コラム

2023.10.20

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の費用はいくら?美しい歯並びのための投資

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

歯がきれいな女性

マウスピース型矯正装置(当院ではインビザライン※を採用)は、歯並びの矯正方法の一つとして注目されています。まだ歴史が浅い治療法のため、詳しくない方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)がどのような矯正方法なのか、どのくらいの費用がかかるのかを詳しく解説します。治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは?

インビザラインの説明

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、カスタムメイドのマウスピース型矯正装置です。ご自身の歯並びに合わせて作られたマウスピースを1日20〜22時間装着し、定期的に交換しながら歯並びを整えます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は1997年にアメリカで開発され、日本では2005年より利用が始まりました。2020年時点で世界100か国以上で採用され、900万人以上が治療を受けています。

2022年にはグッドデザイン賞を受賞するなど、非常に注目されている治療です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の特徴を、以下にご紹介します。

周りから気づかれにくい

従来の矯正、特にワイヤー矯正は、歯の表面に矯正器具が露出するため非常に目立ちました。

しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は透明なので、よく見ないとわからないほど目立ちにくいです。口元を見られる機会が多い接客業などに従事している方でも、気兼ねなく治療を受けられるでしょう。

着け心地がよい

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、患者さまの口内にフィットするよう設計されます。装着時の違和感が少なく、快適に使用できるでしょう。

快適なので、大人だけでなくこどもにも適しています。長時間の装着が容易なため、こどもの矯正治療にも利用されています。

食事の際の負担が少ない

歯科矯正をしている際の大きな悩みは、食事の制限や不便さです。従来の矯正器具では、食べ物が挟まることがありました。硬いものを食べる際は、破損することもあったでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は取り外しが簡単にできるため、外してふだんどおりの食事を楽しむことができます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)にかかる費用

電卓を見つめる豚

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討したときに気になるのは、費用でしょう。治療開始前から治療終了後までの各プロセスでの費用について、詳しく解説します。

ただし、費用は歯科医院や症状によって変動します。一括払いや分割払いの選択肢もあるため、具体的な金額を知りたい場合は、直接通う予定の歯科医院に確認しましょう。

治療前

治療前にかかる費用は、以下のとおりです。

カウンセリング

治療を開始する前には、通常カウンセリングが行われます。カウンセリングでは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できるのかを確認し、費用などを説明するのが一般的です。患者さまの疑問への回答なども行われるでしょう。

カウンセリングの費用は歯科医院によって異なります。10,000円程度かかる場合もあれば無料で行っている場合もあります。

検査

説明に納得したうえでマウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療を受けることを決意した場合、精密検査を行って治療計画を立てます。検査では、レントゲン撮影やCT撮影を行うほか、顔や歯並びの写真撮影、CTスキャンを活用した歯型採取が行われるのが一般的です。

検査の内容にもよりますが、費用の相場は10,000~50,000円程度です。

歯のトラブルの治療

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療は、健康な歯でないと行えません。例えば、虫歯や歯周病などのトラブルがある場合は、まず治療を行う必要があります。虫歯などの治療には保険が適用されるため、数千円程度でしょう。

歯に問題がなければ虫歯治療などの費用はかからず、すぐにマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を開始できます。

治療中

治療中にかかる費用は、以下のとおりです。

診察

治療が開始すると経過観察目的で1~2か月に1回の頻度で診察を受ける必要があります。治療中の平均的な診察費用は、3,000~10,000円程度です。

マウスピース

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の枚数に応じて、費用が変動します。600,000~1,000,000円ほどかかるでしょう。

保定期間

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療が終了したあと何も装着せずに過ごすと、歯が徐々にもとの位置に戻るリスクがあります。歯の位置を維持するために、リテーナーという保定装置を装着しましょう。

リテーナーの費用は10,000~60,000円程度で、保定期間中も定期的な診察が必要です。診察費用は1回につき3,000~5,000円程度となります。

保定期間は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正期間と同程度とする歯科医院が多いです。

ほかの矯正方法の費用と比較

比較する女性

歯科矯正の費用は、歯を動かす期間や矯正を行う歯の本数、部位などによって大きく変わります。矯正期間が長い場合や、多くの歯を矯正する場合は、費用も高くなる傾向があります。使用する素材によっても費用が変わるでしょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯にワイヤーを取り付けて行う方法です。全体的に歯を動かす治療が多いので、費用も高くなることが多いです。

ワイヤーを歯の表面に取り付ける場合は500,000~900,000円程度、裏側に取り付ける場合は900,000~1,400,000円程度が相場となっています。

アライナー型矯正装置

アライナー型矯正装置は、全体の歯を矯正する場合は400,000~10,00,000円程度の費用がかかることが多いです。上下の前歯を中心に矯正する部分矯正の場合、200,000~450,000円程度で治療が受けられる場合もあります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)には保険が適用される?

医療保険イメージ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正は自費診療となり、保険が適用されません。治療を受ける前に、医療機関でのカウンセリングを受けて、リスクや費用についての情報を十分に確認することが重要です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の費用を安くする方法はある?

疑問を持つ女性 

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の費用は、治療を提供する医療機関や地域、治療内容によって異なります。矯正にかかる費用を安くするための方法は、以下のとおりです。

複数の歯科医院で見積もり比較する

歯科医院によって、治療費用は大きく異なります。一般的に都心部の医院は、便利な立地から治療費が高く設定されることが多いですが、高度な技術や最新の設備を持つ医院も多く存在します。

一方、郊外の医院は、土地や家賃のコストが低いことから治療費を抑えられる可能性があります。

ただし、安さのみに惹かれて医療機関を決めた結果、医師の技量が不十分で希望どおりの治療が受けられないケースもあります。歯科矯正に関する高度な技術と知識、経験が治療結果に大きな影響を与えるのです。

矯正認定医や臨床士が在籍する医院は、専門的な矯正治療に関する知識や技術を持っているため、信頼性が高いといえます。治療費用のみを考慮するのではなく、医師の技量や経験、施設の設備など、多くの要素をバランスよく評価することが必要です。

医療費控除を申請する

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円(総所得金額等が2,000,000円未満の人は総所得金額等の5%)を超えたときに受けられる、所得控除制度のことです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を審美目的で行った場合は医療費控除の対象になりませんが、歯並びが悪いことで日常生活、あるいは歯の機能に悪影響が出ている場合は医療費控除の対象になります。また、審美目的でも治療費を医療ローンで支払った場合は、ローン契約が成立した年のみ医療費控除の対象となります。

モニターになる

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討している方に、モニター制度や割引キャンペーンを用意している歯科医院もあります。活用すれば、安く矯正治療を受けられるでしょう。

ただし、割引やモニターは、治療時間や治療のタイミングなどに条件を設けていることが多いです。症例写真として顔出しが必要なケースもあります。

複数の歯科医院を比較検討してご自身に合う制度やキャンペーンを見つけたうえで、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

インビザラインの費用

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療は、ほかの矯正治療と比べると費用が高額になることが多いです。

しかし、患者さまの負担がなく治療できるという点から考えると、コストパフォーマンスがよい治療といえるかもしれません。

また、さまざまな方法を活用すれば費用を抑えて治療を受けられます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の費用について悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.10.18

歯ならびと寿命の関係

歯ならびが美しいと見た目が良くなることはもちろんですが、歯の健康寿命が長くなるというメリットもあります。
歯列矯正で歯ならびを美しくすることで、なぜ歯の健康寿命が長くなるのでしょう。

歯ならびと歯の寿命の関係

高齢になるにつれて歯が失われていく多くの原因は、むし歯や歯周病にあります。適切な治療を行った場合でも、むし歯や歯周病等の症状の進行具合によっては、歯の寿命が短くなってしまうことがあります。
そのため、歯の健康寿命を長くしたい!とお考えの方はむし歯や歯周病のリスクを下げるために、普段の歯みがきや歯の定期健診、早期に治療を受けるという事を徹底的に行う必要があります。
その時に、歯ならびが悪い状態だと丁寧にブラッシングを行っていてもむし歯や歯周病になるリスクを下げることが出来ません。
歯ならびが悪い状態だと歯ブラシが届きにくい所だと、プラーク(歯垢)や食べかすを全て取り除くことは難しくなってしまいます。
そのため、歯ならびが悪いと歯のトラブルが起こりやすいリスクが高くなると言えるでしょう。
このようなことを防ぐためには、歯ならびを整えて磨き残しがなくなるようなお口の環境にすることが、歯の寿命を長くするために求められます。
歯列矯正は、見た目をよくすることだけではなく、日頃のブラッシングを行いやすくするためにも重要な治療になります。

歯ならびを整えて歯の負担を軽減することで、歯の寿命を伸ばすことができる?!

