インビザラインで受け口を矯正できる?治療法や費用、期間を解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
見た目だけでなく、滑舌や噛み合わせに影響を与える受け口にお悩みの方もいるのではないでしょうか。
受け口の治療は難しいとされていますが、インビザラインでも矯正できる場合があります。受け口を放置すると、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ早く治療したほうがよいでしょう。
今回は、インビザラインで受け口を矯正する方法や、治療にかかる費用・期間などを詳しく解説します。
受け口とは?
正しい噛み合わせは、奥歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を覆う状態です。反対に、下の前歯が上の前歯よりも前に出る状態を、受け口といいます。
受け口には、歯の位置や向きなどが原因の歯槽性(しそうせい)の受け口と、顎の骨の位置や形などが原因の骨格性の受け口があります。
歯槽性の受け口は、歯並びに問題がある比較的軽度な受け口です。骨格性の受け口は、顎の骨の位置や形を調整しなければ治らない重度の受け口で、治療が難しいとされています。歯槽性と骨格性を併せた受け口もあります。
受け口の種類によって治療の難易度が上がるだけでなく、治療方法や治療にかかる期間・費用などが異なるのです。
受け口になる原因とは?
受け口になる原因は、以下のとおりです。
遺伝
親とこどもの顔が似るのと同様に、歯の形や大きさ、顎の骨格なども遺伝します。受け口も、遺伝による影響が大きいのです。
特に、顎の骨の形などが原因とされる骨格性の受け口は、遺伝が原因の場合が多いです。家族に受け口の方がいる場合は、影響している可能性が高いといえるでしょう。
顎の骨の発育不全や発育過剰
上の顎が下の顎よりも発育していない場合や、下の顎が上の顎よりも過剰に発育した場合など、上下の顎のバランスが悪いことが原因で、受け口になることがあります。
顎の成長が原因の受け口の場合、顎の成長が止まった成人後の治療は、難易度が高いといわれています。そのため、顎の成長を促せるこどものうちに治療を開始するのが望ましいです。
こどもの頃からの悪習慣
こどもの頃からの悪習慣が原因で、後天的に受け口になることがあります。悪習慣とは、指しゃぶりや口呼吸をする癖、頬杖をつく癖、舌で前歯を押す癖、下顎を突き出す癖などが挙げられます。
指しゃぶりなどが習慣化すると、歯や顎に負担がかかり、歯並びが悪くなるでしょう。顎の成長に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早期に改善するのが理想です。
受け口をそのままにするとどのような悪影響がある?
受け口を放置するリスクは、以下のとおりです。
うまく咀嚼できない
受け口の状態では、噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わず、食べ物を噛み切りにくいといえます。全体的な噛み合わせも悪いことが多いため、奥歯で食べ物をうまくすり潰せません。十分に咀嚼できていない食べ物を飲み込むと、消化器官に負担がかかるでしょう。
歯や顎に負担がかかる
噛み合わせが悪くなりやすい受け口は、歯や顎に負担がかかりやすくなります。均等に歯に力がかからず、強く噛み合わせる歯が欠けることがあるのです。顎関節に負担がかかることで、顎が痛む、口が開きづらくなるなど、顎関節症を引き起こすこともあります。
無理な噛み合わせから顎の骨が変形する可能性もあるため、受け口は放置せずに治療したほうがよいといえるでしょう。
滑舌が悪くなる
受け口の状態では前歯から空気が漏れやすいため、滑舌が悪くなることがあります。特に、舌を使って発音するサ行やタ行の発音が難しいと感じる方が多いです。
滑舌の悪さから、人前で話すことにストレスを感じることも少なくないでしょう。
口呼吸になりやすい
受け口は、歯並びや骨格の問題から口が開きやすくなります。そのため、口呼吸になりやすいです。口呼吸になると舌の位置が下がり、歯並びが悪化することがあるでしょう。
口呼吸をしている方は口内が乾燥しやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯の寿命を縮めることにもつながるため、受け口を放置するのはリスクが高いといえるでしょう。
インビザラインで受け口を矯正できる?
