コラム

2023.09.19

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で親知らずを抜くケースとメリットを解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピースを両手で持って装着する女性

マウスピース型矯正装置による治療(当院ではインビザラインを採用)に限らず、矯正治療では治療前に親知らずを抜くケースが多いです。親知らずを放置すると、矯正治療を妨げる原因になり得ます。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で親知らずを抜くケース、抜かなくてもよいケース、抜くことのメリットなどを解説します。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずとは? 

歯を見せる男性

親知らずは、第二大臼歯の後ろに生える3番目の大臼歯のことです。正式名称は第三大臼歯で、ほかの歯とは異なり、生える人と生えない人がいます。

親知らずが生える時期は、20歳前後が多いです。第二大臼歯が生えるのは12歳頃なので、非常に遅れて生える歯といえます。

最大上下左右に1本ずつ生えますが、1本も生えない方もいれば、2~3本だけ生える方もいます。

親知らずの生え方

親知らずは、顎の奥のスペースが狭いところに生えるため、真っ直ぐに生えることは少ないです。歯茎の中に完全に埋まっていることもあります。レントゲン写真を撮らないと、親知らずがあることすら気づかない場合も珍しくありません。

ほかの歯と同様に真っ直ぐに生えている場合は、あまり大きな問題はないことが多いです。完全に歯茎の中に埋まっていて痛みなどの症状がない場合も、健康的な問題はありません。

歯茎に半分埋まっている、斜めや横向きに生えている場合などは、磨き残しが生じやすいでしょう。虫歯や歯周病のリスクが高まる場合や、歯並びに悪影響を及ぼす場合などがあるため、注意しなければなりません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くケース

歯科医院で抜歯を受ける女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療を進めるうえでは、親知らずは抜くケースが多いです。健康的な問題がなくても、親知らずが歯の移動を妨げる可能性がある場合は抜いたほうがよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くケースは、以下のとおりです。

斜めや横向きに生えている

親知らずが斜めや横向きに生えている場合、歯並びに悪影響を与えるため抜く必要があります。曲がって生えた親知らずは隣の歯を押すため、歯並びを崩す原因になるのです。歯茎の中に完全に埋まっていても、曲がって生えている場合は歯茎の中で隣の歯を圧迫します。

レントゲン写真で親知らずの状態を確認し、斜めや横向きに生えている場合は抜くことが多いでしょう。

虫歯や歯周病になっている

親知らずが虫歯や歯周病になっている場合、隣の歯に悪影響を与えるため抜きます。

歯茎に半分覆われている状態や、斜め・横向きに生えた状態では、うまく歯ブラシが当たりません。汚れが溜まりやすいので、虫歯や歯周病になりやすいです。

特に日本人は顎が小さく、親知らずが真っ直ぐ正常に生えてくるケースが少ないため、抜くことが多いでしょう。

親知らずが虫歯や歯周病などのトラブルを抱えていると、隣の第二大臼歯に悪影響を与えます。

矯正治療で歯を後方に移動させる必要がある

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で奥歯を後方に移動させる場合は、親知らずを抜かなければならないでしょう。歯をきれいに並べるためのスペースが足りないときは、奥歯を後方に移動させてスペースを確保します。

親知らずがあることで歯を後方に動かせない場合、抜く必要があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜かなくてもよいケース

歯科医院で女性の口内を確認する男性医師

親知らずを抜かなくてもよいケースは、以下のとおりです。

IPRで歯を並べるスペースを確保できる

IPRとは、歯と歯の間を少しずつ削ってスペースを作る方法です。IPRで歯を並べるスペースを確保できる場合は、親知らずを抜かなくてもよいでしょう。

ただし、IPRですべての歯を削っても、5mm程度しかスペースを作れません。IPRは歯に影響がない範囲で行うため、大幅に削ることはできないのです。

奥歯の後方移動が必要ない

親知らずが通常の歯のように真っ直ぐ生えていて問題がなく、奥歯を後ろへ移動させる必要がない歯並びでは、抜かなくてもよいでしょう。

ただし、後方移動が必要ない症例は多くありません。歯を並べるスペースが十分に確保されている、すきっ歯などに限られます。

親知らずを第二大臼歯の代わりに使う

重度の虫歯や歯周病によって、第二大臼歯を長期的に使えない場合、親知らずを第二大臼歯の代わりにすることがあります。長くは使えないと予想される第二大臼歯を抜き、親知らずを第二大臼歯の代わりに並べるのです。

ただし、親知らずの形態や状態を見て判断するため、あまり症例数は多くありません。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)単体での治療は難しいため、ワイヤー矯正などを併用します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリット・デメリット

机に置かれた merit demeritと書かれたタグ

矯正治療を行う際に親知らずを抜くことは、メリットのほうが多いです。治療の進行だけでなく、治療後の歯並びにも大きく影響するからです。

親知らずを抜くことに、大きなデメリットはありません。歯並びだけでなく、口内の健康を守るために必要な場合が多いでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリット・デメリットをご紹介します。

親知らずを抜くメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くメリットは、以下のとおりです。

よりきれいな歯並びを目指せる

親知らずを抜くことで、歯を並べるスペースを十分に確保できます。よりきれいな歯並びを目指せるでしょう。

本来抜くべき親知らずを抜かないと、うまく歯が動かず、治療が長引く可能性もあります。

矯正後の後戻りを予防できる

歯並びをきれいに整えても、親知らずが手前の歯を押して歯並びがもとに戻る可能性があります。

親知らずを抜くと手前の歯を押すことがなくなるので、後戻りするリスクを下げられるでしょう。

虫歯や歯周病のリスクが下がる

親知らずには歯ブラシが届きにくいため、汚れが溜まって虫歯になることも多いです。重度の虫歯や歯周病になると、隣の歯や歯茎にも影響を及ぼすでしょう。

親知らずを抜くことで、さまざまなリスクを下げられます。

親知らずを抜くデメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くデメリットは、以下のとおりです。

抜いたあとに痛みや腫れが生じる

親知らずを抜いたあとは、痛みや腫れを伴います。特に、斜めや横向きに生えていた親知らずや、歯茎の中に埋まっていた親知らずを抜く場合、周りの骨を削らなければなりません。痛みや腫れが生じやすいです。

痛みは痛み止めでコントロールでき、2~3日程度で落ち着きます。

大きな病院で抜かなければならない場合がある

地域にある歯科医院では治療が難しく、大学病院などの大きな病院で抜かなければならないことがあります。特に、親知らずと下顎の神経が近くにある場合には、CT撮影なども併用して慎重に治療を行う必要があるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療で親知らずを抜くタイミング 

顎に手を当てて考える女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、矯正治療を始める前に親知らずを抜きます。親知らずがあると、計画どおりに歯が動かなくなる可能性があるからです。

マウスピースを装着するタイミングは、親知らずを抜いてから1週間以上経ってからが望ましいでしょう。マウスピースを装着したばかりの頃は、違和感や多少の痛みがあります。傷がある程度落ち着いてからのほうがよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を開始するタイミングは、傷や口内の状態によって異なるため歯科医師と相談して決定してください。

まとめ

マウスピースを装着しようとする女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を前に、親知らずを抜くことが多いです。

奥歯を後ろに動かして歯を並べるスペースを確保できる、親知らずが手前の歯を押して歯並びが悪化することを防げる、虫歯や歯周病のリスクを下げられるなど、親知らずを抜くメリットは多いです。

親知らずを抜くことに不安がある方は、事前に歯科医師とよく相談しましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.09.13

矯正中の食事について

歯列矯正中は、食事が食べにくいと想像される方が多くいると思います。
ご想像通り、装置に食べ物が引っかかることや、食べにくいものもあります。
しかし、食べ方に気を付けることでほとんどのものを食べることができます。

矯正治療中に気をつけたい食べ物

装置を壊してしまうリスクがある食べ物

粘りの強いものや装置にくっつきやすいもの、固いものはなるべく控えたほうが良いでしょう。
特に、ガムは溶けないので装置に一度へばりついてしまうと取るのが困難なので気を付けましょう。
キャラメルなどの溶けるものは、食べていただいても構いませんが虫歯のリスクになる為、ダラダラと食べることはおすすめしません。
ハード系のパンやせんべいなどの固いものは、装置にガリっと当たると外れる原因になります。

食べ方に注意が必要なもの

食べられないものはありませんが、食べ方に注意が必要なものはあります。
表側のワイヤー矯正では、前歯で噛み切る、丸かじりをするような食べ方をすると装置を壊してしまうリスクがあります。

装置に着色してしまうもの

ワイヤー矯正の方

カレーやキムチ白いプラスチック製の装置やワイヤーに装置を固定するゴムが着色してしまいます。ワイヤー矯正に影響はありませんが、着色により歯の色から浮いて見えます。プラスチックやゴムについた着色は、歯磨きでは落とせないです。

マウスピース矯正の方(インビザライン)

マウスピースを装着しているときは、基本的にお水しか飲食できません。
マウスピースを装着したままの食事は、マウスピース破損につながるためできません。また、マウスピースを装着したまま清涼飲料水を飲むと清涼飲料水に含まれている砂糖が長時間歯にくっついていることになります。そうすると、むし歯になるリスクが高くなってしまいます。
コーヒーやワインなどを、マウスピースを装着したまま飲食するとマウスピースの着色だけでなく、歯にも着色してしまうため控えるようにしましょう。
お茶も飲んでいただいても問題はありませんが、歯に茶しぶがついてしまったり、マウスピースの着色につながるので気になる方は、マウスピースを装着しているときの水分補給はお水をおすすめいたします。
清涼飲料水や着色がつきやすい飲み物を摂取するときは、一度マウスピースを外してから飲みましょう。

