コラム

2025.06.20

歯磨きをするタイミングと正しい歯磨きの仕方②

歯磨きをする女性
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者の「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

前回は、歯磨きをするタイミングについてお話しましたが、今回は、正しい歯磨きの仕方についてお話していきます。「毎日、歯磨きをしているのに虫歯になってしまう」・「歯茎が下がったような気がする」・「しっかり歯磨きをしているのに歯周病が悪化している」などありませんか?

これらは、毎日歯磨きをしていても磨き方が間違っていると、歯には磨き残している部分が出来てしまい、磨き残しの部分に汚れがたまり歯垢になってしまいます。歯磨きでの磨き残しは、虫歯や歯周病の一番の原因になりますので、しっかりと正しい方法での歯磨きを行うことが大切です。

虫歯になりやすい箇所と歯垢(汚れ)がたまりやすい箇所

歯垢が貯まりやすい箇所

正しい歯磨きの仕方とは何か?この話をする前に、まずは、歯のどの部分に食べた物のカスや汚れ(歯垢)がつきやすいのか、虫歯になりやすい箇所を知っておきましょう。知っておくことで意識して磨けるようになります。

1.歯と歯の間の隙間
2.奥歯の咬合面の溝(噛む面)
3.歯と歯茎の境目(特に前歯の表と裏側)
4.歯並びがガタガタしているところ
5.生えかけの永久歯

正しい歯の磨き方

正しい歯磨きの様子

1.歯ブラシの毛先のあてかた

歯磨きをするときは、歯ブラシの毛先を歯や歯茎に強く押し当てないようにしましょう。毛先を強く当ててしまうと毛先が歯の表面で寝てしまい歯と歯茎の境目が磨けなくなります。歯ブラシの毛先を歯にあてたときに毛先が歯と歯茎の境目にあて、軽く傾斜(45度ぐらい)をつけて毛先を境目に軽くあてて磨きましょう。

2.歯ブラシの毛先は濡らさない

歯磨きをする際に、歯ブラシの毛先を水にくぐらせ濡らしてから歯磨きをつけて歯磨きを始める方がおられますが、水で濡らしてしまうと歯磨きをしている時にお口の中が泡立ってしまい短い時間なのに歯を磨いた感じがしてしまいます。なので、歯磨きをするときは、歯ブラシを水で濡らさず乾いた状態のままで歯磨き粉をつけ歯を磨くようにしましょう。

3.歯ブラシは軽い力で持つ

歯ブラシの持ち方を意識したことはありますか?手をグウにして手のひらの力を使っていませんか?手のひら握って持ってしまうと力が強くなってしまいます。よく「歯ブラシは鉛筆持ち」と言われますが、歯ブラシは鉛筆を持つように親指・人差し指・中指の三本で持つのが正しい歯ブラシの持ち方です。指三本で持つと軽い力しかかからず、歯と歯茎に負担がかからず、歯茎が下がってしまう歯肉退縮や知覚過敏を防ぐ効果もあります。電動歯ブラシをお使いの方は、指三本では持てず手のひらでしか持てないため無意識に力が入りすぎてしまいます。電動歯ブラシの毛先を強く歯や歯茎にあてすぎないように普段から意識するようにしましょう。

4.歯ブラシの毛先は小刻みに動かす

歯磨きをしている時に毛先を大きく動かすと、歯と歯の間の隙間に毛先が届かずに磨き残しの原因になってしまいます。歯を一つ一つ丁寧に磨くには、歯ブラシを小刻みに優しく動かすと、歯と歯の隙間や歯茎との境目も磨きやすくなり、汚れや歯垢を落とし虫歯や歯周病防ぐことができます。

5.歯磨き粉の量

歯磨きをするときに、歯磨き粉を必ずお使いだと思いますが、量はどれくらい出していますか?歯磨き粉の量は少なくても多すぎても実は意味がありません。適量は、歯ブラシの毛先の半分ぐらいです。歯磨き粉の量が少なすぎると、歯磨き粉に含まれている成分(フッ素など)が発揮されずただ毛先で磨いてるだけになってしまいます。逆に歯ブラシの毛先の端から端までたっぷりと歯磨き粉をだしてから歯を磨くと、お口の中で早くに泡立ってしまい短い時間しか磨いていないのに泡と唾液がお口の中いっぱいになってしまい磨けていない歯もある状態で磨いた気になってしまいお口をゆすいでしまいます。磨けていない歯があるとそこには歯垢が取れず残ったままになり、虫歯や歯周病の原因になります。

