コラム

2023.11.24

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮くのはなぜ?装着し続けてはいけない理由と対処法

こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。

インビザライン治療

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療は従来のワイヤー矯正と異なり、マウスピースを用いて歯を動かす治療です。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による歯科矯正は、口元の見た目を気にせずに矯正できるため、接客業・営業職など人前に出る仕事に従事する方から非常に人気です。

しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いた状態で装着を続けていると、理想どおりの歯列は手に入りません。矯正のやり直しが必要になり、時間や経済的な負担が増加することもあるでしょう。

今回は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正の失敗を防ぐため、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く理由や、浮いたまま装着するリスク、浮いたときの対処法を解説します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮くのはなぜ?

インビザラインに対する疑問イメージ

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正効果を十分に得るためには、マウスピースを正しく装着しなければなりません。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が歯にしっかりフィットしていることが重要です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く理由を確認しましょう。

歯の移動が進んでいない

一部だけが浮く場合は、該当部分の歯のみがうまく移動していない可能性が考えられます。口腔内の状態は人によって異なるため、予測どおりにすべての歯が移動するとは限りません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が歯から2mm以上浮く場合は、速やかに歯科医院に相談しましょう。

アタッチメントを装着していない

前歯は、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮きやすいです。理由としては、見た目が悪くならないように計画的にアタッチメントを装着しないことが挙げられます。アタッチメントによる固定がないため、安定しにくいのです。

前歯部分のマウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く場合は、アタッチメントの装着を検討するとよいでしょう。必要に応じて前歯にアタッチメントを装着すると、浮きは改善されることが多いです。

マウスピースを交換した

新しいマウスピースに交換したタイミングは、浮きなどの違和感を覚えやすいでしょう。マウスピースは実際の歯列から少しずれて設計されているためです。

数日中に改善されますが、正しく装着しているのにずれが改善されないときは、歯科医院に相談してください。

また、歯を噛み締めた際に奥歯が沈み込み、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)と歯の間にすき間が生じて浮くことがあります。奥歯は噛み合わせの際に強い負荷がかかるので、調整が必要になる場合もあるでしょう。

装着時間が足りていない

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着時間は、1日20〜22時間です。食事・歯磨きの時間以外は装着して過ごさなければなりません。

装着時間が歯科医師の指示より短い場合、計画どおりに歯が移動せず、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く原因になるでしょう。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の装着時間が短いと、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いて歯が計画どおりに移動せず、治療期間が延びる可能性もあります。指示された装着時間は必ず守りましょう。

変形・破損している

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、基本的に弾力性のあるシリコン素材で作られています。1日に何度もマウスピース型矯正装置(インビザライン※)の着脱を繰り返すと、柔らかいシリコン素材が変形する可能性があるでしょう。

変形するとしっかり装着できなくなるので、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く原因になります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)は、歯ぎしりなどでも破損することがあります。完全に割れることは少ないですが、ひびが入ることはあるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が破損すると、口の中を傷つける可能性があるため注意してください。無理に再使用することは避けましょう。予定していない方向に力がかかり、歯が誤った位置に移動する可能性があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いたまま装着し続けてはいけない理由

インビザラインが浮くのを放置するのはNG

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いたまま装着し続けてはいけない理由は、以下のとおりです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く状態が1週間以上続く場合は、歯科医院に相談しましょう。

計画どおりに歯が移動しない

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による矯正治療では、1〜2週間に1回の頻度でマウスピースを交換します。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮くなど、しっかり圧力がかかっていなければ歯は移動しません。

歯が移動していない状態でマウスピースの交換を続けると、浮きが悪化します。最悪の場合、矯正治療をやり直さなければならなくなるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いたまま装着し続けると、理想の歯並びにならない可能性が高いです。

歯並びが悪くなる

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮いたまま装着し続けると、想定外の方向に歯が移動して歯並びが悪くなることがあります。治療計画の修正やマウスピースの追加が必要になり、経済的な負担が増加するかもしれません。

口腔内が傷つく

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が大きく浮く場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)の縁が口腔内を傷つける恐れがあります。痛みを伴うだけでなく、炎症がひどい場合は矯正治療を中断しなければならないでしょう。

マウスピースを外している時間が長くなると、歯がもとの位置に戻る後戻りが起こります。後戻りが起こってマウスピースを装着できなくなると、再製作が必要になるでしょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮くときの対処法

インビザラインの相談をする男性

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く場合、まずは原因を見極めることが重要です。軽い浮きであれば、歯の移動が進めば改善されるので過度な心配は必要ありません。

しかし、変形・破損などが原因である場合、矯正計画に支障をきたすので速やかに取り替える必要があります。リスクを最小限に留める対処法を確認しましょう。

チューイーを使用する

チューイーは、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)をしっかり歯に装着するための補助具です。弾力性のある棒状のシリコンで、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)装着後に噛むことで歯との密着度を高めます。

チューイーは使い捨てではなく、複数回使用できます。概ね7〜10日で交換するのが一般的です。

歯科医院やネット通販で数百円程度で購入できるので、使用を検討してください。

1枚前のマウスピースに戻す

歯の浮きが気になっても歯科医院をすぐに受診できない場合、1枚前のマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を使用する方法があります。矯正計画どおりに歯が移動しない場合、新たなマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を装着した際に浮きが悪化するためです。

浮きが大きく歯に圧がかかっていないようであれば、1枚前のマウスピース型矯正装置(インビザライン※)を使用してもよいかもしれません。歯科医師と相談して検討しましょう。

治療中の歯科医院に相談する

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)そのものに問題がある場合は、作り直しが必要となります。正しい装着を続けても浮きが気になる際は、速やかに歯科医院に相談してください。

浮く部位のみをワイヤー矯正によって補強できる歯科医院もあります。一時的な審美性の問題など妥協できるのであれば、治療計画どおりの矯正に戻すことが可能です。

まとめ

マウスピースとケース

歯科矯正は、長い時間・費用がかかるため、誰もが失敗したくないと考えるでしょう。

しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン※)を正しく使用していても、さまざまな原因で歯から浮く可能性があります。1mm程度の浮きであれば、過度に心配する必要はありません。

新しいマウスピース型矯正装置(インビザライン※)に交換したときは浮きやすいです。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮くときは、装着時にチューイーを使用する、1枚前のマウスピースに戻すなどして対処しましょう。1日20〜22時間装着していれば、数日で改善されることが多いです。

浮きが極端に大きい場合は、無理に装着することは避けてください。歯に過度な負担がかかり、想定外の方向に移動する可能性があります。

1週間以上装着しているのに改善されない場合は、歯科医院に相談してください。マウスピース型矯正装置(インビザライン※)が浮く場合は適切に対処し、理想の歯並びを手に入れましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン※)による治療を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。