2024.04.17

歯が作られる時期について

歯が作られる時期

妊娠7週目から10週目頃に乳歯(子どもの歯)の芽となる歯胚(しはい)が作られます。妊娠10週目くらいになると乳歯の芽がほとんど揃います。妊娠3ヶ月頃からは、永久歯(大人の歯)の芽となる歯胚が作られ始めます。
歯胚は、何年もの期間をかけて歯槽骨の中で発育して歯として口の中に生えてきます。

乳歯(子どもの歯)が生えてくる時期

最初の乳歯は、生後6ヶ月から8ヶ月頃に下の前歯から生えてきます。
この歯の名前を乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼びます。次にその隣から歯が生えてきます。その歯を乳側切歯(にゅうそくせっし)と呼びます。同じ頃の時期に、上の乳切歯が生えてきます。1歳半くらいになると、1本離れたところから奥歯の第1乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)が生えてき、2歳頃までには乳側切歯と第1乳臼歯の間に乳犬歯(にゅうけんし)が生えてきます。最後に1番後ろの第2乳臼歯(だいににゅうきゅうし)が2歳半から3歳頃にかけて生えてきます。
歯が生える時期には、お子様それぞれの個人差があるため、上記の目安から数か月遅れることも珍しくはありません。
もし、お子様の歯が生える遅れが気になる場合は、歯医者さんに診てもらうのも良いでしょう。

永久歯(大人の歯)が生えてくる時期

6歳前後の時期になると最初の永久歯となる、第1大臼歯(だいいちだいきゅうし)が奥歯の1番後ろから生えてきます。
近年では、下の乳中切歯(にゅうちゅうせっし)が先に永久歯(えいきゅうし)に生え変わる方が早い場合も多くなってきているようです。
下の前歯である中切歯(ちゅうせっし)が生えて6か月から1年経つ頃に、その隣から側切歯(そくせっし)や上の前歯となる中切歯が生え変わります。そして、その数か月後に上の中切歯の隣から側切歯が生えてきます。
9歳から12歳頃にかけて、乳犬歯が犬歯(けんし)に生え変わり、第1乳臼歯が第1大臼歯(だいいちだいきゅうし)に生え代わり、第2乳臼歯が第2大臼歯(だいにだいきゅうし)に生え代わると永久歯の歯並びが完成します。人によっては、第2大臼歯のさらに奥に親知らずと呼ばれている第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)が生える場合もあります。

なぜ大人の歯と子どもの歯があるの?

なぜ子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へ生え代わりが起こるのかというと、顔や顎・全身の成長に対応するためです。
赤ちゃんは1歳頃になると母乳や人工ミルクだけでは、栄養の摂取量が不足してしまいます。栄養価の高い固形食品の効率的な摂取に対応するためには、食べ物をよく噛んで細かくしなければなりません。そのためには、歯が必要になります。
ですが、硬く丈夫な永久歯(えいきゅうし)ができるまでに5年以上の期間がかかります。そのため、まずは小さめサイズで歯のエナメル質や象牙質といわれる組織の厚みが永久歯の半分ほどで、成長の変化と共に擦り減っていくことができる適度な硬さの乳歯(にゅうし)が生えます。この乳歯を使って、成長期前半の栄養摂取が進められます。
そして、6歳前後から12歳頃にかけて乳歯から丈夫な永久歯へと生え代わりが進み永久歯列(えいきゅうしれつ)が完成すると、大人の顎の大きさと筋肉の強さに適した永久歯の歯並びと噛み合わせが完成します。

丈夫な歯を作るための歯に良い栄養素

歯を強くする食べ物には、歯や骨を作るもとになるカルシウムやミネラルが多く含まれている、牛乳・チーズ・小魚・海藻類などがあります。
主に歯を作っている栄養素はカルシウムで、歯の土台になっているものはタンパク質で作られています。これらがうまく働くには、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンDが必要になります。歯や骨、血液を強くするためには、鉄分・マグネシウム・亜鉛などの無機質も欠かせない栄養素となります。ビタミン類は、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、他には抵抗力を高める役割があるのでしっかり摂取するとよいでしょう。

