2023.09.26

インビザライン治療では歯を削る?その理由とメリットを解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインを装着する女性の口元

インビザライン治療では歯を削ることがあります。「歯を削って痛くないの?」「どれぐらい歯を削るの?」など、不安に思う方は少なくないでしょう。

今回は、インビザラインで歯を削る理由や、削る際の痛みなどを解説します。

インビザライン治療では歯を削る?

顎に手を当てて考える女性

インビザライン治療では、歯を削ることがあります。歯科医師が口内の状態を確認し、インビザライン治療を進めていくうえで歯を削る処置が必要だと判断した場合のみ削ります。そのため、すべてのケースで削るわけではありません。

インビザラインに限らず、ほかのマウスピース矯正や、ワイヤー矯正でも歯を削ることがあります。矯正治療を進めるうえで行われる歯を削る処置は、歯を動かすためのスペースを作ることが目的です。歯を削る処置は「IPR(アイピーアール)」とよばれます。

歯の削り方は、以下のとおりです。

・やすりで削る

・ディスクで削る

・バーで削る

IPRで使用する機械は、歯科医院によって異なります。やすりで削る場合、歯と歯の間に専用のやすりを入れて、細かく動かして歯を削ります。

ディスクで削る場合は、電動の円盤状の器具を回転させてスペースを作るでしょう。バーで削る場合は、虫歯治療で使われるドリルのような機械を用いて歯を削ります。

インビザライン治療において歯を削る理由

青い机に置かれたWhyと書かれた木のブロック

インビザライン治療で歯を削る理由は、以下のとおりです。

・歯を並べるためのスペースを確保する

・歯の大きさのバランスを整える

・ブラックトライアングルを目立たなくする

それぞれ確認しましょう。

歯を並べるためのスペースを確保する

インビザラインで歯を削る理由として最も多いのは、歯を並べるスペースを確保するためです。歯並びがガタガタになる原因や、出っ歯になる原因の多くは、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りないことです。歯を削ってスペースを確保することで、歯並びを整えます。

歯を削る量はほんのわずかですが、複数の歯の側面を削ることでスペースを確保するのです。

歯の大きさのバランスを整える

歯列矯正では歯並びを動かすことはできても、歯の大きさまで変えることはできません。歯を削ることで、ある程度歯の大きさや形を変えることができます。

例えば、左右で歯の形が違う場合や、上下の歯のバランスを整えたい場合に、歯を削ることがあるでしょう。

ブラックトライアングルを目立たなくする

ブラックトライアングルとは、歯茎と歯と歯の間にできる三角のすき間のことです。

インビザライン矯正に関わらず、歯列矯正をするとブラックトライアングルができやすい傾向にあります。ガタガタしていた部分の歯茎が引き締まったことや、歯が重なっていた部分の歯槽骨が少なかったことが原因で、ブラックトライアングルができるのです。

歯並びが悪い状態だと歯磨きが難しく、汚れが残りやすくなります。汚れが残るとプラークが溜まり、歯茎が腫れることがあるでしょう。

歯列矯正で歯並びが改善され、歯ブラシで汚れを落とせるようになると、歯茎の腫れが治まります。徐々に歯茎が健康的に引き締まるでしょう。そのため、ブラックトライアングルが出現することがあるのです。

歯並びの乱れが大きい場合、歯を支える歯槽骨が薄くなっていることがあります。歯槽骨が少ない部分に歯を並べると、歯が動いたあとにブラックトライアングルが目立つ可能性があるでしょう。

ブラックトライアングルができた場合、歯を削ることで目立たなくできます。歯を削って三角形に近い形をしていた歯を四角形に整えます。その際に生まれたスペースを埋めるように歯を並べることで、ブラックトライアングルを改善するのです。

インビザライン治療で歯を削るメリット・デメリット

merit demeritと書かれたタグが机に置かれている

インビザライン治療で歯を削るメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

インビザライン治療で歯を削るメリットは、以下のとおりです。

・抜歯をせずに矯正できる

・治療期間を短縮できる

・後戻りを防げる

それぞれ解説します。

抜歯をせずに矯正できる

歯列矯正において歯をきれいに並べるためのスペースが足りないと判断された場合、抜歯をする必要があります。

しかし、歯を削るだけでスペースが確保できる場合、抜歯が不要となるでしょう。虫歯などのトラブルが起きていない健康な歯を抜くことに抵抗を感じる方もいます。歯を削ることで抜歯を回避できるのは、大きなメリットでしょう。

治療期間を短縮できる

抜歯をせずに歯を削ることでスペースを確保してインビザライン治療を進めると、治療期間を短縮できる可能性があります。抜歯をしないと、歯を大きく動かす必要がなくなるからです。

歯を削ってスペースを確保した場合、1本あたりの移動距離が短くなるため、治療期間が短くなる可能性があります。

後戻りを防げる

矯正装置で歯を動かしたあとは、歯全体にもとの位置に戻ろうとする力が働きます。歯がもとの位置に戻ることを後戻りといい、インビザラインに限らずすべての矯正方法で起きる可能性がある現象です。

後戻りを防ぐために、矯正装置で歯を動かしたあとは保定装置を装着し、歯列を固定する期間を設けます。歯を削ると、隣接する歯の接着面積が増えるため、支え合う面積が増えて歯並びが安定しやすいでしょう。

もちろん、後戻りを防ぐためには保定装置の使用は欠かせませんが、歯を削ることで後戻りしにくくなります。

デメリット

インビザライン治療で歯を削るデメリットは、以下のとおりです。

・健康な歯を削る

・歯同士が面で接触する

・確保できるスペースが限られる

それぞれ解説します。

健康な歯を削る

最も大きなデメリットは、健康な歯を削ることです。歯を削る量はごくわずかなので、痛みを感じることはなく、虫歯になりやすくなるなどのトラブルもありません。

しかし、健康な歯を削ることに抵抗がある方も多いです。歯を削る必要があるかどうか、事前に歯科医師に確認しましょう。

歯同士が面で接触する

天然歯は歯の先端が丸みを帯びているので、歯の隣接面は点で接触します。

しかし、歯を削ると削った面が平らになるので、歯と歯が面で触れ合うことになります。接する面積が増えるので、汚れが溜まりやすくなるでしょう。

過度に歯を削らなければ心配する必要はありませんが、歯と歯のすき間をより丁寧に掃除する必要があります。

確保できるスペースが限られる

抜歯に比べると、歯を削るだけでは大きなスペースを確保することができません。そのため、大きなスペースを作って歯全体を大きく動かさなければいけないと判断された症状などは、対応できないことがあります。

どんな方法でスペースを確保するのかは、歯科医師が判断します。希望を伝えるのは問題ありませんが、最終的な判断は歯科医師に任せましょう。

インビザライン治療で歯を削る量

歯科医院で治療を受ける男性

一般的に、歯の一番外側にあるエナメル質とよばれる部分を少し削ります。削る場所は歯の両サイド、隣の歯と隣接する面です。

削る量は0.1mm0.25mm程度です。エナメル質は23mm程度あるので、歯を削っても形が大きく変わることはありません。

歯を削るとしみたり痛んだりしない?

顎に手を当てて考える男女

エナメル質の一部を少量削るだけなので、歯がしみたり痛みを感じたりすることはほとんどありません。削ったあとに虫歯になりやすくなることや、歯自体が脆くなることもないでしょう。歯を削っても、エナメル質の大部分は残っているためです。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性

インビザライン治療で歯を削る目的は、歯を並べるスペースを作るためです。歯を削ることで、抜歯をせずに歯列矯正できるメリットはありますが、健康な歯を削らなければいけません。

歯を削る量はわずかなので、削ったことによって歯がしみる、虫歯になりやすくなるなどのトラブルは起きないといわれています。

しかし、歯を削ったあとは歯と歯の間にすき間がある状態です。すき間に汚れが溜まりやすいため、それまでと同じ歯磨きの仕方では汚れが残る場合があります。

歯間ブラシやフロスなど、細かい部分まで掃除できるアイテムを使って、丁寧にケアしてください。ケアが不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

症状によっては、抜歯をしたほうがよい場合もあるでしょう。どのようにインビザライン治療を進めるのかは、歯科医師と相談して決めてください。

インビザライン治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.09.13

矯正中の食事について

歯列矯正中は、食事が食べにくいと想像される方が多くいると思います。
ご想像通り、装置に食べ物が引っかかることや、食べにくいものもあります。
しかし、食べ方に気を付けることでほとんどのものを食べることができます。

矯正治療中に気をつけたい食べ物

装置を壊してしまうリスクがある食べ物

粘りの強いものや装置にくっつきやすいもの、固いものはなるべく控えたほうが良いでしょう。
特に、ガムは溶けないので装置に一度へばりついてしまうと取るのが困難なので気を付けましょう。
キャラメルなどの溶けるものは、食べていただいても構いませんが虫歯のリスクになる為、ダラダラと食べることはおすすめしません。
ハード系のパンやせんべいなどの固いものは、装置にガリっと当たると外れる原因になります。

食べ方に注意が必要なもの

食べられないものはありませんが、食べ方に注意が必要なものはあります。
表側のワイヤー矯正では、前歯で噛み切る、丸かじりをするような食べ方をすると装置を壊してしまうリスクがあります。

装置に着色してしまうもの

ワイヤー矯正の方

カレーやキムチ白いプラスチック製の装置やワイヤーに装置を固定するゴムが着色してしまいます。ワイヤー矯正に影響はありませんが、着色により歯の色から浮いて見えます。プラスチックやゴムについた着色は、歯磨きでは落とせないです。

マウスピース矯正の方(インビザライン)

マウスピースを装着しているときは、基本的にお水しか飲食できません。
マウスピースを装着したままの食事は、マウスピース破損につながるためできません。また、マウスピースを装着したまま清涼飲料水を飲むと清涼飲料水に含まれている砂糖が長時間歯にくっついていることになります。そうすると、むし歯になるリスクが高くなってしまいます。
コーヒーやワインなどを、マウスピースを装着したまま飲食するとマウスピースの着色だけでなく、歯にも着色してしまうため控えるようにしましょう。
お茶も飲んでいただいても問題はありませんが、歯に茶しぶがついてしまったり、マウスピースの着色につながるので気になる方は、マウスピースを装着しているときの水分補給はお水をおすすめいたします。
清涼飲料水や着色がつきやすい飲み物を摂取するときは、一度マウスピースを外してから飲みましょう。