インビザラインは歯並びを整える矯正治療のため、歯並びが原因である歯槽性の受け口は治療できることがあります。歯が生えている位置や向きが原因の軽度の受け口の場合、インビザラインで歯並びを整えることで、受け口を改善できるでしょう。
しかし、受け口の矯正は難しいため、歯並びの状態によってはインビザラインで治療できないこともあります。特に、顎の骨の位置や形が原因の骨格性の受け口は、インビザラインで歯並びを整えても改善できないことが多いです。矯正治療だけでなく、顎の骨に対する外科処置が必要になることもあるでしょう。
受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、必ずインビザラインで治療できるとはいえません。
治療方法は歯科医師が判断するため、ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、一度歯科医院を受診して相談してください。
インビザラインで受け口を矯正する方法
こどもの受け口は、顎の成長を促すことと、歯並びを整えることを同時に行えるインビザライン・ファーストで治療可能です。大人の受け口は、歯並びが原因である歯槽性の受け口であれば、インビザラインで治療できることがあります。
インビザラインによって、下の歯を後退させながら、上の歯を前に出すように歯並びを整えることで、受け口の改善が可能です。インビザラインは歯を後退させる動きが得意なので、歯並びが原因の軽度の受け口は効率的に改善できるでしょう。
ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯が必要になります。ワイヤー矯正や顎間ゴムなど、ほかの矯正方法を併用することもあるでしょう。
受け口の状態によっては、インビザラインで治療できないことがあります。特に、骨格性の受け口の場合、インビザラインの適応外の場合や、矯正治療だけでなく外科処置が必要になる場合もあるでしょう。
歯並びが原因の軽度の受け口はインビザラインでも治療できることがありますが、症状によって治療法は異なります。
インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間
インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間の目安は、1~3年程度です。歯を動かす本数が少ない場合など、軽度の受け口は1年程度で治療が終わるでしょう。
ただし、インビザラインで受け口を矯正するためにかかる期間は、口内の状態によって異なります。特に、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合や、抜歯が必要になる場合は、治療期間が長くかかる傾向にあります。
インビザラインで受け口を治すためにかかる期間を詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して確認してください。
インビザラインで受け口を矯正するためにかかる費用
インビザラインで受け口を矯正するためにかかる費用の目安は、600,000~1,000,000円程度です。インビザラインを含めた矯正治療は自費診療なので、歯科医院によって費用が異なります。歯を動かす本数や治療範囲、必要になる処置などにも費用は左右されます。
インビザラインで受け口を治すためにかかる費用について詳しく知りたい場合は、歯科医院を受診して確認しましょう。
まとめ
歯並びが原因の軽度の受け口は、インビザラインで治療できることがあります。
インビザラインでは治療できない場合や、ほかの矯正方法を併用する必要がある場合もあるでしょう。骨格性の受け口の場合、インビザラインの適応外になることや、外科処置が必要になることも多いです。
受け口の治療法は、受け口の種類や原因、口内や顎の状態によって異なります。軽度の受け口でも、インビザラインでは治療できないことがあるでしょう。
ご自身の治療方法について詳しく知りたい方は、歯科医院を受診して相談してください。
インビザラインでの受け口の治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
インビザラインで部分矯正するメリットと費用、適応症例を詳しく解説
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
インビザラインの部分矯正は、全体矯正に比べて治療期間が短くなることや費用が安くおさえられることなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、適応症例が限られているため、すべての方が部分矯正を受けられるわけではありません。
今回は、インビザラインで部分矯正するメリットと費用、適応症例を詳しく解説します。
インビザラインで部分矯正は可能?