タンパク質のはたらき

歯の土台を作るために必要な栄養素がタンパク質です。歯の丈夫さや強さは、歯が作られる時期の環境や栄養により異なります。丈夫な歯を作るためには、歯の土台となるタンパク質を摂取することが重要になります。
タンパク質はアミノ酸により生成されており、体内で作られる非必須アミノ酸と食物から摂取する必須アミノ酸に分かれています。乳製品や肉類、魚介類などの動物性タンパク質は、食物性タンパク質に比べるとアミノ酸の含有バランスが優れています。

ビタミンⅮのはたらき

ビタミンDは、カルシウムの代謝や石灰質を調整する役割があります。

ビタミンDを多く含む食品

  • ・ かわはぎ
    ・ いくら
    ・ 紅鮭、白鮭
    ・ うなぎ
    ・ 鮎
    ・ しらす
    ・ きくらげ
    ・ まいたけ
    ・ エリンギ
    ・ たまご
    ・ マーガリン

ビタミンCのはたらき

歯の象牙質(ぞうげしつ)を作るために必要な栄養素は、ビタミンCになります。

ビタミンCを多く含む食品

  • ・ ピーマン
    ・ ブロッコリー
    ・ バナナ
    ・ アセロラ
    ・ ゆず
    ・ レモン
    ・ キウイフルーツ
    ・ 青汁
    ・ ハム
    ・ 海苔
    ・ いちご
    ・ 緑茶

ビタミンAのはたらき

脂溶性の混合物であるビタミンAは、骨の成長や細胞の分化に関して、とても重要な役割があります。
ビタミンAは骨の健康にとって重要で、ビタミンⅮと一緒に働くことで骨の成長の促進と調整の役割をします。他にもビタミンAh、体内のカルシウムの働きを助ける役割があります。
ビタミンAは、健康な歯を維持するために欠かせない栄養素になります。

ビタミンAを多く含む食品

  • ・ 鶏レバー
    ・ 豚レバー
    ・ 牛レバー
    ・ 鶏むね肉
    ・ たまご
    ・ 牛乳
    ・ バター
    ・ しそ
    ・ にんじん
    ・ にら
    ・ ほうれん草
    ・ 海苔
    ・ 乾燥わかめ、ひじき

まとめ

子どもの歯が作られ始まるのは、お母さんのお腹の中にいる頃からということになります。丈夫で健康な歯を作るためにも栄養バランスを考えた食事を心がけると良いでしょう。
また、歯が生えてきたら定期的に歯医者さんに通うことをおすすめします。
お口の中を健康的に保つことができますし、むし歯があった場合でも早期発見・早期治療へと繋がります。

2024.03.14

アタッチメントが外れる原因について

アタッチメントとは、歯の表面に付ける歯に近い色のコンポジットレジン(合成樹脂)の突起物のことです。歯に何も付いていない状態の場合と、歯の表面にアタッチメントが付いている状態の場合を比較すると、アタッチメントが歯の表面に付いている方が、マウスピース(アライナー)の保持力が向上され、より精密に歯を動かすことができます。

マウスピースを外しているときは、アタッチメントは歯の表面に付けるため、唇や舌が触れると、ボコボコして少し違和感がありますが、ほぼ1日中マウスピースを装着しているため、あまり気になりません。見た目も歯の色に近い色をしているため、ほとんど目立ちません。アタッチメントを付けることによって、歯に加わる矯正力を強め、効率的に歯を動かすことができます。

アタッチメントが外れる原因

アタッチメントの周りに汚れが溜まる

アタッチメントは歯の表面に付いており、歯の裏側にも付けることがあります。アタッチメントがボコボコしているため、アタッチメントの周りに汚れが溜まりやすくなり、だんだん劣化する恐れがあり、外れる原因になる可能性があります。歯磨きは、マウスピースを装着する前に、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って丁寧に磨き、口腔内を清潔にしてから、マウスピースを装着しましょう。

しかし、ゴシゴシと強く磨きすぎると、アタッチメントが外れる可能性があるので注意してください。

マウスピースの着脱方法

誤った着脱方法で行ってしまうと、アタッチメントが外れる可能性があるため、正しい方法で着脱を行うようにお願いいたします。
マウスピースを外すときは、奥歯から前歯の順番に外してください。奥歯の内側から指で引っ掛けて、奥歯を外します。奥歯が外れたら、犬歯部分から指で前歯を外してください。

無理矢理マウスピースを引っ張ったり、勢いよく外してしまうと、アタッチメントが一緒に外れてしまうことがあります。片方から無理に引っ張ろうとすると、マウスピースが変形したり、破損する可能性があるので、必ず両手で正しい外し方で行ってください。