歯や装置にはさまりやすいもの

矯正中は歯が動くので、一時的に歯と歯に隙間ができるので食べ物がはさまりやすくなります。特に、ラーメンやパスタなどの麺類がはさまりやすくなります。
装置の形によっては、ねぎやにらなどのような細い食べ物がぶらんとぶら下がる場合があります。指で取ったり、うがいをしてもなかなか取りづらいので当院では歯ブラシを持ち歩くことをすすめています。歯ブラシがあるとブラシの部分で、食べ物を取り除くことが簡単に行えます。

歯の動きによる痛みがある時にオススメの食べ物

歯が動くことで生じる痛みがある時は、やわらかい食べ物が食べやすいです。
矯正中の食事にオススメのメニューをほんの一例になりますが、紹介しますのでご自身の食べやすいメニューを見つけて、バランス良く栄養を摂取できるよう工夫してみてください。

歯の痛みを感じにくい食べ物

●おかゆ、お茶漬け、ドリア、リゾット
●やわらかいパン類
●スープ、味噌汁、シチュー
●マッシュポテト
●ヨーグルト、ゼリー
●温泉卵

噛みやすい食べ物

●煮込みハンバーグ、ハンバーグなどのひき肉料理
●うどん
●茶碗蒸し
●水餃子
●オムレツなどの卵料理
●煮物
●麻婆豆腐などの豆腐料理

歯の痛みが和らいできたときは、ある程度の食べ応えがありつつ、強く嚙みしめる必要がない食べ物がおすすめです。

矯正中の食事のとり方のコツ

硬い食べ物は避ける

矯正装置に当たって変形してしまったり、外れてしまう原因になるような硬い食べ物はなるべく控えましょう。
また、噛みしめる際に強い力が必要な食べ物は、装置をつけたばかりの方や新しくワイヤーを交換した方にとっては痛みの原因になってしまいます。

粘着性のある食べ物に気を付ける

粘着性のあるガム・キャラメル・お餅などは矯正装置に付着してしまうリスクがあるため、食べていただいても構いませんがくっついてしまった場合は、歯ブラシで取り除いたり溶けるのを待ちましょう。
(※装置によってはガムを禁止しているものもあります。)
装置が頻繁に外れてしまうと、歯への正しい強制力が働かず治療が進まない原因になってしまいます。

奥歯でやさしく噛む

歯にはさまりやすい食べ物を避けていても、前歯付近の装置に食べかすが引っかかってしまうことがあります。
食べ物がはさまっていると違和感がありますし、見た目も気になってしまうので奥歯の辺りでやさしく噛むことをおすすめします。

外食する時は歯ブラシを持ち歩く

ワイヤー矯正をしている場合、マウスピース矯正とは異なり矯正装置がお口の中についた状態で食事をします。
そのため、装置のまわりに食べ物が溜まりやすいというデメリットがあります。
また、歯の裏側に装置がついている場合、ニラやネギのような細い食べ物が装置にぶら下がることがあります。そのようなとき、歯ブラシがあると簡単に取り除くことができます。
さらに、歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシを持ち歩くと便利です。
歯が動いている最中だと、奥歯に細い麵類や鶏肉などとてもはさまりやすくなります。大抵は歯ブラシで取り除くことが可能ですが、歯と歯の隙間に細い食べ物がはさまると歯ブラシで取り除くことが困難な場合があります。
ですが、デンタルフロスや歯間ブラシだと簡単に取り除くことができるので一緒に持ち合わせているといざという時に助かるかと思います。

食材の大きさや固さを工夫する

大きな食べ物や固い食べ物は、装置が外れたり壊れる原因になってしまいます。
そのため、矯正期間中は食べ物の大きさを小さめサイズにしてみたり、やわらかくなるように調理して食べることをおすすめします。

少量ずつ食べる

やわらかい食べ物でも、お口いっぱいに頬張って食べることは避けましょう。
矯正装置に慣れるまでは、食事を食べることが困難に感じると思います。
食事を少量ずつ食べることで、食事の違和感を大きく軽減できるでしょう。

こまめに水分補給をして洗い流す

食事中はこまめに水分補給を行い、食べかすを流すと良いでしょう。
水分補給の際は、清涼飲料水ではなく、お水やお茶がおすすめです。
糖分が入った清涼飲料水をダラダラ飲むと虫歯の原因になってしまいます。

食べ物が詰まった時の対処法

食べ物や食べ方に注意していても、矯正装置に食べ物がはさまったり、詰まってしまうことがあります。
取り外しができないワイヤー矯正の場合は、お水をお口の中に多めに含んでしっかりブクブクうがいをすることで、大きめの食べかすを取り除くことができます。ワイヤーと歯の隙間や装置の周りを磨くときは、一般的な歯ブラシでも構いませんが、歯ブラシのヘッド部分(ブラシの部分)が小さい歯ブラシがオススメです。小回りの利くワンタフトブラシもとても磨きやすいので、普段使っている歯ブラシと併用すると磨き残しが減るでしょう。
矯正装置に詰まった食べ物を放置すると虫歯になるリスクが高くなります。
歯の健康を維持するために、食後はなるべく歯磨きをすることをオススメします。

2023.09.12

インビザラインで受け口を矯正できる?治療法や費用、期間を解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

専用のケースに入れられたマウスピース

見た目だけでなく、滑舌や噛み合わせに影響を与える受け口にお悩みの方もいるのではないでしょうか。

受け口の治療は難しいとされていますが、インビザラインでも矯正できる場合があります。受け口を放置すると、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ早く治療したほうがよいでしょう。

今回は、インビザラインで受け口を矯正する方法や、治療にかかる費用・期間などを詳しく解説します。

受け口とは?

頭から?を浮かべて考える女性

正しい噛み合わせは、奥歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を覆う状態です。反対に、下の前歯が上の前歯よりも前に出る状態を、受け口といいます。

受け口には、歯の位置や向きなどが原因の歯槽性(しそうせい)の受け口と、顎の骨の位置や形などが原因の骨格性の受け口があります。

歯槽性の受け口は、歯並びに問題がある比較的軽度な受け口です。骨格性の受け口は、顎の骨の位置や形を調整しなければ治らない重度の受け口で、治療が難しいとされています。歯槽性と骨格性を併せた受け口もあります。

受け口の種類によって治療の難易度が上がるだけでなく、治療方法や治療にかかる期間・費用などが異なるのです。

受け口になる原因とは?

机に置かれた?の木のブロック

受け口になる原因は、以下のとおりです。

遺伝

親とこどもの顔が似るのと同様に、歯の形や大きさ、顎の骨格なども遺伝します。受け口も、遺伝による影響が大きいのです。

特に、顎の骨の形などが原因とされる骨格性の受け口は、遺伝が原因の場合が多いです。家族に受け口の方がいる場合は、影響している可能性が高いといえるでしょう。

顎の骨の発育不全や発育過剰

上の顎が下の顎よりも発育していない場合や、下の顎が上の顎よりも過剰に発育した場合など、上下の顎のバランスが悪いことが原因で、受け口になることがあります。

顎の成長が原因の受け口の場合、顎の成長が止まった成人後の治療は、難易度が高いといわれています。そのため、顎の成長を促せるこどものうちに治療を開始するのが望ましいです。

こどもの頃からの悪習慣

こどもの頃からの悪習慣が原因で、後天的に受け口になることがあります。悪習慣とは、指しゃぶりや口呼吸をする癖、頬杖をつく癖、舌で前歯を押す癖、下顎を突き出す癖などが挙げられます。

指しゃぶりなどが習慣化すると、歯や顎に負担がかかり、歯並びが悪くなるでしょう。顎の成長に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早期に改善するのが理想です。

受け口をそのままにするとどのような悪影響がある?

頭からモヤモヤを出して悩む女性

受け口を放置するリスクは、以下のとおりです。

うまく咀嚼できない

受け口の状態では、噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わず、食べ物を噛み切りにくいといえます。全体的な噛み合わせも悪いことが多いため、奥歯で食べ物をうまくすり潰せません。十分に咀嚼できていない食べ物を飲み込むと、消化器官に負担がかかるでしょう。

歯や顎に負担がかかる

噛み合わせが悪くなりやすい受け口は、歯や顎に負担がかかりやすくなります。均等に歯に力がかからず、強く噛み合わせる歯が欠けることがあるのです。顎関節に負担がかかることで、顎が痛む、口が開きづらくなるなど、顎関節症を引き起こすこともあります。

無理な噛み合わせから顎の骨が変形する可能性もあるため、受け口は放置せずに治療したほうがよいといえるでしょう。

滑舌が悪くなる

受け口の状態では前歯から空気が漏れやすいため、滑舌が悪くなることがあります。特に、舌を使って発音するサ行やタ行の発音が難しいと感じる方が多いです。

滑舌の悪さから、人前で話すことにストレスを感じることも少なくないでしょう。

口呼吸になりやすい

受け口は、歯並びや骨格の問題から口が開きやすくなります。そのため、口呼吸になりやすいです。口呼吸になると舌の位置が下がり、歯並びが悪化することがあるでしょう。

口呼吸をしている方は口内が乾燥しやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯の寿命を縮めることにもつながるため、受け口を放置するのはリスクが高いといえるでしょう。

インビザラインで受け口を矯正できる?