歯や装置にはさまりやすいもの

矯正中は歯が動くので、一時的に歯と歯に隙間ができるので食べ物がはさまりやすくなります。特に、ラーメンやパスタなどの麺類がはさまりやすくなります。
装置の形によっては、ねぎやにらなどのような細い食べ物がぶらんとぶら下がる場合があります。指で取ったり、うがいをしてもなかなか取りづらいので当院では歯ブラシを持ち歩くことをすすめています。歯ブラシがあるとブラシの部分で、食べ物を取り除くことが簡単に行えます。

歯の動きによる痛みがある時にオススメの食べ物

歯が動くことで生じる痛みがある時は、やわらかい食べ物が食べやすいです。
矯正中の食事にオススメのメニューをほんの一例になりますが、紹介しますのでご自身の食べやすいメニューを見つけて、バランス良く栄養を摂取できるよう工夫してみてください。

歯の痛みを感じにくい食べ物

●おかゆ、お茶漬け、ドリア、リゾット
●やわらかいパン類
●スープ、味噌汁、シチュー
●マッシュポテト
●ヨーグルト、ゼリー
●温泉卵

噛みやすい食べ物

●煮込みハンバーグ、ハンバーグなどのひき肉料理
●うどん
●茶碗蒸し
●水餃子
●オムレツなどの卵料理
●煮物
●麻婆豆腐などの豆腐料理

歯の痛みが和らいできたときは、ある程度の食べ応えがありつつ、強く嚙みしめる必要がない食べ物がおすすめです。

矯正中の食事のとり方のコツ

硬い食べ物は避ける

矯正装置に当たって変形してしまったり、外れてしまう原因になるような硬い食べ物はなるべく控えましょう。
また、噛みしめる際に強い力が必要な食べ物は、装置をつけたばかりの方や新しくワイヤーを交換した方にとっては痛みの原因になってしまいます。

粘着性のある食べ物に気を付ける

粘着性のあるガム・キャラメル・お餅などは矯正装置に付着してしまうリスクがあるため、食べていただいても構いませんがくっついてしまった場合は、歯ブラシで取り除いたり溶けるのを待ちましょう。
(※装置によってはガムを禁止しているものもあります。)
装置が頻繁に外れてしまうと、歯への正しい強制力が働かず治療が進まない原因になってしまいます。

奥歯でやさしく噛む

歯にはさまりやすい食べ物を避けていても、前歯付近の装置に食べかすが引っかかってしまうことがあります。
食べ物がはさまっていると違和感がありますし、見た目も気になってしまうので奥歯の辺りでやさしく噛むことをおすすめします。

外食する時は歯ブラシを持ち歩く

ワイヤー矯正をしている場合、マウスピース矯正とは異なり矯正装置がお口の中についた状態で食事をします。
そのため、装置のまわりに食べ物が溜まりやすいというデメリットがあります。
また、歯の裏側に装置がついている場合、ニラやネギのような細い食べ物が装置にぶら下がることがあります。そのようなとき、歯ブラシがあると簡単に取り除くことができます。
さらに、歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシを持ち歩くと便利です。
歯が動いている最中だと、奥歯に細い麵類や鶏肉などとてもはさまりやすくなります。大抵は歯ブラシで取り除くことが可能ですが、歯と歯の隙間に細い食べ物がはさまると歯ブラシで取り除くことが困難な場合があります。
ですが、デンタルフロスや歯間ブラシだと簡単に取り除くことができるので一緒に持ち合わせているといざという時に助かるかと思います。

食材の大きさや固さを工夫する

大きな食べ物や固い食べ物は、装置が外れたり壊れる原因になってしまいます。
そのため、矯正期間中は食べ物の大きさを小さめサイズにしてみたり、やわらかくなるように調理して食べることをおすすめします。

少量ずつ食べる

やわらかい食べ物でも、お口いっぱいに頬張って食べることは避けましょう。
矯正装置に慣れるまでは、食事を食べることが困難に感じると思います。
食事を少量ずつ食べることで、食事の違和感を大きく軽減できるでしょう。

こまめに水分補給をして洗い流す

食事中はこまめに水分補給を行い、食べかすを流すと良いでしょう。
水分補給の際は、清涼飲料水ではなく、お水やお茶がおすすめです。
糖分が入った清涼飲料水をダラダラ飲むと虫歯の原因になってしまいます。

食べ物が詰まった時の対処法

食べ物や食べ方に注意していても、矯正装置に食べ物がはさまったり、詰まってしまうことがあります。
取り外しができないワイヤー矯正の場合は、お水をお口の中に多めに含んでしっかりブクブクうがいをすることで、大きめの食べかすを取り除くことができます。ワイヤーと歯の隙間や装置の周りを磨くときは、一般的な歯ブラシでも構いませんが、歯ブラシのヘッド部分(ブラシの部分)が小さい歯ブラシがオススメです。小回りの利くワンタフトブラシもとても磨きやすいので、普段使っている歯ブラシと併用すると磨き残しが減るでしょう。
矯正装置に詰まった食べ物を放置すると虫歯になるリスクが高くなります。
歯の健康を維持するために、食後はなるべく歯磨きをすることをオススメします。

2023.09.12

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正できる?治療法や費用、期間を解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

専用のケースに入れられたマウスピース

見た目だけでなく、滑舌や噛み合わせに影響を与える受け口にお悩みの方もいるのではないでしょうか。

受け口の治療は難しいとされていますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)でも矯正できる場合があります。受け口を放置すると、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ早く治療したほうがよいでしょう。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正する方法や、治療にかかる費用・期間などを詳しく解説します。

受け口とは?

頭から?を浮かべて考える女性

正しい噛み合わせは、奥歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を覆う状態です。反対に、下の前歯が上の前歯よりも前に出る状態を、受け口といいます。

受け口には、歯の位置や向きなどが原因の歯槽性(しそうせい)の受け口と、顎の骨の位置や形などが原因の骨格性の受け口があります。

歯槽性の受け口は、歯並びに問題がある比較的軽度な受け口です。骨格性の受け口は、顎の骨の位置や形を調整しなければ治らない重度の受け口で、治療が難しいとされています。歯槽性と骨格性を併せた受け口もあります。

受け口の種類によって治療の難易度が上がるだけでなく、治療方法や治療にかかる期間・費用などが異なるのです。

受け口になる原因とは?

机に置かれた?の木のブロック

受け口になる原因は、以下のとおりです。

遺伝

親とこどもの顔が似るのと同様に、歯の形や大きさ、顎の骨格なども遺伝します。受け口も、遺伝による影響が大きいのです。

特に、顎の骨の形などが原因とされる骨格性の受け口は、遺伝が原因の場合が多いです。家族に受け口の方がいる場合は、影響している可能性が高いといえるでしょう。

顎の骨の発育不全や発育過剰

上の顎が下の顎よりも発育していない場合や、下の顎が上の顎よりも過剰に発育した場合など、上下の顎のバランスが悪いことが原因で、受け口になることがあります。

顎の成長が原因の受け口の場合、顎の成長が止まった成人後の治療は、難易度が高いといわれています。そのため、顎の成長を促せるこどものうちに治療を開始するのが望ましいです。

こどもの頃からの悪習慣

こどもの頃からの悪習慣が原因で、後天的に受け口になることがあります。悪習慣とは、指しゃぶりや口呼吸をする癖、頬杖をつく癖、舌で前歯を押す癖、下顎を突き出す癖などが挙げられます。

指しゃぶりなどが習慣化すると、歯や顎に負担がかかり、歯並びが悪くなるでしょう。顎の成長に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早期に改善するのが理想です。

受け口をそのままにするとどのような悪影響がある?

頭からモヤモヤを出して悩む女性

受け口を放置するリスクは、以下のとおりです。

うまく咀嚼できない

受け口の状態では、噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わず、食べ物を噛み切りにくいといえます。全体的な噛み合わせも悪いことが多いため、奥歯で食べ物をうまくすり潰せません。十分に咀嚼できていない食べ物を飲み込むと、消化器官に負担がかかるでしょう。

歯や顎に負担がかかる

噛み合わせが悪くなりやすい受け口は、歯や顎に負担がかかりやすくなります。均等に歯に力がかからず、強く噛み合わせる歯が欠けることがあるのです。顎関節に負担がかかることで、顎が痛む、口が開きづらくなるなど、顎関節症を引き起こすこともあります。

無理な噛み合わせから顎の骨が変形する可能性もあるため、受け口は放置せずに治療したほうがよいといえるでしょう。

滑舌が悪くなる

受け口の状態では前歯から空気が漏れやすいため、滑舌が悪くなることがあります。特に、舌を使って発音するサ行やタ行の発音が難しいと感じる方が多いです。

滑舌の悪さから、人前で話すことにストレスを感じることも少なくないでしょう。

口呼吸になりやすい

受け口は、歯並びや骨格の問題から口が開きやすくなります。そのため、口呼吸になりやすいです。口呼吸になると舌の位置が下がり、歯並びが悪化することがあるでしょう。

口呼吸をしている方は口内が乾燥しやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯の寿命を縮めることにもつながるため、受け口を放置するのはリスクが高いといえるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正できる?