歯ならびを整え、噛み合わせによる歯の負担を軽減することで歯の寿命を伸ばすことができます。
実際に歯列矯正をお悩みの患者様の中には、歯ならびの見た目の問題だけではなく、噛み合わせのことでお悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
噛み合わせが悪い状態のままだと、食べ物を噛むときに力のかかる歯が固定してしまうので負担がかかる歯が極端になってしまいます。これは、歯の寿命が短くなってしまう原因の一つになります。
そのため、特定した歯だけに負担をかけないようにするには、歯列矯正で歯ならびを整える必要があります。

歯ならびの悪さと歯の寿命の関係

①  むし歯や歯周病のリスクが高くなる

歯ならびが悪いと歯磨きがしづらく、むし歯や歯周病になるリスクが上がるため、歯を早期に失う可能性があります。
歯が重なっていたり、歯の向きが傾いて生えていると、きれいに磨いたつもりでも磨き残しが残ってしまいます。
磨き残しが溜まっていくと、むし歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)と言われる細菌のかたまりになってしまいます。
むし歯や歯周病のリスクを避けるためには、毎日の歯ブラシでプラークを落とすことが大切になります。そのため、歯ならびが整っている方が歯磨きを行いやすくなります。

② 歯や歯肉に負担がかかる

歯ならびが悪いと、噛み合わせも悪くなることがあります。
噛む時に力が均等に伝わるのではなく、一部の歯だけに力がかかり負担が大きく変わってきます。
また、噛み合わせが安定していないことで、歯ぎしりや食いしばりの原因にもなります。
そうすると、負担の大きい歯の根にヒビが入ったり、割れてしまうリスクが高くなります。
歯ならびが悪いことで健康な歯を傷つけてしまい、歯を失う可能性があります。また、噛み合わせが悪いと歯だけではなく、歯肉にも負担がかかります。場合によっては、歯周病発症している方は歯周病の進行を早めてしまうリスクがあります。

③  しっかりと噛むことができない

歯ならびが悪いと食べ物を前歯で噛みちぎったりすることや、奥歯ですりつぶすことが困難になることがあります。
何歳になっても自分の歯でしっかりと噛むためには、普段のブラッシングはもちろんですが、歯ならびを整えてくことも重要になります。

予防歯科と治療の重要性

歯の予防歯科について

歯の予防歯科とは、定期的に一般歯科(患者さまのかかりつけ歯医者)に行っていただき、むし歯や歯周病などの病気が発症していないか、悪化していないかなどを検査・治療・指導を行うことです。
普段からお口の環境を整えておくことで、歯の寿命を長くさせることにも繋がります。皆様の大切な歯が失うリスクを低くするためには、定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことを当院ではおすすめしています。

歯の予防歯科の重要性

歯の予防歯科を行うことで、むし歯や歯周病のリスクを下げることができます。
定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことで、むし歯が出来ていたとしても、早くに発見することができます。なので、悪化してしまう前に治療することができます。
歯の予防歯科を受けていることで、普段から自分のお口の環境や状況を知ることができます。なので、歯科医師や歯科衛生士から適切な歯磨きの方法などを教えてもらうことで、将来的に歯を失うリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

皆さん、8020運動をご存知ですか?

80歳で自分の歯を20本以上残そう!という運動です。
この運動は、厚生労働省や日本歯科医師から推進されています。
大人の歯は全部で、28本(親知らずは含みません)あります。
自分の歯(天然歯)が20本残っているとおいしく食事をすることができ、さらに全身の健康にも繋がります。

歯の予防歯科のメリット

①  むし歯や歯周病を早期発見、防ぐことができる

初期のむし歯は痛みがなく、自分では気付きにくいことがほとんどです。
むし歯で歯に痛みを感じた時には、かなり進行していることが多いです。
歯周病は、痛みを感じることなく進行します。
気が付いたころには歯がグラグラしているということも珍しくありません。
ですが、定期的に予防歯科に通うことでむし歯や歯周病を早期に発見することができ、早期に治療することが可能です。
また、歯周病の主な原因である歯石を定期健診で取ることにより、歯周病が進行しにくい状態を作ります。

②  健康な歯を維持することができる

歯は一度失ってしまうと、二度と元に戻ることはありません。
歯を健康な状態で長持ちさせるためには、歯を削らない・詰め物が入っていないということも大事なことです。
歯を失ってしまうと、食べることができる食べ物が減り、食事の楽しみも失ってしまいます。食事はQOL(生活の質)の向上にもつながるので、自分の歯を健康に保ちましょう。

③  見た目が美しくなる

歯科医院でブラッシングや歯石除去を行うことで、歯に付着しているプラークや歯石を取り除くことができます。
そのため、歯の表面の汚れが落ちて見た目も美しくきれいになります。

④  歯に痛みを感じて苦しむことが少なくなる

定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことで、早期にむし歯を発見することができます。
そのため、むし歯で歯が痛くなってから気が付くのではなくて済みます。

⑤  全身の病気の予防につながる

むし歯や歯周病はお口の中だけではなく、全身の病気にも関わります。
特に、高齢者の方に多い誤嚥性肺炎は、歯周病と大きな関係があります。
さらに、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼすことが分かっています。
このように、お口の中の菌は全身の病気と関わりがあるので、お口の中をきれいに保つ必要があります。

歯科治療について

歯科の治療は主に、
1, むし歯に対する治療
2, 歯の周りの組織の炎症(歯肉炎、歯周炎)に対する治療
3, 喪失した歯を補う治療(補綴)に分かれます

歯科治療の重要性

これからの歯科医療では、歯が痛くなってから治療するのではなく、お口の中の病気をあらかじめ予防することが重要視されています。
将来的なお口のトラブルを未然に防ぐことによって、生涯にわたり健康な状態を保つことができると考えられています。
生涯にわたって自分の歯で噛むことが出来るという状況が健康寿命を達成するひとつの要因になると考えられていますが、歯科治療の重要性はまだまだ認知されていないのが現状です。

まとめ

歯の噛み合わせを改善することで歯の寿命が長くなるので、年齢に関わらず歯を大切にするためにも一度歯科医院で歯ならびをチェックしてみるのも良いかと思います。
当院では、歯ならびの初回相談無料(30分)で受け付けておりますので、気になる方は是非ご予約お待ちしております。

2023.10.13

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を選択して後悔した例!治療開始前に知っておくこと

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療は、透明なマウスピースを使用するため人気がありますが、後悔する方もいます。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を始める前に、後悔する原因やリスクを知るとよいでしょう。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療して実際に後悔した例と原因をご紹介します。デメリットやリスクについても言及しますので、矯正治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を選択して後悔した例

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療して後悔した例と、原因をご紹介します。

予定よりも治療期間が長くなった

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、専用のソフト「クリンチェック」を使用することで、歯並びがどのように整うのか3Dのシミュレーションで確認できます。精密な治療計画が立てられるので、治療開始前に治療期間も確認できるのです。

ただし、シミュレーションどおりに矯正治療を進めるには、マウスピースの装着時間や装着方法をしっかりと守らなければいけません。治療前に治療期間や費用を把握できても、装着時間や装着方法を守らないと予定よりも治療期間が延びるのです。

治療期間が延びると、診察回数やマウスピースの枚数が増加します。予定していたよりも費用がかかり、後悔するかもしれません。

噛み合わせが悪くなった

矯正治療の途中で、噛み合わせが悪くなったと感じることがあります。矯正治療を進めて予定していた位置に歯が動けば、噛み合わせの悪さは改善されるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療は、マウスピースを装着して歯に矯正力をかけることで歯並びを整えます。マウスピースの装着時間が短すぎる場合や、マウスピースの装着が不適切な場合、予定していない位置に歯が動くことがあります。誤った方向に歯が動くと、噛み合わせが悪くなるでしょう。

噛み合わせの悪さを改善するために追加でマウスピースが必要になると、治療期間と費用が余分にかかります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療したことを後悔しないよう、マウスピースの装着時間だけでなく、装着方法も守ることが大切です。

歯並びの中心がズレた

マウスピースの装着方法が間違っていることや、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療後にリテーナーをつける時間が短いことが原因で、歯並びの中心(正中)がズレることがあります。

治療後、歯並びが整ったからと自己判断でリテーナーの装着を中断してはいけません。リテーナーは、矯正治療直後の歯列を固定するための重要な装置です。

矯正治療が終わった直後の歯は不安定な状態のため、歯科医師に指示されたとおりにリテーナーを装着しなければなりません。リテーナの装着を怠ると、歯がもとの位置に戻る後戻りが起きます。

矯正治療中は、歯科医師の判断に従うことはもちろん、定期的に歯科医院を受診して問題がないか確認してもらう必要があるでしょう。

歯茎が下がった

マウスピースによる矯正力が強すぎた場合、歯に大きな負担がかかって歯茎が下がることがあります。マウスピースの装着時間を守ることを前提に計画が立てられます。

しかし、マウスピースの装着時間が短く、歯が適切な位置に移動していない状態で新しいマウスピースに交換すると、過度な矯正力が歯にかかって歯茎が下がるのです。

歯茎が下がると、知覚過敏になりやすいだけでなく、歯の根が露出することで虫歯のリスクも上がります。歯が長く見えて、見た目も悪くなるでしょう。

歯並びや噛み合わせに満足できなかった

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療したものの、歯並びや噛み合わせの仕上がりに満足できず後悔することもあります。