顎に手を当てて考える男性

インビザラインは歯並びを整える矯正治療のため、歯並びが原因である歯槽性の受け口は治療できることがあります。歯が生えている位置や向きが原因の軽度の受け口の場合、インビザラインで歯並びを整えることで、受け口を改善できるでしょう。

しかし、受け口の矯正は難しいため、歯並びの状態によってはインビザラインで治療できないこともあります。特に、顎の骨の位置や形が原因の骨格性の受け口は、インビザラインで歯並びを整えても改善できないことが多いです。矯正治療だけでなく、顎の骨に対する外科処置が必要になることもあるでしょう。

受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、必ずインビザラインで治療できるとはいえません。

治療方法は歯科医師が判断するため、ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、一度歯科医院を受診して相談してください。

インビザラインで受け口を矯正する方法

歯科医院で治療を受けて笑う女性

こどもの受け口は、顎の成長を促すことと、歯並びを整えることを同時に行えるインビザライン・ファーストで治療可能です。大人の受け口は、歯並びが原因である歯槽性の受け口であれば、インビザラインで治療できることがあります。

インビザラインによって、下の歯を後退させながら、上の歯を前に出すように歯並びを整えることで、受け口の改善が可能です。インビザラインは歯を後退させる動きが得意なので、歯並びが原因の軽度の受け口は効率的に改善できるでしょう。

ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯が必要になります。ワイヤー矯正や顎間ゴムなど、ほかの矯正方法を併用することもあるでしょう。

受け口の状態によっては、インビザラインで治療できないことがあります。特に、骨格性の受け口の場合、インビザラインの適応外の場合や、矯正治療だけでなく外科処置が必要になる場合もあるでしょう。

歯並びが原因の軽度の受け口はインビザラインでも治療できることがありますが、症状によって治療法は異なります。

インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間

机に置かれたファイルとカレンダー

インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間の目安は、1~3年程度です。歯を動かす本数が少ない場合など、軽度の受け口は1年程度で治療が終わるでしょう。

ただし、インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間は、口内の状態によって異なります。特に、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合や、抜歯が必要になる場合は、治療期間が長くかかる傾向にあります。

インビザラインで受け口を治すためにかかる期間を詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して確認してください。

インビザラインで受け口を矯正するためにかかる費用

机に置かれた手帳とペンと電卓

インビザラインで受け口を矯正するためにかかる費用の目安は、600,0001,000,000円程度です。インビザラインを含めた矯正治療は自費診療なので、歯科医院によって費用が異なります。歯を動かす本数や治療範囲、必要になる処置などにも費用は左右されます。

インビザラインで受け口を治すためにかかる費用について詳しく知りたい場合は、歯科医院を受診して確認しましょう。

まとめ

インビザラインを持って笑う女性

歯並びが原因の軽度の受け口は、インビザラインで治療できることがあります。

インビザラインでは治療できない場合や、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合もあるでしょう。骨格性の受け口の場合、インビザラインの適応外になることや、外科処置が必要になることも多いです。

受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、インビザラインでは治療できないことがあるでしょう。

ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して相談してください。

インビザラインでの受け口の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.08.11

インビザライン矯正中の食事で気を付けること!食後のケア方法も解説

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

マウスピースをはめようとしている女性

インビザライン矯正は、歯列矯正のひとつで透明の薄いマウスピースを装着して歯並びを整えていきます。目立ちにくく審美性を保ちながら歯並びを整えることができるため、選択する方が増えている治療法ですが、インビザラインの取り扱いで注意することのひとつに食事があります。

今回は、インビザライン矯正中の食事で気をつけることや食後のケア方法をご紹介します。

インビザライン矯正中マウスピースをつけたまま食事できる?

頬杖をついて疑問の様子の女性

インビザライン矯正では、マウスピースを装着したまま食事はしないようにしましょう。

ただし、水や炭酸水などは装着したままとっても問題ありません。マウスピースを装着したまま食事をすると以下の3つのリスクが高まるため、必ずマウスピースを外してから食事をしましょう。

虫歯や歯周病になるリスクが高くなる

マウスピースを装着したまま食事をすると、マウスピースと歯のすき間から食べカスが入り込んでしまいます。通常、歯の表面に汚れが付着した場合、唾液の殺菌作用や再石灰化作用によって虫歯や歯周病を防ぎます。

しかし、マウスピースを装着していると歯の表面に唾液が行きわたりにくく、細菌の活動が優位に働いてしまうリスクが高いでしょう。

インビザライン中に虫歯になり、虫歯の治療をするとマウスピースが合わなくなることがあります。虫歯や歯周病の原因は歯の表面に残る汚れです。食事の際はマウスピースを外して、汚れが残らないようにすることが大切です。

破損の原因となる

噛む力は男性で60kg、女性で40kgといわれています。

インビザラインのマウスピースは0.5㎜ほどの厚みしかないため、マウスピースをつけたまま食事をすると、噛む力に負けて割れたり欠けて破損したりする原因となるでしょう。破損したマウスピースを修復することは難しいため、治療計画に支障がでる可能性があります。

マウスピースが着色する

マウスピースを装着したまま食事すると、飲食物の色がマウスピースについてしまう原因となります。特に、カレーやコーヒーなど歯に色がつきやすいものは、マウスピースにも色がつきやすいです。

透明で目立たないマウスピースが着色してしまうと審美性が大きく損なわれてしまうため、食事の際はマウスピースを外しましょう。

インビザライン矯正中に飲食可能なもの

OKサインをだしている女性

マウスピースを取り外していれば飲食の制限はほぼありません。ワイヤー矯正と異なり、矯正前と変わらない食生活ができる点はインビザライン矯正の大きなメリットといえるでしょう。

ただし、インビザライン矯正直後や新しいマウスピースに変えて痛みや違和感などの症状があるときは、負担のかからない、やわらかい食事に変更するなどの工夫が必要となります。

インビザライン矯正中に飲食をひかえたほうがよいもの

手でストップをあらわしている

インビザライン矯正中は、食事の制限はありませんが、硬い食べ物や粘着性のある食べ物はひかえましょう。

インビザラインは、歯に弱い力を加えて歯並びを整える治療法です。歯と骨の間には歯根膜(しこんまく)とよばれる組織があります。矯正治療中は歯根膜が敏感な状態となるため、刺激に対して敏感です。硬い食べ物や粘着性のある食べ物は歯根膜に強い刺激が伝わるため、痛みなどのトラブルにつながる可能性があります。

インビザライン矯正中の食事に関する注意点

拡声器で警告している

インビザライン矯正中は、食事の際に注意すべき点があります。インビザライン矯正中における食事の注意点は、以下のとおりです。

・飲食する際はマウスピースを外す

・自己管理をしっかり行う

・飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する

以下、それぞれ解説します。

飲食の際はマウスピースを外す

飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高まり、破損や着色の原因となります。間食はもちろん、飴やガム、水分補給をする際も外す必要があります。

インビザラインの効果を十分に得るためには、1日2022時間以上マウスピースを装着するように指示されるケースが多いでしょう。間食が増えると装着時間も短くなってしまうため、間食はなるべくひかえましょう。

自己管理をしっかり行う

飲食の際に外したマウスピースは、専用のケースに入れて保管しましょう。外食の際に、ペーパーナプキンに包んだまま誤って処分してしまった方は少なくありません。

万が一、マウスピースを紛失してしまうと治療計画どおりに歯が移動せず、治療期間が長くなったり追加費用がかかったりするリスクがあります。飲食の際は、マウスピースを専用のケースに入れる習慣をつけましょう。

飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する

マウスピースは、飲食の際にかならず外す必要があります。飲食の際、外したまま長期間マウスピースを装着せずに過ごすこともあるでしょう。

しかし、マウスピースを外している時間が長くなると、1日に必要な装着時間に満たなくなる場合があります。

インビザラインは、十分な効果を得るために必要な装着時間が決められています。インビザライン矯正できれいな歯並びを手に入れるためには、歯科医師の指示をしっかり守ることが大切です。飲食後は歯磨きをして、すみやかにマウスピースを装着しましょう。

食後のケア方法

歯ブラシや洗浄剤などのケア用品

インビザライン矯正中は、食後にどのようなケアを行えばよいのか疑問を感じている方も少なくないでしょう。インビザライン矯正中の食後のケアは、マウスピースと口内のケアが必要不可欠です。以下、マウスピースと口内のケア方法をご紹介します。

マウスピースのケア方法

飲食後は外したマウスピースをすみやかに装着しなくてはいけません。

ただし、取り外したマウスピースは、流水下で洗ってから装着しましょう。外した際に洗わずそのまま装着すると、唾液や汚れが石灰化し、マウスピースが汚れたり、においが発生したりするリスクがあります。

清潔な状態を保つためにも、外した際に洗浄する習慣をつけることが大切です。マウスピースを洗う際は、水か人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。お湯を使用するとマウスピースが変形するリスクがあります。

また、こすり洗いをするときは、指か歯ブラシを使用して優しく洗い流します。研磨剤の入った歯磨き粉を使用すると、マウスピースに細かな傷がつくリスクが高いです。傷ついたマウスピースは、雑菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、歯磨き粉は使用せずに洗浄しましょう。

口内のケア方法

飲食後マウスピースを装着する際は、なるべく歯磨きを行ってから装着しましょう。

飲食後は、歯の表面に食べカスなどの汚れが多く残っている状態です。不衛生な環境のままマウスピースを装着すると、唾液が行きわたらない分、細菌の活動が優位に働き、虫歯や歯周病のリスクが高くなるでしょう。

虫歯や歯周病は、歯の表面の歯垢(プラーク)が原因で罹患します。インビザライン矯正中において、歯ブラシはもちろん、デンタルフロスや糸ようじなどの清掃用具も併用して、磨き残しのない清潔な口内を保つことがポイントといえるでしょう。

インビザライン矯正中に虫歯の治療を行うと、マウスピースが入らなくなるトラブルが起こるリスクが高まります。治療期間や費用の負担が増えてしまうため、しっかり口内をケアすることが大切です。

まとめ

マウスピースを手に持ち笑顔の男性

インビザライン矯正中は、飲食する際はマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高くなり、マウスピースの破損や着色の原因となります。治療計画の遅れやマウスピースの再作製などの影響がでる可能性があるため、飲食の際はマウスピースを外して保管する習慣をつけましょう。

飲食後はすみやかにマウスピースを装着する必要がありますが、口内とマウスピースをしっかりケアしてから装着することが大切です。歯ブラシやフロス、糸ようじなどを使用して口内の汚れをしっかり落とし、マウスピースは流水下で洗浄して清潔な状態にしてから装着します。はじめは面倒に感じますが、時間の経過とともに慣れてくるため、ふだんどおり食事を楽しむことができるでしょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.07.28

インビザラインで出っ歯を治療するメリットや費用、治療法を解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインを前に掲げて笑う女性