インビザラインで部分矯正は可能です。
しかし、すべての患者さまに部分矯正が適応できるわけではありません。部分矯正の適応範囲は、軽度の不正咬合、つまり軽い歯並びの問題がある場合や、抜歯を伴わない症例に限られることが多いです。
部分矯正がご自身の希望や状態に適しているかどうかは、実際に歯科医院での診断を通じて判断する必要があります。
インビザラインで部分矯正するメリット・デメリット
インビザラインで部分矯正する場合、治療期間が短くなることや治療費用がおさえられることなどのメリットがあります。それぞれ解説します。
インビザラインで部分矯正するメリット
インビザラインで部分矯正するメリットは、以下のとおりです。
治療期間が短い
部分矯正は、特定の歯のみを対象とした矯正治療です。インビザラインを部分矯正に適応すると、短期間で治療が完了するのが最大のメリットです。
インビザラインは治療開始前にレントゲンや口腔内スキャンを行い、データをもとに3Dの治療計画を作成します。3D映像を用いることで、歯がどのように動き、最終的にどの位置におさまるのかをあらかじめ確認することが可能です。また、治療にかかる期間も明確に把握できます。
部分矯正であれば、対象となる歯の範囲が限られているため、治療期間が短くなることが一般的です。もちろん、矯正治療には予期せぬトラブルが起こる可能性がありますが、インビザラインの場合、高精度の治療計画があるため、計画どおりに進めやすく、結果として患者さまの精神的な負担も少なくなります。
費用がおさえられる
部分矯正は全体の歯を動かす全体矯正と比べて、動かす歯の数が少ない、または動かす距離が短いため、治療期間が短縮されます。そのため、治療に必要なマウスピースの数が減少し、マウスピースの製作や管理コストも低減します。
実際、部分矯正の場合、矯正費用は全体矯正の約半分程度で済むことが多いです。これは、治療を検討している多くの方にとって、非常に魅力的なポイントといえるでしょう。特に、矯正治療の高額な費用に悩んでいる方や予算内での治療を希望している方には、部分矯正がよい選択肢となるわけです。
痛みや不快感が少ない
先述したように、インビザラインは治療が計画的に進むため、精神的な負担が軽減されます。
しかし、メリットは精神的なものだけではありません。インビザラインを使った矯正治療は、身体的な負担や痛みも非常に少ないのです。
インビザラインの大きな特徴は、歯を少しずつ、段階的に動かしていく方法を採用していることです。このアプローチのおかげで、痛みが分散され、強い痛みを一度に感じることがほぼなくなります。インビザラインでは、約1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、歯を徐々に理想の位置に動かします。そのため、一度に歯に加わる力が緩やかで、大きな痛みを伴うことが少ないのです。
一方、従来のワイヤー矯正の場合、矯正装置の調整は歯科医師が直接行うため、治療中の力の調節が難しいのが実情です。通院の際、強い力を歯に加えることが必要となるため、歯がこの力に慣れるまでの間、強い痛みを感じる可能性があるでしょう。
インビザラインで部分矯正するデメリット
インビザラインで部分矯正するデメリットは、以下のとおりです。
適応症例が限られている
部分矯正とは名前のとおり、歯の特定の部分のみを矯正する方法です。そのため、気になる部分のみの微調整や軽度の症例に対してのみ適用が可能です。
たとえば、八重歯や大きく重なったガタガタしている歯の場合、歯を大きく動かす必要があります。特に、歯の大きな動きを伴う矯正の場合、抜歯が必要となることがあります。抜歯が必要となる症例は、インビザラインの部分矯正には適していません。
噛み合わせは改善できない
部分矯正は、主に前歯の歯並びを整えるための治療を指します。そのため、部分矯正では、奥歯の間の噛み合わせや歯列全体の問題を解決することは難しいとされています。
噛み合わせの問題は、ただ歯がガタガタしているだけでなく、頭痛や肩こり、顎関節症などの原因ともなり得るため、早めに改善することが非常に重要です。そのため、噛み合わせの改善が必要な方は、前歯だけでなく、全体の歯並びや噛み合わせを調整する全体矯正の治療を選択することが推奨されます。
歯を削ることがある
部分矯正では、前歯の位置を調整するためのスペースが不足している場合があります。全体矯正であれば、小臼歯の抜歯によって必要なスペースを確保することが一般的ですが、部分矯正の場合は抜歯を行いません。その代わり、前歯の間のスペースを少し広げるための方法として、IPR(ディスキング)という処置が採用されることがあります。
IPR(ディスキング)は、前歯の隣同士の接触面をわずかに削ることでスペースを作り出す治療法です。IPRで削るのは歯の表面のエナメル質のみで、削除量は0.25~0.5㎜程度と非常に微量です。そのため、通常は痛みを伴うことはありません。