マウスピースを装着するときは、前歯から奥歯の順番で装着してください。そして、必ず指ではめるようにお願いいたします。噛んではめてしまうと、マウスピースが変形したり、破損したりまたはアタッチメントが外れる可能性があります。
マウスピースの着脱は、歯並びのガタガタがひどい場合は、着脱が難しくなります。

しかし、着脱に慣れるまでは少し時間はかかりますが、正しい着脱方法でたくさん練習していただくと、着脱も苦にはなりません。着脱方法に関して、難しいこと・分からないことがあれば、気軽にスタッフへお声掛けしていただくか、医院へご連絡をお願いいたします。

補綴物(ほてつぶつ)(銀歯やセラミックなどの人工歯)

銀歯やセラミックなどの補綴物は、治療していない歯(天然歯)と比べて、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れやすくなります。歯科用接着剤は、歯のエナメル質に接着しやすくできているため、金属やセラミックといった補綴物は、歯科用接着剤と相性が悪く、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性があります。補綴物の歯にアタッチメントを付ける場合は、専用の接着剤を使用したり、歯の表面を粗造(そぞう)(ざらざら)にするために少し削らせていただくことがあります。また、矯正治療中は仮歯をつけていただき、矯正治療が終わった後に、補綴物をいれていただくこともあります。

食事

アタッチメントは、食事中に外れることが多いです。食事のときはマウスピースを外しているため、アタッチメントに直接接触しやすく、外れてしまうことが多いです。特に硬い食べ物や、ギシギシ噛むようなもの、粘着性のある食べ物などを食べるとアタッチメントが外れやすいです。これらの食べ物は、アタッチメントだけでなく、ブラケットやその他の矯正装置も外れる可能性がありますので控えるようにお願いいたします。

硬い食べ物

氷・飴・せんべい・りんご・フランスパン・ナッツ類・トウモロコシ 等

ギシギシ噛むもの

カルパス・ビーフジャーキー・スルメ 等

粘着性のある食べ物

キャラメル・チューイングガム・おもち 等

歯ぎしりや食いしばり、TCH

TCHとは、”Tooth Contacting Habit”の頭文字をとったものです。意味は、”上下の歯を無意識にくっつけている癖”(歯列接触癖)のことをいいます。TCHや歯ぎしり、食いしばりは、無意識のうちに起きてしまうことが多いです。皆さんは、平常の安静時に上下の歯が接触していませんか?

平常の安静時は、上下の歯は2~3㎜ほど空いているのが正常な状態であり、上下の歯が接触するのは、食事の時と会話の時だけです。特に歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯槽骨に伝わる力が大きく、それ以外にお口の筋肉や顎の関節に大きな負担がかかります。TCHや歯ぎしり、食いしばりがあると、口腔内の状態は歯が摩耗し、しみるようになったり(知覚過敏)、歯にひびが入ったり、歯が破折してしまうこともあります。

また、歯肉や歯周組織に炎症が起こり、歯周炎を進行させたり、顎の関節や筋肉に力が加わることで、顎関節症や咬筋の筋肉痛などが起こる可能性があります。そして、アタッチメントやその他の矯正装置にも影響し、外れてしまうことがあります。食いしばりや歯ぎしりを改善する方法は、唇を閉じた状態で歯を離す感覚を覚えることです。「唇を閉じて、上下の歯を離し、力を抜く」ということを意識してみてください。また、ストレスも原因の1つのため、ストレスを解消することも重要になります。

歯ぎしりや食いしばりを自覚している方は、日常生活で目に入りやすい場所(冷蔵庫・洗面台・トイレなど)に貼り紙をしておくこともいいかもしれません。歯ぎしりや食いしばり・TCHを改善することで、アタッチメントやブラケットなどの矯正装置が外れる可能性が少なくなり、知覚過敏が減少し、歯の寿命も延び、また顎の筋肉とお口の周りの筋肉の緊張やこわばりから解放されるということが報告されています。

接着不良

アタッチメントが外れる原因として、アタッチメントの接着不良があります。アタッチメントを装着する場合、アタッチメントを付けるための”アタッチメントテンプレート”というものがあります。これは、当院では医院側が使用するものになるため、患者様にはお渡しせず、こちらでお預かりさせていただいています。アタッチメントテンプレートとは、アタッチメントを歯に付けるための専用のマウスピースです。