顎に手を当てて考える男性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は歯並びを整える矯正治療のため、歯並びが原因である歯槽性の受け口は治療できることがあります。歯が生えている位置や向きが原因の軽度の受け口の場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で歯並びを整えることで、受け口を改善できるでしょう。

しかし、受け口の矯正は難しいため、歯並びの状態によってはマウスピース型矯正装置(インビザライン※)では治療できないこともあります。特に、顎の骨の位置や形が原因の骨格性の受け口は、矯正治療で歯並びを整えても改善できないことが多いです。矯正治療だけでなく、顎の骨に対する外科処置が必要になることもあるでしょう。

受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、必ずマウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できるとはいえません。

治療方法は歯科医師が判断するため、ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、一度歯科医院を受診して相談してください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正する方法

歯科医院で治療を受けて笑う女性

こどもの受け口は、顎の成長を促すことと、歯並びを整えることを同時に行えるお子様用のマウスピース型矯正装置(インビザライン※)、インビザライン・ファーストで治療可能です。大人の受け口は、歯並びが原因である歯槽性の受け口であれば、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できることがあります。

下の歯を後退させながら、上の歯を前に出すように歯並びを整えることで、受け口の改善が可能です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は歯を後退させる動きが得意なので、歯並びが原因の軽度の受け口は効率的に改善できるでしょう。

ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯が必要になります。ワイヤー矯正や顎間ゴムなど、ほかの矯正方法を併用することもあるでしょう。

受け口の状態によっては、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できないことがあります。特に、骨格性の受け口の場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の適応外の場合や、矯正治療だけでなく外科処置が必要になる場合もあるでしょう。

歯並びが原因の軽度の受け口はマウスピース型矯正装置(インビザライン※)でも治療できることがありますが、症状によって治療法は異なります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正するためにかかる期間

机に置かれたファイルとカレンダー

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正するためにかかる期間の目安は、1~3年程度です。歯を動かす本数が少ない場合など、軽度の受け口は1年程度で治療が終わるでしょう。

ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正するためにかかる期間は、口内の状態によって異なります。特に、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合や、抜歯が必要になる場合は、治療期間が長くかかる傾向にあります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を治すためにかかる期間を詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して確認してください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正するためにかかる費用

机に置かれた手帳とペンと電卓

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で受け口を矯正するためにかかる費用の目安は、600,000~1,000,000円程度です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を含めた矯正治療は自費診療なので、歯科医院によって費用が異なります。歯を動かす本数や治療範囲、必要になる処置などにも費用は左右されます。

受け口を治すためにかかる費用について詳しく知りたい場合は、歯科医院を受診して確認しましょう。

まとめ

インビザラインを持って笑う女性

歯並びが原因の軽度の受け口は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で治療できることがあります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では治療できない場合や、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合もあるでしょう。骨格性の受け口の場合、適応外になることや、外科処置が必要になることも多いです。

受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では治療できないことがあるでしょう。

ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して相談してください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での受け口の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.09.06

マウスピース治療での注意点(飲み物編)

マウスピースで歯列矯正治療をしている際の注意点を(飲み物編)・(食べ物編)・(日常生活編)の三部構成でお話します。今回は(飲み物編)です。私自身、マウスピースで歯列矯正治療をし、先日、保定期間にはいりました。長い歯列矯正治療を終え、気をつけたこと、実際に試してみたこと、日常生活で困ったことなど体験談としてお話していきます。

今現在、マウスピースで歯列矯正治療中の方や、今後マウスピースで歯列矯正治療をお考えの方にも参考になればと思います。マウスピースでの歯列矯正治療の、一番のメリットは食事の時に装置を外せることです。そして透明なので目立たないことですが、気を付けなければならない事がワイヤー治療より沢山あります。それが逆にデメリットとなる場合があります。ワイヤーでの歯列矯正でも、マウスピースでの歯列矯正でも、歯の並びを綺麗にするための歯列矯正治療は、長期間になります。

このコラムを読んでいただき、ご自身の生活スタイルもふまえてマウスピースでの歯列矯正治療をお考えください。なお、マウスピースのことをアライナーと呼びます。下記からは、アライナーと書いていきます。

アライナーとは

マウスピースの歯列矯正治療に使われる装置のマウスピースのことを、アライナーといいます。当院では、インビザライン社のアライナーを使用しています。とても透明でつけていても他の人から歯列矯正治療中だと気づかれたことがないぐらいとても自然です。ただ、透明がゆえに使用していると飲み物や食べた物での着色が、アライナーにつきやすく黄ばみがつくようになります。

アライナーの黄ばみについて

アライナーをお渡しする時に最初の説明で、アライナーを装着している時の飲み物は水のみでお願いしますと当院ではお伝えしています。飲み物によってアライナーが黄ばんでしまうことがあります。黄ばんでしまっても使用するのは全く問題ありません。アライナーは10日~14日(歯の動きによって交換頻度は変わります)ごとに交換します。14日ごとの交換ならさほど気にならない黄ばみだと思いますが、追加アライナー(治療方針見直し)の時は、次の新しいアライナーが届くまで今のアライナーをずっと使っていただくことになります。長く使えば使うほど黄ばみは濃くなります。私がアライナーを使って治療している時に、一度、試しで泡ハイターにつけたことがありますが、黄ばみはほとんど取れませんでした。あまり取れなかったうえに、流水でよく洗ってもなんだか気持ち悪さだけが残りました。なので、交換まで日数が開くときは黄ばみの原因になるような、飲み物や食べ物は出来るだけ控えていただいたほうがいいかと思います。

飲み物での黄ばみについて

私が実際に使用していて思ったのが、飲み物の中で一番黄ばみがついたのは、紅茶でした。ティーカップに紅茶をいれそのままにしていたら、カップに紅茶の茶渋がついて落とすときに洗剤でこすっても取れないなんて経験ありませんか?まさにそれと同じです。ちなみに、食べ物だとカレーが一番黄ばみます。紅茶のほかに、コーヒーや緑茶やワインもアライナーが黄ばむ原因になります。私は、お酒が飲めないのでワインでの着色は分かりませんでした。普段の生活スタイルで何をよく飲むのかで変わってくるかもしれませんが、黄ばむ原因になる、紅茶・コーヒー・緑茶・ワインは、アライナーをつけたまま飲むのは控えてください。

アライナーをつけている時の飲み物について

アライナーをつけている時は、歯は全部アライナーに覆われています。アライナーをつけたままでジュースやスポーツドリンクなどの砂糖の入っている飲み物を飲んでしまうと、歯が砂糖にパックされている状態になります。かなり虫歯になりやすいので、アライナーをつけたままでの砂糖を含む飲料水は控えてください。特に夏場の水分補給としてスポーツドリンクをこまめに飲んでいると、虫歯のリスクが高くなってしまいます。また、プロテインなども飲むときは必ずアライナーは外して飲んでください。

アライナーをつけている時に飲んでいいもの

アライナーをつけている時は、『水のみ』 です。

アライナーをつけたままの状態で飲んでも構わないのは、お水のみなので必ず守ってください。夏場の水分補給も、お水にしてください。

お茶や麦茶・コーヒーや紅茶もお砂糖が入っていなければ飲んでも大丈夫ですが、歯の着色とアライナーの黄ばみの原因になるので控えたほうがいいです。水のみを飲むのを習慣にしておけないと、ついうっかり飲んでしまうことがあります。私も最初は、アライナー生活が始まるまでずっとお茶を飲んでいたので、お水のみにするのがとても大変でした。でも、お水のみに慣れると

ちなみに、味がついているお水は糖分が入っているのでアライナーをつけている時はダメです。また、無糖であっても炭酸水は酸性で歯のエナメル質が溶けて虫歯の原因になるので、炭酸水もつけている時は飲めません。

アライナーをつけている時に飲んではいけないもの

甘い飲み物

  • ・ジュース(果物・野菜ジュース含む)
  • ・スポーツドリンク
  • ・乳酸飲料
  • ・甘みのある透明のお水

色が濃い飲み物

  • ・紅茶
  • ・コーヒー
  • ・赤ワイン

温かい飲み物(アライナーが変形する可能性がある)

  • ・ホットコーヒー(紅茶含む)
  • ・スープ
  • ・味噌汁

アライナーを外している時は大丈夫?

アライナーをつけている時だけ気を付けてお水のみにすれば、アライナーを外しているとき(食事中)は、ジュースでもお酒でも飲んでも構いません。ただし、食事後に歯磨きが出来ずにアライナーをつけるときは、お口をよくすすいでからつけるようにしましょう。歯列矯正治療中は、歯が動いているときに歯と歯の間に隙間ができてきたり、矯正の装置がはいっています。ワイヤーでの治療でも、マウスピースの治療であっても、食事後に歯磨きの習慣が身につけば虫歯のリスクは減ります。可能であれば、学校や職場でも食後は歯磨きをしてからアライナーをつけるようにしていただければ、虫歯予防にもなり、アライナーの着色も防ぎ、歯列矯正治療が結果的にスムーズに進みます。

アライナーは、原則一日22時間使用しなければなりません。アライナーを外していいのは、ご飯を食べる時と、歯磨きの時だけです。22時間つけている時は、お水だけで他の飲食は厳禁です。

慣れるまでは大変ですが、こんな時はどうしたらいいか?など少しでも疑問や質問などありましたら、いつでも当院にお問い合わせください。お待ちしております。

 

2023.09.05

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)治療中の必需品・便利グッズをご紹介!

  • こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
  • インビザラインを持って笑う女性

マウスピース型矯正装置(当院で採用しているのはインビザライン※です)に関して「マウスピース型矯正装置(インビザライン※)には何が必要なんだろう?」「マウスピースのお手入れは何を使えばいいの?」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

マウスピース型矯正装置による治療中は、食事前後のマウスピースの着脱やお手入れなど新たな習慣が必要です。マウスピースを装着すると虫歯になりやすくなるため、お口のケアも非常に重要といえるでしょう。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中のマウスピースのお手入れ方法、お口のケアのための必需品をご紹介します。治療を快適にサポートする便利グッズや外食時に役立つアイテムもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療中の必需品!