しかし、エナメル質がもともと薄い、または知覚過敏の傾向がある患者さまは、ディスキングのあとに知覚過敏が増加するリスクがあります。
インビザラインで部分矯正できる歯並び
インビザラインで部分矯正できる歯並びとは、噛み合わせに問題がなく、抜歯が必要ないことです。インビザラインで部分矯正できる具体的な歯並びは、以下のとおりです。
軽度の出っ歯
出っ歯の程度が軽度で、噛み合わせの問題がない場合、インビザラインの部分矯正で効果的な治療が可能です。
一方、出っ歯の状態が重度である場合、部分矯正だけでは十分な治療結果を得るのが難しくなります。重度の出っ歯を治療するには、従来の方法である抜歯や外科手術が必要となるケースが多いです。
軽度のすきっ歯
すきっ歯とは、歯の間に不自然なすき間がある状態のことです。
インビザラインの部分矯正は、すきっ歯の改善にも適していますが、適用条件は、すきっ歯以外の歯並びの問題が存在しないことが求められます。
しかし、歯の問題は単独で存在することは少なく、たとえばすきっ歯がある方は、出っ歯や過蓋咬合など、ほかの歯の位置や噛み合わせの問題も併発していることが多いです。
軽度の叢生
叢生とは、歯と歯が重なるように乱れて生えてきている歯並びのことです。叢生は、歯の大きさに対して顎のサイズが小さく、十分なスペースがないために起こります。
叢生のような歯の重なりは、見た目だけでなく歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯周病の原因となることもあります。叢生が重度の場合、単に歯の位置を調整するだけやIPR(歯の間を削る治療)だけでは解決できないことがあり、必要なスペースを作るために抜歯が必要となるでしょう。
しかし、叢生が軽度の場合、インビザラインの部分矯正によりIPRなどの方法を駆使して、歯の位置を効果的に調整することが可能です。
矯正後の後戻り
インビザラインの部分矯正は、矯正治療後の歯並びが再び乱れてしまった方に向いています。
矯正治療後に、保定装置(リテーナー)の装着不足により歯並びがもとの状態に戻ってしまう「後戻り」と呼ばれる症状が起こることがあります。後戻りは、インビザラインの部分矯正で効果的に改善できる可能性があります。矯正後の歯並びは歯が動きやすい状態であり、短期間でもとの美しい状態に戻すことができる可能性が高いといえるでしょう。
インビザラインで部分矯正できない歯並び
インビザラインで部分矯正できない歯並びとは、奥歯に問題があるケースや抜歯が必要なケースです。インビザラインで部分矯正できない歯並びは、以下のとおりです。
噛み合わせに問題がある歯並び
インビザラインの部分矯正は、主に審美面の改善が目的であり、前歯の軽度な歯並びの乱れを修正するのに適しています。
しかし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合、単なる審美的な問題ではなく、噛むなどの機能面に影響をおよぼす可能性があります。奥歯の噛み合わせの問題が存在する場合、歯の位置や噛み合わせのバランスを整えるために歯列全体を調整する必要がでてくるのです。そのため、部分矯正のアプローチだけでは十分な治療効果を期待するのは難しく、全体矯正が推奨されます。
抜歯が必要な歯並び
歯が極度に密集している症例や歯のねじれが激しい場合、前歯部分だけの部分矯正では治療の効果は限定的です。なぜなら、十分なスペースがないと歯を動かすことができないためです。
歯が密集している歯並びの場合、まずは抜歯を行って歯の移動スペースを確保する必要があります。抜歯が必要な場合、歯の移動距離が増えるため、インビザラインの部分矯正では対応できないことがほとんどです。
左右非対称な歯並び
上下の前歯の中心部分のことを「正中」とよびます。正中が上下で揃っていないと、顔全体のバランスや噛み合わせに影響がでるため、矯正治療の際の大きなポイントといえます。正中がずれる原因は「歯」と「顎」の2種類です。
歯が原因で正中がずれている状態は、顎そのものは正しい位置にありますが、歯の配置や並びが不適切であるために正中がずれている状況です。正中をきれいに揃えるには、全体矯正が必要となります。
顎が原因で正中がずれている状態は、顎の位置そのものが不正確であるため、歯も上下で揃っていません。顎の形状に問題がある症例は、単なる矯正治療だけでは対応が難しく、顎の位置を正確に調整するための外科手術が必要となることが多いです。上下の正中が4㎜以上ずれている場合は、顎の問題が考えられます。
インビザラインで部分矯正する場合の費用
インビザラインの部分矯正の費用は、約30~60万円です。インビザラインの部分矯正は自由診療となるため、歯科医院やクリニックによって治療費が異なります。さらに、使用するインビザラインの種類によっても費用は変わります。