患者様が使用するマウスピースと比べて、薄くやわらかい素材になっています。そのアタッチメントテンプレートにレジンを注入し、アタッチメントテンプレートを歯に装着し、歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、しっかり圧接した状態で光照射器を使ってレジンを硬化させます。

しかし、圧接不足やレジンの量が少ない場合、歯とアタッチメントの間に隙間ができてしまい、アタッチメントが少し浮いた状態で装着されてしまいます。そのため、アタッチメントが外れやすくなってしまいます。そして、マウスピースが浮いてしまう原因にもつながってしまう可能性があるため、レジンを適量注入し、しっかりと歯とアタッチメントテンプレートを密着させ、圧接しながらアタッチメントを装着することが大切です。

これらの原因によって、アタッチメントが外れてしまう可能性があります。
外れてしまった場合、再装着する場合があります。また、分からないことや困ったことがあれば、
当院へご連絡をお願いいたします。

2024.02.29

学校歯科健診で歯列・咬合を指摘されたら


小中学校生の保護者の皆様へ
新学期が始まると神戸市では学校歯科健診が行われます。
学校歯科健診には主に3つあります。

1.春期歯科健診 4月から6月におこなわれます。(高校は春期のみ)
2.秋期歯科健診 10月頃におこなわれます。秋期の健診では、歯列・咬合・顎関節の検査なし。
3.就学前健診 次年度入学児童について前年の11月におこなわれます。(小学校)

では、学校歯科健診とはどんなことをチェックしているかご存じですか?
気になっている保護者の方もおられると思いますので、今回は、学校歯科健診についてお話します。

学校歯科健診の目的


学校歯科健診では、児童・生徒のお口の中をみて虫歯などがないかを視診(目で見て行う診療)し、問題があった場合は健診用紙にチェックが入ります。

健診手順は、『歯肉の状態』『歯列・咬合・顎関節の状態』・『歯垢の状態』を程度によって「0」「1」「2」で判定しています。お子様が用紙を持って帰ってきたらどこにチェックが入っているか確認してみてください。

しかし、学校内での歯科健診は歯科医院での検査と違い、設備(照明や器具)時間(短時間に大勢をみる)ため、判定基準をもとにおおまかなチェックになり検査や説明は行っておりません。

始めに、学校歯科健診と歯科医院での健診の違いを簡単に説明します。

 

学校歯科健診

歯科医院での検査

対象

集団

個人

目的

今のお口の中の健康状態をみる

治療や予防処置

環境

照明や機器などなく設備上制限がある

十分な明るさの照明・専用の器具・レントゲンなどの設備が整っている

結果

スクリーニング(ふるいわけ)

確定診断

このように、歯科医院での検査とは全く異なります。

では、学校歯科健診で『歯列・咬合・顎関節の状態』の判定とチェックが入った場合どのような事か説明します。
『歯列・咬合・顎関節の状態』とは、歯並び・噛み合わせ・顎の関節等のことです。
まずは、判定基準から説明します。

判定基準

学校歯科健診での歯列・咬合の判定は、学校歯科医会による判定基準により
・異常なし=0
・定期的な観察が必要=1
・専門医(歯科医)による診断が必要=2
上記の3つに分けられます。

当院の先生も学校歯科健診の時は、この判定基準に従って行っていますが、
1 は矯正治療の対象となる不正咬合
2 は比較的重度の不正咬合
と矯正専門医として考えられております。

また、レントゲンが必要な状態(生まれつき永久歯が欠けているのか、生えてくるのが遅いのかを区別することなど)は、学校歯科健診の視診(目で見て行う診療)だけでは判断できないことをご理解ください。

お子様が学校からもらってきた検診結果に“不正咬合(歯並びに問題がある)”にチェックが入り通知されたら、あわててしまうかもしれません。

しかし、不正咬合のなかには今すぐ矯正治療をする必要がない場合もあります。小学生(成長期)の不正咬合は、最適な治療開始時期が異なるからです。不正咬合(歯並びに問題がある)にチェックがある場合は、一度、矯正治療専門の当院にご相談ください。

歯並びの相談は初回無料で行っております。今すぐに治療が必要でない場合は、最適な時期がくるまで、かかりつけの歯科医院で定期的に通院をしていただくことをおすすめしています。