インビザラインを専用のケースに片付ける

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療中はマウスピースを清潔に保ち、お口のケアをしっかりと行わなければいけません。矯正治療中の必需品を4つご紹介します。

マウスピースケース

食事や歯磨きなどでマウスピースを外したときに、保管するためのマウスピースケースが必要です。マウスピースを外した際にティッシュなどで包んで保管すると、誤って紛失する場合や、気づかずに踏んで破損する場合があります。

紛失・破損を防止し清潔に保つために、マウスピースを適切に保管することが重要です。外出時はマウスピースケースを持ち歩き、外したときは必ずマウスピースケースに入れて保管しましょう。

マウスピースケースは、治療を開始するときに付属品としてもらえることが多いです。さまざまなデザインのものが販売されているため、気に入ったものを使用するとよいでしょう。

マウスピース用洗浄剤

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、同じマウスピースを1〜2週間使用します。マウスピースは1日20〜22時間装着する必要があるため、汚れが付着しやすいです。マウスピースを不潔な状態で放置すると細菌が繁殖し、悪臭や虫歯・歯周病の原因になる可能性があります。

マウスピースを清潔に保つために、マウスピース用の洗浄剤を使用するとよいでしょう。マウスピースを水で洗浄したあとに洗浄剤を使用することで、除菌・消臭ができます。

洗浄剤は市販されていますが、入れ歯用やマウスピース用などさまざまな種類があります。入れ歯用の洗浄剤には漂白剤が含まれていることがあり、マウスピースを傷める可能性があるため注意してください。

洗浄剤の購入を検討している場合は歯科医院に相談し、歯科医師や歯科衛生士が推奨するものを使用するとよいでしょう。洗浄剤には、つけ置きタイプや除菌スプレータイプなどがあります。ご自身が使いやすいものを選んで使用してください。

デンタルフロス

矯正治療で歯が動くと、歯と歯の間にすき間ができ、食べ物が挟まりやすくなります。歯ブラシだけでは汚れを落とすのが難しくなるため、デンタルフロスを使用して歯間の清潔を保ちましょう。

デンタルフロスには、必要な長さに切って使用するロールタイプと、ホルダーにフロスが取り付けられているホルダータイプがあります。フロスの種類は数多くあるので、歯科医師や歯科衛生士に相談して、お口の常態に合ったものを選びましょう。

マウスウォッシュ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療中は、マウスピースを長時間装着して歯を覆います。そのため、自浄作用のある唾液が口内に行き届かず、虫歯のリスクが高まります。

ふだんのお口のケアにマウスウォッシュを追加することで、虫歯や歯周病の予防に効果があるでしょう。ホワイトニング効果のあるものなどさまざまな種類があるため、ご自身のお悩みに合ったものを選んでください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の便利グッズ3選!

体の横を指さして笑う女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療中の必需品とは別に、持っていると便利なグッズを3つご紹介します。

アライナーリムーバー

アライナーリムーバーは、マウスピースを取り外すための器具です。マウスピースにアライナーリムーバーの先端のフックを引っ掛け、軽く引っ張って外します。

マウスピースは歯にぴったりとフィットするため取り外しにくく、慣れるまでは着脱が難しいと感じる方が多いです。マウスピースを固定するために歯の表面にアタッチメントを付けると、さらに取り外しにくくなります。

無理に外そうとすると、爪を傷める場合やマウスピースが破損する場合があるでしょう。アライナーリムーバーを使用すると簡単に取り外しでき、爪にも負担がかかりません。

超音波洗浄機

超音波洗浄機とは、超音波で水を振動させて汚れを落とす洗浄装置のことです。メガネや時計などの洗浄機器として知られていますが、マウスピースの洗浄にも使用できます。超音波洗浄機は洗浄液だけでは落とせない汚れも落としてくれるため、マウスピースを清潔に保つことが可能です。

超音波洗浄機は、3,000〜10,000円程度で販売されています。置き場所に困らない小さいタイプや洗浄槽の取り外しができるタイプ、付属品が充実しているタイプなど、さまざまな製品が販売されているため、ご自身に合ったものを選びましょう。

エラスティックホルダー

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、ゴムかけという処置を行うことがあります。ゴムかけとは、ゴムの力を利用して歯を動かし、上下の噛み合わせなどを改善する処置です。

ご自身で上下のマウスピースの突起にゴムを引っ掛けますが、慣れないうちは難しく、時間がかかります。ゴムかけに利用するエラスティックホルダーは、先端にフックがついたプラスチック製の器具です。

使い方は、先端のフックにゴムを引っ掛けて上下のマウスピースの突起にかけるだけです。正しくゴムがかけられないと治療期間が延びる場合や、治療の結果に影響する場合があるため、ゴムかけが苦手な方はエラスティックホルダーを活用するとよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の外食時のお役立ちアイテム

机に並べられた歯をケアするための道具

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中に外食だからとお口のケアを怠ると、虫歯や歯周病になる可能性が高くなります。矯正治療中の外食時のお口のケアに役立つアイテムを3つご紹介します。

歯ブラシ

食後に歯磨きをせずマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病の原因になります。外食時でもお口のケアができるように、歯ブラシをふだんから持ち歩いてください。

食後すぐに歯磨きができない場合は、うがいをしてマウスピースを装着し、歯磨きができる状況になったらすぐに歯磨きとマウスピースの洗浄を行いましょう。

ウェットティッシュ

ウェットティッシュは、外出先で水を使えない場合に非常に役立ちます。

マウスピースを取り外したときは水で洗い流してマウスピースケースで保管しますが、外出先で水が使えないこともあるでしょう。ウェットティッシュがあれば、マウスピースに付いた汚れや唾液を拭き取ることができます。取り外しの前後に手指を拭いて清潔にする目的でも使用できます。

携帯用マウスウォッシュ

外食後すぐに歯磨きができない場合、マウスウォッシュでお口の中を洗うとよいでしょう。歯磨きができる場合でも、マウスピースを装着する前にマウスウォッシュを使用することで、お口の中をより清潔に保てます。

携帯用の小さいマウスウォッシュも販売されているので、外出時は持ち歩くとよいでしょう。

まとめ

インビザラインを前に掲げて笑う女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療中は、マウスピースの着脱やお手入れを行う必要があります。マウスピースを長時間装着することから虫歯になりやすいため、お口のケアが非常に重要です。

治療前と異なる新たな習慣が必要になり、マウスピースによる痛みや違和感も相まって、ストレスを感じることもあるでしょう。今回ご紹介した便利グッズは、ストレスを感じやすい矯正治療を快適にサポートしてくれます。矯正治療は長期に渡るため、できるだけ快適に過ごすためにぜひ活用してください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.08.30

保定装置と後戻りについて

今回は、歯列矯正治療が終わったあとに使用していただく、保定装置(リテーナーといいます)と、保定装置を決められたとおり使用していないとおきる後戻りについてお話します。何年も頑張って歯列矯正治療をして、綺麗な歯の並びと正しい噛み合わせになっても、歯は元に戻ろうとして崩れてしまいます。歯列矯正治療後に、歯の並びが崩れてしまうことを、後戻り(あともどり)といいます。

歯列矯正治療は、何年もお口の中に、ワイヤーやブラケットなど様々な装置が入っています。歯列矯正治療の治療期間が終わると、装置を全部取りますので開放感とともに、お口の中がスッキリします。ご飯も食べやすくなりますし、歯磨きもしやすくなります。この開放感や達成感からつい保定装置(リテーナー)をつけるのを忘れてしまうと、歯はすぐに元に戻ろうと動いてしまいます。歯列矯正治療は、歯を動かす時期を治療期間といい、矯正の装置を外したあとに歯を固定する時期を保定期間といいます。歯列矯正治療が終わったら治療した歯の位置が元に戻らないようにするために固定をし歯を今ある正しい位置に定着させなければなりません。後戻りを防ぐためにも、保定装置(リテーナー)の必要性を知っていただければと思います。

保定装置(リテーナー)とは

歯列矯正の治療後に使う装置のことを、保定装置(リテーナー)といいます。歯列矯正の治療後、装置を外してすぐの歯は、歯と歯の周りの骨(歯槽骨)がまだ不安定なため動きやすくなっています。動きやすい歯は、自然に元の悪い歯並びの時の位置に戻ろうとします。歯が元の位置に戻らないよう定着するために、保定装置(リテーナー)をお渡しします。保定装置は、主治医の判断に従い正しく適切にお使いください。

保定期間とは

歯列矯正治療が終了し、綺麗に整った歯並びと噛み合わせを保定(固定)する期間を、保定期間といいます。矯正の装置を外して最初の一年間(特に外した直後の数日)は、歯が元に戻りやすいので、食事の時、歯磨きの時以外は、保定装置(リテーナー)を必ず使用するようにしてください。後戻りがなく歯の並びが安定してきたら、主治医の判断で、夜(寝る時だけ)など使用する時間は短くなります。また、通院間隔も保定後は、1か月後、3か月後、6か月後となり、その後は1年ごとの通院になります。

 

保定装置(リテーナー)の種類

当院では、歯列矯正治療後の保定装置(リテーナー)は、基本的に可撤式(取り外し可能)の保定装置を使用しますが、例外的に固定式(取り外し不可)の保定装置を使用することがあります。

①可撤式の保定装置

可撤式(かてつしき)の保定装置は、取り外しが可能です。下の歯の保定装置は、歯列矯正治療を行った部位や歯列によって、形が変わります。保定開始後1年間は毎日(一日中)つけてください。食事と歯磨きのときは、外してください。

