変わる途中での歯並び
乳歯から永久歯に生え変わるときに、永久歯の生え方が気になったことはありませんか?
例えば、
・乳歯が抜けていないのに後ろから永久歯が生えてきた。
・永久歯が生えてきたけど歯が斜めになっている。
・乳歯が抜けたあと永久歯がでてこない。
・乳歯が虫歯になって早くに抜けた。(転倒などで前歯が早々に抜けた など)
生え変わりのときは、お口の中の変化が激しく、自然に生え変わっても永久歯の並びがガタガタになることがあります。乳歯がまだ抜けていないのに永久歯がその後ろから生えてきてしまうと、その乳歯を抜いても歯並びと嚙み合わせは治りません。永久歯が先天性で無い場合は、いかに乳歯を長く使用するかになってきます。いずれの場合も、歯科医院での診察と治療が必要です。かかりつけの歯科医院、または、当院にお気軽にご相談ください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)の正しい外し方と装着方法!お手入れや保管の仕方も
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
マウスピース型矯正装置(当院ではインビザライン*を採用しています)の効果を最大限に引き出すためには、マウスピースの正しい外し方や装着方法を知ることが重要です。また、マウスピースのお手入れや保管も適切に行うことで、清潔さを保ちトラブルの発生を避けられます。
この記事では、マウスピースの外し方と装着方法、お手入れや保管のポイントについて詳しく解説します。
マウスピースを正しい外し方で外さないとどうなるの?
マウスピースを正しい方法で外さなかった場合、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。
マウスピースが変形する
マウスピースを正しい方法で外さないと、マウスピースが変形することがあります。変形すると装着が難しくなり、歯列から浮いてしまう可能性があります。無理に装着すると歯に過剰な力がかかり、歯茎を傷めるかもしれません。
意図しない方向に力がかかり、歯が計画通りに動かず治療期間が延びることもあります。適切な方法でマウスピースを外し、治療効果を最大限に引き出しましょう。
マウスピースが破損する
無理に外すと、マウスピースが割れたりヒビが入ったりすることがあります。破損したマウスピースは装着せず、すぐに歯科医院に相談しましょう。
正しい外し方を守り、トラブルを防ぐことが大切です。
アタッチメントが取れる
マウスピースを正しい方法で外さないと、歯の表面に付けたアタッチメントが取れることがあります。アタッチメントは歯に加わる力を調節する重要な役割を果たしています。
外れてしまうと十分な矯正力が歯にかからなくなるでしょう。マウスピースを無理に外すと破損のリスクも高まるので、治療計画が狂う原因にもなります。
マウスピースの正しい外し方
以下にマウスピースの正しい外し方を解説します。変形や破損などのトラブルを避けるためには、正しい外し方を身に着けることが大切です。
奥歯の内側に人差し指の爪を引っかける
まず、左右どちらかの奥歯の内側に人差し指の爪を引っかけます。慣れるまでは鏡を見ながら行い、必ず奥歯から外しましょう。
前歯から外すとマウスピースが変形したり、アタッチメントが取れたりする可能性が高くなります。
音が鳴るまでゆっくり外す
マウスピースを外す際、爪を引っかけたら上顎は下に、下顎は上に引っ張ります。外れる際に「パコッ」と音がなります。勢いよく外すと変形や破損、歯茎損傷の原因となるため、慎重に外しましょう。
反対側の奥歯も外す
片側の奥歯を外せたら、次に反対側も同様に外します。片方の奥歯だけ外してから前歯に進まないように注意しましょう。
両手を使って奥歯から前歯に向かって外す
マウスピースの奥歯の部分を親指と人差し指でつまみ、奥歯から前歯の順番で外しましょう。必ず両手を使って奥歯から前歯に向かって外すことで、マウスピースの変形を防ぐことができます。
マウスピースの外し方のポイント
マウスピースを外す際は、以下のポイントに注意しましょう。
必ず奥歯から外す
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースを外す際は、前歯ではなく奥歯から外しましょう。奥歯にしっかりとはまっているため、前歯からは外せません。
装着時は前歯からはめますが、外す際は必ず奥歯から行うようにしましょう。間違えないように注意してください。
必ず両側を外す
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースは、半円を描くように外してはいけません。例えば、右の奥歯から前歯、左の奥歯の順に外すなど、順番を間違えるとマウスピースの変形やアタッチメントの脱落を引き起こす可能性があります。
両方の奥歯部分を片方ずつ外してから前歯部分を外すようにしましょう。
必ず内側に爪をかけて外す
マウスピースの表側から外さないことも重要です。表側から無理に外そうとすると、マウスピースが壊れたりアタッチメントが取れたりする恐れがあります。
