コラム

2024.01.18

矯正治療中こんな時どうする?

今回は、歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療に、ご自身の環境などが変わり、歯列矯正治療以外で下記のようなことが起こった場合どうしたらいいのか?についてお話していきます。歯の並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療は、骨の中にある歯の根っこを少しずつ動かして治療していくため、治療が始まってから終わるまで数年かかるのが特徴です。数年といっても、大人の方でも約3年、小学生から始めると永久歯に生え変わるまでの期間の1期治療と、永久歯に生え変わってからの2期治療があり、治療が終わるまでに小学・中学・高校と進学していくことも多くあります。数年に及ぶ治療期間の中で、歯列矯正治療以外の様々なことがあります。その時に治療をどうしていけばいいか?悩むかもしれませんが、歯列矯正治療は、一時的に中止や中断をすることが可能な治療なのです。

矯正治療を中止・中断する

歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療は、骨の中にある歯の根っこをゆっくりと動かして治療していきます。長期にわたる治療のため、治療中に大切な行事やイベント・予期せぬことがおきた時には、一時的に装置を外したりして中止や中断ができます。ただし、歯が元に戻ってしまわないようにする事も必要です。また、患者様のご都合で装置を外した場合や、あらたに付け直す場合は、別途費用がかかることがかかりますのでご注意ください。では、どんな時に装置を外すのを考えるのか、治療の途中で中止や中断をするかそれぞれお話します。

結婚式や成人式

矯正の装置を取ってほしいと相談される時に、一番多いのが結婚式です。特に女性の方が気になるようで「〇月に結婚式があるのですが、矯正の装置を外すことは可能ですか?」っと。ご自身の結婚式だと人生で一番輝く日です。写真の前撮りや、挙式、新婚旅行などで写真やビデオも多く撮ることがあります。特にワイヤーでの治療中で気になさるようです。ワイヤー治療で使用している、ブラケットとワイヤーを一時的に取るのは可能ですが、装置を取っている間に歯が元に戻らないように、当院では外している間につける透明のマウスピースをお渡ししております。また、装置の取り外し・付け直しには別途費用がかかります。成人式での場合も同様です。

妊娠・出産

歯列矯正治療中に、妊娠・出産を経験される方もおられます。この場合、装置を外すことはほとんどないですが、悪阻で通院できない・出産前後も通院できないことがあります。矯正の装置が外れてなければ、体調が戻るまで矯正の治療は一時中断になります。この中断の間が長くなればなるほど治療期間も長くなり、治療が終わるのが遅くなります。

病気や怪我

年齢に関係なく、病気や怪我をすることはあります。基本的には、体調が悪いときは装置をしなくてもよいですが、矯正の装置を外してしていないときは治療をしていないと同じなので治療期間が延びてしまうことがあります。また、マウスピースでの治療をされているかたは、アライナー(マウスピース)をとっている時間が長くなってしまうと、アライナーが合わなくなってしまうので長時間外すのはおやめください。

入院

病気や怪我の時と同じですが、入院の内容によって変わります。もし、全身麻酔が必要な場合などの手術があると、矯正の装置によっては装置をとらないといけない場合があります。入院先の担当医から指摘された時は、矯正歯科の主治医にご相談ください。

MRIなどのレントゲン

当院でもたまにお問い合わせがありますのが、「MRIを撮ることになった。矯正をしていることを伝えると矯正の先生に確認をしてほしいと言われた」と、おそらくMRIを撮るときの説明で、体の中に金属はないですか?と聞かれますので、その際に「矯正治療中で口の中に矯正の装置がはいっている」と伝えると、矯正の先生にMRIを撮っても大丈夫か確認してほしい流れになります。首から下のMRI撮影は、大丈夫です。とお伝えはしておりますが、撮影する体の部位によっては、MRI撮影前に矯正の装置を一旦とることがあります。MRIの撮影が終わりましたら再度矯正の装置を付け直ししますので、ご来院いただいております。MRIの撮影をするときは、部位の確認をする必要がありますので当院までお電話をお願いいたします。

旅行(修学旅行など)

短期間の旅行(修学旅行・自然学校など)の時、取り外しができる装置は、旅行中に関してはつけなくても大丈夫です。もし旅行に持っていく場合は、紛失しないように気をつけてください。紛失した場合は、再製作料が別途必要になります。同じ取り外しができる装置にマウスピース(インビザライン)がありますが、マウスピースでの治療の方は毎日22時間装着が必須なため、旅行中もアライナーはつけるようお願いします。

県外への引っ越し

歯並びや噛み合わせを治療する歯列矯正治療は、治療の期間が長いため矯正治療中に、進学や就職などで県外に引っ越される患者様もおられます。引っ越しを機に当院での治療を中止して他院へ転医する場合と、引っ越し先から治療が終わるまで通われるか、二つ選択肢がございます。当院では、県外に引っ越し後も月に一回通われている患者様が多いです。

  • ・受験で県外の学校を目指している
  • ・就職したら勤務先が県外になる
  • ・仕事の転勤が決まった(県外の場合)
  • ・結婚して県外に引っ越す

など、矯正治療中に県外など遠くへ引っ越しの予定がある時は、主治医にお知らせください。今後の治療計画の見直しが必要になります。引っ越しと同時に転医する場合は、治療の中止のお話や、紹介状や転医資料(別途費用)のお渡しなどがありますので、急なお申し出だと対応出来かねることがあります。予定が分かり次第、お知らせください。

海外への留学

当院には、近隣に神戸市外国語大学があるため、矯正の治療の途中で数か月ほど海外へ留学される患者様が多いです。ワイヤーで治療中かマウスピースでの治療中かで対応が異なりますが、どちらも矯正の治療を一時中断して帰国後にご連絡をいただき、治療を再開していきます。留学中に装置が外れた等のトラブルは避けられませんが、留学する時期に応じて治療をしていきます。留学が決まった時点で、主治医にご相談ください。

 

今回は、長期に渡る矯正の治療中に起こりうることで、治療を一時中断や中止するときの事例についてお話しました。治療の期間が長くなるとその間に様々なことが起こります。上記に書いたこと以外でも、こんな時はどうすればいいか?と思うことがありますたら、当院の主治医もしくわスタッフまでお気軽にご相談ください。