マウスピースを自由に取り外せることから装着時間が短かった場合や、間違った方法でマウスピースを装着していた場合、歯が正しい位置に動きません。理想としていた歯並び・噛み合わせにならなかったと後悔する可能性があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療では、クリンチェックによるシミュレーションを患者様と歯科医師が一緒に確認できます。

しかし、理想とする歯並びのイメージを共有できていなければ、歯並びや噛み合わせに納得できず後悔するでしょう。カウンセリングや精密検査、クリンチェックによるシミュレーションなど、歯を動かす治療に入る前に歯科医師と密にコミュニケーションを取ることが重要です。仕上がりのイメージをしっかり共有しましょう。

特に、細かな要望がある方は、歯科医師に任せっきりにせずシミュレーションの段階で遠慮なく伝えてください。

治療後に歯が後戻りした

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を含めた矯正治療は、歯を動かす期間だけでなく、歯の後戻りを防ぐ保定期間も大切です。保定期間中は、矯正治療で使用するマウスピースとは異なるリテーナーとよばれる保定装置を装着します。

しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療が終わって歯並びが整ったからと、自己判断でリテーナーの装着を中断する方がいます。保定期間中も通院する必要がありますが、通院を怠る方もいるでしょう。

リテーナーの装着を中断する、定期的な通院を怠るなどすると、歯が後戻りする可能性があります。矯正治療で整った歯並びを安定させるには、保定期間が重要です。リテーナーの装着時間も守って、しっかりと歯の位置を固定しましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療をして後悔しないためには

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療はワイヤー矯正と異なり、患者様が主体となって治療を進める必要があります。患者様の努力次第で治療の仕上がりに差が生まれるといっても過言ではありません。

治療を後悔しないためには、以下の4つのポイントに気をつけましょう。

マウスピースの装着時間を守る

使用するマウスピースは、自由に取り外せます。患者様自身で装着時間を意識しなければ、定められた装着時間よりも短くなるでしょう。

1日20〜22時間と、1日のほとんどの時間をマウスピースを装着して過ごさなければいけません。装着時間が20時間よりも短い日が続くと、噛み合わせが悪くなる、治療の仕上がりに満足できないなど、後悔につながります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療中は、歯磨きや食事のとき以外は極力マウスピースを外さないようにしましょう。

適切にマウスピースを装着する

マウスピースを適切に装着することも大切です。マウスピースが歯の根元まで装着できていない場合や、ズレた状態で装着している場合、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えて治療を後悔するかもしれません。

マウスピースがズレていないか・浮いていないか確認する、チューイーを使用するなど、ご自身でマウスピースの装着方法を見直しましょう。

治療中は決められた頻度で通院する

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療は、患者様自身でマウスピースを交換しながら治療を進めます。

しかし、1~2か月に一度程度は、治療の進行度を確認するために通院しなければなりません。口内の状態によっては、マウスピースの調整や追加が必要になることもあるでしょう。

特に、マウスピースの調整や追加をしたあとは、指示された通院頻度を守ってください。歯科医師に経過を確認してもらわなければ、治療がうまく進まない可能性があります。

後悔しないためには定期的な通院も重要なので、歯科医師の指示に従ってください。

保定期間をおろそかにしない

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療後は、定められた期間リテーナーを装着することも重要です。リテーナーを装着する期間は、矯正治療にかかった期間と同程度とする歯科医院が多く、保定期間が長ければ長いほど歯が後戻りしにくいといわれています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯並びが整っても、後戻りしては後悔するでしょう。歯科医師の指示に従って、きちんとリテーナーを装着してください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療のデメリット・リスクを知ろう!

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を後悔しないためには、デメリットとリスクも知ることが重要です。デメリットとリスクは、以下のとおりです。

マウスピースの装着時間や装着方法に仕上がりが左右される

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療は、自由にマウスピースを取り外せることがメリットです。

しかし、マウスピースの装着時間など自己管理ができなければ、予定していた期間で治療が終わりません。マウスピースが浮いている・ズレている場合は、最適な位置に歯が動かず、歯並びや噛み合わせが整わないでしょう。

患者様の努力次第で治療の仕上がりに差が生まれるのです。

治療できない症例がある

マウスピースを交換しながら徐々に歯を動かす治療なので、歯を大きく動かす必要がある場合、対応できないかもしれません。重度の叢生や出っ歯など、ワイヤー矯正のほうが治療がスムーズに進むケースもあるかもしれません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療のメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、矯正治療中であることを知られたくない方や、痛みを避けたい方、虫歯や歯周病が気になる方に選ばれています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療のメリットは、以下のとおりです。

透明なマウスピースを使用するので目立たない

薄く透明なマウスピースを使用します。歯茎のラインに沿ったデザインなので、治療中であることに気づかれる可能性が低いです。

虫歯や歯周病のリスクが低い

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯磨きや食事の際に取り外せます。ふだんどおりに歯磨きできるので、ワイヤー矯正よりも虫歯や歯周病になるリスクが低いでしょう。

まとめ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療では、患者様自身でマウスピースを管理する必要があります。マウスピースの装着時間が短いと、治療期間が延びる、仕上がりに満足できないなど、後悔することがあるでしょう。

しかし、矯正治療を後悔する原因は、患者様の努力次第で解消できます。治療を後悔しないためには、きちんとマウスピースを管理し、定期的に通院することが大切です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.10.11

歯列矯正治療と楽器(吹奏楽)

今回は、歯列矯正治療をしながらでも楽器の演奏や、吹奏楽部に入っても問題ないか?についてお話していきます。つい先日も、歯並びの相談に来院された小学高学年の保護者の方が「中学で吹奏楽部に入部したいと言っているので矯正しながらでもできるか聞きたい」とおっしゃっていました。文化部の中でも最近は特に、吹奏楽部が人気なようで当院に通われている方の中でも吹奏楽部に入部して楽器を演奏しておられる方が多くいます。そして必ず聞かれるのが、楽器の演奏は可能ですか?中学生や高校生になったら吹奏楽部に入部をしたいと思っていますが、矯正の装置が入っていても演奏できますか?吹奏楽部の顧問の先生に、歯並びの矯正治療中なら矯正の先生に楽器の相談をするように言われましたが大丈夫ですか?止めておいたほうが楽器はありますか?など聞かれることがあります。吹奏楽部に入ると学校に置いてある楽器ではなく、新しく自分専用の楽器を購入するご家庭も多いので、事前にしっかり確認をする必要があります。私の家族も吹奏楽部に入っていましたが、入部後に楽器を購入しました。かなり高額なお買い物になりました。今、歯列矯正治療中の方や、これから治療をお考えの方で楽器(吹奏楽)を演奏される方の参考になればと思います。

吹奏楽部でも装置はできる?


基本的には、矯正の装置がついていても問題ないと思います。とくにお口を使って演奏をしない楽器(ドラム・ピアノ・ギター・ベースなど)は、歯並びの治療をしていても問題なく演奏できます。問題が出るとしたらお口をつかって演奏する楽器(トランペット・トロンボーン・サックス・クラリネット・フルート・ホルン・オーボエなど)は、矯正の装置があたって口内炎になってしまい、音が上手く出せないこともあります。また、お口と楽器が触れない楽器(バイオリン・ビオラ)などは、楽器を顎に挟んで演奏するため、顎の噛み合わせに影響が出てしまい、顎関節症になる可能性もあります。歯並びの不正咬合の種類によって避けておいたほうがいい楽器もあります。

吹奏楽部に入部するとき


中学や高校に進学してから、部活動で吹奏楽部を希望されるときは、まず矯正の主治医にご相談をお願いします。また、吹奏楽部の顧問の先生にも、歯並びの矯正をしているとお伝えください。主治医に相談し顧問の先生にお伝えしてから希望する楽器を演奏できるか確認をとることがとても大切です。最近は、希望の楽器を事前に3つほど候補をあげてから決まるみたいですが、矯正の装置がついていると演奏に影響がでることがありますので注意が必要です。

装置をつけることで影響があること

①音が出しにくい

お口を使う楽器の演奏は、楽器を吹くときの舌の動き・唇の動き・頬の動きなどとても繊細な動きをして音を奏でます。歯並びの矯正の様々な装置は、お口の中につきますので慣れるまでは音(特に高音)が出しにくくなります。楽器によって慣れる間隔は変わります。また、矯正の為に抜歯をした場合は、抜いたところから空気が漏れてしまい音が出しにくくなることがあります。

②装置があたって口内炎になる

ワイヤー治療をしている場合は、唇に楽器を押し付けて吹くような楽器(トランペットやトロンボーンなど)を吹くときに、唇を強く楽器のマウスピースに押し付けるため、口内炎になりやすくなります。お渡ししている透明のワックスをつけることで口内炎は防ぐことが出来ます。

③装置を外したあとも影響がでる

矯正の装置をつけての演奏に慣れていると、今度は装置を外した時に違和感があり演奏に影響がでることもあります。また、矯正の装置が外れても保定装置をつけないといけません。装置を外したあともしばらく慣れるまでは、演奏に影響がでることがあります。

不正咬合の種類と楽器の種類


吹奏楽で使われる楽器には、木管楽器と金管楽器がありそれぞれにシングルリード・ダブルリード・リップリードなどがあり、不正咬合の種類によっては避けたほうがよいものがあります。
例えば、吹奏楽部で人気の楽器のクラリネットやサックスは、シングルリードの木管楽器ですが、吹くときに下の唇を軽く巻き込むようにして下の歯の上にかぶせ楽器のマウスピースを置き上の前歯にあて上の唇をさらに覆いかぶせるようにして演奏します。上顎前突(出っ歯)や開咬の不正咬合があると歯並びを悪化させるうえ、矯正治療中の場合は治療の妨げになることもあります。また、トランペット・トロンボーンは、リップリードの金管楽器ですが、吹くときには、楽器のマウスピースを唇に強く押し当てるため、叢生(歯並びがガタガタ)や過蓋咬合(噛み合わせが深い)の不正咬合の場合は、口内炎になりやすいうえにうまく楽器が吹きにくいなど影響がでることがあります。

矯正装置で楽器が吹けない?