アタッチメントに注意する
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースを外す際、アタッチメントがついている箇所は内側から外しましょう。外側からだと外れにくく、アタッチメントが取れる恐れがあります。
アタッチメントが取れた場合は、速やかにクリニックで付け直してもらわなければなりません。
アライナーリムーバーを使用する
爪が長い方は、マウスピース型矯正装置(インビザライン*)のマウスピースの取り外しに苦戦しやすいです。必要に応じてアライナーリムーバーを使用しましょう。
アライナーリムーバーは取り外しを補助する器具で、1,000円前後で購入できます。
輪になっている部分に指を入れ、フック部分をマウスピースのふちに引っかけて引っ張って使用します。反対側も同様の方法で外します。
アライナーリムーバーを使えば、爪が長くてもスムーズに取り外すことが可能です。
マウスピースの正しい装着方法
マウスピースは外し方だけでなく、装着する際も正しい手順があります。以下に、マウスピースの正しい装着方法をご紹介します。
前歯から装着する
歯列にマウスピースを合わせたら、前歯部分から指で押し込んで装着します。前歯部分を装着できたら、奥歯部分もはめ込みましょう。
マウスピースの内側に注意する
装着時にマウスピースの内側が折れ曲がりやすいため、特に内側に傾斜している歯の部分はマウスピースのふちを巻き込まないように注意しましょう。ゆっくりと慎重に装着してください。
指でしっかり押して確認する
マウスピースが歯に隙間なくはまったかを確認するために、指でグッと押してください。マウスピースを途中まで装着して、噛み込んで密着させることは避けてください。歪みや破損の原因になりますので、必ず指で最後まで装着しましょう。
マウスピースチューイーを使用する
装着が完了したら、マウスピースチューイーを数十秒間しっかりと噛みます。奥歯から順に、特に浮きやすい前歯部分はゆっくり噛みましょう。前歯の先端に垂直に力がかかるように、下の前歯を少し前に出してギューっと噛むと密着させられます。
マウスピースのお手入れ方法
マウスピース型矯正装置(インビザライン*)による矯正治療ではマウスピースの取り外しが可能です。食事や歯磨きの際に外したら、同時にお手入れしましょう。
お手入れを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まり、矯正治療を中断しなければならないことがあります。
歯ブラシでマウスピースを清掃する
口腔内の汚れや唾液、食物残渣を取り除くために、マウスピースは毎日洗浄しなければなりません。マウスピースのお手入れには柔らかめの歯ブラシを使用し、歯垢や汚れを除去しましょう。
軽くこするようにして表面や内側を清掃し、隅々までしっかりと清潔にすることが重要です。強く擦ったり、熱湯や洗剤を使用しないように注意してください。
マウスピース用の洗浄剤を使用する
マウスピース専用の洗浄剤を使用すると、より効果的に洗浄できます。指示に従って洗浄剤を使用し、マウスピースを浸けて汚れを落としましょう。
使用後は、必ずよくすすいでから装着してください。
マウスピースの保管方法
マウスピースは必ず専用のケースで保管しましょう。袋などに入れてしまうと、破損するリスクが高まります。
専用ケースに保管する
マウスピースは食事や歯磨きの際に外し、専用のケースに収納しましょう。専用ケースは紛失や破損を防止するだけでなく、菌や汚れから守る役割も果たします。
さまざまなデザインのケースがあるので、自分のスタイルに合ったタイプを選びましょう。
マウスピースを乾かしてからケースに入れる
マウスピースが濡れたままだと細菌が繁殖しやすくなります。洗浄後は、しっかり乾かしてから専用ケースに収納しましょう。通気性の良い場所で自然乾燥させることが望ましいです。
高温になりやすい場所を避ける
マウスピースは熱に弱いため、直射日光が当たる場所や高温になりやすい場所で保管するのは避けましょう。また、小さな子供やペットが触れないよう、手の届かない安全な場所に保管してください。
まとめ
マウスピース型矯正装置による矯正治療(インビザライン*)の効果を最大限に引き出すためには、正しい取り扱い方法を身につけることが重要です。片側の奥歯から始めて反対側の奥歯も外し、最後に前歯部分を外すようにしましょう。無理に外すとマウスピースが変形したりアタッチメントが取れたりする恐れがあります。
装着する際は、前歯部分から行います。装着後にアライナーチューイーを数十秒噛めば、アライナーがしっかり密着します。
お手入れは、柔らかめの歯ブラシで軽くこすって行いましょう。定期的に洗浄剤を使用するとより清潔に保てます。洗浄後は水分をしっかり拭き取り、清潔なケースに保管しましょう。
マウスピース型矯正装置による矯正治療(インビザライン*)を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。