インビザラインで出っ歯を治療することは可能ですが、ワイヤー矯正との併用や外科手術が必要な場合があります。

今回は、インビザラインで出っ歯を治療するメリットや費用、治療法について解説します。

出っ歯とは

前歯を見せて笑う女性の口元

出っ歯とは、主に上の歯または上顎全体が前に突き出ている状態です。専門的には、上顎前突とよびます。

一般的には、上の前歯が前に出ている状態を思い浮かべる方が多いと思いますが、必ずしも上の歯が大きく前に出ているわけではありません。実際には、下顎が通常より小さく発育している場合に、上の前歯が前に突き出て見えるという状況もあります。下顎が小さいため、相対的に上の前歯が前に出て見えるというケースも、出っ歯として認識されるのです。

出っ歯になる原因

顎に手を当てて考える女性

出っ歯になる原因は、遺伝などの先天的なものと後天的なものがあります。

遺伝

出っ歯は遺伝によっても引き起こされることがあります。

一つは、遺伝による前歯の位置の異常です。遺伝的な要素によって上の前歯が前方に位置することで、出っ歯になります。

もう一つの要因は、遺伝による上下の顎のバランスの異常です。上顎の骨が過度に成長することで前歯が前方に突出し、出っ歯になることがあります。下顎の骨の成長が不足した場合も、相対的に上顎が前方に位置することになり、出っ歯に見えることもあるでしょう。

歯列のバランス

上の前歯のサイズが大きすぎる場合、出っ歯になることがあります。

歯が正常よりも大きいと、歯と歯の間に十分なスペースがなくなるため、歯が前方に出る可能性が高まります。歯自体の形状や大きさが原因なため、個人の努力で解決することは難しいです。

日常の癖

出っ歯は遺伝的な要因以外に、生活習慣や日常の癖が原因で生じることがあります。

特に、こどもの頃の癖が出っ歯を引き起こす原因となることが多いです。指しゃぶりや舌を上の前歯に当てる癖などが上の前歯を前方に押し出し、出っ歯になります。乳児期の癖が問題になることは少ないですが、幼児期や学童期まで癖が続くと歯並びへの影響が大きくなるでしょう。

口腔習慣は早い段階で改善することが重要です。4~5歳になっても指しゃぶりや舌を前に出す癖などが続いていると、歯並びが乱れる可能性が高まります。保護者の方が指導しても改善しない場合は、歯科医師に相談して専門的なアドバイスを得ましょう。

インビザラインで出っ歯は治療できる?

顎に手を当てて考える女性

インビザラインは、出っ歯やガタガタした歯並び、八重歯、受け口などの不正咬合を治療するための矯正方法の一つです。透明なプラスチック製のマウスピースを使用し、歯並びを徐々に修正し、美しい歯列に整えます。

出っ歯の治療では、小臼歯を抜歯し、歯を大きく動かして歯列を下げる方法が一般的です。歯の移動距離が長い場合はワイヤー矯正が適しており、ワイヤー矯正とインビザラインを組み合わせて治療することもあります。

しかし、上顎の骨格が前に出ているような骨格に問題がある出っ歯の場合は、インビザラインだけで口元の突出感をなくすのは難しいです。骨格に問題がある出っ歯の場合は、外科手術を行って上顎を後退させる必要があります。

インビザラインで出っ歯の治療は行えますが、ほかの矯正法と組み合わせる場合や外科的手術が必要な場合もあるのです。

インビザラインで出っ歯を治療するメリット・デメリット

MERIT DEMERITと書かれたメモが吊るされている

歯の移動量が大きい出っ歯にはワイヤー矯正のほうが適していますが、インビザラインにもさまざまなメリットがあります。インビザラインで出っ歯を治療するメリット・デメリットをご紹介します。

インビザラインで出っ歯を治療するメリット

インビザラインで出っ歯を治療するメリットは、以下のとおりです。

治療結果を予測できる

インビザラインでは、治療を開始する前にコンピューターを用いたソフトウェア「クリンチェック」で治療結果のシミュレーションを行います。クリンチェックでは、治療後の歯の動きや変化を具体的に可視化することが可能です。

シミュレーションを通じて、患者さま自身が治療後の歯並びや顔つきを事前にイメージすることができます。治療のゴールが明確になり、術後に想像と違う結果になって後悔するなどのトラブルを避けることも可能です。

矯正装置が目立たない

インビザラインは透明で薄いマウスピースを使用するため、外見上の違和感が少なく、目立たずに歯列矯正を行うことが可能です。

従来のワイヤー矯正の場合、金属製の矯正装置が歯に直接取り付けられます。口を開けたときに矯正装置が目立つのに対し、インビザラインは装着していることがほとんどわかりません。

痛みや違和感が少ない

インビザラインは、12週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯をゆっくりと移動させます。従来のワイヤー矯正と比較して微細な圧力で動かすため、歯が動く際の痛みが抑えられるでしょう。

マウスピースは非常に薄く作られており、粘膜や舌への刺激が大幅に軽減します。口内炎や舌の痛みなどの問題に悩むこともほとんどありません。

マウスピースを取り外せる

インビザラインのマウスピースは、ご自身で簡単に着脱できます。

食事や歯磨きの際などに矯正装置を取り外すことが可能なため、食事が制限されることや歯磨きがしにくくなることがありません。ワイヤー矯正のように、食べ物が引っ掛かって取れなくなることや、磨き残しが生じる心配もないのです。

口内を清潔に保てる

インビザラインのマウスピースは自由に取り外すことができるため、歯磨きや装置の清掃が簡単です。

流水と歯ブラシを使ってマウスピースを丁寧に清掃できるため、食べかすや細菌が装置に付着して、口内環境を悪化させることを防げるでしょう。

インビザラインで出っ歯を治療するデメリット

インビザライン出っ歯を治療するデメリットは、以下のとおりです。

虫歯や歯周病のリスクがある

インビザラインを進めている最中に虫歯や歯周病になった場合、治療のために矯正を一時的に中断しなければなりません。虫歯や歯周病の治療が終わるまで、インビザラインを再開することはできません。

虫歯治療によって歯の形状が変わると、治療後の歯の形状に合わせて新たなマウスピースの作製が必要です。新しいマウスピースが作成され、患者さまに届くまでには時間がかかるため、治療期間がさらに延びる可能性があります。

適応症例が限られている

インビザラインでの矯正は非常に便利で効果的な治療法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。出っ歯の種類によっては、インビザライン単独では治療が困難な場合もあります。

インビザラインを希望しても、ワイヤー矯正と併用することで治療期間を短縮できるケースも存在します。インビザラインだけで出っ歯の治療を行えない場合もあるため、注意が必要です。

自己管理を徹底する必要がある

インビザラインは着脱が自由にできますが、デメリットにもなり得ます。

矯正治療は、装置をつける時間が長ければ長いほど効果が出ます。装着時間が短いと、治療期間が延びるでしょう。ご自身で装着時間をしっかりと管理することが重要です。

また、マウスピースの破損や紛失にも注意が必要です。取り外しが可能なため、ティッシュに包んで誤って捨ててしまった方や、マウスピースを置いていることを忘れて上に物を置いてしまい、マウスピースが破損してしまった方もいます。外した際は専用のケースに入れる、保管場所を決めるなど、破損・紛失に気をつけてください。

ワイヤー矯正よりも治療期間が長くなる場合がある

インビザラインは、ワイヤー矯正と比較すると歯に与える圧力が弱いため、矯正期間が延びる傾向にあります。

マウスピースの装着を忘れる、マウスピースを紛失するなど、マウスピースを装着していない時間が多いと、治療期間はさらに長引きます。自己管理が苦手な方や紛失するリスクを避けたい方は、取り外しの必要がないワイヤー矯正を選択しましょう。

インビザラインでの出っ歯の治療法

歯科医院で説明を受ける女性患者

インビザラインでの出っ歯の治療法は、抜歯を必要とする方法と必要としない方法で分けられます。

抜歯をする治療法

歯が大きいなどの理由で歯列をきれいに整えられない場合は、抜歯が必要になります。抜歯によってできたスペースを利用して、突き出ている歯を奥へと移動させて歯並びを整えるのです。

抜歯が必要となる場合、一般的には4番目の小臼歯(前歯から数えて4番目、最初の丸い歯)が抜かれます。前歯と奥歯の間に位置しており、この場所にスペースを作ると全体の歯の移動量が最小限に抑えられるからです。歯の役割を「食べ物を噛み切る前歯」「食物をすり潰す奥歯」と分けると、4番目の小臼歯の役割が相対的に少ないため、抜歯対象となることが多いです。

抜歯をしない治療法

抜歯をしない治療法では、奥歯を後方へ移動させて、すき間を作ります。最も奥にある歯を後ろに動かし、生まれたスペースに隣の歯を移動させることで前歯へと空間を集めます。前歯に空間が集まったら、出っ歯を改善するのです。

しかし、歯は無限に移動させられるわけではありません。歯を動かせる範囲を超えた場合は、歯と歯の間を微細に削ることもあります。歯の側面を削る処置をIPR(ディスキング)とよびます。IPRを行うことで新たなスペースが生まれ、歯を移動させる余裕が生まれるのです。

インビザラインでの出っ歯の治療にかかる期間

机に置かれた植物とカレンダー

インビザラインでの出っ歯の治療期間は、短い場合で約半年、長い場合で約2年とされていますが、患者さまの歯並びの状態によって大きく変動します。

治療期間を具体的に決定する大きな要素としては、奥歯の矯正が必要かどうかが挙げられます。全体的に歯並びが悪く奥歯も動かす必要がある場合は、治療時間が長くなるでしょう。奥歯は、前歯と比べて動かすのに時間がかかるためです。

一方、全体的な歯並びに大きな問題がなく、見える部分だけの矯正を目指す部分矯正の場合は、治療期間が半年程度と比較的短くなることが多いです。

インビザラインでの出っ歯の治療にかかる費用

机に置かれた電卓とノートとペン

インビザラインは自由診療で保険適用外のため、費用は歯科医院により異なります。部分矯正の費用は約400,000500,000円、全体矯正の場合は約700,0001,200,000円とされています。

上記の費用相場はインビザラインだけの費用なので、診断料や検査料、毎月の調整料等が別途必要な場合もあるでしょう。調整料が必要な場合は、治療期間が長引くと治療費も増大します。