インビザラインの部分矯正の費用相場は、以下のとおりです。
<インビザラインの部分矯正の費用相場について>
インビザラインの部分矯正 | 費用 |
---|---|
インビザライン・ライト |
約45~60万円 |
インビザライン Go |
約35~50万円 |
インビザライン・エクスプレス |
約20~40万円 |
軽度の症例、つまり歯並びのずれが少ないケースほど、治療費は安くなります。
ただし、見た目で気がつかない部分にも歯並びや噛み合わせの問題がひそんでいることがあるため、正確な診断と適切な治療プランの提案のために、まずは歯科医師としっかり相談することが重要です。
また、ブランドによっては10万円と低価格で治療を提供しているところも存在します。
しかし、初期費用に含まれない追加費用が発生することが多く、最終的な総額ではインビザラインと変わらない、あるいはそれ以上の費用がかかることもあります。
矯正治療を開始する前に、治療費の詳細や料金体系をしっかり確認し、ご自身の予算や希望に合わせた治療を選ぶことが大切です。
まとめ
インビザラインで部分矯正するメリットは、治療期間が短くなり、費用がおさえられることです。前歯のみの歯並びを改善したい場合には、インビザラインの部分矯正が向いているでしょう。
しかし、噛み合わせに問題があるケースや抜歯が必要なケースなどは、インビザラインの部分矯正は適用できません。インビザラインの部分矯正はあくまでも前歯の審美面の改善が主な目的であるため、奥歯の移動が必要となる場合は全体矯正が必要です。
インビザラインの部分矯正には、さまざまな種類があります。どの治療プランがご自身に適しているのか、カウンセリングを受けて実際に歯科医師に相談しましょう。また、料金体系は歯科医院によって異なるため、事前にホームページなどで確認しておくのがよいでしょう。
インビザラインで部分矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
インビザラインで歯が動く仕組みとは?補助装置についても解説!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
インビザラインで歯が動く仕組みには、歯根膜が大きく関係しています。歯に圧力をかけられた歯根膜が膨張・収縮することで、顎の骨の吸収・再生が行われて徐々に歯が動くのです。
今回は、インビザラインで歯が動く仕組みや補助装置について詳しく解説します。
歯の矯正治療で歯が動く仕組み
歯は、歯茎から見えている歯冠と、歯茎に隠れている歯根から成り立ちます。歯根の周囲にある、骨と結合している薄い膜が歯根膜です。歯科矯正では、歯根膜の働きを活用して歯を動かします。
歯冠に力を加えると歯根にも伝わり、加えられた力によって引っ張られる側の歯根膜は伸び、逆に押された側の歯根膜は縮みます。さらに力を加え続けると、引っ張られて伸びた側の歯根膜は厚みを増し、押されて縮んだ側の歯根膜の厚みは減るのです。厚みを増した歯根膜は、もとの厚さに戻ろうと働き、すき間を埋めるように新しい骨を形成します。厚みが減った側の歯根膜は、もとの大きさに戻ろうと働き、骨を溶かす細胞を活性化させます。
ワイヤー矯正やインビザラインなど、どの矯正方法でも、歯根膜が一定の厚さを保つための働きを利用して歯が動かされます。歯根膜がもとの厚みに戻ろうとする性質を利用して、少しずつ確実に歯を正しい位置へと導くのが、矯正治療の仕組みです。
仕組みを知らないと、力を加えて無理に歯を動かしているように見えるかもしれません。
しかし、実際には人間の体が本来持つ、歯根膜が厚さを一定に保とうとする働きを利用して歯を自然に動かします。
インビザラインで歯が動く仕組み
インビザラインは、歯と歯茎全体を包み込むマウスピース型の矯正装置を用いて歯を動かす方法です。従来のワイヤーとブラケットを使用した矯正とは異なり、目立たないことが特徴です。
インビザライン矯正は、口腔内のスキャナーで歯形や歯並びの情報を取得することから始まります。得られたデータを分析し、一人ひとりの口腔状態に合わせたオーダーメイドのマウスピースが製作されるのです。アライナーともよばれるマウスピースは、もとの歯並びと少しずらして製作されます。そのため、マウスピースを装着するとずれによって歯に圧力がかかって歯が動くのが、インビザラインの仕組みです。
一般的に、マウスピースは約1~2週間ごとに新しいものに交換します。1つのマウスピースで、0.25mmほど歯が動きます。微細な力で徐々に歯が動かすため、インビザライン矯正は、ワイヤー型矯正に比べて痛みや不快感が少ないと思われる方が多いことも特徴です。
歯を動かすために使われる補助装置
インビザライン矯正では、効率的に歯を動かすために補助装置が用いられることも多いです。今回は、アタッチメントと顎間ゴム(ゴムかけ)をご紹介します。
