コラム

2023.06.23

大人の矯正について

いつから始めればいいの?大人の矯正治療

「矯正治療はいつ始めればいいんですか?」「大人になってからでも矯正治療は間に合うんでしょうか?」など、矯正治療の始めるタイミングについての質問がよく寄せられます。
矯正治療は子どもが行うイメージがあると思います。
「大人から矯正治療を始めることはできるの?」と不安に感じている方も多いと思いますが、大人の方でも矯正を始める方が増えてきています。
今回は大人の矯正について、治療の開始時期・治療方法(種類)・メリット・デメリットについてお話していきたいと思います。

治療の開始時期は?

「大人から歯科矯正を始めるのは遅いのかな」と思っている方はいると思いますが、歯科矯正に年齢の制限はありません。ガタガタの歯を治したい方や歯ならびをきれいにして口元の印象を良くするためや虫歯・歯周病の予防のために矯正を始めている方も大勢います。
人と日常的に話す職業の方や、矯正装置が目立って気になるという方でも、透明のマウスピース型の矯正装置など「目立たない矯正装置」を使って矯正することもできます。
まずは、歯並びでお悩みの方は気軽にふじよし矯正クリニックにご相談ください。
矯正治療は見た目だけでなく、歯の健康を維持するうえでも大切な治療です。
歯並びをきれいに整えるためにも、大切な歯を病気から守るためにも、矯正治療を一度ご検討ください。

矯正治療の種類

マルチブラケット装置を用いた矯正(以下ワイヤー矯正)

もっとも一般的な矯正治療方法になります。歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かします。ワイヤー矯正といえば、銀色の金属製のブラケットに銀色のワイヤーのイメージがあると思いますが、当院では、前歯から小臼歯までを透明のプラスチック製のブラケットを使用しています。ワイヤーも銀色と白色のワイヤーがあります。
白いワイヤーとは、銀色のワイヤーの表面を白色にコーティングした目立たないワイヤーになっています。

メリット

・適応する範囲が広い
マウスピース型矯正装置を用いた矯正治療(以下マウスピース矯正)と比べて適応する幅が広く、マウスピース矯正では難しい症例でもワイヤー矯正では治療できる可能性があります。

・細かい調整ができる
マウスピース矯正と比べて細かい調整をすることで効率よく歯を動かすことができます。

・取り外す手間がない
ワイヤー矯正はマウスピース矯正と違って常に歯に装置がついているので、取り外すという行為がないため、装置を無くすこともありません。

デメリット

・装置が目立ちやすい
マウスピース矯正や歯の裏側に装置を付ける舌側矯正に比べて、歯の表面にブラケットやワイヤーを付けるため目立ちやすくなってしまいます。

・虫歯や歯周病になるリスクが高まる
ワイヤー矯正は取り外せないので、どうしても歯ブラシの毛先が届かず装置の周辺に汚れが溜まりやすくなってしまいます。汚れが残っていると虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、歯ブラシ以外にブラケット周りやワイヤーの下など汚れが溜まりやすいところは、ワンタフトブラシや歯間ブラシを使用し、丁寧に磨いたり、定期的なメインテナンスを受診することが大切です。

・痛みがある

口の中に矯正装置が入り、歯が動き始めると痛みを感じます。
痛みは個人差がありますが、3日から1週間くらいで治まります。

・装置が外れることがある
ワイヤー矯正は固定式ですが、くいしばりや歯ぎしり、粘着性のある食べ物や硬い食べ物などを食べると装置が外れてしまう可能性があります。
装置が外れて付け直すのを後回しにしてしまうと、その部分だけ矯正力が加わらず、後戻りや歯の動きが遅くなり、矯正治療期間が長引いてしまいます。
装置が外れた場合は、付け直しが必要になりますので、早めのご連絡をお勧めします。

・高価
白いワイヤーは、通常の金属のワイヤーに白いコーティングをしているため、金属のワイヤーよりも価格が高くなっています。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、薄く透明なカスタムメイドで作られたマウスピースを一定時間装着することによって、歯を動かして歯並びを治す矯正治療です。
当院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を導入しています。