当院の患者さんのお話ですが、「ワイヤー治療を始めた後に吹奏楽部に入部しトロンボーンを吹いているが部活動に支障がでる。装置にあたって血がでて口内炎になってしまう。装置を一旦取れないか?」と、おっしゃる患者さんが一人だけおられました。保護者同伴で相談をしこの患者さんは、ワイヤー治療からマウスピースでの治療を選択しその後は問題なく部活動が出来ていました。楽器や付けている装置によって、支障がでることがありますので、矯正治療の主治医にご相談をお願いします。

マウスピースでの治療なら影響がない?


歯の表側に装置がつくワイヤー治療よりも、取り外しが可能なマウスピースでの治療のほうが、楽器を演奏するのは影響がないようです。矯正の装置と楽器があたってできる口内炎のリスクも少なく、舌・唇・頬の動きにも影響が少ないと思います。ただし、マウスピースでの治療は全ての方の不正咬合に適応していないため、マウスピース治療が行えない場合があります。

こんな時はお知らせください!


歯並びの矯正治療中でも、楽器を演奏することは問題ありませんが、ワイヤー治療中にワイヤーを交換したときの痛みがでてしまう、新しい装置をつけると違和感がさらに増してしまうことがあります。コンクールなどの大会の前や、定期演奏家などの発表会の前などはさけて治療することは可能なので、お気軽に矯正治療の主治医やスタッフにご相談ください。

2023.10.06

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療でアタッチメントを装着する理由、注意点も解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインのマウスピースを持って笑う女性

マウスピース型矯正装置(当院ではインビザライン※を採用)では、アタッチメントという突起を歯に装着する場合があります。アタッチメントを装着する理由や装着期間など、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

今回は、アタッチメントの概要や装着する理由、種類などを解説します。装着した場合の注意点などもご紹介するので、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

アタッチメントとは?

顎に手を当てて考える男女

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)におけるアタッチメントとは、歯に近い白色でできた合成樹脂の突起です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を進めるうえでアタッチメントが必要だと判断された場合に、直接歯に接着して使用します。

アタッチメントの素材は、レジンという合成樹脂です。アタッチメントは歯の表面に接着されるので、唇や舌が触れると少し違和感があるでしょう。

しかし、ふだんはアタッチメントの上にマウスピースを装着します。アタッチメントによる違和感はほとんどないでしょう。色も歯と近いので、それほど目立ちません。

アタッチメントを装着する理由は?

WHYと書かれた木のブロックを机に並べる

アタッチメントを装着することで、歯にかかる力を細かく調整できます。歯に加える矯正力を強め、効率的に歯を動せるのです。

アタッチメントの役割は、マウスピースを固定することと、歯に矯正力を加えることの2つに分けられます。

マウスピースを固定する

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、患者様一人ひとりの歯並びに合わせて作られます。そのまま装着してもしっかりはまりますが、アタッチメントを装着することでマウスピースを固定する力が強まるでしょう。

アタッチメントがフックの役割を果たし、マウスピースが浮くことを防ぐのです。

歯に矯正力を加える

アタッチメントにはさまざまな形状があり、設置する場所や形・個数によって、歯にかかる矯正力をコントロールできます。歯を動かしたい方向に正確に動かせるように、アタッチメントを選択します。

マウスピースだけでは対応できない3次元的な歯の移動を可能にするのです。

アタッチメントの種類は?

インビザラインを持って笑う女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のアタッチメントの種類は大きく分けて、最適アタッチメントと通常アタッチメントの2つです。

最適アタッチメントとは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を作製するアライン・テクノロジー社から提供されます。治療計画を立てる際に同時に配置や形を決め、作製されるアタッチメントです。

通常アタッチメントは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を進めるなかで、歯科医師が必要性を判断して取り付けるアタッチメントです。

それぞれに種類があるので、詳しく解説します。

最適アタッチメントの種類

最適アタッチメントの種類は、以下のとおりです。

オープンバイト用最適アタッチメント

オープンバイト(開咬)は、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯にすき間ができる歯並びです。オープンバイト用最適アタッチメントは、オープンバイトの治療に用いられるアタッチメントを指します。

上の前歯にアタッチメントを装着し、歯を引っ張り出す(挺出させる)力を加えます。

ディープバイト用最適アタッチメント

ディープバイト(過蓋咬合)とは、噛み合わせが深い歯並びのことです。奥歯を噛み合わせたときに、上の前歯が下の前歯を覆います。

ディープバイト用最適アタッチメントは、ディープバイトの治療に用いられるアタッチメントです。下の前歯にアタッチメントを装着し、歯を引っ張る(挺出させる)力を加えます。

ルートコントロール用最適アタッチメント

すきっ歯や傾いている歯などの治療に用いられるアタッチメントです。歯の根の部分の動きを助けます。1本の歯に2つのアタッチメントを装着して使用します。

回転用最適アタッチメント

捻れて生えている歯の治療に用いられるアタッチメントです。歯の捩れを正しい向きに動かします。

アンカレッジ用最適アタッチメント

歯の移動量が大きい症例に用いられるアタッチメントです。抜歯が必要な重度の不正咬合などは、歯の移動量が大きくマウスピース型矯正(インビザライン※)には不向きとされていました。

しかし、アンカレッジ用アタッチメントが登場したことで適切に力を加えられるようになり、矯正可能になる症例が増えました。抜歯をして生まれたスペースに、両隣の歯が倒れないように設計されています。

通常アタッチメントの種類

通常アタッチメントの種類は、以下のとおりです。

・長方形アタッチメント

・傾斜付長方形アタッチメント

・楕円形アタッチメント

装着する位置や個数は、患者様の口内や歯並びの状態を考慮して歯科医師が判断します。

アタッチメントの装着期間は?

黒い机に置かれた茶色のカレンダー

アタッチメントは、基本的に矯正をしている間装着します。矯正開始と同時に装着し、終了と同時に外すのが一般的です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正の場合、矯正期間は少なくとも1〜2年なので、同じ期間アタッチメントを装着するでしょう。

矯正治療には、2つのステージがあります。歯を動かす動的期間と、並んだ歯の位置を固定させる保定期間です。一般的に、動的期間のことを治療期間と表現します。

アタッチメントは、動的期間に装着します。歯を並べ終えたあとの保定期間には必要ありません。

アタッチメントをつけた場合に注意すること

手のひらを前に出して注意マークを見せる女性

アタッチメントを使用する場合に注意することは、以下のとおりです。

丁寧に歯磨きをする

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯磨きの際に取り外せます。歯の清潔を保ちやすいとされていますが、アタッチメントの周囲に汚れが溜まらないように注意しましょう。

アタッチメント部分の凹凸にしっかり歯ブラシが当たるように磨いてください。

色の濃い飲食物を控える

アタッチメントを装着しているからと食事制限をする必要はありませんが、アタッチメントは合成樹脂なので着色しやすいです。コーヒーやお茶、カレー、赤ワインなど、色の濃い飲食物は控えましょう。

色の濃いものを飲食した場合は、早めに歯磨きしてください。難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。

マウスピースの着脱を丁寧に行う

アタッチメントを装着していると、マウスピースの着脱の際に爪などが引っかかることがあります。痛みやアタッチメントが外れる原因になるでしょう。

マウスピースは、奥歯側からゆっくりと外してください。着脱方法は、歯科医院でしっかり指導を受け、難しい場合は相談しましょう。

アタッチメントが取れたらどうしたらいい?