学童期(小学生)は、乳歯から永久歯への生え変わりがあり、お口の中がどんどん変化します。低学年のお子様は、自分では正しい歯磨きの仕方が出来ていないことが多いので、保護者の方が丁寧に仕上げ磨きをするようにしましょう。

仕上げ磨きをしていることで、お子様のお口の中の状態を把握でき、虫歯や乳歯のグラつき、乳歯から永久歯に生え変わる時など早くに気づくことが出来ます。特に生えかけの永久歯は虫歯になるリスクが高いので、特に注意が必要です。

仕上げ磨きの際の歯ブラシの持ち方は、軽い力で磨けるペングリップ(鉛筆の持ち方)でしてあげるといいと思います。

また、中高学年のお子様をお持ちの方は、出来れば永久歯が生えそろう12才頃、小学校を卒業するぐらいまで仕上げ磨きがを行うのが理想だと思います。が、現実はなかなか難しいでしょう。お子様が嫌がらないようなら中学生になっても仕上げ磨きをしてあげてください。

嫌がるようや自分で磨いているお子様でも時々は口の中を観察してあげるといいと思います。毎日じゃなくても週に一度ぐらいでも大丈夫です。歯磨きしていると思ってもまだ上手に磨けてなかったりもします。特に中学生になると部活も始まり、学校に習い事など小学生の時と生活のリズムも不規則になり変化します。お子様も忙しくなりきちんと磨けなかったりします。

当院でも、通院されている患者様で、小学生の時はお口の中が綺麗だったのに、高学年、中学生になって急に歯茎が腫れていたり、口臭や歯石がついていたりすることに気づくことがあります。

まずは、お子様にあった正しい情報を得ること知ることが大切です。周りの人の話だけではそれぞれの症状にあった正しい情報を得るのは難しいと思いす。できましたら矯正専門の医師に相談することをお勧めします。

ふじよし矯正歯科クリニックでは、正しい情報をお伝えするために歯ならび無料相談を設けています。歯ならび無料相談で、正しい情報を得た上でどうされるか考えていただくことをお勧めします。

歯ならび無料相談は初回の方が対象になります。

2023.12.07

むし歯について

Ⅰ. むし歯とは

むし歯とは、お口の中にいる細菌が食べ物や飲み物に含まれている糖をエサ(代謝)にして作られる酸によって歯が溶けるという病気です。
むし歯の原因となる菌として、『ミュータンス菌』がよくしられています。
ミュータンス菌は、私たちが食べた物や飲み物の中に入っている砂糖をエサにして、ネバネバしている『グルカン』という物質を作ります。
グルカンは粘着力が強く、歯の表面に付着すると多くの細菌がくっつき合い大きな細菌の塊になります。この細菌の塊のことを『プラーク(歯垢)』と言います。

Ⅱ.むし歯の原因

むし歯の原因には、『細菌(ミュータンス菌)』 『歯の質』 『糖』 の3つの要素があります。
この3つの要素が重なることで時間が経過するとむし歯が発生します。

Ⅲ.むし歯のでき方

プラークとなって歯に付着したミュータンス菌が糖を分解(この事を代謝と言います)して、『酸』を作ります。
この酸が歯の表面を溶かしてしまうこと(この事を脱灰(だっかい)と言います)によって、むし歯ができます。

Ⅳ.むし歯の症状

むし歯は、進行具合や場所によって症状が異なり5つに分類されます。
むし歯が歯と歯の間や奥歯の噛み合わせのでこぼこの溝などの歯のエナメル質が脱灰し始める初期むし歯のことを『CO(シーオー)』

初期のむし歯をそのままにしていると段々と脱灰が進行して、歯のエナメル質に穴が開くこと『C1』

エナメル質の下の象牙質(ぞうげしつ)までむし歯が進行すると冷たいものがしみるようになると『C2』

さらに進行し、歯髄(しずい)まで到達すると激しい痛みを伴うと『C3』

歯髄がしんでしまうと、痛みを感じなくなることもありますが膿が溜まることで激しい痛みを伴う場合がある『C4』

また、大人になると歯肉の中の歯の根っこ(歯根)に虫歯ができることがあります。加齢や歯周病によって歯肉が下がるとエナメル質で覆われていない象牙質やセメント質が露出します。
象牙質やセメント質はエナメル質とは違ってやわらかく、酸に溶けやすいため、むし歯になってしまいやすいです。
そのため、歯の根っこの部分に磨き残したプラークや食べかすがついたままの状態が続くと虫歯のリスクさらに高くなります。