インビザラインとは、1997年にアメリカのアライン・テクノロジー社によって開発された薄く透明なマウスピース型矯正装置です。
1日22時間装着することが必須で、1週間から2週間に1回のペースでマウスピースを交換することで、歯を動かしていきます。

*完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

メリット

・目立ちにくい
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて目立ちません。矯正治療をしたくても目立つ矯正装置に気が進まず一歩踏み出せなかった方も、マウスピース矯正ならやってみたいと希望される方もいます。

・取り外しができる

マウスピース矯正は、食事と歯磨きの時は装置を取り外すことができます。取り外せることにより、歯磨きが治療開始前と同じようにできます。
しかし、装置を取り外せるということはメリットでもありデメリットにもなり得ます。
ワイヤー矯正の場合、24時間365日歯に矯正力が加わるため、しっかり通院していただければ治療は進みます。
マウスピース矯正の場合は、取り外すことはできますが、マウスピースを装着しなければ治療が進みません。装着時間は1日24時間以上の装着が必要になります。食事後すぐに歯磨きをしてマウスピースを装着すれば問題はありませんが、だらだら食いや装着時間を守らなければ、治療計画通りに歯は動かず、マウスピースが適合しなくなってしまいます。
その結果、治療期間が長引いてしまいますので、マウスピースの装着時間をしっかり守ることが重要になります。

・清掃性がよい

マウスピース矯正は取り外すことができるので、歯磨きが通常通り行うことができます。
ワイヤー矯正では、装置を外すことはできないので、装置の周りを磨くのに時間がかかってしまいます。その結果、歯磨きの困難さが虫歯のリスクを高めてしまいます。
しかし、マウスピース矯正では歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを使用することができます。治療中に歯が動くと歯と歯の間に隙間ができ、今まで挟まらなかったところに食べ物が挟まります。このような場合でも、フロスや歯間ブラシを使用することができるので、虫歯のリスクを抑えることができます。

・金属アレルギーの方でもできる
マウスピース型矯正装置は金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

デメリット

・歯並びによっては対応できない場合がある
患者様の歯並びによっては、マウスピース矯正のみでは治療できないケースがあります。

・患者様自身がマウスピースを管理しなければならない
マウスピース矯正は決められた時間や交換する期間などを守らなければ、歯は動かずマウスピースが合わなくなってしまいます。
また、マウスピースを紛失・破損したというトラブルも多くあります。
自宅でマウスピースをティッシュに包んでいると間違えて捨てられてしまったり、飼い犬に噛まれて破損してしまう、さらに外出中や旅行中に紛失するケースもあります。
マウスピースを紛失・破損してしまった場合は、再製作する必要があるので、その分治療期間が長引いてしまいます。
このような自宅・外出・旅行など、さまざまな紛失・破損の原因になる場所や状況が多くありますので、十分に注意していただき、マウスピースを外した際はすぐに専用のケースに入れる癖をつけることが重要です。

・装着中の水以外の飲食ができない

マウスピースを装着しているときは、飲食は原則できません。
マウスピースを装着して食事をすると、マウスピースの中に汚れが溜まって虫歯になるリスクが高まります。また飲み物も制限されます。水分は水で摂ることをお勧めします。

砂糖が入っている飲み物や砂糖の入っていない炭酸飲料も口の中を酸性にするので、虫歯のリスクを高めます。砂糖の入っていないお茶は虫歯のリスクを高めることはありませんが、マウスピースに茶渋や汚れが付きやすくなります。その他、コーヒーや紅茶などの色の濃い飲み物はマウスピースに着色がついてしまうので、装置をつけているときは水のみになります。
水以外を飲まれる際は、マウスピースを外してから飲むようお願いします。
飲んだ後は、歯磨きやお口をゆすぐなどをしてからマウスピースを装着することが大切です。