6.歯磨きをする歯の順番

正しい歯磨きの仕方には順番があります。お口の中(上・下・右・左)の4つに分けて磨いていきます。

1:右上の奥歯の外側(頬のほう)から右上の前歯の外側(唇のほう)まで磨く
2:右上の奥歯の内側から右上の前歯の内側(舌のほう)まで磨く
3:左上の奥歯の外側(頬のほう)から左上の前歯の外側(唇のほう)まで磨く
4:左上の奥歯の内側から左上の前歯の内側(唇のほう)まで磨く
5:右下の奥歯の外側(頬のほう)から右下の前歯の外側(唇のほう)まで磨く
6:右下の奥歯の内側(舌のほう)から右下の内側(舌のほう)まで磨く
7:左下の奥歯の外側(頬のほう)から左下の前歯の外側(唇のほう)まで磨く
8:左下の奥歯の内側(舌のほう)から左下の前歯の内側(舌のほう)まで磨く
9:最後に咬合面(噛む面)とくに奥歯は複雑な溝があるのでしっかり磨く

7.歯ブラシの毛先の硬さ

いつもお使いの歯ブラシの毛先の硬さは何をお使いでしょうか?「やわらかめ・ふうつ・かため」などの種類がありますが、しっかり丁寧に歯磨きをする場合には、毛先がやわらかめの歯ブラシが適しています。毛先が硬いと歯茎を傷つけてしまうこともあります。とくに歯茎下がりや歯周病の方は、やわらかめで毛先が細い歯ブラシでゆっくりと優しく歯と歯茎の境目を磨くと良いです。

8.歯ブラシと歯間ブラシとフロスの違い

歯ブラシと併用してお使いいただきたいのが、歯間ブラシとフロスです。歯間ブラシとフロスの違いですが、歯間ブラシは歯と歯の間の根本に隙間(ブラックトライアングル)がある方がお使いいただくと隙間に歯間ブラシがはいり歯ブラシでは届かない部分(隙間)の歯垢を絡みとってくれます。歯間ブラシにはサイズが多いためご自身の隙間にあった歯間ブラシを使うことで歯茎を傷つけることなく歯垢を除去できます。フロスは歯間ブラシよりもかなり細いため、歯と歯の間に隙間がない方や奥歯や前歯の間の歯垢を絡みとります。歯ブラシと一緒に使うことで、虫歯や歯周病のリスクをかなり減らすことができるのでぜひお使いください。

9.歯磨きは時間より磨き方が重要

歯磨きで一番重要なのは、「磨き方」です。例えば10分かけて歯磨きをしていても、磨き方が間違えていると歯ブラシが届いていない場所があるとその部分には歯垢がたまりやすくなります。歯ブラシは縦磨きと横磨きの向きと歯ブラシの毛先の角度が重要です。

10.歯磨きをしすぎるのはダメ

正しく丁寧に歯磨きができていれば、歯磨きをしすぎることはないと思いますが、硬い毛先の歯ブラシで力強く歯磨きを続けていると、歯茎下がりの原因になってしまいます。また、電動歯ブラシをお使いの方は、使用時間を守って歯や歯茎に強くあてすぎないように気をつけるようにしましょう。

11.歯磨き後のお口のすすぎ方

歯磨きをしたあとにお口をお水ですすぐと思いますが、そのお水の量はもしかしたら多すぎるかもしれません。今、発売されている歯磨き粉にフッ素が配合されている商品が多いのですが、歯磨き後に多くのお水ですすいでしまうと歯に付着したフッ素の成分がお水と一緒に流れてしまいます。なので、歯磨き後は、大さじ1ぐらいのお水の量を口に含んで軽く吐き出すぐらいが適量です。

歯磨きが出来ないときは?

キシリトールガム

食後や外出中などで歯磨きができない時は下記の方法を試してみてください。何もしないよりも虫歯や歯周病のリスクが軽減します。

1.食事の後にお水を飲む
2.うがいをする
3.キシリトールのガムを食べる

まとめ

まとめ

今回は、正しい歯磨きの仕方についてお話しました。毎日行う歯磨き、正しく出来れば虫歯も歯周病も未然に防ぐことができます。歯磨きは日頃に癖が出やすいので、自分ではしっかりと磨いていると思っていても歯科医院に行くと磨き残しを指摘されることも多いです。ぜひ、かかりつけの歯科医院で定期的な検診をしてみてください。