インビザライン矯正中の食事で気を付けること!食後のケア方法も解説
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
インビザライン矯正は、歯列矯正のひとつで透明の薄いマウスピースを装着して歯並びを整えていきます。目立ちにくく審美性を保ちながら歯並びを整えることができるため、選択する方が増えている治療法ですが、インビザラインの取り扱いで注意することのひとつに食事があります。
今回は、インビザライン矯正中の食事で気をつけることや食後のケア方法をご紹介します。
インビザライン矯正中マウスピースをつけたまま食事できる?
インビザライン矯正では、マウスピースを装着したまま食事はしないようにしましょう。
ただし、水や炭酸水などは装着したままとっても問題ありません。マウスピースを装着したまま食事をすると以下の3つのリスクが高まるため、必ずマウスピースを外してから食事をしましょう。
虫歯や歯周病になるリスクが高くなる
マウスピースを装着したまま食事をすると、マウスピースと歯のすき間から食べカスが入り込んでしまいます。通常、歯の表面に汚れが付着した場合、唾液の殺菌作用や再石灰化作用によって虫歯や歯周病を防ぎます。
しかし、マウスピースを装着していると歯の表面に唾液が行きわたりにくく、細菌の活動が優位に働いてしまうリスクが高いでしょう。
インビザライン中に虫歯になり、虫歯の治療をするとマウスピースが合わなくなることがあります。虫歯や歯周病の原因は歯の表面に残る汚れです。食事の際はマウスピースを外して、汚れが残らないようにすることが大切です。
破損の原因となる
噛む力は男性で60kg、女性で40kgといわれています。
インビザラインのマウスピースは0.5㎜ほどの厚みしかないため、マウスピースをつけたまま食事をすると、噛む力に負けて割れたり欠けて破損したりする原因となるでしょう。破損したマウスピースを修復することは難しいため、治療計画に支障がでる可能性があります。
マウスピースが着色する
マウスピースを装着したまま食事すると、飲食物の色がマウスピースについてしまう原因となります。特に、カレーやコーヒーなど歯に色がつきやすいものは、マウスピースにも色がつきやすいです。
透明で目立たないマウスピースが着色してしまうと審美性が大きく損なわれてしまうため、食事の際はマウスピースを外しましょう。
インビザライン矯正中に飲食可能なもの
マウスピースを取り外していれば飲食の制限はほぼありません。ワイヤー矯正と異なり、矯正前と変わらない食生活ができる点はインビザライン矯正の大きなメリットといえるでしょう。
ただし、インビザライン矯正直後や新しいマウスピースに変えて痛みや違和感などの症状があるときは、負担のかからない、やわらかい食事に変更するなどの工夫が必要となります。
インビザライン矯正中に飲食をひかえたほうがよいもの
インビザライン矯正中は、食事の制限はありませんが、硬い食べ物や粘着性のある食べ物はひかえましょう。
インビザラインは、歯に弱い力を加えて歯並びを整える治療法です。歯と骨の間には歯根膜(しこんまく)とよばれる組織があります。矯正治療中は歯根膜が敏感な状態となるため、刺激に対して敏感です。硬い食べ物や粘着性のある食べ物は歯根膜に強い刺激が伝わるため、痛みなどのトラブルにつながる可能性があります。
インビザライン矯正中の食事に関する注意点
インビザライン矯正中は、食事の際に注意すべき点があります。インビザライン矯正中における食事の注意点は、以下のとおりです。
・飲食する際はマウスピースを外す
・自己管理をしっかり行う
・飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する
以下、それぞれ解説します。
飲食の際はマウスピースを外す
飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高まり、破損や着色の原因となります。間食はもちろん、飴やガム、水分補給をする際も外す必要があります。