しかし、費用が安いという理由だけで歯科医院を選ぶと、医師の治療技術が十分でないために治療が失敗し、さらなる費用がかかるケースがあります。治療費を検討することは重要ですが、信頼できる歯科医院かどうか、インビザラインの実績があるか、さまざまなケースに対応可能かどうかも確認し、総合的に歯科医院を選びましょう。

まとめ

マウスピースを装着しながら笑う女性

インビザラインで出っ歯を治療する場合、抜歯を必要するケースと必要としないケースに分けられます。すべての症例にインビザラインが適応されるわけではありません。多くの移動量を必要とする出っ歯の場合は、ワイヤー矯正との併用が必要となることがあります。歯並びではなく、骨格に問題がある場合は、矯正治療だけでは改善できないため外科手術が必要になるでしょう。

インビザラインは矯正装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外すことが可能なメリットの大きい治療法です。一方で、自己管理が重要となるなどのデメリットも存在します。

インビザラインでは、クリンチェックとよばれるシミュレーションソフトを活用しますが、歯科医師の技術力にも治療結果は大きく左右されます。信頼できる歯科医院を選ぶために、事前にホームページで医師の情報を確認し、カウンセリングを受けましょう。

インビザラインでの出っ歯の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.07.21

インビザラインで歯が動く仕組みとは?補助装置についても解説!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

整った歯を見せて笑う女性

インビザラインで歯が動く仕組みには、歯根膜が大きく関係しています。歯に圧力をかけられた歯根膜が膨張・収縮することで、顎の骨の吸収・再生が行われて徐々に歯が動くのです。

今回は、インビザラインで歯が動く仕組みや補助装置について詳しく解説します。

歯の矯正治療で歯が動く仕組み

顎に手を当てて考える女性

歯は、歯茎から見えている歯冠と、歯茎に隠れている歯根から成り立ちます。歯根の周囲にある、骨と結合している薄い膜が歯根膜です。歯科矯正では、歯根膜の働きを活用して歯を動かします。

歯冠に力を加えると歯根にも伝わり、加えられた力によって引っ張られる側の歯根膜は伸び、逆に押された側の歯根膜は縮みます。さらに力を加え続けると、引っ張られて伸びた側の歯根膜は厚みを増し、押されて縮んだ側の歯根膜の厚みは減るのです。厚みを増した歯根膜は、もとの厚さに戻ろうと働き、すき間を埋めるように新しい骨を形成します。厚みが減った側の歯根膜は、もとの大きさに戻ろうと働き、骨を溶かす細胞を活性化させます。

ワイヤー矯正やインビザラインなど、どの矯正方法でも、歯根膜が一定の厚さを保つための働きを利用して歯が動かされます。歯根膜がもとの厚みに戻ろうとする性質を利用して、少しずつ確実に歯を正しい位置へと導くのが、矯正治療の仕組みです。

仕組みを知らないと、力を加えて無理に歯を動かしているように見えるかもしれません。

しかし、実際には人間の体が本来持つ、歯根膜が厚さを一定に保とうとする働きを利用して歯を自然に動かします。

インビザラインで歯が動く仕組み

スマホを操作して考える女性

インビザラインは、歯と歯茎全体を包み込むマウスピース型の矯正装置を用いて歯を動かす方法です。従来のワイヤーとブラケットを使用した矯正とは異なり、目立たないことが特徴です。

インビザライン矯正は、口腔内のスキャナーで歯形や歯並びの情報を取得することから始まります。得られたデータを分析し、一人ひとりの口腔状態に合わせたオーダーメイドのマウスピースが製作されるのです。アライナーともよばれるマウスピースは、もとの歯並びと少しずらして製作されます。そのため、マウスピースを装着するとずれによって歯に圧力がかかって歯が動くのが、インビザラインの仕組みです。

一般的に、マウスピースは約12週間ごとに新しいものに交換します。1つのマウスピースで、0.25mmほど歯が動きます。微細な力で徐々に歯が動かすため、インビザライン矯正は、ワイヤー型矯正に比べて痛みや不快感が少ないと思われる方が多いことも特徴です。

歯を動かすために使われる補助装置

インビザラインを見せて説明する女性歯科医師

インビザライン矯正では、効率的に歯を動かすために補助装置が用いられることも多いです。今回は、アタッチメントと顎間ゴム(ゴムかけ)をご紹介します。

アタッチメント

インビザラインの矯正治療では、より効果的な治療を目指して、アタッチメントとよばれる小さな樹脂製の器具が使用されることがあります。

アタッチメントは、歯の色に近い突起状の器具で、歯並びの微調整や治療をスピーディに進める目的で使用される場合が多いです。治療完了後には跡を残さず取り外されるため、心配する必要はありません。

アタッチメントの使用は、マウスピース型の矯正装置が歯に固定されることを助け、歯の向きや角度の微調整を可能にします。適切な位置にアタッチメントを設置することで、矯正治療がより効果的に行えるのです。

ただし、全ての症例でアタッチメントが使用されるわけではありません。必要に応じて歯科医師が使用を指示します。

アタッチメントの形状や大きさによって作用する力は変わります。例えば、縦に生えている歯に対してねじれた力を加える、前に出ている歯を歯茎から90度の向きに動かすような力を加えることなども可能です。治療目標に応じて、最適な形状のアタッチメントが取り付けられるでしょう。

顎間ゴム(ゴムかけ)

顎間ゴム(ゴムかけ)は、歯科矯正治療において上の歯と下の歯の噛み合わせを改善するために使用されます。フック状の装置に医療用ゴムを引っ掛けるものです。

見た目の歯並びが改善されたあとに行われることが多く、機能面の改善を目的に最終仕上げとして行われます。

歯科矯正では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの状態も重要視されます。歯並びが美しくなっても、食事中に顎に痛みを感じると食事が苦痛になるでしょう。このようなケースにおいても、顎間ゴムは重要な役割を果たすのです。目安ですが、120時間ほど装着します。

ゴムの種類と用途を表にまとめました。

<顎間ゴムの種類と用途>

ゴムの種類 用途
Ⅱ級ゴム ・主に上顎前突(出っ歯)の症例に使用する
・上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が後方へ、下顎は前方へ引っ張る
Ⅲ級ゴム ・主に反対咬合(受け口)の症例に使用する
・下顎の犬歯と上顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が前方へ、下顎が後方へ引っ張る
クロスゴム ・クロスバイトやシザーズバイト(歯列が左右にずれている)に使用する
・上顎と下顎の同じ歯の頬側、舌側または口蓋側にゴムをかける
垂直ゴム ・上顎と下顎の歯が接触していない、開咬に使用する
・上顎と下顎の同じ歯の頬側にゴムをかけ、上下の歯を互いに垂直に引っ張る

 

インビザライン治療の効果はいつ頃から実感できる?

インビザラインを持って笑う女性

インビザラインによる矯正治療の効果を感じるまでの期間は、個々の状況や治療計画によって異なります。インビザライン治療の効果を感じられる一般的な時期は、以下のとおりです。

初期の変化

インビザライン矯正では、1枚のマウスピースで0.25mmほどしか動かせないため、治療を開始してすぐには効果を実感できません。通常、治療開始から34か月程度で効果を実感できるでしょう。

中期の変化

数か月〜1年程度の途中経過時期には、歯の移動や整列が進み、より明らかな変化が感じられるでしょう。アライナーを定期的に交換することで、歯列は理想の位置へと徐々に近づきます。数か月〜1年程度経つと、歯の位置や噛み合わせの改善が明確に感じられる方が多いです。

最終的な変化

最終的な治療結果は、治療開始から12年後に実感できます。部分矯正や軽度の症例の場合は、早くて半年ほどです。

まとめ

インビザラインを専用のケースに片付ける

インビザライン矯正で歯が動く仕組みは、歯根と骨の間にある歯根膜が関係しています。マウスピースで歯冠に力を加えることで、片側の歯根膜は引っ張られて厚みが増します。一方、押された側の歯根膜は縮んで厚みが減るので、厚みを補うために骨が形成され、引っ張られた側の歯根膜の骨は吸収されていくのです。

骨の吸収と再生のサイクルを利用して歯を動かすのが、矯正治療の仕組みです。早く動かそうと過度に力を加えると、歯根に炎症が起きて歯根吸収が起きます。歯根吸収が起きると、痛みを感じる場合や、歯がグラグラと動く場合があるでしょう。矯正治療では、適度な力を加えること、骨の吸収と再生のサイクルに合わせて歯を移動させることが非常に重要です。

インビザライン矯正では、歯を効率的に動かすためにアタッチメントや顎間ゴム(ゴムかけ)などの補助装置を使用することがあります。正しく使用することで、より早く、よりきれいな歯並びを手に入れられるでしょう。

インビザライン矯正は、1つのマウスピースで0.25mmほどしか歯が移動しません。矯正の効果を実感するまでに34か月ほどかかりますが、治療中の問題や後戻りのリスクを下げるために、根気強く続けましょう。インビザライン矯正について疑問や不安がある場合は、事前に歯科医師に相談してください。

インビザラインを検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.07.14

インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人とは?