可撤式保定装置のメリット

  • ・耐久性が良いため長期間の使用が可能
  • ・取り外しが出来るので、食事や歯磨きがしやすい
  • ・歯磨きがしやすいので虫歯のリスクが減る
  • ・咬合面(噛み合わせ)が覆われていないので噛み合わせの影響がない

可撤式保定装置のデメリット

  • ・慣れるまで話しづらい
  • ・銀色のワイヤーが表側にくるので、お口を開けたときに保定装置が見えてしまう
  • ・自分で取り外しが出来るため、長時間外したままにすると歯が後戻りしやすくなる

②固定式の保定装置(フィックスドリテーナー)

固定式の保定装置は、取り外しが出来ません。半永久的に、細いワイヤーを歯に接着したままになります。

固定式の保定装置のメリット

  • ・装置が歯の裏についているため、他の人から見えない
  • ・取り外す必要がないため手間がかからない
  • ・装置が外れなければ後戻りしにくい

固定式の保定装置のデメリット

  • ・歯の裏側につけるため慣れるまで舌感が悪くなる
  • ・細いワイヤーがついているため保定部分にデンタルフロスが使用できない
  • ・歯石がつきやすくなる
  • ・外れていることに気づかないと歯が後戻りしてしまう

白いワイヤー・マウスピース治療後の保定装置

標準でのワイヤー治療は銀色のワイヤーですが、目立たない白いワイヤーで治療された方や、マウスピースでの治療を終えた方の保定装置は、保定後もできるだけ目立たないように前歯の部分は、樹脂製の半透明の保定装置をお渡ししております。半透明なので審美性が高く、保定中も目立ちにくくなっています。

保定装置(リテーナー)のお手入れ方法

取り外しができる保定装置は、外した後、流水でよくすすいでください。特に朝起きてすぐの保定装置は、日中よりも唾液が多くついていますので、よくすすいでください。歯ブラシに歯磨き粉をつけて軽く磨いていただいても構いません。その際も、よく流水ですすぐようにしてください。出来ましたら、一日に一回洗浄剤(ポリデント 矯正用リテーナー用洗浄剤)などを利用していただくと、清潔にお使いいただけます。また、熱で変形してしまうため、熱湯で洗うことや夏場など高温になる車内に放置することはやめてください。保定装置を外したら、必ずケースにいれてください。小さいお子さんがいたずらしたり、ペットが誤って食べたり噛んだりしてしまうことがあります。紛失や破損すると別途料金がかかりますのでご注意ください。

後戻り(あともどり)とは

歯列矯正治療をして、綺麗に整った歯の並びが、治療後に矯正の装置を外したあとに歯が元の場所に戻ろうと動いてしまうことを後戻り(あともどり)といいます。ワイヤー治療やマウスピース型の治療など、どの治療をしても保定装置を正しく使用していないと後戻りをしてしまいます。また、舌癖が残ったままだと後戻りの可能性が高くなります。

保定装置(リテーナー)の必要性

保定装置(リテーナー)は、歯を動かして正しい位置にする矯正治療とは異なり、正しい歯並びに整った歯をその位置から動かないように定着(固定)するために使用します。

ぜひ、このコラムを読んでいただき、保定装置(リテーナー)の必要性を理解して、後戻りを防ぎ綺麗な歯並びと噛み合わせを維持していただきたいです。

当院では、保定期間が1年過ぎても問題がなければパジャマのようにお使いください。とお伝えしています。寝る時にパジャマを着るように日常の生活の一部として保定装置(リテーナー)を長くご使用してください。ただし、加齢によって生じる歯並びの変化は止められません。ご使用中に、紛失・破損など気になることがありましたら、いつでも当院にご連絡をお願いいたします。

2023.08.25

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリットと費用、適応症例を詳しく解説

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインをはめようとしている女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での部分矯正は、全体矯正に比べて治療期間が短くなることや費用が安くおさえられることなど、さまざまなメリットがあります。

しかし、適応症例が限られているため、すべての方が部分矯正を受けられるわけではありません。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリットと費用、適応症例を詳しく解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正は可能?

クエスチョンマーク

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正は可能です。

しかし、すべての患者さまに部分矯正が適応できるわけではありません。部分矯正の適応範囲は、軽度の不正咬合、つまり軽い歯並びの問題がある場合や、抜歯を伴わない症例に限られることが多いです。

部分矯正がご自身の希望や状態に適しているかどうかは、実際に歯科医院での診断を通じて判断する必要があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリット・デメリット

メリットとデメリットのイメージ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正する場合、治療期間が短くなることや治療費用がおさえられることなどのメリットがあります。それぞれ解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリットは、以下のとおりです。

治療期間が短い

部分矯正は、特定の歯のみを対象とした矯正治療です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正をすると、短期間で治療が完了するのが最大のメリットです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は治療開始前にレントゲンや口腔内スキャンを行い、データをもとに3Dの治療計画を作成します。3D映像を用いることで、歯がどのように動き、最終的にどの位置におさまるのかをあらかじめ確認することが可能です。また、治療にかかる期間も明確に把握できます。

部分矯正であれば、対象となる歯の範囲が限られているため、治療期間が短くなることが一般的です。もちろん、矯正治療には予期せぬトラブルが起こる可能性がありますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の場合、高精度の治療計画があるため、計画どおりに進めやすく、結果として患者さまの精神的な負担も少なくなります。

費用がおさえられる

部分矯正は全体の歯を動かす全体矯正と比べて、動かす歯の数が少ない、または動かす距離が短いため、治療期間が短縮されます。そのため、治療に必要なマウスピースの数が減少し、マウスピースの製作や管理コストも低減します。

実際、部分矯正の場合、矯正費用は全体矯正の約半分程度で済むことが多いです。これは、治療を検討している多くの方にとって、非常に魅力的なポイントといえるでしょう。特に、矯正治療の高額な費用に悩んでいる方や予算内での治療を希望している方には、部分矯正がよい選択肢となるわけです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するデメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するデメリットは、以下のとおりです。

適応症例が限られている

部分矯正とは名前のとおり、歯の特定の部分のみを矯正する方法です。そのため、気になる部分のみの微調整や軽度の症例に対してのみ適用が可能です。

たとえば、八重歯や大きく重なったガタガタしている歯の場合、歯を大きく動かす必要があります。特に、歯の大きな動きを伴う矯正の場合、抜歯が必要となることがあります。抜歯が必要となる症例は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正には適していません。

噛み合わせは改善できない

部分矯正は、主に前歯の歯並びを整えるための治療を指します。そのため、部分矯正では、奥歯の間の噛み合わせや歯列全体の問題を解決することは難しいとされています。

噛み合わせの問題は、ただ歯がガタガタしているだけでなく、頭痛や肩こり、顎関節症などの原因ともなり得るため、早めに改善することが非常に重要です。そのため、噛み合わせの改善が必要な方は、前歯だけでなく、全体の歯並びや噛み合わせを調整する全体矯正の治療を選択することが推奨されます。

歯を削ることがある

部分矯正では、前歯の位置を調整するためのスペースが不足している場合があります。全体矯正であれば、小臼歯の抜歯によって必要なスペースを確保することが一般的ですが、部分矯正の場合は抜歯を行いません。その代わり、前歯の間のスペースを少し広げるための方法として、IPR(ディスキング)という処置が採用されることがあります。

IPR(ディスキング)は、前歯の隣同士の接触面をわずかに削ることでスペースを作り出す治療法です。IPRで削るのは歯の表面のエナメル質のみで、削除量は0.25~0.5㎜程度と非常に微量です。そのため、通常は痛みを伴うことはありません。

しかし、エナメル質がもともと薄い、または知覚過敏の傾向がある患者さまは、ディスキングのあとに知覚過敏が増加するリスクがあります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できる歯並び

矯正によって綺麗になった歯並び

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できる歯並びとは、噛み合わせに問題がなく、抜歯が必要ないことです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できる具体的な歯並びは、以下のとおりです。

軽度の出っ歯

出っ歯の程度が軽度で、噛み合わせの問題がない場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正で効果的な治療が可能です。

一方、出っ歯の状態が重度である場合、部分矯正だけでは十分な治療結果を得るのが難しくなります。重度の出っ歯を治療するには、従来の方法である抜歯や外科手術が必要となるケースが多いです。

軽度のすきっ歯

すきっ歯とは、歯の間に不自然なすき間がある状態のことです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正は、すきっ歯の改善にも適していますが、適用条件は、すきっ歯以外の歯並びの問題が存在しないことが求められます。

しかし、歯の問題は単独で存在することは少なく、たとえばすきっ歯がある方は、出っ歯や過蓋咬合など、ほかの歯の位置や噛み合わせの問題も併発していることが多いです。

軽度の叢生

叢生とは、歯と歯が重なるように乱れて生えてきている歯並びのことです。叢生は、歯の大きさに対して顎のサイズが小さく、十分なスペースがないために起こります。

叢生のような歯の重なりは、見た目だけでなく歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯周病の原因となることもあります。叢生が重度の場合、単に歯の位置を調整するだけやIPR(歯の間を削る治療)だけでは解決できないことがあり、必要なスペースを作るために抜歯が必要となるでしょう。

しかし、叢生が軽度の場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正によりIPRなどの方法を駆使して、歯の位置を効果的に調整することが可能です。

矯正後の後戻り

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正は、矯正治療後の歯並びが再び乱れてしまった方に向いています。

矯正治療後に、保定装置(リテーナー)の装着不足により歯並びがもとの状態に戻ってしまう「後戻り」と呼ばれる症状が起こることがあります。後戻りは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正で効果的に改善できる可能性があります。矯正後の歯並びは歯が動きやすい状態であり、短期間でもとの美しい状態に戻すことができる可能性が高いといえるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できない歯並び