インビザラインの効果を十分に得るためには、1日20~22時間以上マウスピースを装着するように指示されるケースが多いでしょう。間食が増えると装着時間も短くなってしまうため、間食はなるべくひかえましょう。
自己管理をしっかり行う
飲食の際に外したマウスピースは、専用のケースに入れて保管しましょう。外食の際に、ペーパーナプキンに包んだまま誤って処分してしまった方は少なくありません。
万が一、マウスピースを紛失してしまうと治療計画どおりに歯が移動せず、治療期間が長くなったり追加費用がかかったりするリスクがあります。飲食の際は、マウスピースを専用のケースに入れる習慣をつけましょう。
飲食後のマウスピースのつけ忘れに注意する
マウスピースは、飲食の際にかならず外す必要があります。飲食の際、外したまま長期間マウスピースを装着せずに過ごすこともあるでしょう。
しかし、マウスピースを外している時間が長くなると、1日に必要な装着時間に満たなくなる場合があります。
インビザラインは、十分な効果を得るために必要な装着時間が決められています。インビザライン矯正できれいな歯並びを手に入れるためには、歯科医師の指示をしっかり守ることが大切です。飲食後は歯磨きをして、すみやかにマウスピースを装着しましょう。
食後のケア方法
インビザライン矯正中は、食後にどのようなケアを行えばよいのか疑問を感じている方も少なくないでしょう。インビザライン矯正中の食後のケアは、マウスピースと口内のケアが必要不可欠です。以下、マウスピースと口内のケア方法をご紹介します。
マウスピースのケア方法
飲食後は外したマウスピースをすみやかに装着しなくてはいけません。
ただし、取り外したマウスピースは、流水下で洗ってから装着しましょう。外した際に洗わずそのまま装着すると、唾液や汚れが石灰化し、マウスピースが汚れたり、においが発生したりするリスクがあります。
清潔な状態を保つためにも、外した際に洗浄する習慣をつけることが大切です。マウスピースを洗う際は、水か人肌程度のぬるま湯で洗いましょう。お湯を使用するとマウスピースが変形するリスクがあります。
また、こすり洗いをするときは、指か歯ブラシを使用して優しく洗い流します。研磨剤の入った歯磨き粉を使用すると、マウスピースに細かな傷がつくリスクが高いです。傷ついたマウスピースは、雑菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、歯磨き粉は使用せずに洗浄しましょう。
口内のケア方法
飲食後マウスピースを装着する際は、なるべく歯磨きを行ってから装着しましょう。
飲食後は、歯の表面に食べカスなどの汚れが多く残っている状態です。不衛生な環境のままマウスピースを装着すると、唾液が行きわたらない分、細菌の活動が優位に働き、虫歯や歯周病のリスクが高くなるでしょう。
虫歯や歯周病は、歯の表面の歯垢(プラーク)が原因で罹患します。インビザライン矯正中において、歯ブラシはもちろん、デンタルフロスや糸ようじなどの清掃用具も併用して、磨き残しのない清潔な口内を保つことがポイントといえるでしょう。
インビザライン矯正中に虫歯の治療を行うと、マウスピースが入らなくなるトラブルが起こるリスクが高まります。治療期間や費用の負担が増えてしまうため、しっかり口内をケアすることが大切です。
まとめ
インビザライン矯正中は、飲食する際はマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、虫歯や歯周病のリスクが高くなり、マウスピースの破損や着色の原因となります。治療計画の遅れやマウスピースの再作製などの影響がでる可能性があるため、飲食の際はマウスピースを外して保管する習慣をつけましょう。
飲食後はすみやかにマウスピースを装着する必要がありますが、口内とマウスピースをしっかりケアしてから装着することが大切です。歯ブラシやフロス、糸ようじなどを使用して口内の汚れをしっかり落とし、マウスピースは流水下で洗浄して清潔な状態にしてから装着します。はじめは面倒に感じますが、時間の経過とともに慣れてくるため、ふだんどおり食事を楽しむことができるでしょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人とは?
