コラム

2025.10.09

右?左?どっちで噛んでいる?片噛み癖ありますか?

食事をする女性

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

いつも当院のコラムを読んでいただきありがとうございます。

今回は、食べ物を噛むときの噛み癖についてお話していきます。

実は、先日、友人とご飯を食べていて対面にいる友人の口元の動きが気になりました。(職業病ですかね?つい口元や歯並びを見てしまいます笑)久しぶりに会った友人と二人で夕飯を食べに行ったのですが、食事の際に、食べる物を一口、口に入れたあと歯で噛んで食べ物をごくっと飲み込むまでの間、ずっと同じ歯だけで噛んでいました。ん?と思いしばらく会話そっちのけで口元を見ていたのですが、食べるときに前の歯を使わずに食べた物を口の中にいれたら同じ歯(友人は左側)でしか噛んでいないなぁ~。と気づいて本人に聞いてみたところ、いつも左でしか噛んでいない。両方で噛むって何?」と真顔で言われびっくりしました!どうやら、前歯は上の歯と下の歯の間に隙間があり少し開咬気味で、右側の歯は上と下の奥歯の噛み合わせがあっていないようで、食べ物をかみ砕くことができないため、気が付いたら時から何十年もずっと噛める方の左側の奥の歯で食事しているそうです。

皆さんはどうですか?

食べ物を食べる時は、全ての歯を使って食べることが基本です。前歯や犬歯をちゃんと使えていますか?おそらく無意識のうちに食べていると思いますが、友人のように、食事をする際、食べ物を噛む時に右側だけや左側だけなど、同じ方(片方)でばかり噛んでしまい食事をすることを「片噛み癖」といいます。そして、全ての歯にはちゃんと役割があります。

今回は、片噛み癖の意味とそれぞれの歯には役割がありますのでお話していきます。

片噛み癖とは

噛み癖

片嚙み癖とは、食事をする時に、食べ物を口に入れて歯で噛んで食べ物を飲み込むまで左側だけ・右がわだけなどどちらか片側の歯で噛んでいることを「片噛み癖」といいます、噛み方の癖のことを言います。

普段の食事の時に少し意識してみてください。意識にてみると噛みやすい癖があるほうで噛んでいる方が多いのではないでしょうか?

人には、利き手があるように歯にも噛みやすい癖や方向があります。右側だけや左側だけなど、いつも同じ片側だけで食事をしていると、お口の中の健康だけではなく、全身のバランスにも影響が出やすくなります。癖というのは治しにくいものですが、歯と体の健康のためにも治しておく必要がある癖です。

片噛み癖をおこす原因とは

放置された虫歯

右か左か両方の奥歯の嚙み合わせが悪い

歯の並びが(特に奥歯)悪いことで、左右の奥歯の噛み合わせにも影響がでます。歯の並びが悪いと食べるときにどうしても噛みやすい方の歯(右か左か)で毎回噛んでしまうため意識していないと片嚙みの癖になってしまいます。噛み合わせを治すには歯並びを治療する歯列矯正の治療が必要です。

被せ物がとれたままになっている

虫歯が原因で治療した歯には、銀の被せ物やCRという歯医者さんで使用される白い詰め物をして歯を修復していますが、この被せ物や詰め物が取れたままにしているとその部分に食べかすなどがつまりやすくなるため、その歯を使って食べなくなってしまいます。

例えば右側の歯の被せ物がとれていたら、健康な歯の左側で食べる癖がついてしまいます。片嚙みの癖もですが、虫歯治療をしたあとの被せ物または詰め物が取れたままにしてしまうとそこから虫歯になってしまい、さらに大きく歯を削ることになりますので、早めにかかりつけの歯科医院で治療をしてください。

虫歯を放置している

虫歯があるまま治療をせずに放置していると、歯の痛みや歯がしみたりしてきます。

痛みなどがあると人は無意識にそこを避けようとするため、痛みがない方で噛んでしまいます。初期の虫歯は痛みがないため、「虫歯で歯が痛い」というのは、かなり進行した虫歯になります。この場合も、そのままにせずに歯科医院での治療をするようにしてください。

左右どちらかに知覚過敏がある

冷たい物や熱い物を食べたり飲んだりしたときに歯がしみることがあれば、それは知覚過敏になっています。

歯がしみる事でやはり無意識にしみない方で噛んでしまう癖がついてしまいます。知覚過敏の原因は様々ありますが、知覚過敏だけであれば歯科医院でしみ止めを塗布してもらえば症状は改善します。

何らかの原因で歯が抜けたままになっている

虫歯を放置したままにしていた・重度の歯周病・外傷などで歯が抜けてしまった場合も放置していると、その部分では食べ物を噛めたりできないため噛める反対の歯でばかり噛んでしまうことになります。

歯が抜けてしまっても、今ではインプラント治療も主流になってきていますので、そのままにせずに歯科医院でご相談をしてみてください。

片噛みの癖によっておこる悪影響

顎関節症になった女性

癖になっているいつも噛んでいる側の歯がすり減ってしまう

片嚙みの癖があるといつも同じ片方の歯で噛んでいるため、その歯ばかり使いすぎてしまい歯がすり減ってしまいます。すり減る以外にも、歯に負担がかかりすぎてヒビや亀裂がはいることがあります。

いつも噛めていない歯は虫歯になりやすい

反対に噛んでいない方の歯は、食べる時の唾液の量が減ることにより、食べかすがたまりやすくなり、歯垢や歯石がつきやすくなります。歯についた歯垢や歯石は虫歯の一番の原因です。また、虫歯になりやすいことは歯周病にもなりやすくなります。

顎関節症になりやすい

食べ物を噛むことでお口の周りやお顔の筋肉を使います。いつも片側ばかりで噛んでしまう片嚙みの癖がある方は、この食べる時の筋肉のバランスが悪くなってしまうことで、顎関節症になりやすくなります。顎関節症になると、お口を開けづらくなるなど生活に支障がでることがあります。

顔や顎が歪んでしまう

片嚙みの癖が長ければ長いほど、お口の周りの筋肉やお顔の筋肉の使い方が左右非対称になるため、真正面から見たときに左右のお顔のバランスやお口元(顎)が歪んできてしまいます。口角の左右のズレや、ほうれい線の深さや長さ、目元の微妙な高さの違いなど現れることがあります。

左右のバランスが崩れ全身に影響がでる

お顔やお口元が片嚙みの癖で歪んでしまうと、全身のバランスにも影響がでます。例えば片方だけ肩こりがひどい・首の痛みや頭痛などを引き起こされます。全身の筋肉にも影響がでることもあり姿勢や歩き方が悪くなってしまうこともあります。

まとめ

まとめ

今回は、同じ片側の歯(右たけ・左だけ)でばかり噛んで食べる片嚙みの癖についてお話しました。

食事は日々の生活をする上でとても大切なことですが、つい無意識に片側でずっと食べ物を噛んでいると、毎回の食事をするたびに全身のバランスが崩れることになります。歯やお口の中だけではなく、全身の不調の原因になります。

お口の中と歯と体の健康を考えると片嚙みの癖はぜひ治してほしい癖です。もし、治療が必要な歯があれば歯科医院にいき早めに治療をするようにしましょう。