男性患者の口の中を確認する女性医師

アタッチメントが取れた場合は、早めに装着し直す必要があります。外れた状態が長期間続くと、計画どおりに矯正治療が進みません。

アタッチメントが取れたときはすぐに歯科医院に連絡し、対応を相談してください。アタッチメントを装着したばかりの段階では、装着し直すことが多いでしょう。治療終了間際など、状況によっては付け直さないこともあります。

いずれの場合も、自己判断はしないでください。早めに歯科医院に連絡しましょう。

まとめ

インビザラインを専用のケースに片付ける女性の手元

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正では、歯を効率的に動かすためにアタッチメントという突起を歯に装着することがあります。

アタッチメントを装着することで、スムーズに矯正治療を進められるでしょう。アタッチメントの役割も含めて治療計画が立てられるので、外れた場合や、不具合があった場合は、早めに歯科医院に連絡しましょう。装着し直すなど、適切に対処してもらう必要があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.10.04

歯列矯正治療中に引っ越し・留学するとき

今回は、歯列矯正治療中にお仕事や進学等で、引っ越しや海外に留学する場合、歯列矯正治療をどうすればいいのかお話します。
歯並びを整えるための歯列矯正治療は、一般の歯医者さんで治療する虫歯や歯周病とは違って、治療の期間が数年かかるなどで長期間になります(大人の方の場合でも2年~3年)。治療を始めるときは、引っ越しなどないと思っていても数年治療で通う間に、転勤や異動での引っ越し・進学するときの引っ越しなどは、長期にわたる歯列矯正治療では出てくる問題になります。

また、当院の近くには、神戸市外国語大学があるため、歯列矯正治療の途中で海外に留学される方も多くおられます。今の治療を中断・中止して、引っ越し先で治療を再開することを転院(てんいん)もしくは転医(てんい)といいます。基本的に転医は可能ですが、治療の内容によっては転医先で同じ治療ができないことがありますので注意が必要です。

転医するときの注意点

①同じ治療は行えない

歯列矯正治療で使われている装置には、同じようにみえても沢山のメーカーや種類があります。先生によって使用する矯正の装置が違うため、今の治療のまま転医先の医院で引き続き同じ治療ができないのです。ワイヤー治療の場合だと、転医前に一度全部装置をとってしまい、歯が後戻りしないように仮の保定装置をお渡しし、転医先で新たに治療していただくということになります。マウスピース治療の場合は、転医先で新たに再スキャンをする必要があります。

②舌側矯正の場合

舌側矯正とは、歯の裏側にワイヤーをつけて治療することで前からワイヤーが見えず目立たないワイヤー治療のことをいいます。舌側矯正の途中でも転院は可能ですが、通常のワイヤー治療と違って、そもそも舌側矯正治療を取り扱っていない医院が多く、転院先が決まらないこともありますので注意が必要です。

③手術予定の治療をしている場合

顎変形症などで、術前矯正治療を行っている場合も、転医が難しくなります。なぜなら、術前矯正治療は、手術を担当してくださる総合病院の口腔外科と連携して治療をおこなっています。口腔外科で手術日が決まるとその日に合わせて矯正治療も進めています。治療途中で転医をすると治療が遅れてしまい、手術日に間に合わなくなってしまいます。術前矯正治療中は、連携している総合病院の手術スケジュールもありますので、途中での転医が難しいです。

治療途中で転医する場合のリスク

①治療費が再度必要

歯並びを整える歯列矯正治療の料金は、各医院によって違います。転医の際は、当院のそれまでの治療費は一旦精算しますが、転医先の医院で治療費が再度必要になります。医院によって治療費の他に調節料などが必要な場合もありますので、転医先の医院でご相談ください。

②転医する医院を探す必要がある

引っ越し先によっては、当院からご紹介できる地域もありますが、そうでない場合は、ご自身で引き続き治療をしてくださる医院を探していただかなければなりません。手間も労力もかかってしまいます。引っ越し後は何かと他にも手続きが多くあり、転医先を探す暇もしばらく無いかもしれません。

③治療が長引いてしまう

歯列矯正治療を途中で止めていますので、次の治療を始めるまでの期間が開いてしまい、そのために、そもそもの治療期間がさらに伸びて治療が長引いてしまいます。矯正治療は、歯に少しずつ力を加えて動かしていく治療です。もし、途中で数か月ほど動かす力が歯にかからなければその間は全く治療が出来ていないことになります。結果、当初の予定よりも治療期間が長くなってしまいます。

転医(転院)の流れ

もし、引っ越しの可能性がある場合、他県への進学を考えている・転勤になりそうなど、分かった時点で早めに主治医にお伝えください。転医の手続きと引っ越しまでの矯正治療の方針を決めていきます。転医資料の作成や、治療費の精算も行います。転医資料をお作りするのにはお時間をいただいておりますので、引っ越しをする可能性がありましたら、お早めにご相談ください。お引っ越し先によっては、当院からご紹介できることもありますので、あわせてご相談ください。治療費の精算、転医資料の確認とお渡し、診療情報提供書などお渡しいたしますので必ずご来院をお願いします。(未成年の方は保護者同伴)
引っ越し後、転医先にご連絡のうえ相談のご予約をお取りいただき矯正の治療を再開してください。

転医する場合の治療費について

転医する場合は、当院規定により矯正治療費の精算をいたします。転医の際は、転医資料代(大阪大学病院諸料金に準じる)が別途必要になります。また、海外へ転医の場合は転医資料代の他に別途費用がかかります。なお、精算時に計算の結果、金額がマイナスの場合は患者様から当院にお支払いいただきます。詳しくは同意書をご確認ください。

海外への留学の場合

先にもお話したように、当院の近くには神戸市外国語大学がありますので、通われている学生の方の矯正治療も多いです。外国語大学に通われていると、数か月海外へ留学されることが多いため、いつから留学予定なのかを確認し、治療方針を決めていきます。長期間の留学の場合、一度、治療を中断し装置を外して仮の保定装置をお渡しすることもあります。(治療方法によって異なる)帰国しましたらご連絡をいただき予約をして治療を再開します。

進学・就職前の場合

まだ、歯列矯正治療を受ける前で、進学や就職で県外に行く可能性がある場合は、進学先や就職先が決まってから歯列矯正治療を始められるのをお勧めしています。歯列矯正の治療は数年かかることが多いため、通院回数が多くなりますのでお近くで治療を始めた方が金銭面でも良いかと思います。当院ですでに歯列矯正治療中の方で、高校や大学で県外に引っ越される方、就職後に転勤で県外に引っ越される方で、通院が困難であれば転医手続きをさせていただきます。ちなみに通院間隔は、通常のワイヤー治療で月一回、マウスピース治療の場合二か月に一回通院していただきますが、月一回なら…と遠方に引っ越されたあとも転医せずに通われている方もおられます。転医をするか、そのまま通って治療を継続するかは主治医とご相談していただければと思います。

まとめ

歯列矯正治療を始めると数年装置をつけなければなりません。通っていただく期間が長くなりますので、その間に引っ越しや留学で治療を中断する必要があれば、お早目に当院の主治医にご相談ください。最適な方法を決めていただければと思います。

2023.09.27

マウスピース治療での注意点(食べ物編)

前回の(飲み物編)に続き、今回はマウスピースで歯列矯正治療での注意点(食べ物編)です。まず、マウスピースで歯列矯正治療をする際、マウスピースのことをアライナーといいます。前回は、飲み物でアライナーが黄ばんでしまうことと、アライナーをつけている時に飲んではいけないものなどを、お話しましたが、食べる物(食事)も黄ばみの原因になります。基本、アライナーをつけている時は、食べることは出来ません。私自身、マウスピースで歯列矯正治療をしていたので、実際にアライナーをつけている時に、食べられるか食べられないか色々試してみましたが…結果何も食べられませんでした。アライナーをつけていると、歯がすべてアライナーに覆われているので奥歯が滑って噛み合いません。歯が噛み合っていないと食べ物が噛めないのです。柔らかいパンやうどんなど試してみましたが、噛めずに吐き出した記憶があります。キシリトールのガムも全く噛めませんでした。アライナーをつけている時に口に出来るのは、お水のみです。食事をする際・お水以外の飲み物を飲む時は必ず、アライナーを外してください。緑茶や麦茶などは飲んでも構いませんが、アライナーが黄ばむ原因になりますので出来れば避けていただくといいと思います。アライナー生活を機に、お水を飲む習慣がつけば健康面でもオススメです。

アライナーを外すのは食事と歯磨きの時だけ


マウスピースでの歯列矯正治療は、アライナーを一日22時間つけることで少しずつ歯を動かし歯並びを治療していきます。一日22時間ということは、一日のうち2時間ほど外せれる時間があります。この2時間は、食事と歯磨きの時間です。食べ物を食べる時と、歯を磨く時だけはアライナーは必ず取らないといけません。2時間でも矯正の装置が自分で外せることが出来るのが、マウスピース矯正のメリットだと思います。しかし、この2時間という時間、長いと思いますか?短いと思いますか?歯磨きが一回5分だとして、朝晩で歯磨きの時間は10分です。ということは、残り110分で、朝昼夜のご飯を食べる計算になります。朝ご飯とお昼ご飯はそれぞれ30分で食べられるかもしれませんが、夜ご飯のときは、ついテレビを見たり、スマホを見たりしてダラダラしてしまい1時間以上経過していることがありませんか?この時点ですでに、『一日22時間つける』が守られていません。このアライナーをつけていない時間は、歯に負荷がかかっていないため歯は正しい位置に動いていないのです。逆に元に戻ろうとしてしまい、だんだんアライナーが合わなくなったり、歯からアライナーが浮いてしまったりしてしまいます。つける日数は守っていても、つける時間を守れていないと、新しいアライナーに交換した時に入らない・合わない・浮いている原因になります。