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
インビザライン矯正では、治療が難しい症例があります。インビザライン矯正ができない場合、ほかの治療法できれいな歯並びを目指せるため、矯正治療自体を諦める必要はありません。インビザライン矯正に必要な自己管理についての知識を身につけ、ご自身の生活スタイルと照らし合わせながらインビザライン治療を受けるかどうか検討しましょう。
今回は、インビザライン矯正ができない症例やインビザライン矯正がおすすめできない人、かわりの治療法について解説します。ご自身に合った無理のない治療法で、歯並びを整えましょう。
インビザライン矯正ができない症例とは
インビザライン矯正ができない症例は、以下の4つです。
・歯並びの乱れが重度な症例
・歯周病が進行している症例
・複数本の抜歯が必要な症例
・インプラント治療の経験がある症例
ひとつずつ解説します。
歯並びの乱れが重度な症例
歯並びの乱れが重度な場合、インビザライン矯正での治療が難しいです。具体的には、出っ歯、受け口、噛み合わせが深い状態である過蓋咬合(ディープバイト)、ガタガタした歯並びである叢生が、重度の症例として挙げられます。
例に挙げた歯並びは、治療の過程で抜歯が必要なケースが多いです。歯の移動距離が長く、平行移動が必要になります。そのため、歯を細かく動かして調整するのが得意なインビザライン矯正は不向きです。
歯周病が進行している症例
歯周病が重度の場合、インビザライン矯正だけではなく矯正治療自体が困難です。歯周病の炎症が顎の骨に広がると、歯を支える顎の骨が溶かされます。骨が溶けた状態では、歯列矯正の強い力に歯が耐えられず抜けてしまうため、矯正治療が難しいのです。また、歯の再生も起こらないため、治療完了後の正しい位置に歯を定着させることができません。
矯正治療を検討している方は、毎日の歯磨きで歯周病を予防しましょう。すでに歯周病の症状がある方は、矯正治療を希望していることを歯科医師に伝え、歯周病治療の開始してください。
複数本の抜歯が必要な症例
複数本の抜歯が必要な場合、インビザライン矯正で治療できない可能性があります。歯を複数本抜歯すると歯の移動距離が長くなるため、歯並びの微調整を得意とするインビザライン矯正は不向きとなるのです。
抜歯が必要な症例として、重度の出っ歯や叢生などが挙げられます。これらの症例では、抜歯であいた空間にほかの歯を移動させるために、長い期間が必要です。そのため、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用する、インビザライン矯正以外を選択するなどで治療する場合が多いでしょう。
インプラント治療の経験がある症例
インプラント治療の経験がある方は、インビザライン矯正が難しいとされています。
インプラントは、顎の骨に埋め込んだネジを人工歯の土台とするため、矯正力を加えても動かすことができません。歯列矯正の対象はあくまでも天然の歯なので、インプラント部分は対象外なのです。
インビザライン矯正をおすすめできない人
インビザライン矯正が向いていない人の特徴は、以下の3つです。
・決められた装着時間を守れない
・マウスピースの定期的な交換ができない
・適切な衛生管理ができない
インビザライン矯正は自己管理が必要なため、生活スタイルや性格によってはインビザライン矯正が向いていない場合があります。以下を参考に、ご自身の生活に取り入れられそうか検討してください。
決められた装着時間を守れない
インビザライン矯正は、マウスピースを1日20~22時間装着する必要があります。決められた時間を守る前提で治療計画が立てられているため、装着時間が短くなると計画どおりに歯が動きません。
食事や歯磨きの時間などは除いて20~22時間の装着が必要なため、食後は必ずマウスピースを装着する習慣をつけましょう。装着時間が守れない人、まとまった食事時間がとれずマウスピースを頻繁に取り外す人は、インビザライン矯正は向いていないといえます。
マウスピースの定期的な交換ができない
インビザライン矯正は、定期的に新しいマウスピースに交換しなければいけません。
インビザライン矯正では、1~2週間ごとにマウスピースを交換し、歯を徐々に移動させ歯並びを整えます。ご自身で交換時期を意識して新しいマウスピースへの取り替えを行い、歯科医師に歯の動きをチェックしてもらうために定期的に受診する必要があります。
マウスピースの交換や定期検診を怠ると歯の移動が遅れるため、治療が停滞するでしょう。交換時期の管理が難しい人は、インビザライン矯正よりも、歯科医師の管理のもとで進めるワイヤー矯正のほうが向いているといえます。
適切な衛生管理ができない
インビザライン矯正は、取り外しのたびにマウスピースを洗浄する必要があります。
洗浄が不十分だと、マウスピースが不衛生になり、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。虫歯や歯周病になると、矯正治療を中断して虫歯や歯周病治療を優先する場合が多いです。治療計画から大幅に遅れるため、食事や歯磨きのときにマウスピースを外したら必ずブラッシングを行い洗浄しましょう。
また、定期的にマウスピース専用の洗浄剤を用いて清潔に保つ必要があります。毎日の適切な衛生管理に苦手意識のある人は、インビザライン矯正は向いていないといえるでしょう。
