コラム

2024.08.18

歯医者での定期健診の必要性①

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

歯科検診のイメージ

今回は、定期的に歯医者に通い定期健診を受けることの必要性についてお話します。

みなさんは、普段どれくらいの頻度で歯医者に通っていますか?歯が痛くなったら?銀の詰め物やかぶせ物がとれたら?歯茎から出血したら?など痛みや症状が出てから歯医者に行く方が多いような気がします。

最近では、どこの歯医者も予防歯科が主流になってきています。予防歯科とは、虫歯にならないように歯周病が今以上に悪化しないように予防するためのことです。虫歯や歯周病の症状がでるまえに予防をしておくことで、お口の中の環境を改善する目的があります。

歯が痛くなってから歯医者に行くのではなく、定期的に歯医者に通うことがとても大切です。

定期健診の内容

歯科検診をしている様子

問診

定期的にきちんと歯医者に通っていても、歯がしみたり詰め物がとれてしまったりすることがあります。衛生士に何か気になることやお困りのことはなかったですか?と聞かれると思いますので、気になることがあるときは伝えておくといいでしょう。歯がしみる場合は、冷たいものの時か?熱いものの時か?詰め物がとれたのはいつか。など具体的に伝えてください。歯だけではなく、お口の中のことなら何でも大丈夫です。たとえば、最近よく口内炎ができる。とか、同じところをよく噛んでしまう。大きく口を開けると顎の音がなる。逆に大きく口を開けづらい。など、日常で気になることがあれば今後の治療のためにも衛生士にお伝えください。

お口の中の状態を確認する

衛生士がお口の中を確認します。歯・歯茎・嚙み合わせとともに、磨き残しなど確認します。当たり前のことだと思いますが、歯医者に行く前にはきちんと歯磨きをしてから行くようにしましょう。

虫歯のチェック

きちんと歯磨きをしていても、小さな虫歯が出来てしまうことはあります。定期健診に通っていれば、歯を削って治療するほどの虫歯ができることは少ないですが、小さい虫歯は、初期虫歯と言われ、自分でも気づくことができません。しかし削る必要のない程度の虫歯なら、フロスや歯間ブラシも使い正しい歯ブラシの磨き方をしていれば、歯の再石灰化(再石灰化とは、お口の中で唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給して、歯の表面のエナメル質の結晶を新しくしていき歯を元の健康な状態に戻していくこと)によって自然に初期虫歯はなくなります。

歯茎の状態

歯茎の腫れや出血・充血がないか確認します。健康的な歯茎の色は淡いピンク色で引き締まっています。それが、歯磨きがちゃんと出来てない歯磨きの回数が少ないと、歯茎が歯肉炎をおこしてしまい、赤く腫れたようになります。歯肉炎は、しっかり歯磨きを行えば緩和されますが、そのままで進行してしまうと歯周炎になってしまいます。歯周炎になると最終的に歯が抜けてしまう原因になります。

歯周ポケットの深さ

歯医者の定期健診に行くと、歯茎をチクチクされ、「2ミリ、3ミリ」と数字を読み上げていると思います。こればプローブという歯医者専用の器具を使って、歯周ポケットの深さを測っています。歯周ポケットの深さが1ミリ~3ミリ以下だと正常で健康的な歯茎です。4ミリ~5ミリですと軽度の歯周病です。軽度だと歯磨きをしっかり行えば健康な歯茎に近づけます。6ミリ以上になると重度の歯周病です。特に奥歯がしっかり磨けていないと、奥歯だけ歯周ポケットが6ミリになってしまいます。自覚症状は無くてもそのままだと歯が抜ける可能性が高くなるので注意とやはり定期的な歯医者で定期健診を行うのが重要だと思います。

歯茎からの出血の有無

歯周ポケットの深さの検査の時に、歯茎から出血をしているか確認しています。この出血のことをBOP(Bleeding on probing)と言います。プローブという専用器具で歯の溝を測ったあと、出血箇所があるとその部分の歯茎には炎症があることになり、歯周病になっているか、歯周病が前よりも悪化していることになります。歯周ポケットの深さの改善と同様に歯茎からの出血をなくすようにしなければなりません。

歯の動揺を確認

歯医者の基本のセットにあるピンセットを使って歯を一本ずつ掴み、歯に動揺(グラつき)がないか確認します。歯が動揺していると歯周病が進行し悪化していることになります。歯並びの治療中で矯正をしている場合は、歯を正しい位置に動かしているため歯周病になっていなくても歯が動揺しています。お口の中を見れば、矯正で歯が動揺しているのか、歯周病によって動揺にているのか分かります。矯正治療中の動揺は、矯正治療が終われば無くなりますので心配しないでください。

染め出し液で磨き残しのチェック

皆様は、定期健診で歯医者に行ったときに染め出し液を使ったことがありますか?

子供さんも場合は、歯磨きがちゃんと出来ているか確認するために使用しますが、大人の方でも染め出し液を使うことをおすすめします。染め出し液とは、歯磨きをしても残っているプラーク(歯垢)に色を付ける液です。磨き残しや、正しく歯ブラシがあたっていないところはピンク色に染まります。虫歯や歯周病にならないようにするには、プラークを歯に残さないように丁寧に歯ブラシをするのが大切です。今はドラッグストアにも染め出し液が売っていますので、定期健診の時以外でも、ご自身で磨き残しがないかチェックするといいと思います。

歯磨きの指導

歯医者での歯磨きの指導のことを、TBI (Tooth Brushing Instruction)といいます。衛生士が染め出し液でピンクに染まった箇所を、患者様に確認してもらい正しい歯磨きの仕方を教えます。患者様の歯並びや歯茎の状態などを考慮し、歯ブラシも持ち方や、歯に歯ブラシをあてる角度や力の度合い、歯の間の磨く方法などを指導します。染め出し液で染まった部分は、特に意識して磨いていくと虫歯や歯周病を防ぐことができます。

歯垢の除去

歯磨きをしても残ってしまう汚れはプラーク(歯垢)として歯についてしまいます。プラークは、食べた物のカスが歯についたままのことにより細菌のかたまりになった状態のことをいいます。プラークは、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスでも取り除くことが可能なので、丁寧な歯磨きをすることで除去ができます。

歯石の除去

プラーク(歯垢)を、歯磨きが不十分なため除去できていないと、歯垢は数日ほどで石灰化してしまいます。石灰化した歯垢のことを歯石といいます。歯石になってしまうと、普段の歯磨きでは取れません。特に磨き残しが多い歯の裏につくこと多いです。歯石は歯医者でしか取れませんので、定期的に歯医者への通院がとても大切です。

まとめ

カウンセリングを受けている女性

当院は、歯並びの治療に特化した矯正歯科医院のため、当院では歯の定期健診は行っておりません。しかし、矯正治療中は、お口の中に矯正の装置が入りますので、虫歯のリスクが高くなることがあります。矯正治療中は特にかかりつけ歯科での定期健診を受診し、お口の中の状態を健康で清潔に保つよう心がけるようにしましょう。