コラム

2023.09.27

マウスピース治療での注意点(食べ物編)

前回の(飲み物編)に続き、今回はマウスピースで歯列矯正治療での注意点(食べ物編)です。まず、マウスピースで歯列矯正治療をする際、マウスピースのことをアライナーといいます。前回は、飲み物でアライナーが黄ばんでしまうことと、アライナーをつけている時に飲んではいけないものなどを、お話しましたが、食べる物(食事)も黄ばみの原因になります。基本、アライナーをつけている時は、食べることは出来ません。私自身、マウスピースで歯列矯正治療をしていたので、実際にアライナーをつけている時に、食べられるか食べられないか色々試してみましたが…結果何も食べられませんでした。アライナーをつけていると、歯がすべてアライナーに覆われているので奥歯が滑って噛み合いません。歯が噛み合っていないと食べ物が噛めないのです。柔らかいパンやうどんなど試してみましたが、噛めずに吐き出した記憶があります。キシリトールのガムも全く噛めませんでした。アライナーをつけている時に口に出来るのは、お水のみです。食事をする際・お水以外の飲み物を飲む時は必ず、アライナーを外してください。緑茶や麦茶などは飲んでも構いませんが、アライナーが黄ばむ原因になりますので出来れば避けていただくといいと思います。アライナー生活を機に、お水を飲む習慣がつけば健康面でもオススメです。

アライナーを外すのは食事と歯磨きの時だけ


マウスピースでの歯列矯正治療は、アライナーを一日22時間つけることで少しずつ歯を動かし歯並びを治療していきます。一日22時間ということは、一日のうち2時間ほど外せれる時間があります。この2時間は、食事と歯磨きの時間です。食べ物を食べる時と、歯を磨く時だけはアライナーは必ず取らないといけません。2時間でも矯正の装置が自分で外せることが出来るのが、マウスピース矯正のメリットだと思います。しかし、この2時間という時間、長いと思いますか?短いと思いますか?歯磨きが一回5分だとして、朝晩で歯磨きの時間は10分です。ということは、残り110分で、朝昼夜のご飯を食べる計算になります。朝ご飯とお昼ご飯はそれぞれ30分で食べられるかもしれませんが、夜ご飯のときは、ついテレビを見たり、スマホを見たりしてダラダラしてしまい1時間以上経過していることがありませんか?この時点ですでに、『一日22時間つける』が守られていません。このアライナーをつけていない時間は、歯に負荷がかかっていないため歯は正しい位置に動いていないのです。逆に元に戻ろうとしてしまい、だんだんアライナーが合わなくなったり、歯からアライナーが浮いてしまったりしてしまいます。つける日数は守っていても、つける時間を守れていないと、新しいアライナーに交換した時に入らない・合わない・浮いている原因になります。

食べる時にアライナーを外す理由

①アライナーが壊れてしまう

アライナーをつけたまま食事をしてしまうと、噛む衝撃でアライナーが歪んでしまったり変形し割れてしまうなど壊れてしまうことがあります。食事をするときは必ずアライナーを外すようにしてください。

②アライナーが黄ばんでしまう

アライナーをつけたまま飲食をすると、透明なアライナーが黄ばんでしまいます。特にカレーライスを食べたあとは、どんなに歯磨きをしてもアライナーが黄ばみます。マウスピースで歯列矯正治療をしているときに、カレーライスなど着色がつきやすい食事はアライナーの交換前(できれば二日前ぐらい)に食べると、黄ばみも減って清潔にお使いいただけます。

③虫歯になってしまう

マウスピースでの歯列矯正治療で使われているアライナーは、歯をすべて覆っているためそのままで食事をしてしまうと、食べたものが詰まったり挟まったりします。そのままだと虫歯になってしまいます。そもそも、アライナーをつけたままでの食事は出来ません。キシリトールのガムもアライナーをつけているときは噛めませんのでお気をつけください。

食事後に気をつけること

歯が動き始めると、歯と歯の間に隙間ができてきます。この隙間に食べ物が挟まるようになります。繊維質な食べ物(鶏肉・長ネギなど)がとくに挟まりやすく、一度挟まると舌の先や指ではなかなか取ることが出来ず、かなり不快になります。細いパスタの麺などはそのままの形で挟まることもありますし、ゴムを掛けるボタンにも食べ物が引っ掛かりやすくなります。食べ物が挟まったままでアライナーをつけると、虫歯のリスクが高くなりますし、アライナーが合わなくなってしまいます。食事後は、アライナーをつける前に必ず歯磨きをしてください。歯ブラシだけでは、挟まった食べ物はとれないので、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間に挟まった食べ物とって歯磨きをし、歯列矯正治療中はとくに丁寧に歯磨きをすることを習慣づけていただくようにしてください。

間食や外食時に気をつけること


アライナーをつけている時は食べられませんので、間食(おやつなど)をする時もアライナーは外さないといけません。実際、私がマウスピースで歯列矯正治療を始めて一番大変だったのが、この食べる時に取ったり外したりすることでした。お菓子を食べるために、アライナーをとってお菓子を食べ、食べ終わったら歯間ブラシとデンタルフロスを使ったあとに歯磨きをし、アライナーをつける。この一連の流れがなかなか大変で面倒なのです。私は、治療が進むにつれアライナーの生活に慣れてくると、間食もしなくなっていました。間食はしなくても、外食はみなさんされると思います。外食の時、アライナーはいつ外していますか?アライナーは装着時間がとても大切なので、取ってから出かけるのではなく、できればお店についてからお手洗いでアライナーを取って、専用のケースにいれて食事をし、食べ終わったら歯磨きをしてアライナーをつける。という風にしていただければと思います。私は、出かけるときはいつもアライナー用のポーチをいつも持ち歩いていました。ポーチの中身は次の(日常生活編)で詳しく書いていきます。

食べる物の注意点

マウスピースでの歯列矯正治療は、食事をする時に装置が取れ、歯磨きがしやすいのがメリットですが、逆にアライナーをつけている時は何も食べられません(お水のみです)。また、アタッチメントという歯をより良く動かすために、歯にポチポチっとした歯と同じ色の突起物がついています。硬い物を、噛んだ時にこのアタッチメントが取れてしまうことがあります。マウスピースでの治療でもワイヤーでの治療でも、歯列矯正の治療中は、出来るだけ硬い物をガッブっと噛むのはお控えください。装置が取れてしまう原因になります。

まとめ

今回は、マウスピースでの歯列矯正治療中での気をつけていただきたいこと(食事編)をお話しました。マウスピースでの治療は、ワイヤー治療にある食べ物の制限は無いですが、アライナーをつけている時は飲食ができないため(お水のみ)、アライナー生活に慣れるまでは何かと困ることがあるかと思います。気になることがありましたら、いつでも当院にお問い合わせください。