アタッチメント
インビザラインの矯正治療では、より効果的な治療を目指して、アタッチメントとよばれる小さな樹脂製の器具が使用されることがあります。
アタッチメントは、歯の色に近い突起状の器具で、歯並びの微調整や治療をスピーディに進める目的で使用される場合が多いです。治療完了後には跡を残さず取り外されるため、心配する必要はありません。
アタッチメントの使用は、マウスピース型の矯正装置が歯に固定されることを助け、歯の向きや角度の微調整を可能にします。適切な位置にアタッチメントを設置することで、矯正治療がより効果的に行えるのです。
ただし、全ての症例でアタッチメントが使用されるわけではありません。必要に応じて歯科医師が使用を指示します。
アタッチメントの形状や大きさによって作用する力は変わります。例えば、縦に生えている歯に対してねじれた力を加える、前に出ている歯を歯茎から90度の向きに動かすような力を加えることなども可能です。治療目標に応じて、最適な形状のアタッチメントが取り付けられるでしょう。
顎間ゴム(ゴムかけ)
顎間ゴム(ゴムかけ)は、歯科矯正治療において上の歯と下の歯の噛み合わせを改善するために使用されます。フック状の装置に医療用ゴムを引っ掛けるものです。
見た目の歯並びが改善されたあとに行われることが多く、機能面の改善を目的に最終仕上げとして行われます。
歯科矯正では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの状態も重要視されます。歯並びが美しくなっても、食事中に顎に痛みを感じると食事が苦痛になるでしょう。このようなケースにおいても、顎間ゴムは重要な役割を果たすのです。目安ですが、1日20時間ほど装着します。
ゴムの種類と用途を表にまとめました。
<顎間ゴムの種類と用途>
ゴムの種類 | 用途 |
---|---|
Ⅱ級ゴム | ・主に上顎前突(出っ歯)の症例に使用する ・上顎の犬歯と下顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が後方へ、下顎は前方へ引っ張る |
Ⅲ級ゴム | ・主に反対咬合(受け口)の症例に使用する ・下顎の犬歯と上顎の第一大臼歯にゴムをかけ、上顎が前方へ、下顎が後方へ引っ張る |
クロスゴム | ・クロスバイトやシザーズバイト(歯列が左右にずれている)に使用する ・上顎と下顎の同じ歯の頬側、舌側または口蓋側にゴムをかける |
垂直ゴム | ・上顎と下顎の歯が接触していない、開咬に使用する ・上顎と下顎の同じ歯の頬側にゴムをかけ、上下の歯を互いに垂直に引っ張る |
インビザライン治療の効果はいつ頃から実感できる?
インビザラインによる矯正治療の効果を感じるまでの期間は、個々の状況や治療計画によって異なります。インビザライン治療の効果を感じられる一般的な時期は、以下のとおりです。
初期の変化
インビザライン矯正では、1枚のマウスピースで0.25mmほどしか動かせないため、治療を開始してすぐには効果を実感できません。通常、治療開始から3~4か月程度で効果を実感できるでしょう。
中期の変化
数か月〜1年程度の途中経過時期には、歯の移動や整列が進み、より明らかな変化が感じられるでしょう。アライナーを定期的に交換することで、歯列は理想の位置へと徐々に近づきます。数か月〜1年程度経つと、歯の位置や噛み合わせの改善が明確に感じられる方が多いです。
最終的な変化
最終的な治療結果は、治療開始から1~2年後に実感できます。部分矯正や軽度の症例の場合は、早くて半年ほどです。
まとめ
インビザライン矯正で歯が動く仕組みは、歯根と骨の間にある歯根膜が関係しています。マウスピースで歯冠に力を加えることで、片側の歯根膜は引っ張られて厚みが増します。一方、押された側の歯根膜は縮んで厚みが減るので、厚みを補うために骨が形成され、引っ張られた側の歯根膜の骨は吸収されていくのです。
骨の吸収と再生のサイクルを利用して歯を動かすのが、矯正治療の仕組みです。早く動かそうと過度に力を加えると、歯根に炎症が起きて歯根吸収が起きます。歯根吸収が起きると、痛みを感じる場合や、歯がグラグラと動く場合があるでしょう。矯正治療では、適度な力を加えること、骨の吸収と再生のサイクルに合わせて歯を移動させることが非常に重要です。
インビザライン矯正では、歯を効率的に動かすためにアタッチメントや顎間ゴム(ゴムかけ)などの補助装置を使用することがあります。正しく使用することで、より早く、よりきれいな歯並びを手に入れられるでしょう。
インビザライン矯正は、1つのマウスピースで0.25mmほどしか歯が移動しません。矯正の効果を実感するまでに3~4か月ほどかかりますが、治療中の問題や後戻りのリスクを下げるために、根気強く続けましょう。インビザライン矯正について疑問や不安がある場合は、事前に歯科医師に相談してください。