両手でバツマークをあらわしている歯科医師

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できない歯並びとは、奥歯に問題があるケースや抜歯が必要なケースです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正できない歯並びは、以下のとおりです。

噛み合わせに問題がある歯並び

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正は、主に審美面の改善が目的であり、前歯の軽度な歯並びの乱れを修正するのに適しています。

しかし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合、単なる審美的な問題ではなく、噛むなどの機能面に影響をおよぼす可能性があります。奥歯の噛み合わせの問題が存在する場合、歯の位置や噛み合わせのバランスを整えるために歯列全体を調整する必要がでてくるのです。そのため、部分矯正のアプローチだけでは十分な治療効果を期待するのは難しく、全体矯正が推奨されます。

抜歯が必要な歯並び

歯が極度に密集している症例や歯のねじれが激しい場合、前歯部分だけの部分矯正では治療の効果は限定的です。なぜなら、十分なスペースがないと歯を動かすことができないためです。

歯が密集している歯並びの場合、まずは抜歯を行って歯の移動スペースを確保する必要があります。抜歯が必要な場合、歯の移動距離が増えるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正では対応できないことがほとんどです。

左右非対称な歯並び

上下の前歯の中心部分のことを「正中」とよびます。正中が上下で揃っていないと、顔全体のバランスや噛み合わせに影響がでるため、矯正治療の際の大きなポイントといえます。正中がずれる原因は「歯」と「顎」の2種類です。

歯が原因で正中がずれている状態は、顎そのものは正しい位置にありますが、歯の配置や並びが不適切であるために正中がずれている状況です。正中をきれいに揃えるには、全体矯正が必要となります。

顎が原因で正中がずれている状態は、顎の位置そのものが不正確であるため、歯も上下で揃っていません。顎の形状に問題がある症例は、単なる矯正治療だけでは対応が難しく、顎の位置を正確に調整するための外科手術が必要となることが多いです。上下の正中が4㎜以上ずれている場合は、顎の問題が考えられます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正する場合の費用

費用を計算している様子

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正の費用は、約30~60万円です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正は自由診療となるため、歯科医院やクリニックによって治療費が異なります。さらに、使用するマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の種類によっても費用は変わります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正の費用相場は、以下のとおりです。

<マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正の費用相場について>

部分矯正の種類 費用

インビザライン・ライト

約45~60万円

インビザライン Go

約35~50万円

インビザライン・エクスプレス

約20~40万円

 

軽度の症例、つまり歯並びのずれが少ないケースほど、治療費は安くなります。

ただし、見た目で気がつかない部分にも歯並びや噛み合わせの問題がひそんでいることがあるため、正確な診断と適切な治療プランの提案のために、まずは歯科医師としっかり相談することが重要です。

また、ブランドによっては10万円と低価格で治療を提供しているところも存在します。

しかし、初期費用に含まれない追加費用が発生することが多く、最終的な総額ではマウスピース型矯正装置(インビザライン※)と変わらない、あるいはそれ以上の費用がかかることもあります。

矯正治療を開始する前に、治療費の詳細や料金体系をしっかり確認し、ご自身の予算や希望に合わせた治療を選ぶことが大切です。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)で部分矯正するメリットは、治療期間が短くなり、費用がおさえられることです。前歯のみの歯並びを改善したい場合には、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正が向いているでしょう。

しかし、噛み合わせに問題があるケースや抜歯が必要なケースなどは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正は適用できません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正はあくまでも前歯の審美面の改善が主な目的であるため、奥歯の移動が必要となる場合は全体矯正が必要です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の部分矯正には、いくつか種類があります。どの治療プランがご自身にあっているのか、カウンセリングを受けて実際に歯科医師に相談しましょう。また、料金体系は歯科医院によって異なるため、事前にホームページなどで確認しておくのがよいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での部分矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.08.18

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に装着するリテーナーとは?装着期間や注意点!

  • こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
  • 専用のケースに置かれたインビザラインのマウスピース

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に装着するリテーナーとは、動かした歯を固定するための装置のことです。矯正治療で動かした歯は、もとの位置に戻ろうとする「後戻り」を起こします。後戻りを防ぐために、リテーナーの装着が必要なのです。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療後に装着するリテーナーについて、装着期間や注意点を解説します。

リテーナーとは?

顎に手を当てて考えるアジア人女性

リテーナーとは、歯列矯正の治療後に装着するものです。新たに矯正された歯の位置を固定し、もとの位置に戻ることを防ぐ目的で使用されます。

矯正直後の歯は十分に安定していないため、何もしなければ歯は自然ともとの位置に戻ろうとする傾向があります。歯がもとの位置に戻ろうとする現象を「後戻り」とよび、後戻りを防ぐためにリテーナーが必要となるのです。

リテーナーは、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置による矯正など、どの矯正治療のあとにも使用されます。矯正治療は歯を理想的な位置に動かす手段であり、リテーナーは矯正治療の成果を維持する役割を果たすのです。

特に、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療のあとには、専用のリテーナーである可撤式保定装置(ビべラ・リテーナーがよく使用されます。透明で取り外し可能な装置で、歯にぴったりとフィットします。日々の生活に大きな影響を与えることなく、矯正した歯並びを維持できるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での治療後に後戻りが起こる原因

机に置かれた?と虫眼鏡のキューブ

マウスピース型矯正装置による矯正後に後戻りが起こる原因は、以下のとおりです。

リテーナーを適切に使用しなかった

矯正治療後の歯の後戻りは、主にリテーナーの装着不足から生じます。治療が完了したあとも、リテーナーを適切に使用することが重要です。リテーナーを装着しないと、歯は徐々にもとの位置に戻り始めます。

リテーナーにはいくつかの種類があり、使用方法に注意が必要です。フィックスタイプのリテーナーは歯列に固定されるので、着脱の管理は不要です。ただし清掃しづらく、歯石が付着しやすいです。

ワイヤープレートタイプやマウスピースタイプのリテーナーは取り外し可能な装置なので、決められた装着時間を厳守しなければなりません。

リテーナーを装着する保定期間の長さも非常に重要です。一般に歯の位置を固定するための保定期間は、矯正治療に要した期間と同程度、つまり数か月から数年程度必要と言われていますが、医学的根拠はありません。

歯並びは加齢とともに変化するため、矯正治療の成果を維持するには、リテーナーの正しい使用と長期的な継続が不可欠です。リテーナーの装着を怠った場合は、ほぼ確実に歯が後戻りします。

口腔習癖がある

口呼吸、舌突出癖(舌を前に出す癖)、爪や唇を噛むなどの口腔習癖は、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。口腔習癖があると歯並びが悪くなるだけでなく、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)などで矯正したあとの後戻りが起きやすくなります。

口腔習癖を改善することは、矯正治療中と治療後の両方において重要です。矯正治療の効果を最大限に引き出し、そのあとも美しい歯並びを維持するために、口腔習癖を改善しましょう。

歯周病が進行している

歯周病が進行すると、歯茎や顎の骨が徐々に溶けます。歯を支える組織が破壊されて歯が動きやすくなり、噛み合わせも不安定になる可能性があります。

特に、矯正後に歯周病になって進行した場合、矯正した歯並びが保たれにくくなるでしょう。歯並びがもとの位置に戻るだけでなく、より悪い方向へ変化することもあります。

矯正治療の結果を維持するには、歯周病の予防と管理が非常に重要です。歯磨きやフロスなどの日常的な口腔ケアを怠らず、定期的に歯科医院での定期検診を受けましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が苦手とする症例だった

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は快適に使用できるマウスピース型矯正装置であり、多くの状況で非常に効果的です。

しかし、すべての歯並びの問題に対応できるわけではありません。例えば、骨格的な異常が原因のケースや抜歯を伴う大きな歯の移動が必要なケースなどは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正が難しいです。

一部の歯科医院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)以外の矯正方法に対応していないため、適切ではないケースにもマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を使用して無理に治療を進めることがあります。無理な矯正治療は、後戻りなどのトラブルを引き起こす可能性を高めます。

自分に合った矯正方法を選択できるように、矯正方法の種類が豊富な歯科医院を選ぶとよいでしょう。

リテーナーの種類

顔が書かれた木のブロックを一つ選ぶ

リテーナーの種類は、主に3つに分けられます。固定式のタイプや患者さま自身で取り外しができるタイプがあります。それぞれのメリットやデメリットをふまえながら詳しく確認しましょう。

フィックスタイプ

フィックスタイプのリテーナーは、歯の裏側に直接ワイヤーを取り付ける保定装置です。主に、下の前歯6本(犬歯から犬歯)に使用されます。

フィックスタイプのリテーナーの大きなメリットは、装置が歯の内側にあるため目立たないことです。細いワイヤーを固定するだけなので不快感が少なく、長時間装着できることもメリットでしょう。

一方、患者さま自身で取り外すことができないため、ブラッシングがしにくくなることがデメリットです。定期的に歯科医院でプロによるクリーニングを受ける必要があるでしょう。

また、歯の裏側に取り付けられるので、自分で装置の状態を確認することが難しいです。そのため、歯から外れても気づかないことがあります。気づいたときには後戻りが進んでいた、ということも珍しくありません。何か違和感がある場合は、すぐに歯科医院に相談しましょう。

マウスピースタイプ

マウスピースタイプのリテーナーは、マウスピース型矯正装置に似ている装置です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)専用のリテーナーは、ビベラ・リテーナーとよばれます。