食べる時にアライナーを外す理由

①アライナーが壊れてしまう

アライナーをつけたまま食事をしてしまうと、噛む衝撃でアライナーが歪んでしまったり変形し割れてしまうなど壊れてしまうことがあります。食事をするときは必ずアライナーを外すようにしてください。

②アライナーが黄ばんでしまう

アライナーをつけたまま飲食をすると、透明なアライナーが黄ばんでしまいます。特にカレーライスを食べたあとは、どんなに歯磨きをしてもアライナーが黄ばみます。マウスピースで歯列矯正治療をしているときに、カレーライスなど着色がつきやすい食事はアライナーの交換前(できれば二日前ぐらい)に食べると、黄ばみも減って清潔にお使いいただけます。

③虫歯になってしまう

マウスピースでの歯列矯正治療で使われているアライナーは、歯をすべて覆っているためそのままで食事をしてしまうと、食べたものが詰まったり挟まったりします。そのままだと虫歯になってしまいます。そもそも、アライナーをつけたままでの食事は出来ません。キシリトールのガムもアライナーをつけているときは噛めませんのでお気をつけください。

食事後に気をつけること

歯が動き始めると、歯と歯の間に隙間ができてきます。この隙間に食べ物が挟まるようになります。繊維質な食べ物(鶏肉・長ネギなど)がとくに挟まりやすく、一度挟まると舌の先や指ではなかなか取ることが出来ず、かなり不快になります。細いパスタの麺などはそのままの形で挟まることもありますし、ゴムを掛けるボタンにも食べ物が引っ掛かりやすくなります。食べ物が挟まったままでアライナーをつけると、虫歯のリスクが高くなりますし、アライナーが合わなくなってしまいます。食事後は、アライナーをつける前に必ず歯磨きをしてください。歯ブラシだけでは、挟まった食べ物はとれないので、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間に挟まった食べ物とって歯磨きをし、歯列矯正治療中はとくに丁寧に歯磨きをすることを習慣づけていただくようにしてください。

間食や外食時に気をつけること


アライナーをつけている時は食べられませんので、間食(おやつなど)をする時もアライナーは外さないといけません。実際、私がマウスピースで歯列矯正治療を始めて一番大変だったのが、この食べる時に取ったり外したりすることでした。お菓子を食べるために、アライナーをとってお菓子を食べ、食べ終わったら歯間ブラシとデンタルフロスを使ったあとに歯磨きをし、アライナーをつける。この一連の流れがなかなか大変で面倒なのです。私は、治療が進むにつれアライナーの生活に慣れてくると、間食もしなくなっていました。間食はしなくても、外食はみなさんされると思います。外食の時、アライナーはいつ外していますか?アライナーは装着時間がとても大切なので、取ってから出かけるのではなく、できればお店についてからお手洗いでアライナーを取って、専用のケースにいれて食事をし、食べ終わったら歯磨きをしてアライナーをつける。という風にしていただければと思います。私は、出かけるときはいつもアライナー用のポーチをいつも持ち歩いていました。ポーチの中身は次の(日常生活編)で詳しく書いていきます。

食べる物の注意点

マウスピースでの歯列矯正治療は、食事をする時に装置が取れ、歯磨きがしやすいのがメリットですが、逆にアライナーをつけている時は何も食べられません(お水のみです)。また、アタッチメントという歯をより良く動かすために、歯にポチポチっとした歯と同じ色の突起物がついています。硬い物を、噛んだ時にこのアタッチメントが取れてしまうことがあります。マウスピースでの治療でもワイヤーでの治療でも、歯列矯正の治療中は、出来るだけ硬い物をガッブっと噛むのはお控えください。装置が取れてしまう原因になります。

まとめ

今回は、マウスピースでの歯列矯正治療中での気をつけていただきたいこと(食事編)をお話しました。マウスピースでの治療は、ワイヤー治療にある食べ物の制限は無いですが、アライナーをつけている時は飲食ができないため(お水のみ)、アライナー生活に慣れるまでは何かと困ることがあるかと思います。気になることがありましたら、いつでも当院にお問い合わせください。

2023.09.26

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療では歯を削る?その理由とメリットを解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインを装着する女性の口元

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では歯を削ることがあります。「歯を削って痛くないの?」「どれぐらい歯を削るの?」など、不安に思う方は少なくないでしょう。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯を削る理由や、削る際の痛みなどを解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療では歯を削る?

顎に手を当てて考える女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療では、歯を削ることがあります。歯科医師が口内の状態を確認し、治療を進めていくうえで歯を削る処置が必要だと判断した場合のみ削ります。そのため、すべてのケースで削るわけではありません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)に限らず、ほかのマウスピース矯正や、ワイヤー矯正でも歯を削ることがあります。矯正治療を進めるうえで行われる歯を削る処置は、歯を動かすためのスペースを作ることが目的です。歯を削る処置は「IPR(アイピーアール)」とよばれます。

歯の削り方は、以下のとおりです。

・やすりで削る

・ディスクで削る

・バーで削る

IPRで使用する機械は、歯科医院によって異なります。やすりで削る場合、歯と歯の間に専用のやすりを入れて、細かく動かして歯を削ります。

ディスクで削る場合は、電動の円盤状の器具を回転させてスペースを作るでしょう。バーで削る場合は、虫歯治療で使われるドリルのような機械を用いて歯を削ります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療において歯を削る理由

青い机に置かれたWhyと書かれた木のブロック

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯を削る理由は、以下のとおりです。

・歯を並べるためのスペースを確保する

・歯の大きさのバランスを整える

・ブラックトライアングルを目立たなくする

それぞれ確認しましょう。

歯を並べるためのスペースを確保する

歯を削る理由として最も多いのは、歯を並べるスペースを確保するためです。歯並びがガタガタになる原因や、出っ歯になる原因の多くは、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りないことです。歯を削ってスペースを確保することで、歯並びを整えます。

歯を削る量はほんのわずかですが、複数の歯の側面を削ることでスペースを確保するのです。

歯の大きさのバランスを整える

歯列矯正では歯並びを動かすことはできても、歯の大きさまで変えることはできません。歯を削ることで、ある程度歯の大きさや形を変えることができます。

例えば、左右で歯の形が違う場合や、上下の歯のバランスを整えたい場合に、歯を削ることがあるでしょう。

ブラックトライアングルを目立たなくする

ブラックトライアングルとは、歯茎と歯と歯の間にできる三角のすき間のことです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療に関わらず、歯列矯正をするとブラックトライアングルができやすい傾向にあります。ガタガタしていた部分の歯茎が引き締まったことや、歯が重なっていた部分の歯槽骨が少なかったことが原因で、ブラックトライアングルができるのです。

歯並びが悪い状態だと歯磨きが難しく、汚れが残りやすくなります。汚れが残るとプラークが溜まり、歯茎が腫れることがあるでしょう。

歯列矯正で歯並びが改善され、歯ブラシで汚れを落とせるようになると、歯茎の腫れが治まります。徐々に歯茎が健康的に引き締まるでしょう。そのため、ブラックトライアングルが出現することがあるのです。

歯並びの乱れが大きい場合、歯を支える歯槽骨が薄くなっていることがあります。歯槽骨が少ない部分に歯を並べると、歯が動いたあとにブラックトライアングルが目立つ可能性があるでしょう。

ブラックトライアングルができた場合、歯を削ることで目立たなくできます。歯を削って三角形に近い形をしていた歯を四角形に整えます。その際に生まれたスペースを埋めるように歯を並べることで、ブラックトライアングルを改善するのです。

矯正治療で歯を削るメリット・デメリット

merit demeritと書かれたタグが机に置かれている

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療の際に歯を削るメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

歯を削るメリットは、以下のとおりです。

・抜歯をせずに矯正できる

・治療期間を短縮できる

・後戻りを防げる

それぞれ解説します。

抜歯をせずに矯正できる

歯列矯正において歯をきれいに並べるためのスペースが足りないと判断された場合、抜歯をする必要があります。

しかし、歯を削るだけでスペースが確保できる場合、抜歯が不要となるでしょう。虫歯などのトラブルが起きていない健康な歯を抜くことに抵抗を感じる方もいます。歯を削ることで抜歯を回避できるのは、大きなメリットでしょう。

