こんにちは。
神戸市垂水区にある矯正歯科専門医院のふじよし矯正歯科クリニックです。
いつも当院のコラムをご覧いただきありがとうございます。
今回は、「冷たいものが歯にしみる原因と対策について」お話していこうと思います。
普段の生活で冷たいものを口にした時、しみる・痛みを感じるといった経験をしたことはありませんか。
このような症状を感じたことがあるという方は知覚過敏を起こしている可能性が高いと考えられます。暑い季節になると、特に冷たいものを口にする機会が増えると思います。
知覚過敏について
知覚過敏とは、冷たいものを食べたり飲んだりした時・歯ブラシの毛が歯に触れた時・甘いものを食べた時・歯に風が当たった時などの場面で歯に痛みを感じる症状のことを指します。
むし歯ではない場合や歯の神経が炎症していない場合でこのような症状を感じる方は知覚過敏になっている可能性があります。
知覚過敏を引き起こす原因
まず歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。そして、エナメル質の中には象牙質という組織があります。
何らかの原因でエナメル質が薄くなってしまったことで象牙質が露出し、知覚過敏が引き起こされることになります。
知覚過敏による痛みは一瞬で治まりますが、冷たいものや甘みにあるものに触れるたび、不快な気持ちを感じてしまいます。
象牙質が露出する原因としては、歯の摩耗や咬耗が挙げられます。歯が摩耗や咬耗をする原因としては歯ぎしりなどが原因で起こります。
知覚過敏の原因について
知覚過敏の原因は主に5つ挙げられます。
① 歯の咬耗(こうもう)による知覚過敏
普段の生活で歯を使うことで、自然と歯はすり減ります。
噛むことで歯がすり減ることを咬耗といいます。個人差はありますが、歯の咬耗により知覚過敏が起こる可能性があります。
また、歯ぎしりを普段からする癖がある方や食いしばりの癖がある方は歯がすり減ってしまったり、歯にひびが入ってしまうことが考えられます。そうなってしまうと、知覚過敏の症状が出てくる可能性があります。
歯に強い力がかかることにより、くさび状欠損(=歯の根元部分が欠けてしまうこと)という症状を引き起こしてしまうリスクがあります。くさび状欠損が起きてしまうと、その部分から知覚過敏が起こることも多くあります。
② 歯肉退縮による知覚過敏
歯肉退縮とは歯肉が下がってしまうことです。
歯肉が下がることにより知覚過敏が起こる可能性は高くなります。知覚過敏の多くは歯肉が下がったことが原因といえるでしょう。
歯肉が下がることで、歯肉に覆われていた歯の根っこが露出してきます。
歯の根っこには、歯の表面には覆われているエナメル質という硬い組織の部分はありません。
そのため、エナメル質の中にある象牙質が露出した状態になってしまうことになります。そのため、歯肉が下がることで刺激を感じやすくなってしまいます。
③ むし歯治療の刺激による知覚過敏
むし歯の治療の時に、歯の表面のエナメル質の中にある象牙質という部分があるところまで歯を削った場合、どうしても歯に神経に刺激が加わってしまいます。
この時の刺激が影響して神経が、過敏になってしまうので、治療の直後は冷たいものがしみやすくなる可能性があります。
④ ホワイトニングによる知覚過敏
ホワイトニングの薬剤による刺激が原因となり、一過性の知覚過敏が起こる場合があります。施術中や施術後に起こることが多いです。
ですが、ほとんどの場合、24時間以内に知覚過敏による痛みは軽減されることが多いです。
⑤ 酸蝕症(さんしょくしょう)による知覚過敏
酸蝕症とは、酸性の食べ物や飲み物などにより、歯が溶けてしまう病気のことです。
この酸蝕症により溶けてしまった歯のことを酸蝕歯(さんしょくし)と言います。
清涼飲料水やお酢、柑橘類といった酸性の飲食物を頻繫に食べたり飲んだりしている場合や長時間お口の中に含んでいる状態が続くと、歯が全体的に溶けてしまいます。
これらの事が原因となり、エナメル質の中にある象牙質が露出してしまうことで、知覚過敏の症状を感じることがあります。
知覚過敏の対処法について
知覚過敏による対処法を5つ紹介します。
① シミ止めのくすりを塗る
歯科医院で知覚過敏による痛みを軽減するために、薬を塗ることがあります。そうすることで歯の表面に刺激が伝わりにくくなります。
こちらの対処法は、比較的軽度な知覚過敏の症状に適しているといえます。
② フッ素を塗る
フッ素を歯の表面に塗ることで歯の表面にあるエナメル質を強化し、知覚過敏による症状を和らげます。
フッ素には歯を石灰化させる働きがあるため、歯にフッ素を塗ることで知覚過敏の進行を抑制することが期待できます。
歯にフッ素を塗ることを複数回続けることで、効果が持続できます。
③ 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
知覚過敏の症状を感じ始めたら、市販で売っている知覚過敏用の歯磨き粉を使用することをおすすめします。
実際に効果を感じられたという患者さまも多数おられます。また、フッ素濃度が高いものを使用すると更に良いでしょう。
知覚過敏用の歯磨き粉を持続的に使用することで、効果が期待できます。
④ レジン(歯科用のプラスチックの材料)を使用する
歯ぎしりなどの影響で歯と歯肉の境目がくさび状になっていることをくさび状欠損と言います。
くさび状欠損は知覚過敏の原因となる可能性があります。このような場合、歯科用のプラスチック材料を詰めることで症状を軽減することが期待できます。
⑤ マウスピースを使用する
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、歯のダメージを防ぐためにマウスピースを着用することがあります。特に夜間の装着を勧められる場合が多いです。
⑥ 神経を抜く
知覚過敏の症状がひどく、他の治療方法では改善が見られない場合や日常生活に支障が出てしまう場合は、最終的に神経を抜く治療を行うこともまれにあります。
神経を抜くことで、知覚過敏の症状は治まりますが、歯の感覚も失ってしまうため慎重に歯科医師と話し合い、相談する必要があるでしょう。
まとめ
知覚過敏の症状や原因、また、知覚過敏になった場合の対処法についてお分かりいただけましたか。
もし、知覚過敏の症状が長引いている場合や痛みがだんだんと強くなってきていると感じたら、一度歯科医院を受診することをおすすめします。