マウスピースタイプのリテーナーの特徴は、歯を全体的に覆って歯の動きを防ぐことでしょう。特に前歯に凹凸がある場合は、歯全体を安定させる効果が期待できます。

また、ワイヤーが使用されていないため目立たず、違和感も少なく、快適性が非常に高いリテーナーです。

しかし、噛み合わせの部分も覆うため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方の使用には適していません。マウスピースにすぐに穴があく可能性があります。

ワイヤープレートタイプ

ワイヤープレートタイプのリテーナーは、矯正後の歯並びを保つために最も一般的に使用される装置の一つです。歯の表側にワイヤーを配置し、歯列が外側に飛び出すことを防ぎます。歯の裏側は透明なプラスチック素材で覆い、歯列が内側に入ることを防ぎます。

ワイヤープレートタイプのリテーナーの特徴的なメリットは、噛み合わせる部分を覆わないため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも破損しにくいことです。壊れた場合の修理が容易なこともメリットでしょう。

ただし、歯の表側にワイヤーを取り付けるため、装着時には目立ちます。ワイヤーのかわりに特殊な透明な素材でできたリテーナーもあります。矯正治療をうけた歯科医院で相談してみるとよいでしょう。

リテーナーの1日の装着時間

青い机に置かれた赤い時計

リテーナーの装着時間は、一般的に1日20時間以上とされています。取り外し不能な固定式リテーナーの場合、装着時間を気にする必要はありません。

取り外し可能なリテーナーの場合、患者さま自身で管理する必要があります。矯正治療が終わった直後は、歯が最も後戻りしやすい期間であるため特に注意が必要です。

歯並びの安定状況を確認しながら、リテーナーの装着時間を徐々に減らしていくのが一般的です。最終的には、就寝時のみリテーナーを装着するようにします。

ただし、理想的な歯並びを維持するには、リテーナーの装着時間が長ければ長いほどよいとされています。そのため、患者さま自身が日常生活のなかで適切な時間を見つけて、なるべく長くリテーナーを装着することが大切です。

リテーナーの装着期間

風でめくれるカレンダー

リテーナーの装着期間、すなわち保定期間は最低でも約2年とされています。

しかし、患者さまの状態や矯正治療のケースによって大きく変動します。歯並びが整ってきたからといって、自己判断でリテーナーを外すのはやめてください。自己判断でリテーナーを外すと、後戻りを引き起こす可能性があります。

矯正治療が完了しても、リテーナーを続けて使用しましょう。リテーナーの使用期間が長いほど、美しい歯並びを維持することができます。

後戻りを起こさないために気を付けること

黄色い背景に浮かぶ!マークが書かれた吹き出し

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)をはじめとする矯正治療は、高額な治療費用が必要です。費用や時間を無駄にしないためにも、後戻りを起こさないように注意しましょう。

リテーナーの使用方法を守る

リテーナーの使用時は、歯科医師の指示を常に忠実に守ることが非常に重要です。保定装置の使用ルールは食事と歯磨き以外の時間は常に装着することで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)と同様です。

歯並びが安定してきたら就寝時のみの装着になることもありますが、自分で判断しないでください。歯科医師の判断に従って装着時間を調節しましょう。

保定期間は、歯科医師によって判断が異なります。2年程度で終了すると指導する歯科医師もいれば、一生涯装着を続けるように指導する歯科医師もいるでしょう。

大切なのは、リテーナーは歯並びが後戻りしないために非常に重要な役割を果たしているという事実を忘れないことです。

口腔習癖を改善する

後戻りの原因になる口腔習癖がある場合は、改善しましょう。可能であれば、マウスピース型矯正装置による矯正を始める前に習慣を改めるのが理想的です。

口腔習癖をなくすことで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)はよりスムーズに進行します。もし矯正開始前の改善が難しい場合、矯正治療中や矯正後でも改善に努めることが大切です。

口腔ケアを怠らない

歯周病が進行すると後戻りが起きる可能性が高まることを上述しました。歯周病を予防するには、日常的な歯磨きと定期的な歯科医院でのクリーニングが不可欠です。

毎日丁寧に歯磨きを行っていても、完全に落とすことのできない汚れが存在します。歯磨きでは落とせない汚れは、歯科医院でのクリーニングで除去しなければなりません。

歯周病の検査と歯のクリーニングは、後戻りを防ぐだけでなく、健康な歯を維持するためにも非常に重要です。最低でも半年に一度は歯科検診やクリーニングを受けましょう。

まとめ

マウスピースを装着しながら笑う女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療後に装着するリテーナーとは、整えた歯並びを固定させるための装置です。特に、矯正治療の終了直後は、歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起きやすい状況です。そのため、矯正治療後およそ2年間は、リテーナーを装着する必要があります。

リテーナーの装着時間は1日22時間以上が基本ですが、歯列が安定してきたら装着時間は短くなります。矯正治療が終わったからといって、リテーナーの装着を怠ると後戻りが起きるでしょう。再び矯正治療が必要になる可能性もあるので、リテーナーの装着は適切に行ってください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.08.11

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中の食事で気を付けること!食後のケア方法も解説

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピースをはめようとしている女性

マウスピース型矯正装置は、歯列矯正に使用される装置のひとつです。透明の薄いマウスピースを装着して歯並びを整えていきます。当院ではマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を採用しています。

目立ちにくく審美性を保ちながら歯並びを整えることができるため、選択する方が増えている治療法ですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の取り扱いで注意することのひとつに、食事があります。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中の食事で気をつけることや食後のケア方法をご紹介します。

矯正中にマウスピースをつけたまま食事できる?

頬杖をついて疑問の様子の女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、マウスピースを装着したまま食事はしないようにしましょう。

ただし、水や炭酸水などは装着したままとっても問題ありません。マウスピースを装着したまま食事をすると以下の3つのリスクが高まるため、必ずマウスピースを外してから食事をしましょう。

虫歯や歯周病になるリスクが高くなる

マウスピースを装着したまま食事をすると、マウスピースと歯のすき間から食べカスが入り込んでしまいます。通常、歯の表面に汚れが付着した場合、唾液の殺菌作用や再石灰化作用によって虫歯や歯周病を防ぎます。

しかし、マウスピースを装着していると歯の表面に唾液が行きわたりにくく、細菌の活動が優位に働いてしまうリスクが高いでしょう。

矯正中に虫歯になり、虫歯の治療をするとマウスピースが合わなくなることがあります。虫歯や歯周病の原因は歯の表面に残る汚れです。食事の際はマウスピースを外して、汚れが残らないようにすることが大切です。

破損の原因となる

噛む力は男性で60kg、女性で40kgといわれています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースは0.5mmほどの厚みしかないため、マウスピースをつけたまま食事をすると、噛む力に負けて割れたり欠けて破損したりする原因となるでしょう。破損したマウスピースを修復することは難しいため、治療計画に支障がでる可能性があります。

マウスピースが着色する

マウスピースを装着したまま食事すると、飲食物の色がマウスピースについてしまう原因となります。特に、カレーやコーヒーなど歯に色がつきやすいものは、マウスピースにも色がつきやすいです。

透明で目立たないマウスピースが着色してしまうと審美性が大きく損なわれてしまうため、食事の際はマウスピースを外しましょう。

マウスピース装着中に飲食可能なもの

OKサインをだしている女性

マウスピースを取り外していれば飲食の制限はほぼありません。ワイヤー矯正と異なり、矯正前と変わらない食生活ができる点はマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の大きなメリットといえるでしょう。

ただし、矯正開始直後や新しいマウスピースに変えて痛みや違和感などの症状があるときは、負担のかからない、やわらかい食事に変更するなどの工夫が必要となります。

矯正中に飲食をひかえたほうがよいもの

手でストップをあらわしている

マウスピース型矯正装置による矯正中は、食事の制限はありませんが、硬い食べ物や粘着性のある食べ物はひかえましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯に弱い力を加えて歯並びを整える治療法です。歯と骨の間には歯根膜(しこんまく)とよばれる組織があります。矯正治療中は歯根膜が敏感な状態となるため、刺激に対して敏感です。

硬い食べ物や粘着性のある食べ物は歯根膜に強い刺激が伝わるため、痛みなどのトラブルにつながる可能性があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正中の食事に関する注意点

拡声器で警告している

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、食事の際に注意すべき点があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)における食事の注意点は、以下のとおりです。

・飲食する際はマウスピースを外す

・自己管理をしっかり行う

・飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する

以下、それぞれ解説します。

飲食の際はマウスピースを外す

飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高まり、破損や着色の原因となります。間食はもちろん、飴やガム、水分補給をする際も外す必要があります。

矯正治療の効果を十分に得るためには、1日20~22時間以上マウスピースを装着するように指示されるケースが多いでしょう。間食が増えると装着時間も短くなってしまうため、間食はなるべくひかえましょう。

自己管理をしっかり行う

飲食の際に外したマウスピースは、専用のケースに入れて保管しましょう。外食の際に、ペーパーナプキンに包んだまま誤って処分してしまった方は少なくありません。

万が一、マウスピースを紛失してしまうと治療計画どおりに歯が移動せず、治療期間が長くなったり追加費用がかかったりするリスクがあります。飲食の際は、マウスピースを専用のケースに入れる習慣をつけましょう。

飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する

マウスピースは、飲食の際にかならず外す必要があります。飲食の際、外したまま長期間マウスピースを装着せずに過ごすこともあるでしょう。

しかし、マウスピースを外している時間が長くなると、1日に必要な装着時間に満たなくなる場合があります。

マウスピースは、十分な効果を得るために必要な装着時間が決められています。きれいな歯並びを手に入れるためには、歯科医師の指示をしっかり守ることが大切です。飲食後は歯磨きをして、すみやかにマウスピースを装着しましょう。