インビザライン矯正にかわる治療法
インビザライン矯正が適応外でもかわりの方法で治療が可能なため、矯正治療を諦める必要はありません。インビザライン矯正のかわりの方法は、以下の2つです。
・ワイヤー矯正
・ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
それぞれ解説します。
ワイヤー矯正
インビザライン矯正のかわりの治療方法として第一の選択となるのが、ワイヤー矯正です。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ブラケットに通したワイヤーの力を利用して歯並びを整える治療方法です。ワイヤー矯正は歯を大きく動かせることが特徴なため、抜歯が必要な重度の叢生や重度の出っ歯などの治療にも向いています。ワイヤーでの締め付けにより、インビザライン矯正よりも強い力が加わるため、歯を早く動かせます。
しかし、ワイヤー矯正は、インビザライン矯正のように自力で装置の取り外しができません。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、クリアブラケットを選択するとよいでしょう。ワイヤーやブラケットが透明や白色になっている、目立たない矯正装置が利用できる場合があります。
ワイヤー矯正は多くの症例で治療が可能なため、インビザライン矯正ができないといわれた人も治療が可能です。
裏側矯正
ワイヤー矯正のなかに、裏側矯正という方法があります。
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。矯正装置が正面から見えないため、審美性が気になる方も治療に取り組みやすいことがメリットです。インビザライン矯正は、矯正していることが目立たないことから選択する人が多いので、かわりの治療としては適しているでしょう。
裏側矯正もほとんどの症例の治療が可能ですが、通常のワイヤー矯正よりも装置の作製が難しい傾向があります。そのため、裏側矯正に対応していない歯科医院もあります。通常のワイヤー矯正よりも治療費が高額になることも知っておきましょう。
ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
インビザライン矯正での治療が難しくても、インビザライン矯正とワイヤー矯を併用することで治療できる場合があります。歯の移動距離が長い部分はワイヤー矯正で治療し、ある程度歯並びが整ってきたらインビザライン矯正で微調整する方法です。
インビザライン矯正は、噛み合わせの調整や細かい歯の動きの調整を得意とするため、矯正初期はワイヤー矯正を行い、矯正中期〜後期にかけてインビザライン矯正に切り替える場合が多いです。ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで、見た目が気になり治療に取り組めない人も治療に取り組みやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、インビザライン矯正ができない症例とおすすめできない人について解説しました。
歯並びの乱れが重度の症例や歯周病が進行している症例、複数本の抜歯が必要な症例、インプラントの治療経験がある症例では、インビザライン矯正の適応外となる可能性が高いです。また、インビザライン矯正は自己管理が必要なため、装着時間を守れない人やマウスピースの定期的な交換ができない人、衛生管理が苦手な人には向いていない治療法といえるでしょう。
インビザライン矯正にかわる治療法としては、ワイヤー矯正を選択するとよいでしょう。審美性の高い裏側矯正、ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用でも治療が可能な場合が多いです。
インビザライン矯正ができない場合は、かわりの矯正方法を利用してきれいな歯並びを目指しましょう。ストレスなく治療を進めるには、生活スタイルやご自身の性格を考慮して、自己管理できそうか検討する必要があります。ご自身に適した方法で無理せず治療を進めましょう。
歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
どちらがおすすめ?インビザラインとワイヤー矯正を徹底比較!
こんにちは。神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」です。
矯正治療を検討する際、インビザラインとワイヤー矯正のどちらがよいか悩む方も多いでしょう。矯正治療を選ぶ際はメリットだけでなく、デメリットや費用、治療期間など、さまざまなポイントを比較して検討することが重要です。
今回は、インビザラインとワイヤー矯正をポイントごとに比較して解説します。それぞれの治療法がどんな人におすすめかもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインとは、マウスピースを使って歯並びを整える矯正治療です。1日20〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換して治療を進めます。透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることを他人に気づかれることは少ないでしょう。好きなタイミングで取り外しができるため、食事や歯磨きの際も負担なく過ごせます。