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインを専用のケースに片付ける女性の手元

インビザライン矯正では、治療が難しい症例があります。インビザライン矯正ができない場合、ほかの治療法できれいな歯並びを目指せるため、矯正治療自体を諦める必要はありません。インビザライン矯正に必要な自己管理についての知識を身につけ、ご自身の生活スタイルと照らし合わせながらインビザライン治療を受けるかどうか検討しましょう。

今回は、インビザライン矯正ができない症例やインビザライン矯正がおすすめできない人、かわりの治療法について解説します。ご自身に合った無理のない治療法で、歯並びを整えましょう。

インビザライン矯正ができない症例とは

胸の前でNGサインを作る女性

インビザライン矯正ができない症例は、以下の4つです。

・歯並びの乱れが重度な症例

・歯周病が進行している症例

・複数本の抜歯が必要な症例

・インプラント治療の経験がある症例

ひとつずつ解説します。

歯並びの乱れが重度な症例

歯並びの乱れが重度な場合、インビザライン矯正での治療が難しいです。具体的には、出っ歯、受け口、噛み合わせが深い状態である過蓋咬合(ディープバイト)、ガタガタした歯並びである叢生が、重度の症例として挙げられます。

例に挙げた歯並びは、治療の過程で抜歯が必要なケースが多いです。歯の移動距離が長く、平行移動が必要になります。そのため、歯を細かく動かして調整するのが得意なインビザライン矯正は不向きです。

歯周病が進行している症例

歯周病が重度の場合、インビザライン矯正だけではなく矯正治療自体が困難です。歯周病の炎症が顎の骨に広がると、歯を支える顎の骨が溶かされます。骨が溶けた状態では、歯列矯正の強い力に歯が耐えられず抜けてしまうため、矯正治療が難しいのです。また、歯の再生も起こらないため、治療完了後の正しい位置に歯を定着させることができません。

矯正治療を検討している方は、毎日の歯磨きで歯周病を予防しましょう。すでに歯周病の症状がある方は、矯正治療を希望していることを歯科医師に伝え、歯周病治療の開始してください。

複数本の抜歯が必要な症例

複数本の抜歯が必要な場合、インビザライン矯正で治療できない可能性があります。歯を複数本抜歯すると歯の移動距離が長くなるため、歯並びの微調整を得意とするインビザライン矯正は不向きとなるのです。

抜歯が必要な症例として、重度の出っ歯や叢生などが挙げられます。これらの症例では、抜歯であいた空間にほかの歯を移動させるために、長い期間が必要です。そのため、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用する、インビザライン矯正以外を選択するなどで治療する場合が多いでしょう。

インプラント治療の経験がある症例

インプラント治療の経験がある方は、インビザライン矯正が難しいとされています。

インプラントは、顎の骨に埋め込んだネジを人工歯の土台とするため、矯正力を加えても動かすことができません。歯列矯正の対象はあくまでも天然の歯なので、インプラント部分は対象外なのです。

インビザライン矯正をおすすめできない人

 NGの吹き出しを出す木の人形

インビザライン矯正が向いていない人の特徴は、以下の3つです。

・決められた装着時間を守れない

・マウスピースの定期的な交換ができない

・適切な衛生管理ができない

インビザライン矯正は自己管理が必要なため、生活スタイルや性格によってはインビザライン矯正が向いていない場合があります。以下を参考に、ご自身の生活に取り入れられそうか検討してください。

決められた装着時間を守れない

インビザライン矯正は、マウスピースを12022時間装着する必要があります。決められた時間を守る前提で治療計画が立てられているため、装着時間が短くなると計画どおりに歯が動きません。

食事や歯磨きの時間などは除いて2022時間の装着が必要なため、食後は必ずマウスピースを装着する習慣をつけましょう。装着時間が守れない人、まとまった食事時間がとれずマウスピースを頻繁に取り外す人は、インビザライン矯正は向いていないといえます。

マウスピースの定期的な交換ができない

インビザライン矯正は、定期的に新しいマウスピースに交換しなければいけません。

インビザライン矯正では、12週間ごとにマウスピースを交換し、歯を徐々に移動させ歯並びを整えます。ご自身で交換時期を意識して新しいマウスピースへの取り替えを行い、歯科医師に歯の動きをチェックしてもらうために定期的に受診する必要があります。

マウスピースの交換や定期検診を怠ると歯の移動が遅れるため、治療が停滞するでしょう。交換時期の管理が難しい人は、インビザライン矯正よりも、歯科医師の管理のもとで進めるワイヤー矯正のほうが向いているといえます。

適切な衛生管理ができない

インビザライン矯正は、取り外しのたびにマウスピースを洗浄する必要があります。

洗浄が不十分だと、マウスピースが不衛生になり、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病治療を優先する場合が多いです。治療計画から大幅に遅れるため、食事や歯磨きのときにマウスピースを外したら必ずブラッシングを行い洗浄しましょう。

また、定期的にマウスピース専用の洗浄剤を用いて清潔に保つ必要があります。毎日の適切な衛生管理に苦手意識のある人は、インビザライン矯正は向いていないといえるでしょう。

インビザライン矯正にかわる治療法

ワイヤー矯正をつけて笑う女性

インビザライン矯正が適応外でもかわりの方法で治療が可能なため、矯正治療を諦める必要はありません。インビザライン矯正のかわりの方法は、以下の2つです。

・ワイヤー矯正

・ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用

それぞれ解説します。

ワイヤー矯正

インビザライン矯正のかわりの治療方法として第一の選択となるのが、ワイヤー矯正です。

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ブラケットに通したワイヤーの力を利用して歯並びを整える治療方法です。ワイヤー矯正は歯を大きく動かせることが特徴なため、抜歯が必要な重度の叢生や重度の出っ歯などの治療にも向いています。ワイヤーでの締め付けにより、インビザライン矯正よりも強い力が加わるため、歯を早く動かせます。

しかし、ワイヤー矯正は、インビザライン矯正のように自力で装置の取り外しができません。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、クリアブラケットを選択するとよいでしょう。ワイヤーやブラケットが透明や白色になっている、目立たない矯正装置が利用できる場合があります。

ワイヤー矯正は多くの症例で治療が可能なため、インビザライン矯正ができないといわれた人も治療が可能です。

裏側矯正

ワイヤー矯正のなかに、裏側矯正という方法があります。

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。矯正装置が正面から見えないため、審美性が気になる方も治療に取り組みやすいことがメリットです。インビザライン矯正は、矯正していることが目立たないことから選択する人が多いので、かわりの治療としては適しているでしょう。

裏側矯正もほとんどの症例の治療が可能ですが、通常のワイヤー矯正よりも装置の作製が難しい傾向があります。そのため、裏側矯正に対応していない歯科医院もあります。通常のワイヤー矯正よりも治療費が高額になることも知っておきましょう。

ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用

インビザライン矯正での治療が難しくても、インビザライン矯正とワイヤー矯を併用することで治療できる場合があります。歯の移動距離が長い部分はワイヤー矯正で治療し、ある程度歯並びが整ってきたらインビザライン矯正で微調整する方法です。

インビザライン矯正は、噛み合わせの調整や細かい歯の動きの調整を得意とするため、矯正初期はワイヤー矯正を行い、矯正中期〜後期にかけてインビザライン矯正に切り替える場合が多いです。ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで、見た目が気になり治療に取り組めない人も治療に取り組みやすくなるでしょう。

まとめ

歯科医院で鏡を見て歯を確認する男性

今回は、インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人について解説しました。

歯並びの乱れが重度の症例や歯周病が進行している症例、複数本の抜歯が必要な症例、インプラントの治療経験がある症例では、インビザライン矯正の適応外となる可能性が高いです。また、インビザライン矯正は自己管理が必要なため、装着時間を守れない人やマウスピースの定期的な交換ができない人、衛生管理が苦手な人には向いていない治療法といえるでしょう。

インビザライン矯正にかわる治療法としては、ワイヤー矯正を選択するとよいでしょう。審美性の高い裏側矯正、ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用でも治療が可能な場合が多いです。

インビザライン矯正ができない場合は、かわりの矯正方法を利用してきれいな歯並びを目指しましょう。ストレスなく治療を進めるには、生活スタイルやご自身の性格を考慮して、自己管理できそうか検討する必要があります。ご自身に適した方法で無理せず治療を進めましょう。

歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.07.14

『歯ならび』と『スポーツ』の関係とは

スポーツをしている大人の方・部活動をしている学生さん・運動系の習いごとに通っているお子さまで、歯ならびや嚙み合わせに悩みを抱えつつも、スポーツが出来なくなることを恐れて歯列矯正を諦めていませんか。スポーツをしている方でも可能な歯列矯正の方法があるので、歯ならびや嚙み合わせで悩んでいる方は是非参考にしてみてください。

矯正治療中にスポーツはできるのか

スポーツをしている人が歯列矯正をするのは、基本的に問題はございません。
治療中に装着している装置が壊れてしまったり、患者様側が治療を一時中断しなければならないことが起きない限りは、治療期間も3年で終わるケースがほとんどです。
スポーツを頑張っている方ほど、歯ならびや嚙み合わせを整えるとたくさんのメリットもあります。スポーツの種目によって噛む力が発揮される場面は異なります。
例えば、陸上などのスピード系の競技ではスターティングの際にしっかり噛みしめることにより体のブレを防げます。
他にもウエイトリフティング(重量挙げ)などのパワー系競技では力を込めて、しっかり噛みしめることで、最大パフォーマンスを発揮することができます。
強い動作を行う時に、しっかりと噛みしめることで、より高い瞬発力を発揮することが期待できます。

スポーツをしていても可能な矯正治療の種類

① ワイヤー矯正(表側矯正)

歯の表面にブラケット(一般的な歯につける装置)を装着し、ワイヤーを通す方法です。
ワイヤー矯正の特徴は、さまざまな症状に対応することができます。
【ワイヤー矯正(表側矯正)のメリット】
装置が歯の表面についているため、舌にあたらず大きな声を出しても影響がありません。

【ワイヤー矯正(表側矯正)のデメリット】
装置が目立ってしまうことです。
ですが、当院では小臼歯まで白いプラスチックのブラケットを追加費用なしで使用しているため、金属のブラケットよりかなり目立ちにくい見た目になっています。
さらに、追加費用がかかりますが白いワイヤーも準備しているので、見た目が気になる方も安心して治療を受けていただくことが可能です。

② ワイヤー矯正(裏側矯正)

歯の裏側にブラケットを装着し、ワイヤーを通す方法です。
【ワイヤー矯正(裏側矯正)のメリット】
外から見て目立ちにくいですが、スポーツをする方にはデメリットのほうが多くなります。
【ワイヤー矯正(裏側矯正)のデメリット】
歯の裏側に装置をつけるのはベテランの歯科医師でも難しいため、競技中の転倒などによって外れてしまった場合、修復するのに時間がかかります。
外れることが多ければ、治療が長引いてしまう可能性もあります。
他にも、装置が舌にあたることが多いので声を出すときに気になってしまうかもしれません。
装置がお口の粘膜に触れてしまう回数が増えると口内炎などのトラブルにつながる可能性も高まります。

③ マウスピース矯正

マウスピース型の矯正装置を使って歯を動かしていく方法です。
【マウスピース矯正のメリット】
裏側矯正と同じく目立ちにくいことです。
【マウスピース矯正のデメリット】
マウスピースの1日の装着時間が決められているため、マウスピースを外している時間が長いと治療がなかなか進みません。
また、マウスピースをつけたままスポーツドリンクや清涼飲料水を飲んでしまうと虫歯になってしまいます。
マウスピースを矯正は、患者様の自己管理が重要になります。