Ⅴ.むし歯の予防・対処方法

むし歯になるのを防ぐためには、

  1. ①歯磨きで食べかすやプラークをしっかり取り除くこと
    ②歯の質を強くすること
    ③食事や飲み物の取り方に注意すること

が重要なポイントになります。

① 歯磨きで食べかすやプラークをしっかり取り除くこと

むし歯予防の基本は、むし歯の原因となるプラークを残さずしっかりと取り除くことです。
特にプラークが溜まりやすいところは、

  • ・歯と歯の間
    ・歯と歯肉の境目
    ・奥歯の噛む面(でこぼこの部分)
    ・歯がガタガタになっているところ
    ・生えかわり期で背が低い歯
    ・1番奥に歯の後ろ側

お口や歯の状態に合わせて歯ブラシの当て方を工夫することが大切なポイントです。
また、歯ブラシの毛先が届きにくいところは歯間清掃用具の使用をおすすめします。歯間清掃用具とは、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシ(1本ブラシ)のことです。

② 歯の質を強くすること

フッ素を取り入れることをおすすめします。
フッ素には、歯の質を強くして再石灰化(溶けた歯のカルシウムやリンを再び歯に戻す作用のこと)を促進させます。
また、細菌の働きを弱める効果もあります。
丈夫な歯を育てるには、歯の土台を作るために必要なタンパク質や歯の石灰化のために必要なカルシウム・リン、これらがうまく働くためのビタミンなどの栄養素が必要となります。なので、バランスの良い食事を心がけてみましょう。

③ 食事や飲み物の取り方に注意すること

お口の中は、唾液(つば)の働きにより中性に保たれています。
そして、食べたり飲んだりすることでお口の中は酸性に傾き、お口の中が酸性の状態が長くなるとむし歯になりやすくなります。
そのため、だらだらと食べたり飲んだりしていると歯が酸にさらされている時間が続くのでむし歯になるリスクが高くなってしまいます。
また、食べたら歯を磨くようにしましょう。
寝ている間は唾液の出る量が少なくなるので、お口の中の細菌が増えやすく、働きが活発になります。なので、寝る前は特に丁寧に歯を磨くように心がけましょう。

④ 虫歯になりやすい食べ物と歯にいい食べ物

【虫歯になりやすい食べ物の特徴】

1 砂糖を含んでいるもの
2 歯にくっつきやすいもの
3 お口に残りやすいもの
4 ネバネバしたもの

【虫歯になりやすい食べ物の例】

・ チョコレート
・ キャラメル
・ キャンディー
・ スナック菓子
・ 清涼飲料水 (ジュースやスポーツドリンク)  など

【歯にいい食べ物の特徴】

1 砂糖が少ない・含まれていない
2 歯にくっつきにくい
3 お口の中に残らない
4 カルシウムが多く含まれている

【歯にいい食べ物】

・ チーズ
・ ヨーグルト
・ アイスクリーム
・ せんべい
・ 果物 

Ⅵ.むし歯を防ぐ『フッ素』の役割

フッ素によるむし歯予防の効果

① 歯の再石灰化(さいせっかいか)の促進

歯から溶け出してしまったカルシウム・リンの再石灰化(溶けた歯のカルシウムやリンを再び歯に戻す作用のこと)を促進します。

② 歯の質を強くする

歯の質を強くすることで、酸に溶けにくい歯を作ります。

③ 細菌による酸の産生を抑制する

プラーク(歯垢)の中の細菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑制させます。

フッ素が含まれている身近な食品

フッ素は自然界にある元素であり、魚介類・海藻類・お茶などの身近な食品に含まれています。
フッ素は、歯や骨を作るのに欠かせない役割があり、むし歯予防においても高い効果があります。

【フッ素が多く含まれている食品】
・ イワシ
・ エビ
・ 海藻類
・ お茶類

フッ素入りの歯磨き粉を使おう

歯磨き粉は、フッ素入りをおすすめします。
年齢に応じたフッ素濃度や量を使用するようにしましょう。
また、歯を磨いた後もお口の中にフッ素を残すためにうがいに水は少量で1回のみがおすすめです。
【歯の生え始め~2歳】
使用量    1~2㎜程度 (米粒程度)
フッ素濃度  900~1000ppm
【3~5歳】
使用量    5㎜程度 (グリンピース程度)
フッ素濃度  900~1000ppm
【6歳~成人・高齢者】
使用量    1.5~2㎝程度
フッ素濃度  1400~1500ppm