インビザラインを検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人とは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
インビザライン矯正では、治療が難しい症例があります。インビザライン矯正ができない場合、ほかの治療法できれいな歯並びを目指せるため、矯正治療自体を諦める必要はありません。インビザライン矯正に必要な自己管理についての知識を身につけ、ご自身の生活スタイルと照らし合わせながらインビザライン治療を受けるかどうか検討しましょう。
今回は、インビザライン矯正ができない症例やインビザライン矯正がおすすめできない人、かわりの治療法について解説します。ご自身に合った無理のない治療法で、歯並びを整えましょう。
インビザライン矯正ができない症例とは
インビザライン矯正ができない症例は、以下の4つです。
・歯並びの乱れが重度な症例
・歯周病が進行している症例
・複数本の抜歯が必要な症例
・インプラント治療の経験がある症例
ひとつずつ解説します。
歯並びの乱れが重度な症例
歯並びの乱れが重度な場合、インビザライン矯正での治療が難しいです。具体的には、出っ歯、受け口、噛み合わせが深い状態である過蓋咬合(ディープバイト)、ガタガタした歯並びである叢生が、重度の症例として挙げられます。
例に挙げた歯並びは、治療の過程で抜歯が必要なケースが多いです。歯の移動距離が長く、平行移動が必要になります。そのため、歯を細かく動かして調整するのが得意なインビザライン矯正は不向きです。
歯周病が進行している症例
歯周病が重度の場合、インビザライン矯正だけではなく矯正治療自体が困難です。歯周病の炎症が顎の骨に広がると、歯を支える顎の骨が溶かされます。骨が溶けた状態では、歯列矯正の強い力に歯が耐えられず抜けてしまうため、矯正治療が難しいのです。また、歯の再生も起こらないため、治療完了後の正しい位置に歯を定着させることができません。
矯正治療を検討している方は、毎日の歯磨きで歯周病を予防しましょう。すでに歯周病の症状がある方は、矯正治療を希望していることを歯科医師に伝え、歯周病治療の開始してください。
複数本の抜歯が必要な症例
複数本の抜歯が必要な場合、インビザライン矯正で治療できない可能性があります。歯を複数本抜歯すると歯の移動距離が長くなるため、歯並びの微調整を得意とするインビザライン矯正は不向きとなるのです。
抜歯が必要な症例として、重度の出っ歯や叢生などが挙げられます。これらの症例では、抜歯であいた空間にほかの歯を移動させるために、長い期間が必要です。そのため、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用する、インビザライン矯正以外を選択するなどで治療する場合が多いでしょう。
インプラント治療の経験がある症例
インプラント治療の経験がある方は、インビザライン矯正が難しいとされています。
インプラントは、顎の骨に埋め込んだネジを人工歯の土台とするため、矯正力を加えても動かすことができません。歯列矯正の対象はあくまでも天然の歯なので、インプラント部分は対象外なのです。
インビザライン矯正をおすすめできない人
インビザライン矯正が向いていない人の特徴は、以下の3つです。
・決められた装着時間を守れない
・マウスピースの定期的な交換ができない
・適切な衛生管理ができない
インビザライン矯正は自己管理が必要なため、生活スタイルや性格によってはインビザライン矯正が向いていない場合があります。以下を参考に、ご自身の生活に取り入れられそうか検討してください。
決められた装着時間を守れない
インビザライン矯正は、マウスピースを1日20~22時間装着する必要があります。決められた時間を守る前提で治療計画が立てられているため、装着時間が短くなると計画どおりに歯が動きません。
食事や歯磨きの時間などは除いて20~22時間の装着が必要なため、食後は必ずマウスピースを装着する習慣をつけましょう。装着時間が守れない人、まとまった食事時間がとれずマウスピースを頻繁に取り外す人は、インビザライン矯正は向いていないといえます。
マウスピースの定期的な交換ができない
インビザライン矯正は、定期的に新しいマウスピースに交換しなければいけません。
インビザライン矯正では、1~2週間ごとにマウスピースを交換し、歯を徐々に移動させ歯並びを整えます。ご自身で交換時期を意識して新しいマウスピースへの取り替えを行い、歯科医師に歯の動きをチェックしてもらうために定期的に受診する必要があります。
マウスピースの交換や定期検診を怠ると歯の移動が遅れるため、治療が停滞するでしょう。交換時期の管理が難しい人は、インビザライン矯正よりも、歯科医師の管理のもとで進めるワイヤー矯正のほうが向いているといえます。