食後のケア方法

歯ブラシや洗浄剤などのケア用品

矯正中は、食後にどのようなケアを行えばよいのか疑問を感じている方も少なくないでしょう。食後のケアは、マウスピースと口内のケアが必要不可欠です。以下、マウスピースと口内のケア方法をご紹介します。

マウスピースのケア方法

飲食後は外したマウスピースをすみやかに装着しなくてはいけません。

ただし、取り外したマウスピースは、流水下で洗ってから装着しましょう。外した際に洗わずそのまま装着すると、唾液や汚れが石灰化し、マウスピースが汚れたり、においが発生したりするリスクがあります。

清潔な状態を保つためにも、外した際に洗浄する習慣をつけることが大切です。マウスピースを洗う際は、水か人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。お湯を使用するとマウスピースが変形するリスクがあります。

また、こすり洗いをするときは、指か歯ブラシを使用して優しく洗い流します。研磨剤の入った歯磨き粉を使用すると、マウスピースに細かな傷がつくリスクが高いです。

傷ついたマウスピースは、雑菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、歯磨き粉は使用せずに洗浄しましょう。

口内のケア方法

飲食後マウスピースを装着する際は、なるべく歯磨きを行ってから装着しましょう。

飲食後は、歯の表面に食べカスなどの汚れが多く残っている状態です。不衛生な環境のままマウスピースを装着すると、唾液が行きわたらない分、細菌の活動が優位に働き、虫歯や歯周病のリスクが高くなるでしょう。

虫歯や歯周病は、歯の表面の歯垢(プラーク)が原因で罹患します。歯ブラシはもちろん、デンタルフロスなどの清掃用具も併用して、磨き残しのない清潔な口内を保つことがポイントといえるでしょう。

矯正中に虫歯の治療を行うと、マウスピースが入らなくなるトラブルが起こるリスクが高まります。治療期間や費用の負担が増えてしまうため、しっかり口内をケアすることが大切です。

まとめ

マウスピースを手に持ち笑顔の男性

マウスピース矯正装置(インビザライン※)による矯正中は、飲食する際はマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高くなり、マウスピースの破損や着色の原因となります。

治療計画の遅れやマウスピースの再作製などの影響がでる可能性があるため、飲食の際はマウスピースを外して保管する習慣をつけましょう。

飲食後はすみやかにマウスピースを装着する必要がありますが、口内とマウスピースをしっかりケアしてから装着することが大切です。歯ブラシやフロスなどを使用して口内の汚れをしっかり落とし、マウスピースは流水下で洗浄して清潔な状態にしてから装着します。

はじめは面倒に感じますが、時間の経過とともに慣れてくるため、ふだんどおり食事を楽しむことができるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

2023.08.04

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間と治療のプロセスを詳しく解説

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピースを両手で持って装着する女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は治療期間が長いと思っている方も少なくありません。

長い場合は治療期間が3年以上かかる方もいますが、マウスピースを装着する期間は2~3年ほどの方が多いです。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間や治療のプロセスなどを解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは?

2枚のマウスピースを持つ左手

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)とは、近年人気が高まっているマウスピース矯正ブランドのひとつです。シェア率は世界でもトップクラスで、豊富な実績を誇ります。透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいことがメリットでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、食事や歯磨きの時間を除いた1日20~22時間以上透明なマウスピースを装着します。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、歯をゆっくり動かし歯列を矯正するのです。

永久歯に生え変わっていれば、こどもから大人まで幅広い年齢層の方が治療できます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間はどれくらい?

緑とオレンジの机に置かれたカレンダー

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間は個人差が大きく、一律ではありません。

部分矯正では半年〜1年程度、全顎矯正では23年程度といわれています。重度の症例は3年以上になることも少なくありません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正期間が終わったあとは、保定期間とよばれる歯を安定させる期間が必要です。

治療期間を短くしたいと考える方もいるでしょう。

しかし、治療期間の極端な短縮は難しいといえます。無理に治療期間を縮めようとすると、治療後の後戻りや疼痛の原因になります。

少しでも治療期間を短くしたい方は、毎日の装着時間をできるだけ長くする、定期メンテナンスでしっかり歯科医師の助言・診察を受けることなどを徹底しましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療のプロセス

START GOALのステップアップ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の歯列矯正は、初診後にすぐに行えるわけではありません。治療のプロセスを確認しましょう。

診察前のカウンセリング

まずは、診察前にカウンセリングを行います。歯列の悩みや希望の矯正方法、費用、仕事内容(定期的な通院が可能か、マウスピースの装着ができるか)などを聴取されます。

希望の仕上がりにならなかったなどのトラブルを避けるために、ご自身の希望をしっかりと伝えましょう。

精密検査

カウンセリングが終わったら、診察と精密検査を行います。歯科医師が口腔内の様子を視診します。レントゲンやCT、スキャナーを使用して、歯や歯茎の健康状態や歯の根幹などもしっかり確認します。

シミュレーション(3D)

精密検査の情報をもとに、どのような歯列になるかシミュレーションします。3D技術で360度さまざまな角度から歯列の完成系を確認します。

修正したい部分があれば伝えて、違うパターンを作成してもらいましょう。

マウスピースの作成・装着開始

シミュレーションして歯型を取ったあと、約6週間でマウスピース型矯正装置(インビザライン※)のマウスピースが完成します。マウスピースの枚数は人によって異なりますが、治療に必要なマウスピースが一括で作成されます。

マウスピース装着に関する指導を受けたら、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)での矯正治療が始まるのです。

定期検診

トラブルが発生していなければ、1~2か月に1回、定期検診を受けます。定期検診では、虫歯や歯周病の有無などを調べます。歯が計画どおりに動いているか確認し、必要であればマウスピースの微調整を行うでしょう。

歯やマウスピースの状態を確認して、アタッチメントを装着することもあります。アタッチメントは、矯正治療が終了するまで装着するのが一般的です。

リテーナーの装着

矯正治療が終了したら、歯が後戻りしないようにリテーナーを装着します。

後戻りとは、移動させた歯がもとの位置に戻ろうとすることです。リテーナーを装着して歯の後戻りを防ぎ、矯正後の位置に歯を定着させる期間を「保定期間」とよびます。最初の1年は34回、2年目以降は1年に1回の頻度で通院します。歯ならびは加齢とともに変化するので、1年に1回の定期チェックが望ましいでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療が長引く原因

顎に手を当てて悩む女性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が長引く原因にはどのようなものがあるのでしょうか。防ぐことが難しい理由もありますが、ご自身で注意すれば予防できる理由もあります。

歯列の乱れが重度である

治療に使用するマウスピースの枚数は40~60枚と、個人差が非常に大きいです。1枚のマウスピースで2週間の差が生じると考えると、1年程の差があることがわかります。

歯列の乱れが重度な場合、マウスピースの枚数が多くなるでしょう。マウスピースの枚数が多いほど、治療期間が長くなるのです。

マウスピースの装着時間が短い

マウスピースの装着時間が短いと、計画どおりに歯が動きません。新しいマウスピースに交換した際に強い痛みを感じることがあります。

新しいマウスピースを装着できない場合や痛みが強い場合は、1つ前のマウスピースの装着期間を延ばすことが多いです。マウスピースの交換時期が遅れるので、治療期間が延びるでしょう。

口腔内の環境がよくない

マウスピースの装着時間を確保しようと、歯磨きを怠ってはいけません。

虫歯や歯周病になると、歯列矯正を中断して治療を優先させることがあります。治療中は矯正治療を進められない場合が多いため、治療期間が延びることに繋がります。

虫歯の治療で歯を削ると、作成したマウスピースを装着できなくなることもあるでしょう。マウスピースの再製作には2週間程かかるので、治療期間が延びるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療を長引かせないために気を付けること

!マークが書かれた黒板を持つ女性

歯列の乱れが重度であるなど、生まれもった要因から治療期間が長引く場合は、大幅な短縮は難しいでしょう。

しかし、装着時間や自己管理が不足して治療期間が長引くことは防げます。治療を長引かせないために気を付けることは、以下のとおりです。

装着時間を守る

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)では、食事・歯磨きを除く20~22時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。1時間のつけ忘れでも、積み重なれば歯の移動が大幅に遅れる可能性があります。

マウスピースの装着時間は必ず守りましょう。

マウスピースを適切に装着する

マウスピースはしっかりと装着しましょう。マウスピースをうまく装着できていないと、矯正力がかからない可能性があります。

チューイーなどの装着補助具を使用するなど、工夫して正しく装着してください。

マウスピースを紛失しない

マウスピースを紛失すると、作り直しに時間と費用が必要です。

何枚か先のマウスピースであっても、気づいた段階ですみやかに治療中の医療機関に相談してください。

口腔ケアを丁寧に行う

治療中に虫歯や歯周病が発生すると、治療を優先する場合が多いです。

矯正治療を中断することになるため、口腔ケアはしっかり行いましょう。特に、歯列が複雑に入り組んでいる部分は、デンタルフロスや洗口液、タフトブラシなどを活用して清潔にしてください。

定期検診を受ける

治療が順調に進んでいると、受診を面倒に感じるかもしれません。治療を長引かせないためには、トラブルを早期に発見し、早期に対応することが重要です。

自覚症状がなくてもトラブルが起きている可能性はあるので、必ず定期検診を受けて、歯科医師に口内を確認してもらいましょう。

まとめ

専用のケースにインビザラインを片付ける

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間やプロセスについて解説しました。

矯正治療は、どのような方法で行っても年単位での治療期間が必要です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の治療期間を長引かせないために、注意すべきことはいくつかあります。今回ご紹介した内容に注意して、矯正治療のすべてのプロセスを乗り越えましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

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