Ⅶ.まとめ

虫歯についてお分かりいただけましたか。
虫歯は、普段の歯磨きの仕方や食事の取り方、食べ物の内容等を気を付けることで防ぐことができます。
フッ素が含まれている歯磨き粉や食べ物を取り入れることで虫歯予防にもなります。適切なフッ素濃度を適切な分量で使用しましょう。
また、定期的に歯医者さんに行くことをおすすめします。
歯医者さんに行くことで、むし歯の早期発見にもつながります。

2023.10.18

歯ならびと寿命の関係

歯ならびが美しいと見た目が良くなることはもちろんですが、歯の健康寿命が長くなるというメリットもあります。
歯列矯正で歯ならびを美しくすることで、なぜ歯の健康寿命が長くなるのでしょう。

歯ならびと歯の寿命の関係

高齢になるにつれて歯が失われていく多くの原因は、むし歯や歯周病にあります。適切な治療を行った場合でも、むし歯や歯周病等の症状の進行具合によっては、歯の寿命が短くなってしまうことがあります。
そのため、歯の健康寿命を長くしたい!とお考えの方はむし歯や歯周病のリスクを下げるために、普段の歯みがきや歯の定期健診、早期に治療を受けるという事を徹底的に行う必要があります。
その時に、歯ならびが悪い状態だと丁寧にブラッシングを行っていてもむし歯や歯周病になるリスクを下げることが出来ません。
歯ならびが悪い状態だと歯ブラシが届きにくい所だと、プラーク(歯垢)や食べかすを全て取り除くことは難しくなってしまいます。
そのため、歯ならびが悪いと歯のトラブルが起こりやすいリスクが高くなると言えるでしょう。
このようなことを防ぐためには、歯ならびを整えて磨き残しがなくなるようなお口の環境にすることが、歯の寿命を長くするために求められます。
歯列矯正は、見た目をよくすることだけではなく、日頃のブラッシングを行いやすくするためにも重要な治療になります。

歯ならびを整えて歯の負担を軽減することで、歯の寿命を伸ばすことができる?!

歯ならびを整え、噛み合わせによる歯の負担を軽減することで歯の寿命を伸ばすことができます。
実際に歯列矯正をお悩みの患者様の中には、歯ならびの見た目の問題だけではなく、噛み合わせのことでお悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
噛み合わせが悪い状態のままだと、食べ物を噛むときに力のかかる歯が固定してしまうので負担がかかる歯が極端になってしまいます。これは、歯の寿命が短くなってしまう原因の一つになります。
そのため、特定した歯だけに負担をかけないようにするには、歯列矯正で歯ならびを整える必要があります。

歯ならびの悪さと歯の寿命の関係

①  むし歯や歯周病のリスクが高くなる

歯ならびが悪いと歯磨きがしづらく、むし歯や歯周病になるリスクが上がるため、歯を早期に失う可能性があります。
歯が重なっていたり、歯の向きが傾いて生えていると、きれいに磨いたつもりでも磨き残しが残ってしまいます。
磨き残しが溜まっていくと、むし歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)と言われる細菌のかたまりになってしまいます。
むし歯や歯周病のリスクを避けるためには、毎日の歯ブラシでプラークを落とすことが大切になります。そのため、歯ならびが整っている方が歯磨きを行いやすくなります。

② 歯や歯肉に負担がかかる

歯ならびが悪いと、噛み合わせも悪くなることがあります。
噛む時に力が均等に伝わるのではなく、一部の歯だけに力がかかり負担が大きく変わってきます。
また、噛み合わせが安定していないことで、歯ぎしりや食いしばりの原因にもなります。
そうすると、負担の大きい歯の根にヒビが入ったり、割れてしまうリスクが高くなります。
歯ならびが悪いことで健康な歯を傷つけてしまい、歯を失う可能性があります。また、噛み合わせが悪いと歯だけではなく、歯肉にも負担がかかります。場合によっては、歯周病発症している方は歯周病の進行を早めてしまうリスクがあります。

③  しっかりと噛むことができない

歯ならびが悪いと食べ物を前歯で噛みちぎったりすることや、奥歯ですりつぶすことが困難になることがあります。
何歳になっても自分の歯でしっかりと噛むためには、普段のブラッシングはもちろんですが、歯ならびを整えてくことも重要になります。