治療期間を短縮できる

抜歯をせずに歯を削ることでスペースを確保して治療を進めると、治療期間を短縮できる可能性があります。抜歯をしないと、歯を大きく動かす必要がなくなるからです。

歯を削ってスペースを確保した場合、1本あたりの移動距離が短くなるため、治療期間が短くなる可能性があります。

後戻りを防げる

矯正装置で歯を動かしたあとは、歯全体にもとの位置に戻ろうとする力が働きます。歯がもとの位置に戻ることを後戻りといい、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療に限らずすべての矯正方法で起きる可能性がある現象です。

後戻りを防ぐために、矯正装置で歯を動かしたあとは保定装置を装着し、歯列を固定する期間を設けます。歯を削ると、隣接する歯の接着面積が増えるため、支え合う面積が増えて歯並びが安定しやすいでしょう。

もちろん、後戻りを防ぐためには保定装置の使用は欠かせませんが、歯を削ることで後戻りしにくくなります。

デメリット

歯を削るデメリットは、以下のとおりです。

・健康な歯を削る

・歯同士が面で接触する

・確保できるスペースが限られる

それぞれ解説します。

健康な歯を削る

最も大きなデメリットは、健康な歯を削ることです。歯を削る量はごくわずかなので、痛みを感じることはなく、虫歯になりやすくなるなどのトラブルもありません。

しかし、健康な歯を削ることに抵抗がある方も多いです。歯を削る必要があるかどうか、事前に歯科医師に確認しましょう。

歯同士が面で接触する

天然歯は歯の先端が丸みを帯びているので、歯の隣接面は点で接触します。

しかし、歯を削ると削った面が平らになるので、歯と歯が面で触れ合うことになります。接する面積が増えるので、汚れが溜まりやすくなるでしょう。

過度に歯を削らなければ心配する必要はありませんが、歯と歯のすき間をより丁寧に掃除する必要があります。

確保できるスペースが限られる

抜歯に比べると、歯を削るだけでは大きなスペースを確保することができません。そのため、大きなスペースを作って歯全体を大きく動かさなければいけないと判断された症状などは、対応できないことがあります。

どんな方法でスペースを確保するのかは、歯科医師が判断します。希望を伝えるのは問題ありませんが、最終的な判断は歯科医師に任せましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で歯を削る量

歯科医院で治療を受ける男性

一般的に、歯の一番外側にあるエナメル質とよばれる部分を少し削ります。削る場所は歯の両サイド、隣の歯と隣接する面です。

削る量は0.1mm〜0.25mm程度です。エナメル質は2〜3mm程度あるので、歯を削っても形が大きく変わることはありません。

歯を削るとしみたり痛んだりしない?

顎に手を当てて考える男女

エナメル質の一部を少量削るだけなので、歯がしみたり痛みを感じたりすることはほとんどありません。削ったあとに虫歯になりやすくなることや、歯自体が脆くなることもないでしょう。歯を削っても、エナメル質の大部分は残っているためです。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性

矯正治療で歯を削る目的は、歯を並べるスペースを作ることです。歯を削ることで、抜歯をせずに歯列矯正できるメリットはありますが、健康な歯を削らなければいけません。

歯を削る量はわずかなので、削ったことによって歯がしみる、虫歯になりやすくなるなどのトラブルは起きないといわれています。

しかし、歯を削ったあとは歯と歯の間にすき間がある状態です。すき間に汚れが溜まりやすいため、それまでと同じ歯磨きの仕方では汚れが残る場合があります。

歯間ブラシやフロスなど、細かい部分まで掃除できるアイテムを使って、丁寧にケアしてください。ケアが不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

症状によっては、抜歯をしたほうがよい場合もあるでしょう。どのようにマウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を進めるのかは、歯科医師と相談して決めてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.09.20

マウスピース型矯正について

歯科矯正を始める際に、多くの方に知られている治療方法は、ワイヤー矯正です。学校の友達や職場の方など、自分の身近の中にワイヤー矯正をされている方が実際にいらっしゃるかと思います。
しかし、ワイヤー矯正だけでなく、マウスピースを使って歯を動かして歯を並べる治療方法があることを皆さんは知っていましたか?
マウスピース型矯正とは、薄く透明なカスタムメイドで作られたマウスピースを一定時間装着することによって、歯を動かして少しずつ歯並びを治す矯正治療です。マウスピース矯正にはさまざまな種類がありますが、当院ではマウスピース型矯正装置(インビザライン)を導入しています。

インビザライン矯正とは、1997年に米国のアライン・テクノロジー社により開発された、薄く透明に近いマウスピース型の矯正装置を装着して歯並びを綺麗にする治療方法です。
これまでに世界で1500万人を超える患者様がインビザライン治療を受けられています。
(2023年3月時点)
1日22時間装着することが必須で、1週間から2週間に1回のペースでマウスピースを交換することで、歯を動かしていきます。

インビザライン・システムの特徴

・薄く透明に近いマウスピースなため、装着していても目立ちません。
・従来の矯正治療と異なり、金属性のワイヤーやブラケットを使用しません。
・矯正装置の装着による口腔内のダメージや不快感が軽減されます。
・着脱可能のため、食事や歯磨きが普段通り行えるため、口腔内を清潔に保つことができます。
・クリンチェック・ソフトウェアを通じて、歯の移動やどのような仕上がりになるのかを視覚的に確認することができます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療の流れ

①歯並びのご相談(初回無料・ご予約制)

歯並びのお悩みやマウスピース型矯正装置(インビザライン)に関する内容や期間、費用などをお伝えさせていただきます。当院の歯並びのご相談は、初回無料・ご予約制になります。
お気軽にご相談ください。

②精密検査

診断のためにセファロ(頭部X線規格写真)、パノラマレントゲン撮影、歯型とり、お顔・お口の写真撮影などを行います。検査結果をもとに、確定診断をし、治療方針を決定します。

③光学印象(歯形とり)

当院では、マウスピースを作製するために、デジタル印象採得装置(iTero element)という口腔内スキャナを使用しています。光学印象は、歯や歯肉、咬み合わせなどを精密に記録し、マウスピースがより短時間で製作され、高精度に作製されることが分かっています。
そして、従来の歯形とり(印象採得)と違い、患者様の嘔吐反射の誘発や歯形とりが苦手な方も、肉体的・精神的負担が軽減されます。

④クリンチェック

歯型のデータや精密検査の結果などをもとに治療計画立案ソフトウェア「クリンチェック」を使って、歯がどのように動き、どのように仕上がるのかをご確認いただけます。治療開始前にこのシミュレーション画像を使って、患者様に治療計画を分かりやすくご説明いたします。

⑤治療開始

発注後約2週間~約1か月で歯科医院にマウスピースが届きます。そして、マウスピースをお渡しし、患者様にマウスピースの取り扱い方法や注意点、着脱方法をご説明します。マウスピースは1日22時間以上装着し(当院では、より効果を上げるために1日22時間以上装着していただくようお願いしています)、約1週間~約2週間に1回のペースでマウスピースを交換していただくことで、歯を動かしていきます。また、必要に応じてアタッチメント付与やIPR(歯間削合)を治療計画に沿って行います。

アタッチメントとは

アタッチメントとは、歯の表面に付ける歯に近い色のコンポジットレジンの突起物のことです。
歯に何も付いていない状態の場合と歯の表面にアタッチメントを付ける場合を比較すると、アタッチメントが付いている方がよりマウスピースの保持力を強化します。そして、アタッチメントはどのように歯を動かすかによっていろいろな種類の形状があり、アタッチメントによって精密に歯を動かすことができます。しかし、アタッチメントはエナメル質の表面に装着しているため、稀に外れることがあります。外れた場合は、歯科医師の判断によって再装着を行います。治療終了後は、アタッチメントをすべて外します。

⑥定期検診

1か月半~2か月に1回のペースで通院していただきます。マウスピースの適合や歯が治療計画通りに移動しているかどうかなどを確認します。

⑦保定

矯正治療が終了すると保定期間に移行します。
保定とは、矯正治療によって動かした歯が後戻りしないようにすることです。ワイヤー矯正の方もマウスピース矯正の方もどちらの場合でも、矯正装置を外して歯を開放すると、ほんの数日で歯が動いてしまいます。その後戻りを防ぐために、保定装置を使用して歯並びを維持させます。
※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

メリット

1.目立ちにくい

透明に近いマウスピースなのでほとんど気づかれません。ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、マウスピース矯正を希望される方も多くおられます。

2.取り外しが可能

インビザラインのマウスピースは取り外しが可能です。患者様自身で取り外しが出来るため、食事の時に取り外すことができるので、普段通りの食事が矯正治療中でも行えます。

3.清掃性がよい


ワイヤー矯正では、装置に引っかかったものを無理矢理取ろうとすると装置が外れてしまうことや、矯正装置の周りを丁寧に磨こうとすると時間がかかってしまいますが、フロスや歯間ブラシなどを普段通り行うことができます。