スポーツ選手・運動部が歯列矯正をするメリットとデメリット

スポーツ選手や運動部が歯列矯正を行うことにより、さまざまなメリットを得ることができます。
また、見た目の美しさだけでなくパフォーマンスアップにつながる可能性も高まります。スポーツの活動と平行して進めるのは大変なイメージがしますが、自分の通いやすい場所や信頼のできる歯科医師が見つかれば、ストレスなく快適に矯正治療を進めやすくなるでしょう。

【メリット】
① 歯ならびや噛み合わせが良いと身体能力や瞬発力にも良い影響があるといわれています。
また、歯ならびをよくすると噛み合わせが良くなるため、左右のバランスが整う効果も期待することができます。
②噛み合わせがよくなると噛む力が強くなるため、食べ物の咀嚼もしやすくなります。なので、食事の消化が良くなり、効率よく栄養補給ができるようになることが期待できます。
【デメリット】
① スポーツをしている時に矯正装置が外れてしまう可能性があることです。
スポーツの種類によっては、接触や転倒で矯正装置が外れていがんでしまい、お口の中が傷付いてしまうリスクがあります。

お口の中が痛かったり違和感がある状態だとスポーツに集中できず、ストレスに感じてしまうかもしれません。
②水分補給の時に、スポーツドリンクや清涼飲料水を飲むと虫歯のリスクが高まります。とくに、マウスピースを装着しているままスポーツドリンクなどの糖類が含まれている飲み物を摂取すると、糖を歯にパック(お顔などに貼るパックのことです)していることになるので非常に危険です。
なので、歯列矯正治療中の方には水分補給はお水かお茶をおすすめしております。もし、スポーツドリンクや清涼飲料水を飲む場合は、飲んだ後にお水を飲んだり歯磨きやうがいをしてお口の環境を整えましょう。

歯ならびと噛み合わせのスポーツの関係

① 筋肉に影響する

スポーツ中に力を入れる時、顎が正しい位置にないと最大限の力が発揮できないとされています。顎を正しい位置にもっていくためには、歯列矯正をして歯ならびや噛み合わせを正しくすることが重要となります。
噛むことで大脳にある咀嚼運動野を活性化し、全身の筋力アップにつながるということが近年分かってきました。

②全身のバランスが崩れてしまう

歯ならびや噛み合わせが悪いと頭や顎の位置が正しくなくなってしまいます。
そうなると頭が痛くなったり、顎が痛くなったり、肩や首などの身体の筋肉にも影響を及ぼすリスクがあります。

③口呼吸を日常で行っていると酸素欠乏症になりやすい

歯が出ていて(出っ歯)お口が閉じづらい、鼻がつまって鼻呼吸がしづらいなどによって鼻で呼吸することが難しい方は、口で呼吸することが癖になってしまっています。
スポーツをしているときに口で呼吸していると『酸素欠乏症』になるリスクが高くなってしまいます。
なので、歯列矯正で歯並びの改善や耳鼻咽喉科で鼻で呼吸ができるように改善することをおすすめします。
他には、普段お口がポカンと開いたままになっている方もお口で呼吸するくせがついてしまっているかもしれません。
そのような場合は、鼻で呼吸するよう意識してみてください。

④ケガをしてしまったり痛めたりするリスクが高くなる

歯ならびや噛み合わせが悪いままの状態でスポーツをするということは、
身体のバランスが歪んだり、正しくない状態でスポーツをしていることになります。

⑤むし歯や歯周病にかかりやすくなる

歯ならびが悪いと歯磨きが行いづらいので、食べかすが溜まりプラークや歯石ができやすくなってしまいます。
そうなると、むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなってしまいます。
歯の痛みにより集中力が欠けてしまったり、食いしばったときに歯が欠けたり割れてしまう原因にもなります。

まとめ

「歯ならび」と「噛み合わせ」が「スポーツ」と関係していることが分かっていただけましたか?
スポーツをしていても問題なく歯列矯正を行うことができます。
歯ならびや嚙み合わせを改善することで、パフォーマンスの向上につながります。
歯列矯正に興味のある方、気になっている方はぜひ一度相談してみることをおすすめします。

2023.07.07

どちらがおすすめ?インビザラインとワイヤー矯正を徹底比較!

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザラインとワイヤー矯正の模型を持って笑う女性

矯正治療を検討する際、インビザラインとワイヤー矯正のどちらがよいか悩む方も多いでしょう。矯正治療を選ぶ際はメリットだけでなく、デメリットや費用、治療期間など、さまざまなポイントを比較して検討することが重要です。

今回は、インビザラインとワイヤー矯正をポイントごとに比較して解説します。それぞれの治療法がどんな人におすすめかもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

マウスピースを両手に持ってはめる女性の口元

インビザラインとは、マウスピースを使って歯並びを整える矯正治療です。120〜22時間マウスピースを装着し、12週間ごとに新しいマウスピースに交換して治療を進めます。透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることを他人に気づかれることは少ないでしょう。好きなタイミングで取り外しができるため、食事や歯磨きの際も負担なく過ごせます。

インビザラインのマウスピースは、1枚で最大0.25mmしか歯を動かせません。マウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かす矯正治療なので、違和感や痛みが出にくいこともメリットのです。

ただし、インビザラインは患者様自身でマウスピースを管理しなければ、うまく治療が進みません。マウスピースの装着時間が20時間よりも短かったり適切な時期にマウスピースを交換していなかったりすると、理想的な歯並びにならない可能性があるのです。

また、インビザラインは、歯並びの乱れが比較的軽度な場合に適した矯正治療のため、歯並びの乱れが重度なケースや抜歯が複数本必要なケースなどには対応できないことがあります。

ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正の器具を装着した女性の口元

ワイヤー矯正とは、固定式の矯正装置を使って歯並びを整える矯正治療のことです。歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して歯に力をかけ、歯並びを整えます。

ワイヤー矯正は、矯正治療の中で最も歴史のある治療法で、歯科医院だけでなく大学病院でも行われるほど症例数が豊富です。抜歯や外科処置が必要な難症例にも対応できるため、インビザラインよりも幅広い方が治療を受けられることがメリットです。

歯の表面に矯正装置を固定するので歯の11本に力がかかりやすく、歯並び全体を大きく動かせます。効率的に矯正できるため、インビザラインよりも治療期間が短い場合もあるでしょう。

ただし、歯に強い力がかかるため、違和感や痛みが出やすいといわれています。矯正装置は取り外せないため、食事の制限や歯磨きのしづらさを感じる方が非常に多いです。

インビザラインとワイヤー矯正の比較表

?を比較する赤い服を着た女性

インビザラインとワイヤー矯正を比較して解説します。

<インビザラインとワイヤー矯正の比較>

矯正方法 インビザライン ワイヤー矯正
見た目 透明で目立たない 金属部分が目立つ
痛み 少ない 出やすい
治療期間 部分矯正:2か月~1年以内
全体矯正:2~3年
部分矯正:3か月~1年
全体矯正:2~3年
費用 部分矯正:200,000~600,000円
全体矯正:600,000~1,000,000円
部分矯正:300,000~700,000円
全体矯正:600,000~1,700,000円
適応症例 少ない 多い
食事制限 なし 一部あり
歯磨きのしやすさ しやすい しにくい

 

それぞれを詳しく解説します。

見た目

矯正治療中の見た目が気になる方には、インビザラインが適しているでしょう。

インビザラインは、薄くて透明なマウスピースを使用するため、目立つことはありません。

ワイヤー矯正の場合、歯の表面にブラケットやワイヤーを固定するため、目立ちやすいといえます。

ワイヤー矯正でも、歯の裏側に矯正装置を固定する裏側矯正や、上の歯は裏側に、下の歯は表側に矯正装置を固定するハーフリンガル矯正を選べば、ワイヤー矯正でも目立ちにくくできるでしょう。歯の表側に矯正装置を固定する表側矯正でも、セラミックなどのブラケットやホワイトワイヤーを選べば、目立ちにくくできます。目立ちにくい素材や矯正方法を選ぶと、その分費用が高くなる傾向にあるので注意が必要です。

痛み

インビザラインは、マウスピースを何枚も交換することで歯を徐々に動かすため、違和感や痛みが出にくい矯正治療といえます。使用するマウスピースは薄くて滑らかなため、お口の中を傷つける心配がなく、口内炎もできにくいでしょう。

ワイヤー矯正は、歯の11本に力をかけて、歯並び全体を一気に動かせることがメリットですが、その分、違和感や痛みが出やすいといえます。歯の表面に矯正装置を固定するため、不快感をおぼえる方や装置が擦れて口内炎ができる方もいるでしょう。

治療期間

インビザラインもワイヤー矯正も、全体矯正にかかる期間は約23年と大差はありません。

しかし、ワイヤー矯正は、インビザラインよりも歯に力をかけやすいため、治療期間が短くなる症例もあるでしょう。

インビザラインは、歯並びの乱れが軽度な場合に適した治療法です。部分矯正や歯並びの乱れが軽度な場合、ワイヤー矯正よりも治療期間が短い場合があります。通院頻度に関しては、ワイヤー矯正は歯科医師による調整が必要なため、月に一度は通院しなければいけません。インビザラインは患者様自身で治療を進めるため、2か月に一度の頻度で通院するのが一般的です。

矯正治療にかかる期間は、矯正の種類だけでなくもともとの歯並びの状態に左右されます。実際にどのくらいの期間が必要になるか知りたい場合は、歯科医師に相談しましょう。

費用

矯正治療にかかる費用は、矯正方法だけでなく、部分矯正か全体矯正かによっても異なります。

ワイヤー矯正には、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類があり、目立ちにくい方法を選ぶほど費用が高額になるでしょう。例えば、表側矯正の費用相場は600,0001,000,000円でインビザラインと変わりませんが、目立ちにくい裏側矯正は1,000,0001,500,000円で表側矯正の1.5倍といわれています。また、ワイヤー矯正でセラミックやジルコニアのブラケット、ホワイトワイヤーを選ぶと、その分追加で費用がかかるので注意が必要です。