インビザラインのマウスピースは、1枚で最大0.25mmしか歯を動かせません。マウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かす矯正治療なので、違和感や痛みが出にくいこともメリットのです。
ただし、インビザラインは患者様自身でマウスピースを管理しなければ、うまく治療が進みません。マウスピースの装着時間が20時間よりも短かったり適切な時期にマウスピースを交換していなかったりすると、理想的な歯並びにならない可能性があるのです。
また、インビザラインは、歯並びの乱れが比較的軽度な場合に適した矯正治療のため、歯並びの乱れが重度なケースや抜歯が複数本必要なケースなどには対応できないことがあります。
ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正とは、固定式の矯正装置を使って歯並びを整える矯正治療のことです。歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して歯に力をかけ、歯並びを整えます。
ワイヤー矯正は、矯正治療の中で最も歴史のある治療法で、歯科医院だけでなく大学病院でも行われるほど症例数が豊富です。抜歯や外科処置が必要な難症例にも対応できるため、インビザラインよりも幅広い方が治療を受けられることがメリットです。
歯の表面に矯正装置を固定するので歯の1本1本に力がかかりやすく、歯並び全体を大きく動かせます。効率的に矯正できるため、インビザラインよりも治療期間が短い場合もあるでしょう。
ただし、歯に強い力がかかるため、違和感や痛みが出やすいといわれています。矯正装置は取り外せないため、食事の制限や歯磨きのしづらさを感じる方が非常に多いです。
インビザラインとワイヤー矯正の比較表
インビザラインとワイヤー矯正を比較して解説します。
<インビザラインとワイヤー矯正の比較>
矯正方法 | インビザライン | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
見た目 | 透明で目立たない | 金属部分が目立つ |
痛み | 少ない | 出やすい |
治療期間 | 部分矯正:2か月~1年以内 全体矯正:2~3年 |
部分矯正:3か月~1年 全体矯正:2~3年 |
費用 | 部分矯正:200,000~600,000円 全体矯正:600,000~1,000,000円 |
部分矯正:300,000~700,000円 全体矯正:600,000~1,700,000円 |
適応症例 | 少ない | 多い |
食事制限 | なし | 一部あり |
歯磨きのしやすさ | しやすい | しにくい |
それぞれを詳しく解説します。
見た目
矯正治療中の見た目が気になる方には、インビザラインが適しているでしょう。
インビザラインは、薄くて透明なマウスピースを使用するため、目立つことはありません。
ワイヤー矯正の場合、歯の表面にブラケットやワイヤーを固定するため、目立ちやすいといえます。
ワイヤー矯正でも、歯の裏側に矯正装置を固定する裏側矯正や、上の歯は裏側に、下の歯は表側に矯正装置を固定するハーフリンガル矯正を選べば、ワイヤー矯正でも目立ちにくくできるでしょう。歯の表側に矯正装置を固定する表側矯正でも、セラミックなどのブラケットやホワイトワイヤーを選べば、目立ちにくくできます。目立ちにくい素材や矯正方法を選ぶと、その分費用が高くなる傾向にあるので注意が必要です。
痛み
インビザラインは、マウスピースを何枚も交換することで歯を徐々に動かすため、違和感や痛みが出にくい矯正治療といえます。使用するマウスピースは薄くて滑らかなため、お口の中を傷つける心配がなく、口内炎もできにくいでしょう。
ワイヤー矯正は、歯の1本1本に力をかけて、歯並び全体を一気に動かせることがメリットですが、その分、違和感や痛みが出やすいといえます。歯の表面に矯正装置を固定するため、不快感をおぼえる方や装置が擦れて口内炎ができる方もいるでしょう。
治療期間
インビザラインもワイヤー矯正も、全体矯正にかかる期間は約2~3年と大差はありません。
しかし、ワイヤー矯正は、インビザラインよりも歯に力をかけやすいため、治療期間が短くなる症例もあるでしょう。
インビザラインは、歯並びの乱れが軽度な場合に適した治療法です。部分矯正や歯並びの乱れが軽度な場合、ワイヤー矯正よりも治療期間が短い場合があります。通院頻度に関しては、ワイヤー矯正は歯科医師による調整が必要なため、月に一度は通院しなければいけません。インビザラインは患者様自身で治療を進めるため、2か月に一度の頻度で通院するのが一般的です。
矯正治療にかかる期間は、矯正の種類だけでなくもともとの歯並びの状態に左右されます。実際にどのくらいの期間が必要になるか知りたい場合は、歯科医師に相談しましょう。
費用
矯正治療にかかる費用は、矯正方法だけでなく、部分矯正か全体矯正かによっても異なります。