適切な衛生管理ができない
インビザライン矯正は、取り外しのたびにマウスピースを洗浄する必要があります。
洗浄が不十分だと、マウスピースが不衛生になり、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病治療を優先する場合が多いです。治療計画から大幅に遅れるため、食事や歯磨きのときにマウスピースを外したら必ずブラッシングを行い洗浄しましょう。
また、定期的にマウスピース専用の洗浄剤を用いて清潔に保つ必要があります。毎日の適切な衛生管理に苦手意識のある人は、インビザライン矯正は向いていないといえるでしょう。
インビザライン矯正にかわる治療法
インビザライン矯正が適応外でもかわりの方法で治療が可能なため、矯正治療を諦める必要はありません。インビザライン矯正のかわりの方法は、以下の2つです。
・ワイヤー矯正
・ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
それぞれ解説します。
ワイヤー矯正
インビザライン矯正のかわりの治療方法として第一の選択となるのが、ワイヤー矯正です。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ブラケットに通したワイヤーの力を利用して歯並びを整える治療方法です。ワイヤー矯正は歯を大きく動かせることが特徴なため、抜歯が必要な重度の叢生や重度の出っ歯などの治療にも向いています。ワイヤーでの締め付けにより、インビザライン矯正よりも強い力が加わるため、歯を早く動かせます。
しかし、ワイヤー矯正は、インビザライン矯正のように自力で装置の取り外しができません。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、クリアブラケットを選択するとよいでしょう。ワイヤーやブラケットが透明や白色になっている、目立たない矯正装置が利用できる場合があります。
ワイヤー矯正は多くの症例で治療が可能なため、インビザライン矯正ができないといわれた人も治療が可能です。
裏側矯正
ワイヤー矯正のなかに、裏側矯正という方法があります。
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。矯正装置が正面から見えないため、審美性が気になる方も治療に取り組みやすいことがメリットです。インビザライン矯正は、矯正していることが目立たないことから選択する人が多いので、かわりの治療としては適しているでしょう。
裏側矯正もほとんどの症例の治療が可能ですが、通常のワイヤー矯正よりも装置の作製が難しい傾向があります。そのため、裏側矯正に対応していない歯科医院もあります。通常のワイヤー矯正よりも治療費が高額になることも知っておきましょう。
ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
インビザライン矯正での治療が難しくても、インビザライン矯正とワイヤー矯を併用することで治療できる場合があります。歯の移動距離が長い部分はワイヤー矯正で治療し、ある程度歯並びが整ってきたらインビザライン矯正で微調整する方法です。
インビザライン矯正は、噛み合わせの調整や細かい歯の動きの調整を得意とするため、矯正初期はワイヤー矯正を行い、矯正中期〜後期にかけてインビザライン矯正に切り替える場合が多いです。ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで、見た目が気になり治療に取り組めない人も治療に取り組みやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人について解説しました。
歯並びの乱れが重度の症例や歯周病が進行している症例、複数本の抜歯が必要な症例、インプラントの治療経験がある症例では、インビザライン矯正の適応外となる可能性が高いです。また、インビザライン矯正は自己管理が必要なため、装着時間を守れない人やマウスピースの定期的な交換ができない人、衛生管理が苦手な人には向いていない治療法といえるでしょう。
インビザライン矯正にかわる治療法としては、ワイヤー矯正を選択するとよいでしょう。審美性の高い裏側矯正、ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用でも治療が可能な場合が多いです。
インビザライン矯正ができない場合は、かわりの矯正方法を利用してきれいな歯並びを目指しましょう。ストレスなく治療を進めるには、生活スタイルやご自身の性格を考慮して、自己管理できそうか検討する必要があります。ご自身に適した方法で無理せず治療を進めましょう。
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