ワイヤー矯正とインビザラインを比較すると、インビザラインのほうが費用が安いことがわかります。インビザラインは、歯並びの乱れが軽度な場合に適しているので治療の難易度が低い場合が多く、ワイヤー矯正よりもリーズナブルに治療ができるといえるでしょう。

ただし、インビザラインは、使用するマウスピースの枚数によって費用が変わります。マウスピースの追加や作り直しが必要になると、予定していた費用よりも高くなる可能性があるので注意しましょう。

適応症例

ワイヤー矯正は、治療実績が豊富な矯正なので、抜歯や外科処置が必要になるケースなど、難しい症例にも対応できます。インビザラインと比較すると、幅広い方が治療を受けられることがメリットです。

インビザラインは、歯を水平移動させることが苦手なため、歯並びの乱れが重度なケースや歯の移動距離が長いケースには適しません。

ただし、抜歯が必要な歯並びでも、インビザラインで治療できるケースもあります。どちらの矯正方法が適しているかは歯並びの状態によって異なるので、一度歯科医院で相談しましょう。

食事制限

インビザラインは、自分の好きなタイミングでマウスピースを取り外せます。マウスピースを取り外して食事できるため、食事制限はありません。矯正治療中でありながら、ふだんどおり食事を楽しめるでしょう。

ワイヤー矯正は、固定式の矯正装置なので、装置が外れる可能性がある食べ物を避けなければいけません。ガムやキャラメルなどの粘着性があるものは避けてください。また、繊維質の野菜やキノコ類、細い麺類などは、矯正装置に挟まりやすいため注意が必要です。

歯磨きのしやすさ

ワイヤー矯正は、矯正装置を取り外せないため、歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。特に、歯と歯の間は歯ブラシが入りにくいため、歯間ブラシやタフトブラシを使用して磨きましょう。

マウスピースを取り外せるインビザラインは、ワイヤー矯正と比較すると歯磨きしやすいといえます。ふだんどおり歯を磨けるため、虫歯や歯周病のリスクが低く、清潔な口内を保てるでしょう。

インビザラインがおすすめの人

インビザラインを2つもってハートのようにする女性

インビザラインがおすすめの人は、以下のとおりです。

・矯正治療中の見た目が気になる人

・人前で話す機会が多い人

・通院回数を少なくしたい人

・自己管理ができる人

インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることが周囲に気づかれにくいです。自分の好きなタイミングでマウスピースを取り外せるため、見た目が気になる人に適しています。人前に立つ機会が多い職業や接客業に従事する人にも向いている矯正治療といえるでしょう。

インビザラインは120〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで治療を進めます。患者様ご自身がマウスピースを管理するため、通院回数が少ないメリットがありますが、マウスピースの装着時間や交換時期を守れなければ理想的な歯並びになりません。マウスピースをしっかりと自己管理できる人は、インビザライン矯正が向いているでしょう。

ワイヤー矯正がおすすめの人

ワイヤー矯正の装置を調整してもらう女性

ワイヤー矯正がおすすめの人は、以下のとおりです。

・歯並びの乱れが重度な人

・抜歯が必要な人

・歯科医師の判断で治療を進めてほしい人

・自己管理が苦手な人

ワイヤー矯正は、インビザラインよりも幅広い症例に対応できます。ガタガタした歯並びや出っ歯だけでなく、抜歯や外科処置が必要な難しい症例にも対応できることがメリットです。インビザラインで治療が難しい歯並びの人は、ワイヤー矯正が向いているでしょう。

ワイヤー矯正は、治療の経過を診ながら歯科医師の判断によって歯並びを整えます。インビザラインのように自分で管理する必要がないので、自己管理が苦手な人や歯科医師に任せて治療を進めたい人に適しています。

まとめ

歯科医院で鏡で自分の歯並びを確認して笑う女性

インビザラインは、透明なマウスピースを使用しているため、矯正治療を受けていることが目立たないことが最大のメリットです。好きなときに取り外せるため、食事や歯磨きをふだんどおり行えることもメリットでしょう。

しかし、マウスピースの管理ができないとうまく治療が進まない、治療できない歯並びがあるなどのデメリットが存在します。

ワイヤー矯正は、歯に矯正装置を固定して歯並びを整える方法です。11本の歯に力がかかりやすいため、重度の歯並びの乱れや抜歯が必要な症例など、幅広い方が治療を受けられます。

ただし、インビザラインと比較すると、矯正装置が目立つ、違和感や痛みが出やすいなどのデメリットがあります。

矯正方法を選ぶ際は、メリットやデメリット、必要な費用、治療にかかる期間などを比較して検討しましょう。

歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

2023.06.30

Ⅰ期治療とⅡ期治療

子どもの歯列矯正(混合歯列)には、成長を利用して土台となる顎の骨の形を整える〝Ⅰ期治療 〟と
永久歯(大人の歯)が生えそろってから歯をきれいに並べる〝Ⅱ期治療 〟 の2種類に分類されます。

混合歯列とは、お口の中に乳歯(子どもの歯)と永久歯(大人の歯)の両方が生えていることです。
年齢でいうと6歳~12歳頃の学童期が目安となります。

Ⅰ期治療とは

子どもの成長を利用して、装置などを使用して上下の顎の骨のバランスや形を整えて成長を促し、永久歯が生えてくるためのスペースを作ります。

Ⅱ期治療とは

永久歯が生えそろったら、歯を動かして歯並びや噛み合わせを整えます。

○ Ⅰ期治療 ○

Ⅰ期治療では、専用の装置を使って顎の骨の拡大や牽引で方向の調整などを行い、上下のバランスを整え、永久歯が生えてくるためのスペースを作るための土台作りをします。
この土台作りを行うことにより、永久歯が重なりあったりすることや、噛み合わせが悪くなるリスクが下がります。

Ⅰ期治療を始める目安

Ⅰ期治療は早くから始めれば始めるほど良いというわけではありません。
場合によってはⅡ期治療のタイミングを待って、矯正治療を開始することをおすすめする方もいます。
お子様にⅠ期治療が必要なのか、始め時なのか、判断は難しいかと思います。
また症状によっては、早く治療を開始した方が良い場合もあります。なので、気になる方は一度専門医に相談をしてみることをおすすめします。
詳しい治療方針等は精密検査を行ってみないと分からないですが、似た症例をもとにお話しを伝えることは可能なので是非一度ご相談下さい。

Ⅰ期治療の期間

Ⅰ期治療の治療期間はお子様により異なりますが、当院の目安としましては12歳臼歯(第2大臼歯)が萌出する頃を目安としています。

Ⅰ期治療で使われる矯正装置

お子様の症状に合わせて、お友達から見えないような固定式装置(取り外しできない)やお家で使う取り外し式装置(学校や外出の時はつけなくても良い)などを使います。
当院ではこの頃の時期にブラケットを使用した治療を行うことは、あまりありません。

Ⅰ期治療のメリットとデメリットについて

メリット

・成長を利用することができる!
・成長を利用して顎の骨の発育方向をコントロールしたり、顎を広げることができる!
・永久歯が重なり合ったり、噛み合わせが悪くなるリスクが下がる!
・歯並びのほかにも、正しい舌の位置や使い方などの訓練ができる!
・悪い癖(口呼吸や指しゃぶり)に気付きやすく、改善しやすい!

デメリット

・固定式装置(取り外しができない)の場合、歯磨きがしづらくなる。
そして、磨き残しのままの状態が続くと虫歯や歯肉炎を起こしてしまう可能性がある。
・取り外し式装置の場合、本人の協力が必要なので積極的に装置を
使用していただかないと効果が出ない。
・装置によっては本人だけでなく、保護者の方に協力していただく必要がある。
・Ⅰ期矯正の適応時期に達していても、お子さまの発育状態によっては開始時期を
遅らせる場合もある。

○Ⅱ期治療 ○

Ⅱ期治療とは、永久歯が生え揃った頃から行う矯正で、成人矯正と同じになります。
この時期になると顎骨の成長にある程度の目途がついているため、
永久歯の抜歯をせずに歯並びを整えることができる可能性が高くなります。

Ⅱ期治療を始める目安

12歳臼歯(第2大臼歯)が生えてくる頃が目安となります。
お子様により成長のスピードが異なりますが大体は12歳の頃に生えてきます。

Ⅱ期治療の期間

Ⅱ期治療の治療期間は症状により異なりますが、3年程度を見込んでいます。

Ⅱ期治療で使われる矯正装置

マウスピース型矯正装置

マウスピース型の矯正装置を使って歯並びを改善していく方法です。
透明なマウスピースを使用するので装置が目立ちにくいです。
また、自分で取り外しができるのでワイヤー矯正に比べて食事や歯磨きが行いやすくなります。
当院ではインビザラインを使用しています。
自分で取り外しが可能なため、患者様の協力度が必須となります。
決められた時間は使用していただかなければ効果がでず、さらに悪化してしまうケースもあります。

マルチブラケット治療

歯にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かしていきます。
当院では小臼歯まで白いブラケットを追加費用無しで使用しているので、金属の装置より目立ちにくい見た目になります。
白いワイヤーもあるので、お選びいただくことも可能です。

部分矯正

歯並び全体ではなく、前歯や噛み合わせなど気になる部分の歯並びだけを整える方法になります。
通常の矯正治療と比べて、短期間・低価格で受けることができます。ですが、症状によっては部分のみの矯正が行えない場合もあります。

Ⅱ期治療のメリットとデメリットについて

メリット

・まず、Ⅱ期治療とはⅠ期治療を行っていることが前提となります。
なので、成人から始める矯正治療に比べて顎の骨の土台作りができているため、抜歯の可能性が低くなります!
・嚙み合わせが悪化する事を防ぐことができる!
・将来大人になってから矯正治療をしなくてもよい!
・歯並びが良くなることで歯磨きが行いやすくなるため、むし歯予防・歯周病予防にもつながる。
・しっかり噛み合うことで、食事が食べやすくなる。

デメリット

・選択する装置によっては、見た目が悪くなってしまう。
・症状によっては、Ⅱ期治療まで行っても外科手術が必要になることもある。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の関係

基本的に、「Ⅰ期治療では顎の骨の土台作り、Ⅱ期治療では歯をきれいに並べる」という流れになるので、Ⅰ期治療とⅡ期治療はセットとしてお考えいただいた方が良いです。

 

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