予防歯科と治療の重要性

歯の予防歯科について

歯の予防歯科とは、定期的に一般歯科(患者さまのかかりつけ歯医者)に行っていただき、むし歯や歯周病などの病気が発症していないか、悪化していないかなどを検査・治療・指導を行うことです。
普段からお口の環境を整えておくことで、歯の寿命を長くさせることにも繋がります。皆様の大切な歯が失うリスクを低くするためには、定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことを当院ではおすすめしています。

歯の予防歯科の重要性

歯の予防歯科を行うことで、むし歯や歯周病のリスクを下げることができます。
定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことで、むし歯が出来ていたとしても、早くに発見することができます。なので、悪化してしまう前に治療することができます。
歯の予防歯科を受けていることで、普段から自分のお口の環境や状況を知ることができます。なので、歯科医師や歯科衛生士から適切な歯磨きの方法などを教えてもらうことで、将来的に歯を失うリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

皆さん、8020運動をご存知ですか?

80歳で自分の歯を20本以上残そう!という運動です。
この運動は、厚生労働省や日本歯科医師から推進されています。
大人の歯は全部で、28本(親知らずは含みません)あります。
自分の歯(天然歯)が20本残っているとおいしく食事をすることができ、さらに全身の健康にも繋がります。

歯の予防歯科のメリット

①  むし歯や歯周病を早期発見、防ぐことができる

初期のむし歯は痛みがなく、自分では気付きにくいことがほとんどです。
むし歯で歯に痛みを感じた時には、かなり進行していることが多いです。
歯周病は、痛みを感じることなく進行します。
気が付いたころには歯がグラグラしているということも珍しくありません。
ですが、定期的に予防歯科に通うことでむし歯や歯周病を早期に発見することができ、早期に治療することが可能です。
また、歯周病の主な原因である歯石を定期健診で取ることにより、歯周病が進行しにくい状態を作ります。

②  健康な歯を維持することができる

歯は一度失ってしまうと、二度と元に戻ることはありません。
歯を健康な状態で長持ちさせるためには、歯を削らない・詰め物が入っていないということも大事なことです。
歯を失ってしまうと、食べることができる食べ物が減り、食事の楽しみも失ってしまいます。食事はQOL(生活の質)の向上にもつながるので、自分の歯を健康に保ちましょう。

③  見た目が美しくなる

歯科医院でブラッシングや歯石除去を行うことで、歯に付着しているプラークや歯石を取り除くことができます。
そのため、歯の表面の汚れが落ちて見た目も美しくきれいになります。

④  歯に痛みを感じて苦しむことが少なくなる

定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことで、早期にむし歯を発見することができます。
そのため、むし歯で歯が痛くなってから気が付くのではなくて済みます。

⑤  全身の病気の予防につながる

むし歯や歯周病はお口の中だけではなく、全身の病気にも関わります。
特に、高齢者の方に多い誤嚥性肺炎は、歯周病と大きな関係があります。
さらに、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼすことが分かっています。
このように、お口の中の菌は全身の病気と関わりがあるので、お口の中をきれいに保つ必要があります。

歯科治療について

歯科の治療は主に、
1, むし歯に対する治療
2, 歯の周りの組織の炎症(歯肉炎、歯周炎)に対する治療
3, 喪失した歯を補う治療(補綴)に分かれます

歯科治療の重要性

これからの歯科医療では、歯が痛くなってから治療するのではなく、お口の中の病気をあらかじめ予防することが重要視されています。
将来的なお口のトラブルを未然に防ぐことによって、生涯にわたり健康な状態を保つことができると考えられています。
生涯にわたって自分の歯で噛むことが出来るという状況が健康寿命を達成するひとつの要因になると考えられていますが、歯科治療の重要性はまだまだ認知されていないのが現状です。

まとめ

歯の噛み合わせを改善することで歯の寿命が長くなるので、年齢に関わらず歯を大切にするためにも一度歯科医院で歯ならびをチェックしてみるのも良いかと思います。
当院では、歯ならびの初回相談無料(30分)で受け付けておりますので、気になる方は是非ご予約お待ちしております。

土日診療 078-782-1182歯並び相談(初回無料)WEB予約メールお問い合わせ
一番上に戻る