ワイヤー矯正には、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類があり、目立ちにくい方法を選ぶほど費用が高額になるでしょう。例えば、表側矯正の費用相場は600,000~1,000,000円でインビザラインと変わりませんが、目立ちにくい裏側矯正は1,000,000~1,500,000円で表側矯正の1.5倍といわれています。また、ワイヤー矯正でセラミックやジルコニアのブラケット、ホワイトワイヤーを選ぶと、その分追加で費用がかかるので注意が必要です。
ワイヤー矯正とインビザラインを比較すると、インビザラインのほうが費用が安いことがわかります。インビザラインは、歯並びの乱れが軽度な場合に適しているので治療の難易度が低い場合が多く、ワイヤー矯正よりもリーズナブルに治療ができるといえるでしょう。
ただし、インビザラインは、使用するマウスピースの枚数によって費用が変わります。マウスピースの追加や作り直しが必要になると、予定していた費用よりも高くなる可能性があるので注意しましょう。
適応症例
ワイヤー矯正は、治療実績が豊富な矯正なので、抜歯や外科処置が必要になるケースなど、難しい症例にも対応できます。インビザラインと比較すると、幅広い方が治療を受けられることがメリットです。
インビザラインは、歯を水平移動させることが苦手なため、歯並びの乱れが重度なケースや歯の移動距離が長いケースには適しません。
ただし、抜歯が必要な歯並びでも、インビザラインで治療できるケースもあります。どちらの矯正方法が適しているかは歯並びの状態によって異なるので、一度歯科医院で相談しましょう。
食事制限
インビザラインは、自分の好きなタイミングでマウスピースを取り外せます。マウスピースを取り外して食事できるため、食事制限はありません。矯正治療中でありながら、ふだんどおり食事を楽しめるでしょう。
ワイヤー矯正は、固定式の矯正装置なので、装置が外れる可能性がある食べ物を避けなければいけません。ガムやキャラメルなどの粘着性があるものは避けてください。また、繊維質の野菜やキノコ類、細い麺類などは、矯正装置に挟まりやすいため注意が必要です。
歯磨きのしやすさ
ワイヤー矯正は、矯正装置を取り外せないため、歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。特に、歯と歯の間は歯ブラシが入りにくいため、歯間ブラシやタフトブラシを使用して磨きましょう。
マウスピースを取り外せるインビザラインは、ワイヤー矯正と比較すると歯磨きしやすいといえます。ふだんどおり歯を磨けるため、虫歯や歯周病のリスクが低く、清潔な口内を保てるでしょう。
インビザラインがおすすめの人
インビザラインがおすすめの人は、以下のとおりです。
・矯正治療中の見た目が気になる人
・人前で話す機会が多い人
・通院回数を少なくしたい人
・自己管理ができる人
インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中であることが周囲に気づかれにくいです。自分の好きなタイミングでマウスピースを取り外せるため、見た目が気になる人に適しています。人前に立つ機会が多い職業や接客業に従事する人にも向いている矯正治療といえるでしょう。
インビザラインは1日20〜22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで治療を進めます。患者様ご自身がマウスピースを管理するため、通院回数が少ないメリットがありますが、マウスピースの装着時間や交換時期を守れなければ理想的な歯並びになりません。マウスピースをしっかりと自己管理できる人は、インビザライン矯正が向いているでしょう。
ワイヤー矯正がおすすめの人
ワイヤー矯正がおすすめの人は、以下のとおりです。
・歯並びの乱れが重度な人
・抜歯が必要な人
・歯科医師の判断で治療を進めてほしい人
・自己管理が苦手な人
ワイヤー矯正は、インビザラインよりも幅広い症例に対応できます。ガタガタした歯並びや出っ歯だけでなく、抜歯や外科処置が必要な難しい症例にも対応できることがメリットです。インビザラインで治療が難しい歯並びの人は、ワイヤー矯正が向いているでしょう。
ワイヤー矯正は、治療の経過を診ながら歯科医師の判断によって歯並びを整えます。インビザラインのように自分で管理する必要がないので、自己管理が苦手な人や歯科医師に任せて治療を進めたい人に適しています。
まとめ
インビザラインは、透明なマウスピースを使用しているため、矯正治療を受けていることが目立たないことが最大のメリットです。好きなときに取り外せるため、食事や歯磨きをふだんどおり行えることもメリットでしょう。
しかし、マウスピースの管理ができないとうまく治療が進まない、治療できない歯並びがあるなどのデメリットが存在します。
ワイヤー矯正は、歯に矯正装置を固定して歯並びを整える方法です。1本1本の歯に力がかかりやすいため、重度の歯並びの乱れや抜歯が必要な症例など、幅広い方が治療を受けられます。
ただし、インビザラインと比較すると、矯正装置が目立つ、違和感や痛みが出やすいなどのデメリットがあります。
矯正方法を選ぶ際は、メリットやデメリット、必要な費用、治療にかかる期間などを比較して検討しましょう。
歯科矯正を検討されている方は、神戸市垂水区にある歯医者「ふじよし矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。