4.金属アレルギーの方でも治療可能

インビザライン治療では、金属のワイヤーや材料は使用しないため、金属アレルギーの方は安心して治療を受けることができます。

デメリット

1.歯並びによって対応できない場合がある

患者様の歯並びによっては、マウスピース矯正のみでは治療できないケースがあります。

2.患者様自身がマウスピースを管理しなければならない

マウスピース矯正は、決められた時間や交換する期間などを守らなければ歯は動かず、マウスピースが合わなくなってしまいます。また、マウスピースを紛失・破損したというトラブルも多くあります。自宅でマウスピースをティッシュに包んでいると間違えて捨ててしまったり、飼い犬が噛んでしまって破損してしまう、さらに外出中や旅行中に紛失するケースもあります。
マウスピースを紛失してしまった場合は再製作する必要があるので、その分治療期間が長引いてしまいます。このような自宅・外出・旅行など、さまざまな紛失・破損の原因になる場所や状況が多くあります。十分に注意していただき、マウスピースを外した際は、すぐに専用のケースに入れる癖をつけることが重要です。

3.装着中は水以外の飲食ができない

写真⑧
マウスピースを装着しているときは、飲食は原則できません。マウスピースを装着して食事すると、マウスピースの中に汚れが溜まって虫歯になるリスクが高まります。また、飲み物も制限されます。水分は水で摂ることをお勧めします。砂糖が入っている飲み物や砂糖の入っていない炭酸飲料も口の中を酸性にするので、虫歯のリスクを高めます。その他、コーヒーや紅茶などの色の濃い飲み物はマウスピースに着色してしまいますので、マウスピースを装着しているときは水のみになります。水以外を飲まれる際は、装置を外してから飲むようお願いします。飲食後は、歯磨きやお口をゆすぐなどをしてからマウスピースを装着することが大切です。

2023.09.19

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で親知らずを抜くケースとメリットを解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピースを両手で持って装着する女性

マウスピース型矯正装置による治療(当院ではインビザラインを採用)に限らず、矯正治療では治療前に親知らずを抜くケースが多いです。親知らずを放置すると、矯正治療を妨げる原因になり得ます。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で親知らずを抜くケース、抜かなくてもよいケース、抜くことのメリットなどを解説します。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずとは? 

歯を見せる男性

親知らずは、第二大臼歯の後ろに生える3番目の大臼歯のことです。正式名称は第三大臼歯で、ほかの歯とは異なり、生える人と生えない人がいます。

親知らずが生える時期は、20歳前後が多いです。第二大臼歯が生えるのは12歳頃なので、非常に遅れて生える歯といえます。

最大上下左右に1本ずつ生えますが、1本も生えない方もいれば、2~3本だけ生える方もいます。

親知らずの生え方

親知らずは、顎の奥のスペースが狭いところに生えるため、真っ直ぐに生えることは少ないです。歯茎の中に完全に埋まっていることもあります。レントゲン写真を撮らないと、親知らずがあることすら気づかない場合も珍しくありません。

ほかの歯と同様に真っ直ぐに生えている場合は、あまり大きな問題はないことが多いです。完全に歯茎の中に埋まっていて痛みなどの症状がない場合も、健康的な問題はありません。

歯茎に半分埋まっている、斜めや横向きに生えている場合などは、磨き残しが生じやすいでしょう。虫歯や歯周病のリスクが高まる場合や、歯並びに悪影響を及ぼす場合などがあるため、注意しなければなりません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くケース

歯科医院で抜歯を受ける女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療を進めるうえでは、親知らずは抜くケースが多いです。健康的な問題がなくても、親知らずが歯の移動を妨げる可能性がある場合は抜いたほうがよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くケースは、以下のとおりです。

斜めや横向きに生えている

親知らずが斜めや横向きに生えている場合、歯並びに悪影響を与えるため抜く必要があります。曲がって生えた親知らずは隣の歯を押すため、歯並びを崩す原因になるのです。歯茎の中に完全に埋まっていても、曲がって生えている場合は歯茎の中で隣の歯を圧迫します。

レントゲン写真で親知らずの状態を確認し、斜めや横向きに生えている場合は抜くことが多いでしょう。

虫歯や歯周病になっている

親知らずが虫歯や歯周病になっている場合、隣の歯に悪影響を与えるため抜きます。

歯茎に半分覆われている状態や、斜め・横向きに生えた状態では、うまく歯ブラシが当たりません。汚れが溜まりやすいので、虫歯や歯周病になりやすいです。

特に日本人は顎が小さく、親知らずが真っ直ぐ正常に生えてくるケースが少ないため、抜くことが多いでしょう。

親知らずが虫歯や歯周病などのトラブルを抱えていると、隣の第二大臼歯に悪影響を与えます。

矯正治療で歯を後方に移動させる必要がある

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で奥歯を後方に移動させる場合は、親知らずを抜かなければならないでしょう。歯をきれいに並べるためのスペースが足りないときは、奥歯を後方に移動させてスペースを確保します。

親知らずがあることで歯を後方に動かせない場合、抜く必要があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜かなくてもよいケース

歯科医院で女性の口内を確認する男性医師

親知らずを抜かなくてもよいケースは、以下のとおりです。

IPRで歯を並べるスペースを確保できる

IPRとは、歯と歯の間を少しずつ削ってスペースを作る方法です。IPRで歯を並べるスペースを確保できる場合は、親知らずを抜かなくてもよいでしょう。

ただし、IPRですべての歯を削っても、5mm程度しかスペースを作れません。IPRは歯に影響がない範囲で行うため、大幅に削ることはできないのです。

奥歯の後方移動が必要ない

親知らずが通常の歯のように真っ直ぐ生えていて問題がなく、奥歯を後ろへ移動させる必要がない歯並びでは、抜かなくてもよいでしょう。

ただし、後方移動が必要ない症例は多くありません。歯を並べるスペースが十分に確保されている、すきっ歯などに限られます。

親知らずを第二大臼歯の代わりに使う

重度の虫歯や歯周病によって、第二大臼歯を長期的に使えない場合、親知らずを第二大臼歯の代わりにすることがあります。長くは使えないと予想される第二大臼歯を抜き、親知らずを第二大臼歯の代わりに並べるのです。

ただし、親知らずの形態や状態を見て判断するため、あまり症例数は多くありません。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)単体での治療は難しいため、ワイヤー矯正などを併用します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリット・デメリット

机に置かれた merit demeritと書かれたタグ

矯正治療を行う際に親知らずを抜くことは、メリットのほうが多いです。治療の進行だけでなく、治療後の歯並びにも大きく影響するからです。

親知らずを抜くことに、大きなデメリットはありません。歯並びだけでなく、口内の健康を守るために必要な場合が多いでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリット・デメリットをご紹介します。

親知らずを抜くメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリットは、以下のとおりです。

よりきれいな歯並びを目指せる

親知らずを抜くことで、歯を並べるスペースを十分に確保できます。よりきれいな歯並びを目指せるでしょう。

本来抜くべき親知らずを抜かないと、うまく歯が動かず、治療が長引く可能性もあります。

矯正後の後戻りを予防できる

歯並びをきれいに整えても、親知らずが手前の歯を押して歯並びがもとに戻る可能性があります。

親知らずを抜くと手前の歯を押すことがなくなるので、後戻りするリスクを下げられるでしょう。

虫歯や歯周病のリスクが下がる

親知らずには歯ブラシが届きにくいため、汚れが溜まって虫歯になることも多いです。重度の虫歯や歯周病になると、隣の歯や歯茎にも影響を及ぼすでしょう。

親知らずを抜くことで、さまざまなリスクを下げられます。

親知らずを抜くデメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くデメリットは、以下のとおりです。

抜いたあとに痛みや腫れが生じる

親知らずを抜いたあとは、痛みや腫れを伴います。特に、斜めや横向きに生えていた親知らずや、歯茎の中に埋まっていた親知らずを抜く場合、周りの骨を削らなければなりません。痛みや腫れが生じやすいです。

痛みは痛み止めでコントロールでき、2~3日程度で落ち着きます。

大きな病院で抜かなければならない場合がある

地域にある歯科医院では治療が難しく、大学病院などの大きな病院で抜かなければならないことがあります。特に、親知らずと下顎の神経が近くにある場合には、CT撮影なども併用して慎重に治療を行う必要があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くタイミング 

顎に手を当てて考える女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、矯正治療を始める前に親知らずを抜きます。親知らずがあると、計画どおりに歯が動かなくなる可能性があるからです。

マウスピースを装着するタイミングは、親知らずを抜いてから1週間以上経ってからが望ましいでしょう。マウスピースを装着したばかりの頃は、違和感や多少の痛みがあります。傷がある程度落ち着いてからのほうがよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を開始するタイミングは、傷や口内の状態によって異なるため歯科医師と相談して決定してください。

まとめ

マウスピースを装着しようとする女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を前に、親知らずを抜くことが多いです。

奥歯を後ろに動かして歯を並べるスペースを確保できる、親知らずが手前の歯を押して歯並びが悪化することを防げる、虫歯や歯周病のリスクを下げられるなど、親知らずを抜くメリットは多いです。

親知らずを抜くことに不安がある方は、事前に歯科医師とよく相談しましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

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